官房長官の記者会見テキスト(2011年3月14日5時15分から21分間)

計画停電の実施について

枝野官房長官:計画停電を実施するに当たって、国民の皆様にお願いを申し上げます。昨晩、菅総理がお話ししましたように、東京電力管内において、今朝から計画停電を実施いたします。東京電力管内の皆様には、大変、ご不便をおかけいたしますが、何卒、節電にご協力をお願いをいたします。なお、計画停電は、計画区域内において、電力供給が止まる可能性があるということです。したがって、計画区域内でも電機が使えることもあり得ます。逆に、電気が使えるからと言って、計画停電が行われていないわけではありません。東京電力管内の国民の皆さんのご協力により、計画停電の実施時間や対象地域を少なくすることが可能になります。国民の皆さんの力を合わせて、ご努力いただきますようお願いを申し上げます。今回の計画停電については、周知期間が短く、対象となる人口が非常に多いこともあり、開始に当たって、若干の混乱も予想されます。こうした中、人工呼吸器をお使いの方々など、停電により支障の生じる患者さんなどもおられます。その対応にも万全を期しておりますが、そうした方々のご不便をできるだけ軽減するためにも、東京電力管内の国民の皆様の節電へのご協力が必要です。本日は、計画停電の初日であり、特に立ち上がりの午前中は、計画停電区域以外の皆さんにも、徹底した節電をお願いをいたします。不要不急の外出を控えるなど、徹底して電力の使用を控えていただきたいと思っております。東京電力からは、大口需要者に対する協力の依頼も行っておりますが、国民の皆様の最大限のご協力が不可欠であります。是非とも、今から、節電を始めてください。何卒よろしくお願い申し上げます。

記者:日本テレビのヒラモトですけれども、節電を開始するに当たって外出を控えるようにと言葉がありましたけど、出社とかですね、学校の通勤や通学そういったもので自粛の要請というものを政府の方から行うということはあるんでしょうか。

枝野官房長官:この趣旨に沿ったなかで、既に大口の電力需要者の皆さんには東京電力から協力の依頼を進めていただいております。そうしたなかで、最大限の対応を政府としてもお願いを申し上げますし、政府からの直接のお願いもさせていただきたいと思っております。

記者:あと今人工呼吸器を使っている方など、支障を生じる患者の方にも対応に万全を期してると今おっしゃいましたけども、どういった対応をして万全を期していると認識何でしょうか。

枝野官房長官:現在、厚生労働省を通じて、医師の方々、訪問介護ステーションの皆様、こうしたどこの患者さんがこうした支障の生じる恐れがあるかと、いうことを把握をして、そうした皆さんを通じて、個々の患者さんに周知をし、そしてその対応をお願いを致しているところであります。

記者:あと、すみません、若干の混乱も予想されるとありましたけれども、一連の対応を巡ってですね、東京電力の対応に不備が多いという指摘があります。特にホームページにアクセスできなかったりであるとか、周知の時間が短かったりなど、こういった東京電力の対応について官房長官としてどのような考えを持っているでしょうか。

枝野官房長官:この間の経緯については、国民の皆さんに様々なご負担をおかけしているいうふうに思っております。一方で現時点で大口の需要者の皆さんに対する働きかけをはじめとして、努力も進めていただいている。国民の皆さんの不便を最小化をするために更なる徹底した努力を東京電力にお願いをしているところであります。

記者:産経新聞のオダですけど、停電なんですけど、実施の期間は今のところ目途ではどのようになっているのでしょうか。まずはこの計画停電をしっかりと実施をすること、そのことによるご不便を最小化すること、そのことによって無計画、無秩序な停電を防ぐこと、今、内閣としても、東京電力としても、そのことに万全を尽くしている段階であります。

記者:そうすると今のところの目途はまだわからないっていう。

枝野官房長官:現時点では、まずは不測の停電が生じることの無いよう、なおかつそうしたなかで国民皆さんお掛けするご不便を最小化するよう、特に本日の立ち上がり、特にその午前中のスタートの時点、最大限の節約、節電をお願いすることによって、この対応をまずはしっかりと進めていく、そのことに全力を注いでおります。

記者:あと、産経新聞のオダですけど、電車がストップすることによって交通渋滞も考えられると思うのですけど、渋滞に当たって呼びかけることはありますでしょうか。

枝野官房長官:先ほどありました通り、不急の外出をお控えをいただくこと、それは外出先での電力の消費等とも関係を致します。まさにできるだけ不要の外出を避けていただく、自動車による外出も避けていただく、そうしたことで、こうした混乱を最小化させたいと思っておりますので、そうした意味でのご協力もお願いをしたいと思っております。

記者:日本テレビのヒラモトですけど、ちょっと個別な話になりますけれども、特に東京都周辺の電車の状況、これから朝通勤しようという方、国民の方、多いと思うんですけども、電車は動いているんですか、通勤はできるんでしょうか今の状況で。

枝野官房長官:わたくしが今、申し上げさせていただいた国民へのお願いの趣旨、同様の趣旨で、東京電力から大口の需要者の皆さんに対しての協力のお願いをいたしております。またそれぞれの鉄道会社においてもこの計画停電の実施にあたっての混乱等を回避するためのそれぞれのご判断をして頂いている。いうふうに思っております。

記者:ということは電車の会社のなかでも停電を受けて運行を中止する会社も出てきているということでしょうか。

枝野官房長官:もう既に、本日の午前中は運休する、あるいは本日のある時間まで運休する。こうした鉄道事業者が出ていることの報告は受けております。

記者:そういった情報は国民はどこで確認すればよろしいでしょうか。

枝野官房長官:これは、できるならば電池によるラジオによることが電力を最小化するという意味で一番効果大きいわけでありますが、最小限の情報はテレビを使って、あるいはネットを使ってということもやむをえないこともあろうかと思います。その場合もできるだけこまめに電源を落としていただいて、節電を最大化していただきたいとお願い申し上げます。

記者:共同通信のシモダです。大口の需要者への働きかけとかですね、まあ不要の外出を控えていただくということなんですけど、なかなか周知徹底できなくてですね、朝駅に着いたら動いてないと、不要、不急といってもまあ仕事だといったときに、大変な混乱が予想されると思うんですけど、経済活動や社会活動へのこうした混乱に対して政府はどういうふうに対応する

枝野官房長官:先ほどのわたくしからの冒頭のお願いにも申し上げました通り、人工呼吸器をお使いの方々をはじめ、この停電の実施にあたって支障の生じる患者さんも少なからずおられます。もちろん万全を期してはおりますが、こうした皆さんへのご負担を最小化する。今、政府として最優先しなければならないのは、このことだと思っております。そうしたなかではもちろん駅等での混乱を防止をするための最大限の措置を今取り組んでいるところでございますが、是非このわたくしの会見メッセージを多くの皆さんお知りをいただき、メディアの皆さんにはお伝えをいただき、こうした状況を前提として、不要不急の外出をこの立ち上がりの本日は、特に午前中はできるだけ回避をしていただけますようお願い申し上げます。

記者:長官、テレビ朝日のコバヤシですが、まだ先のことは決まっていないと思うのですが、今日の段階で仮に出勤する人が出社したとして、帰れるのかどうか。例えば夕方帯のその電車の状況についても運休ということが有り得るのかどうか、その辺について。

枝野官房長官:鉄道の運休そのものについては、それぞれの鉄道事業者の皆さん、ご協力をお願いして、それぞれのご判断でもう既に周知の活動を始めて頂いているところでございます。したがって一般論としては申し上げることは出来ません。

記者:産経新聞のオダですけど、停電をする理由なんですけど、これは福島第一原発の事故によるものということでよろしいでしょうか。

枝野官房長官:今回の地震と津波によって、当該発電所に限らず火力発電所等も含め、多くの発電所が現在使用できない状況になっております。そのために電力の供給能力が落ちております。この供給能力を超えて、電力が消費をされるということが無計画になされますと、どこかわからない状況で急な停電が起こると、このことこそがまさに様々な国民の皆様の生活に影響を与える。このことを回避するための計画停電になります。

記者:その様々な火力発電所も含めて、多くの発電所が使用できないということなんですけど、それはいくつくらいになるかというのは把握されているでしょうか。

枝野官房長官:今、わたくしは具体的な数字を持っておりませんが、この計画停電を実施をしなければ、そして皆さんの節電のご協力を頂かなければ、予想される供給量と予想される需要との間に問題が生じるとこういう状況でございます。

記者:読売新聞ヨシムラですけれども、電力不足はかなり早い段階から指摘されていたと思うんですが、最終的な発表が昨夜の遅くなってからと、いうこの判断があまりにも遅かった思うのですが、そのあたりどのようにお考えになりますか。

枝野官房長官:この間、できるだけ早く、具体的な対応を準備してそれが整い次第、国民の皆さんに周知を果たしていただきたいと、いうことは電力会社に対しても要請をしてきておりました。ここは具体的な計画の内容と、そしてその準備と、そしてできるだけ早く周知をするということとの兼ね合いのなかで、東京電力からのお申し出が昨日のあの発表のタイミングになるところであったということでございます。しかしさらにその後、万全の対応を取るための措置をこの夜も徹夜で東京電力をはじめ政府においても進めているところであります。

記者:今後の件なんですが、国公立の学校について文部科学省から、例えば休校するとかそういうことについては指示出された。

枝野官房長官:現在、この計画停電を実施するにあたっての国民の皆さんへのお願いの趣旨を踏まえ、文部科学省に限らず全省庁で具体的な対応を進めていただいております。

記者:毎日新聞のヨシワラです。具体的な対応というのを教えていただけませんか。

枝野官房長官:それは今まさにわたくしが発表させていただきました。ほぼ同時に各省においてこの対応に基づいて、最大限の節電をしていただく、いうことについていま取り組んでいただいてるところでございます。

記者:産経新聞のオダですけど、別件でよろしいでしょうか。福島第一原発の件なんですけど、3号機の燃料棒についてはどうなっているのか現状を教えてください。また1号機も共に露出したままじゃないかという報道あるんですけれども、これの事実関係はどうなってるのでしょうか。

枝野官房長官:まずこの間、この計画停電、しっかりと立ち上げて、実施をしていくということでその取り組みを徹夜でやってきております。そしてこれについて国民の皆さんにそのスタート前にしっかりとこうしたお願いを皆さん通じて周知をさせていただく必要がまさに安全安心の観点から不可欠であるということで、この会見をさせていただいております。いまご指摘の点については、当然担当の部局のところが責任を持って状況を把握いたしておりますが、この会見までの間にわたくしのところに報告することが必要な事象は生じていない。いうふうに思っております。

記者:日本テレビのヒラモトですけれども、先ほど支障が出る事例として人工呼吸器を使っている方の例を例示されましたけれども、他にですね支障が出ることが予想されて、既に政府として対策を出しているものがあればご紹介いただけますか。

枝野官房長官:まさに多種多様にわたっておりまして、網羅的に挙げることは出来ません。例えば、まさに鉄道事業者の皆さんに対するお願い等の対応、これは電力が届かないことで運行に支障をきたす。その場合はさらに安全に支障をきたす可能性があるということで、計画停電の内容、それに沿って万全を期した対応をお願いしている。と同時にこの計画停電しっかりとできるだけ国民の皆さんの不便負担を少なくしてスムーズに入っていくために最大限の節電をお願いしている。こういった取り組みをほぼあらゆる省庁のあらゆる関係のところに関してこの間お願いをしてきているところでございます。

記者:産経新聞のオダですけど、原発の件なんですけど枝野官房長官が日夜、連日一生懸命取り組まれているのは十分存じているんですけど、これだけ国民の関心が高く、危険性が高い状況なのである程度の時間経ったら報告をいただきたいと思うのですがその点はいかがでしょうか。

枝野官房長官:この間も、適宜必要な情報はまず特に様々な具体的なデータ等については、その所管である保安院の方から公表をさせていただいていると思っております。わたくしからは特に国民の皆さんに政府全体のメッセージとして、お伝えすべき内容がある場合にわたくしの方から発表させていただき、その質疑に対応させていただいております。今夜午前0時真夜中の段階で、今の段階で定期的な状況としてわたくしからお伝えするような必要のある情報はわたくしのところにはあがっていないということであります。

記者:●●、今の件に関連してなんですが、官房長官これまで放射線量については●●細かくされていただいたと思うのですが、今後放射能の絶対量について官房長官から発表されるご予定とかあるのでしょうか。

枝野官房長官:わたくしが何を具体的に発表するのか、ということについてはまさに政府として国民に皆さんにお伝えすべきメッセージ、として必要なことについて対応させていただいてきておりますし、今後もそうしてまいりたいと思います。具体的な数値等についてはこの問題に限らず、基本的、原則的にはそれぞれあらゆる省庁があらゆる対応を行って、それに関する様々な数字を掲げておりますので、基本的には所管の省庁からこの件については保安院になるかと思いますが、中心にして対応させていただきたい思っております。

記者:先ほど片山総理大臣と会われていたと思うんですけど、この計画停電について助言をされたと大臣おっしゃっているんですが、具体的にどのような内容だったのでしょうか。

枝野官房長官:このわたくしが申し上げた内容につきましては、まさに政府として内閣としての責任として取りまとめ、メッセージとして発信させていただきました。これの周知にあたりましては放送関係の皆様をはじめとして、地方公共団体、あるいは通信事業社はじめとして、多くの皆さんのご協力をいただきませんと、このメッセージは国民には届きません。そのことに当たって様々なご助言もいただきました。

司会:よろしいでしょうか。

記者:ブルーバードニュースのフジワラと申します。先ほど大口需要のところにお願いをするとありましたが、例えばどんなところにお願いをする。

枝野官房長官:これは東京電力の責任において、東京電力の契約相手方である。大口の需要者の皆さんにお願いをしているということで報告を受けております。個別詳細は公表できるとすれば、東京電力からされるかというふうに思いますが、相手先との契約関係に基づいてお願いをしているとございますので、具体的なお願い先については東京電力のご判断かと思っております。ただ政府の立場としては、あらゆる大口の需要者の皆さんを含め、国民全ての皆さんに可能な最大限の節電をお願いを申し上げます。

司会:よろしいですか。

枝野官房長官:ありがとうございました。