官房長官の記者会見テキスト(2011年3月25日11時46分から29分間)

【冒頭発言】

官房長官: まず、私の方から大きく3つ御報告を申し上げます。本日は定例の閣議がございました。閣議の概要は一般案件等11件、そして、政令・人事が決定されました。大臣発言として、環境大臣から「自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質の総量の削減に関する基本方針の変更について」、総務大臣から「消費者物価指数について」発言がございました。

また、この閣議に先立ちまして、3回目になります「電力需給緊急対策本部」を開催いたしました。この会合におきましては、経済産業大臣より、東京電力管内における計画停電の実施状況と今後の電力需給の見通し等について、報告がありました。それによれば、現時点の見通しでは、本年夏の需要ピーク時には、少なくとも1,000万kWを超えるような電力需給ギャップ、全体の需要から考えると、2割前後の供給力不足が生じる恐れがあるという状況でございます。こうした中、計画停電にできる限り頼ることなく、需給ギャップを埋める方策を検討すること。具体的には、供給力の拡大に最大限努力するのは当然として、需要面において、産業・業務部門の事業活動のあり方や国民の生活様式まで踏み込んだ、抜本的な対策を早急に検討することといたしまして、関係省庁、関係業界との連携、相談を含めて、早急に進めていただくようお願いをいたしました。今後は本部の下の幹事会で実務的な検討を行いつつ、随時、本部会合を開催しまして、4月中を目途に、本年夏に向けた電力需給対策をとりまとめる予定でございます。

 3点目、福島第一原発から20km、30kmの屋内退避地域の状況についてでございます。昨夜、原子力災害現地対策本部を通じ、屋内退避指示の対象となっている区域の市町村長に対し、住民の皆さんへの生活支援の促進等についてお願いをいたしました。その内容を申し上げます。福島第一原子力発電所周辺の20~30kmの区域では、万が一にも健康に影響を及ぼすことがないよう、屋内退避を指示しているところですが、この区域においては自主避難を希望する方が増加するとともに、商業、物流等に停滞が生じ、社会生活の維持継続が困難となりつつあります。また、今後の事態の推移によっては、放射線量が増大し、避難指示を出す可能性も否定できません。こうした状況を踏まえ、この区域内の住民の皆さんの生活支援及び自主避難を積極的に促進するとともに、避難指示を想定した諸準備も加速する必要があります。政府としては、生活支援の充実を図るとともに、避難に際しては、移動のための手段の確保、受け入れ施設の確保など、円滑な実施に向け、最大限の努力を行なってまいります。地元市町村におかれては、住民の皆さんの自主避難を促進していただくとともに、政府の避難指示が出された場合には、直ちに避難を実施に移せるよう、国、県と密接な連携を図り、適切に対応をお願いいたします。こうした内容の当該区域の市町村長に対するお願いを昨日出し、これに則りまして、政府として生活支援の充実及び自主避難についての移動の手段の確保、受入れ施設の確保等、円滑な実施に向けた最大限の努力を更に徹底するよう、関係機関に指示をしたところでございます。

【質疑応答】

記者:読売新聞のクリバヤシです。福島第一原発から20キロから30キロの地域の市町村に対するお願いなんですけれども、自主避難の促進っていうのをですね、これまでもやってきたと思うんですが、今回はより積極的に市町村から自主避難をするように呼びかけるというニュアンスで出されているんでしょうか。

官房長官:これはまさに自主でございますので、お呼びかけというよりも、まさに今現地の皆さん、物流等が滞っている状況の中で、大変ギリギリのご苦労をお願いをしている状況だという認識をいたしております。そうした状況の中で、当然、生活支援について強化をするのは当然でございますが、それと同時にですね、自主退避という手段もあるということについては、地元を通じてですね、周知をして頂いた方がいいのではないかと、こういう判断です。

記者:朝日新聞のサトウです。昨日の原発で起こりました被曝事故なんですけれども、その後ですね、作業員の方の容体はどうなっていて、今後のですね、作業に与える影響についてどのように考えているかお願いします。

官房長官:被曝された作業員の方の状況については特段新しい状況は入っておりません。福島の方の専門の病院から、放射線医学総合研究所の方、さらに専門性の高いところで、しっかりと診察、治療をして頂くということで対応して頂いているというふうに聞いております。現地においてはですね、こうしたことの起きないように放射線についての管理、労務管理をしっかりと徹底をするように指示をしたところでございますし、同時に、現場の作業においてもですね、今回の場合は、建屋の中に水が入っていたということでございますので、そうした水の排除を含めたですね、作業環境をしっかり整えるということを、もちろん原子力発電所の全体の対応のスピーディーさが求められているわけではありますが、安全の確保という観点から、そうしたことをしっかりと進めた上で作業にあたるようにということで、作業を進めて頂いております。そうした意味では、特に水の入って今回、被曝事故が起きました3号機については、若干作業の手順が遅れることになるというふうに聞いております。

記者:NHKヨシカワですが、その被曝の原因となった水の中からですね、高濃度の放射性物質が検出されたわけですけれども、これの原因も含めてですね、現在の3号機の状況について政府としてどのような認識でいるのでしょうか。

官房長官:3号機の状況そのものについては、特段新しい状況が生じているわけではございません。ただ、高濃度の水が建屋のなかにあったと、張っていたということについての原因。どこからどういうふうなルートでそうした水が来たのか、どういったところで放射能をあびることになったのかということについてはですね、可能な限り原因究明するようにという指示は出しているところであります。

記者:核燃料棒の損傷という可能性も指摘されていますけれども、その辺りはいかがでしょうか。

官房長官:これについては、この2週間のプロセスの中でですね、原子炉内の燃料棒がですね、水に十分に浸されていなかった時間がそれぞれあったということはこの間、ご報告をしてきている通りでありまして、そうしたときに燃料棒がですね、若干の損傷を受けた。ただし、その程度が外側からではわかりません。ただし、一定の損傷を受けたということは、従来からご報告している通りでございます。だからこそ、それによる影響、外から計れます放射線量のモニタリング等を以来、強化をして観察をしているという状況であります。

記者:時事通信のコウケツです。20キロ、30キロ圏内の自主避難なんですが、自主避難を促進すると言うふうにおっしゃいましたけれども、改めてなぜ自主避難を促進しなければならないのかということと、促進ならば、なぜ避難の指示を出さないのかということについてどのようにお考えでしょうか。

官房長官:今私から申し上げました通り、1つには、当該地域で自主避難を希望されている方が現実に多くて、現に自力で自主避難をされている方が相当数出ておられます。また同時に、商業、物流等に停滞が生じていて、当該地域に屋内退避をしておられる皆さんの生活をこれ以上長期にわたって維持することがなかなか困難な状況にあるいうことがございます。こうした社会的な要請から自主的に退避をして頂くことが、これだけ長期にわたった状況では望ましいのではないかというふうに判断をして、そうしたことを市町村とご連絡をとらせて頂いているということでございます。ただ、これいわゆる退避指示についてはですね、まさに放射能、放射線との関係で退避指示とか屋内退避という指示をするのが、これが原則でございます。基本でございます。そうした意味では新たに、現時点でこの20キロから30キロの地域がですね、屋内退避の指示を出した時点と比べて、状況が新たな段階に入っていることはございませんので、その原子力、被曝から健康を守るという観点での退避指示とかということには直接つながらないということでございます。ただ、この退避指示等の仕組みをですね、安全性の観点とは別に、社会的要請の観点から出しうるものなのかどうかということについては、原子力安全委員会等にご検討は頂いているところです。

記者:河北新報のヤマザキです。原発事故を受けまして、厚生労働省は福島県の周辺都道府県に対し、農畜産物などを対象に放射性物質の検査を行うよう要望しましたが、いまだ宮城県のみ実施しておりません。県の方にはですね、●●から東京の方●●じゃないかということで批判が相次いでいるんですが、改めて国から要請するお考えはあるのかということと、仮に県が実施しない場合、国が●●するなどして発表するようなお考えっていうのはございませんか。

官房長官:この農作物とか、それから水道についてはですね、主たる権限が地方にあるという仕組みの中にございますが、まさに国としてもですね、直接モニタリングができる部分について、あるいは、自治体によるモニタリングが十分でない部分について、しっかりと国の方で行っていくという大きな方針のもとにあります。宮城県は震災、津波による大変大きな被害を受けておりますので、県の方の事情も考慮しなければならないというふうに思っておりますので、国の方で持っているモニタリングの総量、できる総量に限りはありますけれども、そうした事情も考慮にいれて国として直接できるモニタリングをどうした時点で行っていくかについては、日々検討、見直しをしながら進めているところでございます。

記者:産経新聞のノダですけれども、すみません。20キロ~30キロ圏内の自主的な退避の関係なんですけれども、指示をしたというのは、先ほど長官の方で放射線量が増大する可能性があるという趣旨のことおっしゃっていたと思うのですが、福島原発がまだ予断を許さないということに関係はあるんでしょうか。それともそういうことではなくて社会的要請なんですか。

官房長官:まず大前提として福島原発がしっかりと安定して落ち着いて、放射性物質が外に出るという状況がなくなったり、大幅に減ればですね、逆に収束に向かって、避難についてもなるわけでございます。現時点は、繰り返し申し上げております通り、悪化を防ぐという状況はこの間キープをしてきている。悪化を防ぐという状況をできるだけ長くキープをすれば、その間に改善の方向に向けた手当てが次々と今順次行われているわけでありますが、決してまだ予断を許す状況ではないという状況でございますので、そのことが当然の前提にあるということです。

記者:毎日新聞のカゲヤマです。確認なんですけど、20キロ、30キロの自主避難をお願いした市町村伺えると●●ですけど。

官房長官:すみません。正確に申し上げないとまた間違えがあるといけませんので、また改めてきちっとそれは張り出すなり、あるいは皆さんにご報告いたします。

記者:共同通信の●●です。20キロから30キロの自主避難の件なんですけど、先ほども長官は放射線量が拡大することが否定できないとおっしゃいましたけど、退避の範囲がまた広がる可能性、を不安に思う方もいらっしゃると思うんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。

官房長官:これはですね、もちろん原子力発電所の状況が、先ほど来申し上げております通り、現状は悪化を防いでいる状況をしっかりとキープが出来ていると思っておりますが、まさにこの間、どういう状況になるのかということについては予断を許さない状況が続いているわけでありますので、どちらの方向にも今の段階で予断を持って何かを申し上げられる状況ではないと。常に原子力発電所の状況、それから様々なモニタリングの数字に基づいて、安全性を確保するという観点から必要があれば拡大することもあるし、逆に必要がなくなれば縮小するということでありますので、あくまでも今後の状況、推移をしっかりとモニタリングしながらやっていくということであります。

記者:重ねて確認なんですけれども、あくまでも20キロから30キロは自主避難というなんで、まだ残ってらっしゃる方には生活支援をきっちりしていくっていうことでよろしいんでしょうか。

官房長官:現時点では、その両面をしっかりやっていかねばならないということになって、全力を挙げている状況でございます。

記者:退避圏の関係でお尋ねしますが、30キロ圏外でもですね、モニタリングで継続してですね、高い数値が出ている地点もありますけれども、距離にかかわらずですね、退避などを考えるような検討は行われているのでしょうか。

官房長官:この退避の範囲については、まさに原子力発電所の状況、それからそこから予想される、例えば放射性物質がどこにどう行くのかという予測、そして現にそれぞれの地域で得られている様々なモニタリングの数字、こういったものを原子力安全委員会を中心として専門家の皆さんに分析、判断を頂いたうえで、退避の指示を出しているものでございます。これについては、より詳細な状況が把握をされれば、その詳細な状況に基づいてですね、単純に同心円で距離で線をひくのか、それとも例えば天候やあるいは地形などによってですね、どういう地域にどういう可能性があるのかということがより詳細に分析できれば、そういったことに基づいて判断をするということも可能性としてはありうるということです。

記者:現時点では30キロ圏内で十分だという認識でしょうか。

官房長官:現時点ではそういう、これは原子力安全委員会からのご報告といいますか、専門家の判断も踏まえて、現在は20キロまでの退避と20キロ~30キロまでについてはそういった安全性の観点から屋内退避と。ただ、社会的な問題として順次自主的な避難されることについては、バックアップすると、こういう状況であります。

記者:読売新聞のクリバヤシです。電力需給の対策本部の件なんですけれども、会議の中で与謝野大臣からですね、一般家庭の電力、料金体系を変えて値上げするべきだという意見が出たかと思うんですが、4月にまとめた●●でそのような値上げっていうのが●●どのようにお考えでしょうか。

官房長官:今日の時点では、1つのご意見として承りました。ただ、これはこれからですね、本当いろんな知恵を使って、生かして、1千万キロワットを超えるような需要の調整を行い、なおかつできるだけ国民生活あるいは日本の経済産業に影響を及ぼさない、計画停電に寄らない方法をこれからあらゆる知恵を動員してですね、検討、模索していく状況でございますので、現時点でできあがりの姿がどういうことになるかということについては、全く予断をもっていないという状況です。

記者:関連で、節電の誘導策という意味ではなくてですね、今後東京電力の債務の返済ですとか、新たな設備投資という意味で値上げをすることの可能性の認識とですね、その場合に政府として●●どのようにお考えでしょうか。

官房長官:それについてはまだ。まずは原子力発電所の状況を何とか収束に向かわせるという最大限の努力を払っている状況でございまして、その後のですね、東京電力のあり方と言いますかですね、にかかわるようなそうした問題は、この原子力発電所をこれ以上悪化させることなく、収束の方向に向かわせたうえで初めて検討すべきことだと思っています。

記者:テレビ朝日のコバヤシですが、20キロ~30キロ圏内で自主的な避難をお願いするっていうことで、自主避難がどんどん進んでいくと、20キロ、30キロ圏内って結構南北に広いと思うんですけど、逆に屋内退避している人の地域が散在することになっちゃって、物資の供給が逆にスムーズにいかないような気もするんですけど、ある程度自主的に避難する人が増えていけば、いずれは全面的に避難してくださいというお願いをすることを再度するっていうこともあり得んですか。

官房長官:まさにですね、地元の地域の現実の状況と見合いながらですね、どういうふうに当該地域の皆さんにですね、現実の生活をしっかりと成り立たせられるようなサポートができるのかということについては、まさに状況をみながら時々判断していくということだと思っています。

記者:いずれは全面的に出てくださいということもあり得るということですか。

官房長官:あらゆる選択肢、否定はいたしません。とにかく今の段階では屋内退避して頂ければ、原子力発電所との関係では十分だと思っていますが、一方で生活物資がコンスタントに届けられなければ生活成り立たないという状況であるということの中で、実際に生活をしっかりと成り立たせて頂くためにどうしたらいいのかということについては日々、状況を見ながらあらゆる可能性は否定せずに検討しているという状況です。

記者:産経新聞のノダですけれども、すみません。ちょっと放射能漏れの関係なんですけれども、今日岡山県が発表したところによりますと、大気中の塵から微量のですね、放射性ヨウ素が検出されたと。東京都で検出した量の1万分の1の微量だということではあるんですけれども、西日本の地域で放射性物質がですね、確認されたということで、これと福島原発との関連性は可能性としてはどうみてらっしゃいますでしょうか。

官房長官:まさにそれは専門家の皆さんに分析をして頂かなければならないわけでありますけれども、一般的に言って可能性は否定できないだろうというふうには思います。まさに専門家の皆さんに気象状況とか、どういったものがどの程度広がるのかということについては専門的に分析をして頂く必要がある。

記者:日本テレビのヒラモトですけれども、電力需給の件なんですけれども、今日朝の会議で、枝野さんが生活様式にまで踏み込んだ抜本的対策が必要とおっしゃいました。具体的にですね、何かその生活様式に踏み込むアイデアというのはもしお持ちのようだったら教えて頂けますか。

官房長官:現時点でですね、何か予断をもって受け止められるといけないなというふうには思っていますが、従来からですね、例えば、就業時間を時差をつけることによって電力のピークの時点をずらすことができるというようなことは一般的にも言われております。あるいはですね、それぞれの1日の中のライフサイクル、時間の使い方についてですね、いろいろ工夫をして頂けばですね、特に夏の夕方のピーク時の冷房消費ですね、こうしたところについては一定の効果を出せないだろうかと。まさに生活のあり方について、ライフスタイルについて、いろいろとお願いをすることが十分にあり得るだろうと、そういうことでございます。

記者:そういう意味では、フレックス制をですね、導入するように企業に対して働きかけることであるとか、サマータイムについてもいろいろ今指摘ありますけれども、この2つの点は具体的にどう考えて。

官房長官:それによる効果がどの程度期待できるのか。逆にそのことによるコストがどれくらいかかるのか。それから、例えば強制的に制度としてできる部分と、民間の事業者などにご協力頂かなければならない部分については、どの程度ご協力が得られるのか。こういったことをこれから精力的に検討、調整していくということですので、何かを導入するということを現時点で予断をもっているわけではありません。あらゆることについて最も効果的なやり方を模索するということです。

記者:今回の計画停電の時は、発生直後ということでそれを周知徹底、アナウンスする時間がなかなかなかったと思いますけれども、電力需給のですね、抜本的な解決策っていうのは、夏場はまだ先ですけれども、いつくらいまでにまとめたいっていうお考えっていうのはあるのでしょうか。

官房長官:先ほども申しました通り、十分な準備、周知の時間が必要だということを踏まえてですね、4月中を目途に何らかの1つのとりまとめはしたいというふうに思っています。

記者:それは生活様式から踏み込んだものということですか。

官房長官:当然そういったところに影響、大きければ大きいほどですね、早い段階から、こういう方向でということをお示しをする必要があるんじゃないかと思っています。

記者:毎日新聞のアオキと申します。先ほど退避の範囲について20キロより先になる可能性も否定はできないというふうにおっしゃいました。原発の状況によってはですね、●●を退避させる範囲が広がることもあるとは思うんですけれども、そういった退避する際の移動手段、また移動先そういったものについてどの程度進んでいるのか。またどのくらいまでには完了させたいのかを教えてください。

官房長官:いま20キロ~30キロの屋内退避の皆さんが自主的に退避をされたいという希望もかなり多いということの中で、こうした皆さんの移動や受け入れ先について、全力を挙げて対応を政府としてもしているという状況でございます。それ以上のことについてはですね、現時点では私の立場からあらゆる可能性を否定できる立場ではありませんので、あらゆる可能性を否定しないということを申し上げているのであって、具体的に現時点でそれに対する準備という段階ではないと思っています。

記者:農作物についてなんですけれども、補償の範囲をですね、風評被害をそこに含めるお考えというのは、現時点で政府としてどの程度お考えでしょうか。

官房長官:現時点で政府として責任をしっかりともつべきだということで、政府からの指示で出荷制限、摂取制限、これは政府の責任でその指示を出しておりますので、当然それについては東京電力とともにですね、しっかりと補償について責任をもたなければならないというふうに思っております。それが現時点で政府として確定している方針です。

記者:今後、その風評被害に広げていくようなお考えはあるでしょうか。

官房長官:現時点で確定しているのは今申し上げたところであって、それ以外のことについて何か予断をもって申し上げる段階ではありません。

記者:すみません。それとですね、ちょっと話が違うんですが、政府が情報収集衛星を運用していると思うんですけれども、今回の地震でですね、どのような運用をされたのかということと、その収集した情報をどのように利用したのかということについて運用状況を。

官房長官:情報収集衛星の具体的な運用についてはまさに国家機密の範囲だと私は思います。利用できるものがあれば十分利用させて頂いているということが申し上げられるギリギリかなというふうに思っています。

記者:朝日新聞のサトウです。今日財務大臣の方からですね、4月に復旧型の補正予算、その後復興型の補正予算の二段構えで編成する方針が示されたんですが、震災規模からいって巨大な財源が必要なのはこれみんなわかっていることで、その際にですね、民主党政権として民主党マニフェストの関わる政策の見直しというのですね、財源確保のためには検討条件に入ってくるかどうかについてお伺いします。

官房長官:この震災に対してですね、しっかりと被災をされた皆さんを支援をし、そしてこれを復旧、復興していくということはまさに国を挙げて最優先に取り組まなければならない課題であるというふうに思っています。そしてそれに向けて政府としてあらゆることに優先させて、そのための取り組みを進めていくという立場でございますので、それが最優先であるという前提の中であらゆることが今後検討されていくと思っています。

記者:産経新聞のノダですけれども、その関係もするのかもしれないんですけれども、菅政権としてですね、税と社会保障の一体改革と、TPPについて6月を目途に検討を進めていくというお話でこれまで進んでいたと思うんですが、これは震災が起きたですね、影響によって多少遅れるというかですね、その辺の検討状況はどうなるでしょうか。

官房長官:それぞれですね、我が国の高齢化や少子化というものは震災によって影響を受けるものではなく進んでいっているわけでありますし、世界の包括的な自由貿易の進行というのはこれ我が国の事情を待ってくれずに進んでいくものでございます。そうした意味では事務的、実務的なですね、社会保障については検討、TPP等については情報収集。これはこの間も可能な範囲で進めていって頂いております。それについて政治的な判断をどうするのかということについては、これはまずはこの震災対応、それから原子力対応に今全力をあげて進めている状況でございますし、また、こうした状況がですね、全体としてどういう状況になっていくか、被害の全体像とかですね、原子力発電所がどういう形で収束していくのかという状況を見ながら、当然その時点でそうしたことの影響を考慮して検討をすることになるというふうに思っています。