原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月15日07時57分から68分間)

西山審議官:それでは冒頭大変長いことお待たせしまして申し訳ございませんでした。それから今後のことにつきましては総理からああいうご発表がありましたので、その体制の作られ方を待ってまたどういう形で今お集まりの皆様とのお話をさせて頂くかというのは、その動きを見ながら考えていきたいと思います。

それでは今朝のこの2号機の、福島第一原子力発電所2号機の爆発音のことについての説明を申し上げます。まず本日午前6時10分の時点で、福島第一原子力発電所2号機で爆発音があったとの連絡を東京電力より受け取りました。これによりまして、圧力抑制室、(図を指しながら説明)圧力抑制室というのはこれはこうここだけ丸に書いてありますけれども、ここがドーナツとして繋がっているというふうに見て頂きたいと思います。ドーナツとして繋がっているその圧力抑制室が損傷している恐れがあります。この損傷しているということを考える手がかりになったのは、この圧力抑制室の気圧というのが測れるようになっているんですけれども、これが通常3気圧程度あるわけですが、これが大気圧である1気圧とほぼ同じ状況になっていると、同じ値になっているということから損傷しているのではないかというふうに考えております。恐れがあるというふうに考えております。この一言、サプレッション、圧力抑制室というものについて説明申し上げます。何のためにこんなものがあるかということなんですけれども。一つはこの原子力発電所のとくに沸騰型の、このBWRという発電所の場合には水蒸気がこう炉心で水を加熱して、水蒸気になったものをそのままの蒸気をタービンに回して発電するわけです。これが通常の発電の仕方なんですけれども。このタービンが何らかの形で止まるということがあります。何か修理を必要とする場合とか、あるいは急にちょっと傾いてしまった場合とか色んな場合がありますけれども。そういうときにこの蒸気をどっかへ逃さなくちゃいけないわけですね。ここがかなり高い圧力になって蒸気が溜まってしまうと危険ですので。その時にここから蒸気をこの格納容器の中をぬいていって、この圧力抑制室の中の水に通し、そこで水にかえていくと、そうすると水にかえると一瞬にして体積がぐっと減りますから、それによってこの圧力が抑制されるということが一つあります。それからこの圧力抑制室の中にはその目的のために水がはってありますので、このように水がはってあるんですね、それでこれは実はここに原子炉の中を、圧力容器の中を水を循環させていく装置があるんですけれども、この装置が万が一壊れてこの冷却がうまくいかなくなったときに、ここからこの水を緊急炉心冷却装置によってこの水をこの炉心にかけることによって炉心を冷やすと。制御棒を入れて反応を止めるんですけれども、そのときにこれをかけることによって冷却すると、そういう二つの主な機能をもったものでございます。そういったものに対して損傷が発生したということが、そういう恐れがある状況でございます。それから7時現在でこの第一発電所の正門のモニタリング車、モニタリング車の、モニタリングをする車のですね、値として965.5マイクロシーベルト1時間あたりという値が観測されております。これはそれまでの値とは格段に違って、周辺の放射能レベルは上昇しております。ただしこの965.5という数字は、ご参考までに申し上げますと、世界平均でですね、自然に人間が普通に生活していれば浴びてしまう放射線、これが1年間ですけれども2400という値です。ですから数字そのものとしてはそれほど大きな数字ではありません。965.5といえども。1時間で1年分の半分くらいを浴びるという点ではそれなりの大きさではありますけれども、とても健康にかかわるようなものだとか、そういうことでは必ずしもありません。

それから東京電力からの報告によると、東京電力の社員の方々は一時的に中央制御室から退避をいたしましたけれども、退避いたしましたけれども、現在中央制御室に戻るように指示を受けているというふうに連絡が入っております。それからこの、これまでの間ですね、昨日私がここで報告申し上げたときにこの2号機のプラントというのは割と水位が回復してきたという段階のところをご説明して、その後急にダウンスケールというかなり水位が下がってしまって炉心が水の中に入ってない状況が生じてしまったわけです。それが続いてきてどうも弁の一部が閉まってしまったらしくて、弁を開けて中の気圧を低くしてそれで外側からの消防の装置による、火を消すための消防の装置による水の導入というのを、海水の導入を図っておりました。ところがその弁が閉まってしまって、それがうまくいかなくなって今のように水位が下がってしまったわけですけれども。それを夜中の内に弁を開ける努力をしていたわけです。ただそれについても水は入ってるというふうに思われるんだけれども、なかなかダウンスケールということで水位が観測されないという状況がずっと続いて参りました。しかしこの、今回のこの出来事があった後ですね、お手元、部屋におられる方にはお手元に示しておりますけれども、マイナス2700と、マイナス2700ミリメートルという数字が出ました。これは原子炉のですね、燃料体の頭の部分からマイナス2700ミリメートル。ミリメートルですから、2メートル70センチ。その部分は上に出ている、燃料が上に出ているわけです、炉心が上に出ているわけですけれども。そこまでの一応のデータが正しいとすれば、そういった水位がですね、初めて、昨日の夜一度見えなくなってから初めてそこで観察されたということがあります。そのほかにはお手元にはモニタリング値をお渡ししてあります。これでは先ほど申し上げた965.5が下から三段目のモニタリングカーのところにありますけれども。それが7時前回で965.5マイクロシーベルト1時間あたりですが、それが7時2分になりますとそれが882.7。それから7時5分になりますと387.3ということで。最初この爆発音が聞こえたときにぐっと上がったことは間違いありませんけれども、その後かなり低くなってきているということがありまして、より人体の影響度という意味では少なくなってるということが観察されます。大体私の方から説明したいことは以上でございます。それではご質問を受けたいと思います。

司会:それでは質疑に入らせて頂きたいと思います。それではまず1番前の男性の方。

記者:日本テレビの●●と申します。先ほど圧力抑制室が3気圧から1気圧に下がったという説明があったんですけれども、これって何らかの穴が開いて気圧が外気と同じ状態になったという理解でよろしいんでしょうか。

西山審議官:そこは観察、そのもの穴自体はですね、目視はできていないわけですけれども、そういうことがあったという恐れは十分あると思います。

記者:何点か教えてください。6時10分というのは報告を受けた時点ですか。それとも東電が6時10分にありましたということを言っているんですか。

西山審議官:これは爆発音があったときということですね。

記者:じゃあ大体これが爆発の発生時間と考えられる。

西山審議官:そういうふうに考えられます。

記者:今の時点で爆発の考えられる理由というのはあるんでしょうか。

西山審議官:そこはですね、我々もちょっと曖昧な言い方でで言いましたけれども、あまりここではっきり、もちろん原因はわからないわけだけれども、みなさんの推測のためにもといって申し上げる材料も今のところはありません。

記者:じゃあこの爆発と圧力抑制室の損傷とを関連付けている理由としては、この爆発の発生した直後あたりから大気圧になっちゃったとか。

西山審議官:そういうことです。

記者:あと、この状況でですね、圧力抑制室が損傷することの持つ意味というのはどういうことがあるんですか。

西山審議官:この圧力抑制室の中に、先ほど申し上げましたように、水が一部満たされて上に気体があるという状態の圧力抑制室ですので、その穴の、仮に穴が開いていたとするとその穴の場所によって気体が出て行くのか、液体が出て行くのかということになるわけですね。それで気体が出て行く場合には、その周りに建屋が原子炉建屋がありますので、その中に充満するということが考えられます。その気体の中には水を通した部分の気体とそれから水を通らずに出ている気体と両方があるんで。水を通した方が放射性物質という意味では程度は軽いと思いますけれども、そういう二種類のものが混じったようなものになると思います。失礼しました。今のちょっと私の勘違いで、サプレッション、失礼しました、今のは間違いだそうです。ちょっと私の勘違いで。サプレッションチェンバーというかこの圧力抑制室の中には水を通したものしかないので、水に溶ける放射性物質はそのなかには入ってないということになりますね。

記者:ちょっと質問変えます。そうしたら今大気圧の状態というときは右か左かわかりませんけれども、例えば片方が大気圧になってて損傷していると、その場合大気圧ということは水はないという理解でいいんでしょうか。

西山審議官:それは水が全部出てしまうからって意味ですか。

記者:はい。穴が開いていたとしたら。

西山審議官:水の部分に開いてたらそれは出て行くことになりますね。位置によってどこまで残るかっていうことはあると思います。

記者:別に大気圧になってるから、抑制室は水が空になっているってことは言えないっていうことですか。

西山審議官:言えないと思いますね。大気圧になってるから外に出て行く、内側の方が圧力が高い部分があるんで、外に押し出されるという効果はあると思いますね。ですけれども、穴の位置などによって残る部分もあるでしょうし、あると思います。それから漏れ出した水は(図を指しながら説明)この圧力抑制室の周りというのはここから下はですね、ここは地面はここら辺にありまして、普通の人が感じる地面は。ここから先は建設現場をご覧になったことがあるかもしれませんけれども、ものすごい鉄筋に覆われた、覆われたというか鉄筋を組み込んだ頑丈なコンクリートで固めたものが原子力発電所ですので、そういう意味でこの外側に出て行くということは基本的に考えられないと。ものすごく分厚いコンクリートが丈夫な鉄筋によって組み立てられておりますので、その外側に出て行くということは考えられない状況にあります。

記者:ちょっと確認で。だから今この状態で損傷していることで、今の状態で発生する不具合というのはベントをする場合での放射性物質の濃度が上がっちゃうっていうことを指すんですかね。

西山審議官:基本的にはそう考えて頂いて。

司会:奥の4列目の男性の方。

記者:朝日新聞のですが、ちょっとお伺いしたいんですけれども、このサプレッションプールっていうのは、格納容器の一部といってまずいいんでしょうか。

西山審議官:そうです。

記者:格納容器が一部穴が開いてしまったということですよね。

西山審議官:その恐れがあるということです。

記者:何かが混じった水か何かが漏れ出した可能性が、建屋の間に溜まっている可能性があると。

西山審議官:そうですね。

記者:で、2号機っていうのはまだ水素爆発の恐れがありますよね。1号機と3号機と同じように水素爆発をした場合に、大量の放射性物質がまた外に漏れ出す可能性はあるんでしょうか。

西山審議官:まず一つは昨日の夜からご説明しているように、建屋にあるパネルがですね、3号機の爆発のときに少し開いているということを申し上げましたけれども、それによって水素爆発の恐れというのは幾分少ないものがあります。それからあとは建屋の中にある放射性物質の性格とか量とかについてはほかの基とそれほど大きな有意の差は今認められる要因っていうのはないんじゃないかと思いますけれども。

記者:SR弁っていうの昨日から何回か開けて、圧力容器の中から少し出してますよね。その中にも放射性物質が含まれていると思うんですけれども、それはそんなにものすごい量であったり濃度であったりっていうのは考えにくいということですか。

中村審議官:昨夜来の圧力容器の中に、での気圧、それから水位ですね、それを見ている状況のなかでですね、当然燃料に当然のことながら損傷が及んでいるというような考えられるわけでございまして、そういったときに当然水素の発生ですとかね、場合によってはほかの放射性物質の発生というのは考えられるわけです。したがってそこからそれを含んだものをですね、弁の方からですね、格納容器の方、それからそれを通じてサプレッションチェンバーの方に流しているわけですので、したがってその中で、水を通してですね、一旦は放射性物質を取り除く機能も経てはいますけれども、放射性物質がそのサプレッションチェンバーの中にある空気に含まれているという可能性はあるかと思います。

司会:1列目の男性の方。

記者:共同通信の●●と申しますが。爆発の後の炉内の中で水位がマイナス2700ということですけれども、これは爆発との関係はどういう。

中村審議官:爆発によってですね、そのときに原子炉圧力がですね、それまでこちらの方の表の方に説明、記しておりますけれども、またお手元の方の紙にも記しておりますけれども。若干原子炉の炉内圧力というのは低下をしております。したがいまして、圧力が低下をすることになりまして、その中の、あれですね、水の部分がですね、若干水面が上昇するということが考えられます。このダウンスケールの状況がずっと続いてはいますけれども、当然ダウンスケールは燃料よりも下の部分ではありますけれども、その部分でもやはり当然のことながら、一定量の水があるわけですから、したがって、ダウンスケールの中で一定程度の水があってそれが圧力が下がることによってちょっと水面がですね、上昇したということが考えられます。

記者:その間にですね、ずっと水を注入してたわけですけれども、圧がですね、縮こまったことで、水の上昇が得られたという、水の量の上昇が得られたいうこと。

西山審議官:そういうことです。

司会:1列目の男性の方。

記者:先ほどサプチェンで不具合があるとおっしゃいましたが、そうしますと圧力容器が大きく損傷する事態が起きたときも、閉じ込め機能といいますか、閉じ込め能力というか、それには今回の穴っていうのはあまり影響しないということなんでしょうか。

西山審議官:そうですね。その穴の、穴が開いているというふうに、今恐れがあるというまだ状態で確認したわけじゃありませんけれども、穴の規模にもよると思いますけども、一定のやはり、それが密封されている時に比べると一定の影響は大きくなるだろうと思いますけれども、それはやはり壊れ具合、本当に壊れているとすると壊れ具合によるんだと思いますね。

司会:2列目の男性の方どうぞ。

記者:すみません、先ほど答えが途中だったかと思うんですけど、サプレッションプールが壊れて機能が喪失されたとしたら、今後どういうことが起きるんですか。ちょっと怖いんですけど。例えば高濃度の気体がですね、ずっと出て行くことになるんじゃないかっていう恐怖があるんですけど、その辺いかがですか。

西山審議官:確かに圧力抑制室の中の水をですね、通して外に出すことができる、そういうベントの方法を通る場合にそこでヨウ素とか吸収されるわけですけれども、それがこの水の量が本当に減ってしまってできなくなるということになれば、言われたような弊害が生じる可能性があると思います。ただこれもあくまでそうなっていると、穴が開いていると前提にした場合で、開き方にもよると思いますけどもね。

記者:開き方にもよるというのは、開いても水が残ってフィルタリングの機能が残っていればそうはならないってことですか。

西山審議官:そうだと。そうはならないということだと。ちょっと補足させて。

中村審議官:そしてそれに加えてですね、当然建屋の方にですね、一定量の液体のもの、あるいは気体状のものが出て行く可能性があるわけですけれども。そして最終的にはそれが建屋のですね、色んな頑丈な形で密閉性も保たれた形で維持機能というのが保たれてはいますけれども、それをまたさらに仮に出て行ったとしてですね、周辺環境の中の放射性物質というのをちゃんと測定をしておるわけでございます。そして先ほど西山の方からですね、ご説明申し上げたかと思いますけれども、7時の時点でモニタリングの結果によります測定値が965.5マイクロシーベルトパーアワーという形で申し上げましたけれども、その後の水位をまたフォローしておりまして、最新の数字で言いますと、7時5分で同じ地点での測定値が387.3という形で出ております。したがいまして、サプレッションチェンバーの損傷ということを通じてですね、おっしゃるように放射性物質のですね、外部へのですね、漏洩というのは考えられるわけですけど、それについてはきちっとモニタリングポストを通じて監督をして確認をしていくという形に、確認していくことになると思います。

記者:確認ですけれども、そうしますと今現在ですね、炉内で生じた放射性物質がサプチェンの中に入って、サプチェンの穴が開いているそれは原子炉建屋の中にいき、原子炉建屋の中ではブローアウトパネルが外れているからそこから出て行くというふうに考えるのがいいんですか。

西山審議官:軽いものについてはおっしゃるようなルートになると思います。

記者:そうすると炉内のものが今建屋の外に出ている可能性があるということでよろしいんでしょうか。

西山審議官:はい、それは否定できませんね。ただし、それをまさに外で確認するのはこのモニタリングポストの値ですから。今の状況を見ると、何かそういった放射の濃度の高いものが出ているというような感じは見えないわけですね。

記者:ダウンスケールのものがマイナスに遂に入ったというふうに、回復してきているということは海水の注入がうまくいっているということなんでしょうか。

西山審議官:そういうことです。海水の注入というのは圧力との闘い、我々が今知り得るとことでは圧力との闘いなんですね。消防のポンプがギュッとありったけの今2台繋げて、その最大のパワーというか力をこめてやっているわけですけれども、中がいっぱいに、いっぱいというか、気圧が高くなってしまうとなかなか入らないと。今もうホースはパンパンになって水を運んでるらしいんですけれども、思うように入ってないとすると、やはり気圧が高いことなので、それが先ほど同僚から説明しましたように今回の現象で気圧が低くなれば水の方は勢いよく入ることができるということです。

記者:すみません、数字、データの見方なんですけれども、ダウンスケールが3月の15日というか夜の23時30分から6時まではダウンスケールの状態があって、間の1時13分空白になっている、ここは何が入るんですか。

西山審議官:ちょっと確認いたします。

記者:この間を飛ばすとしても大体6時間半くらいダウンスケールは続いていると思うんですけれども、この間の認識としては、この間は全露出だったということでいいんですか。

西山審議官:基本的にはそうですね。ただこれも時々説明していますように、下に全部水がすっからかんになってしまうということではなくて、下に水があるということは十分考えられますので、炉心の燃料の部分になくても水蒸気なりで一定の冷却機能はもつと思いますけれども。

記者:ただ燃料棒は、これだからダウンスケールっていうのもその水位計が間違っているとかメーターが正しくないとかいう話じゃなくて、ダウンスケール、ダウンスケールで。

西山審議官:一応そう考えて。

記者:少なくともその間は燃料棒は露出していたということでいいんですか。

西山審議官:そう考えておくべきだと思います。

記者:わかりました、はい。

司会:では間の。

記者:爆発なんですけれども、炉心溶融によって水蒸気爆発は危惧されていたと思うんですけど、その可能性っていうのはあるんですか。

西山審議官:そこは可能性はないとは言い切れないと思います。ですがそこはちょっとこれから確認しないといけませんね。まず冷やすということが大事ですけれどもね。

記者:水素爆発の可能性はまだあるという。

西山審議官:それもあると思います。それはあくまで今は穴が開いているかとかそういうことすらもわかっていないわけですから、これからの確認になりますけれども、可能性がないとは言い切れないと思います。

司会:2列目の男性の方。

記者:すみません、その損傷したとみられるですね、サプレッションプールというのはこれは修復が可能なのかということと、修復が可能でなければどういう事態になるのかということを教えてください。

西山審議官:如何せん、さっきから繰り返してますように、どういう損傷なのか、たぶん損傷だろうという気はしますけれども。その損傷の規模とか、どこに損傷がとかわかりませんから、今の段階でお答えするのは難しいと思いますけれども、もし仮にそういう損傷があったとしてもそれを回復していく術は色々あると思いますけれども、この時点ではあまりそこを議論しても仕方のないことなので、まずは海水の注入による冷却をしっかりやった上で事態が落ち着いたらそこの点も考えるということだと思います。

司会:壁際の男性の方。

記者:海水の注入は…

司会:ちょっと待ってください。

西山審議官:すみません、どうぞ。

記者:海水の注入の見通しなんですけど、圧力が下がったことによって一時的に水位が上がりましたけど、これからの影響というか、今後どんどんそれによって水位がますます上がっていく方向に働くのか、あるいはあくまで一時的なものなのか。

西山審議官:まさにそこが、なんて言いますか、ずっとそのやり取りというか闘いを繰り広げているのがこのやり取りなんで。我々としては続けるべく、我々といいますか東京電力の方々も我々もそれを続けるべく一生懸命やるということなんですね。ですから欠陥がどうなるかは圧力のまた別の要因が出てくるかもしれませんし、そこはわかりませんけれども、やり方としてはこれを続けるべく、注入を、給水をしっかりやるということです。

記者:というか、一つ言いたいのは一時的にずっとダウンスケールだったのが、マイナス2700ですか、出ましたけど、それは今回のプールの損傷によって上がったわけですよね。その効果というのは持続的なものなのか、あくまで一過性というか。

中村審議官:原子炉の中のですね、圧力が低い方が当然入った水の液面も高くなるわけですし、またさらに追加をしようとしているものについてもですね、注入しやすくなるわけですので、そういった意味からすると原子炉圧力がですね、低い方が望ましいと言えると思います。ただしこれについてはちょっと中の状況をよく見ながらさらに海水をですね、注入する努力をしていきたいと思っています。

司会:では女性の方どうぞ。

記者:確認ですが、この2号機ベント作業っていうのはやっているんですか。

西山審議官:やっております。

記者:今までの方向ですと、サプレッションプールに一回、それから外へ出すという方向ですよね。

西山審議官:そうですね。それから直接出すのもあります。

記者:両方やっています?

西山審議官:両方やっています。

記者:このサプレッションプールは損傷しているということはもうドライというか、直接出すってベントするとしたら、その可能性しかないということなんですか。

西山審議官:サプレッションプールっていうか、この圧力抑制室が壊れているのかどうかってことすらもまだわからないわけですからね。そこを前提として申し上げればそういうトライをしてみて試みをやってみて、できないという場面があるかもしれませんね。そこは今現在で爆発音のした後、ベントについて異常があるという話はまだ聞いていないですね。

司会:3列目の男性の方。

記者:さっきの答え、答えてないと思うんですが。圧力抑制室が損傷したとしてですね、海水が注入できるようになってよかったっていう話なのか、それともさっきの損傷を直さなかった場合、海水は注入できるけど、その代わり何が起きるのかっていうのをもう少し教えてください。

中村審議官:損傷をそのままにしておくとですね、当然のことながらその損傷の箇所を通じて放射性物質、これは液体にしろそれから気体にしろ、建屋の方に出て行く可能性がありますので、そういった意味での問題点があるということ。それからその追加的に、追加的にと言いますか、海水をですね、今現在注入しているわけですので、そういったものについて入る面はありますけれども、逆にまたそれによって水面もですね、上昇し、燃料の温度の上昇をですね、抑制する効果もあるわけです。ただしサプレッション側へのですね、サプレッションプール側へのですね、蒸気の形、あるいは液体の形でですね、やはり流れていく分もあるわけですので、そこはちょっと総合的に見ていく必要があるんだろうと思います。そしてまたその効果がどうなのかというところについては引き続きよく注視していく必要があるんだろうと思います。

司会:2列目の男性の方どうぞ。

記者:ちゃんと答えて頂きたいんですけれども、要するにきちんとした圧力抑制系の一部に穴が開いたっていう可能性が高いとおっしゃったのはあなた方であって、たぶんそういうことを損傷だと官房長官も言ったわけですから、損傷しているという前提にたって議論すべきだと。で、そこからですね、要するに高濃度のものが、空気にせよ液体にせよ、漏れるということと、今後それからそこでフィルタリングした気体が外に永遠と出てくるという可能性も当然あるわけですよね、高濃度のものが。そういう危険性をちゃんと喋って頂けないですか。

西山審議官:まず前提の方はですね、官房長官がおっしゃっているのも私が申し上げているのも圧力抑制室が損傷している恐れがあるということですね。今そこはまだ確認できてないわけですので。ただあまりそれはないものとして扱っても仕方ないので、今はあるという前提にたつというのは、そういう考え方で議論したらいいと思います。それから危険性についてはそれは今同僚が説明申し上げたようなことで、ちゃんと我々としては認識しておりますので、それに基づいた対応もするし、それからこれも繰り返しになりますけれども、そこで最後、最後といいますか、外からチェックできるのがモニタリングポストの値なわけですね。これは爆発音のあった時に上がっているし、その後は下がってるということは明らかになっているので、3分の1とかそのくらいに下がってるわけですね。ですからそういうことをちゃんと捉えながら、次の行動を考えていくべきだと思います。

司会:じゃあ1列目の男性の方。

記者:サプレッションチェンバーの損傷部位をですね、確認する方法っていうのはどういう方法なんですか。

青木審査官:通常ですと、漏洩検知器といったものが建屋側についておりますので、規定のものが漏洩があれば漏洩検知器で検知化することは可能です。今電源が切れておりますので、漏洩検知器が使えない状態だと思いますので、現場に見に行くようなことをしないと確認することは今できないんじゃないかなというふうに思います。

記者:その今の状態でサプチェンに近づくことってできるんですか。

青木審査官:線量の問題もありますので、そこは測定をして頂いてどれくらいの線量なのか見てみないとわからないんですけど、その線量が、なかなかアクセスするのが難しいんじゃないかなというふうに思います。

記者:そうすると、近くに近寄れないとすれば、それはどこで損傷しているか、どういう損傷しているのかっていうのを確認する術はなくなるっていうことですか。

青木審査官:すみません、この時点で私はアイディアを持っておりませんけれど、そこは専門家の方々とか色々伺って考えていくことになるかと思います。

司会:では壁際の女性の方。

記者:先ほど海水の注入作業を続けていくしかないと西山さんおっしゃられましたけれども、サプレッションチェンバーの一部が損傷している中でも海水の注入を続けて燃料部分を埋めることができれば、冷温停止にもっていくことは可能なんでしょうか。

西山審議官:それは可能です。まさにそれを目指して今やっています。

記者:その場合気圧、中の気圧上げるためにベント作業は続けることになるんですか。

西山審議官:それもあるんですね、はい。気圧を調整しながら入らなくなったらそこは下げていくということですね。

記者:ということは放射性物質を、高い放射性物質、高い濃度のものを排出しながらも水で埋める方法をとるということなんですか。

西山審議官:今おっしゃったのは放射性廃棄物、放射性物質を排出しながらやっていくべきかどうかっていうこと。いずれにしても今最大の目標はこの燃料部分を冷やすことですから、それをやるための手段は、もちろんモニタリングポストなんかをしっかり確認していきますけれども、今避難して頂いている状態で、差支えない部分についてはやっていくということだと思います。

司会:4列目の男性の方どうぞ。

記者:今まだ海水の注入をされていると思うんですけれども、冷やせる見通しというのが、格納容器の一部が損傷したかもしれない状況のなかどれくらいあるのかというのと、あとあまり考えたくないんですが、もしメルトダウンを起こしてそれが落ちて水蒸気爆発して損傷したっていう場合ですね、その溶けた燃料がサプレッションプールか建屋かどっかで溜まって、再臨界をするという可能性はないんでしょうか。ホウ酸を入れた海水っていうのは今2号機に注入されてないんですよね。

中村審議官:今のところですね、水位については原子炉の圧力が下がったときにですね、液面が上昇してきておりますので、原子炉の圧力容器自身の気密性ですね、その程度の健全性というのは確保されているんだろうと思っております。

記者:再臨界の可能性っていうのは否定はできないんでしょうか。

青木審査官:現在、制御棒が全挿入されて原子炉が止まっている状態、臨界は起こっていない状態になっております。燃料棒が損傷して溶融すると、制御棒とともに中性子を吸収する制御材とともにですね、溶け合わさってということになりますと、そういう恐れはないというふうに思いますが。ただし、すみません、100%ないか言い切れるかというとそこはちょっと自信がございません。全くないと言い切れるかっていうと必ずしもそこまで言えないのかなというふうに思います。

司会:では男性の方どうぞ。

記者:一点お聞きしたいんですけれども、損傷の恐れが、損傷したという前提で質問しますけれども。格納容器の一部ということでいいんですよね、抑制室は。これは損傷していた場合は一連の1,2,3号機の今回のなかで格納容器の明示的な損傷というのは初めてということになるんですか。

西山審議官:そう認識しております。

記者:だから五重の壁の内の建屋のそこの次の四番目の壁が損傷したかもしれない事態に今回初めてなったという、恐れが現実だとして。

西山審議官:そういうことだと思います。

司会:じゃあ壁際の男性の方。

記者:確認なんで、格納容器とサプレッションプールの関係の確認なんですけど、これは空気はもう自由に行き来していると思っていいんですか。

青木審査官:(図を指しながら説明)こちらのドライウェルと呼んでおりますけれども、こちらの空間部分からストローのようなものがここのプールの水の中に入っておりますので、こちらの蒸気がプールの中の配管の先から泡となってプールの中に吹き出しますので、それで蒸気が凝縮されて水にかえるというそういうシステムになってます。ですから逆にこちらから逆流するのはお水が入ってきますので、こちらの空間部の空気が潜って外に出て行くことはございませんので、こちらの空気は入りますけれども、こちらの空気はこちらに戻ることはないというシステムになっております。

記者:気圧で確認なんですけど、先ほどプールの気圧が3気圧から1気圧になったのでっていう話があったと思うんですが、格納容器の圧力は1気圧になるんですか。

青木審査官:お手元にお配りしていますプラント関連パラメーターの表でですね、格納容器圧力が730と書いてございますけれども、キロパスカル、絶対圧ですね。ですから7気圧。これ上の空間部分の圧力です。(図を指しながら説明)こちらの方の圧力がまだ7気圧くらい残っておりまして、こちらの方が損傷した可能性があると思っておるわけですけれども、圧力が低下していると。もし本当に圧力が低下しているのであれば、こちらの高い圧力の空気がこちらに入ってきて、こちらの圧力も下がるのが自然なんですけれど、こちらの方の圧力は高いままで残っておりますので、こちらが本当に圧力が下がっているのかちょっと指示値から間違えてスケールが壊れている可能性もありますので、本当にこちらの容器が壊れているのかどうかまだ確信がもてておりません。100%壊れたとは思っておりません。

記者:そうすると、格納容器、先ほどから言っている格納容器の一部が壊れたっていう話では全く。

青木審査官:したがって、恐れがあるというふうに申し上げております。

記者:格納容器の側の7気圧の方が間違っているということになるんですか。

青木審査官:こちらの方はトレンドで追っかけてますけれども、そんなに圧力は変わっておりませんので、そんな変な数字は指示してはおりません。

司会:では男性の方どうぞ。

記者:モニタリングのデータなんですけれども、爆発の後に6時50分からですね、538と高い値になって、7時で965と一番高くなって、その後下がったとおっしゃってるんですけれども。7時半、7時25分と7時半を比べるとですね、また若干上昇してるんじゃないかと思うんですよね。この一か所でとっているのか、そのほかの最新のデータというのは今持ってないんですか。

中村審議官:先ほど7時5分の数字を申し上げまして、その後また7時10分、それから7時15分ですね、おっしゃるように少し上昇したり、また下がったりはしておりますけれど。またその後のデータについても少し継続的に入ってきておりますけれども、7時15分の360.8よりもまた下がったりですね、それから若干また増えたりはしておりますけれども、基本的には下がる傾向になってはおります。それからこのモニタリングのする場所ですけれども、他にはそこに書いてありますようなところありますけれど、継続的、尚且つ比較的時間を短くですね、観測ができるポイントとしてはこのMP6と呼ばれている2号機の南西の位置というところが一番いい、観測をするのにいい場所ではないかというふうに思っております。

西山審議官:ちょっと次のご質問に入る前に、東電の方から訂正の連絡がありまして、爆発音があったのは6時10分ではなく、6時14分だったと。爆発音があったのは6時10分ではなく、6時14分であったという訂正の連絡がありました。それから又聞きですけれども、東電の現地の所長さんが会見されて、作業員の方々、一時避難しておられたわけですけれども、この方々が現場へ戻ることになってそれを今やっておられると。最小限の、必要最小限の人数にはするけれども、現場に戻るように今しているということを聞いております。はい、どうぞ。

記者:すみません、続きなんですけれども、モニタリングの値がですね、下がる傾向にあるとはいえですね、上がったりもしているわけですけれども、これってそうするとサプレッションチェンバーから何かしら出ているという状況っていうのは今も続いているということなんですか。

中村審議官:そこは継続的にちょっと見ていきたい、見ていく必要があると思っています。

記者:止まったとは、止まっているような状態であるとは言えない。

中村審議官:そういう止まっているというふうには断定はできないと思います。

記者:現場の従業員の方々、相当の環境の中でやっていると思うんですけれども。今彼らの被曝量とかそういうのってどんな状況になっているっていうなんか数字とか状況のなんか報告っていうのあるんでしょうか。

西山審議官:法令によって方向を受けることになっておりますけれども、現時点では彼らの方でルールに基づいて管理しているということですね。我々今持ち合わせておりません。

記者:そうすると、その現状で法令に超えるような状況の被曝しているような状況ではないという認識でいいんでしょうか。

西山審議官:そういうふうになっていると思います。やがて報告しなければいけなくなりますから。

司会:じゃあ1列目の男性の方。

記者:すみません、水の注入ですけれども、これまでに水の量はですね、原子炉の中にずっと海水を入れてたわけですけれども、こういう事態になるとですね、格納容器全体を水で埋めるとかそういったこととかご検討されたりとかしないんですか。

西山審議官:まずは一番効率よくやるし、これまでもトライしてきているのは、圧力容器の中に水を入れていくということで、それが何らかの形でオーバーフローしていって、原子炉格納容器そのものを埋めていくようなことになるという事態も考えられなくはないですけれども、まずは圧力容器を埋めていくことで、いい水位が現れてくることを期待してやっていっているというふうに理解しています。そういうふうにしてもらいたいと思っています。

司会:じゃあ女性の方どうぞ。

記者:1号と3号機の今の状態の注入はどうなっているのかというか、水位がどうなっているのか。1号、3号機を教えてください。

西山審議官:いずれも、1号機3号機とも昨日の夜ご説明したようなポンプのやり方で、それぞれ独立のラインでですね、注入を続けております。それで現在の原子炉水位の方の指示値、まず1号機の方ですけれども、これは前からこの指示値というのは疑わしいのではないかと申し上げているやつで、引き続きマイナス1750といった数字を示しています。それから原子炉の圧力の方については0.059メガパスカルゲージ、あるいは0.216メガパスカルゲージといったような数字があります。それから3号機の方も消化系のラインを用いた海水の注入を行っております。これは1号機も同じ、今は全部消化系のラインを用いてやっております。3号機の方の値はですね、今我々が、今日の5時現在で見てるところ、先ほどの1号機も5時現在ですけれども。朝の5時現在では1800とか、失礼、マイナス1800とかマイナス2300といった数字があります。それから圧力の方は0.244メガパスカルゲージあるいは、そうですね、0.244メガパスカルゲージといった数字があります。

記者:3号機も水位、あんまり変わってないんですよね。半分くらいしか。

西山審議官:あまり変わっておりませんね。

記者:今のところ、セシウム一回検出されたと思うんですけど、それ以降セシウムは検出されたとか、放射性物質。

西山審議官:それはありません。引き続きありません。

司会:では1列目の男性の方。

記者:すみません、昨日までの段階だと水素が出て、水素爆発が起きる可能性があって、だけれどもブローアウトパネルが少々開いているからそれは水素爆発を防止するっていう意味ではいいというふうに考えられていたと思うんですけれども、今回こういう事態になると、逆にブローアウトパネルが開いていることで放射性物質は外に出るという可能性も出てきますよね。ブローアウトパネルの措置って何か検討されているんですか。

西山審議官:今私どもはまだ聞いておりません。

記者:今のところ閉じるというようなことを検討していることも考えてないんですか。

西山審議官:考えてないかどうかちょっとそこ確認する必要がありまして。今私どもは把握、報告とか、把握はありません。

司会:じゃあ女性の方どうぞ。

記者:すみません、ちょっと実務的なことなんですけども、政府の統合本部ができたことで保安院からの情報開示ですとか会見に変更っていうのは。

西山審議官:これについては今まさに本部が立ち上がる頃だと思うんですね。そういうことですから、それからまた本部の方でも色々発表することになるでしょうし、その時これまで果たしてきたような役割をどうするのかということについてはまたよく本部の方とも相談しながら決めていくことになると思います。

司会:1番前の男性の方どうぞ。

記者:一回目のダウンスケールのとき、2時間20分だったんですよね。二回目のやつは何時間。

西山審議官:正確な言い方を打ち合わせしているわけではありませんけれども、6時間半くらいですね、これは。

司会:女性の方どうぞ。

記者:ハンチングっていうのはどういう。

西山審議官:23時30分から始まっているからです。このパラメーターの表がありますね。下の段の左から数字が入っているところで五つ目のところからダウンスケールが始まっていますね。

記者:すみません、前の20時03分っていうので、フェードダウンでハンチングって。

青木審査官:ハンチングですよね。針がふれて読めないような状態です。

司会:では1列目の男性の方。

記者:今回の爆発を受けてですね、職員の人は一時退避したということなんですけれども、他の方も20キロ圏内に退避とかあるんですが、新たに住民に対してですね、注意を呼びかけたりとか、さらなる避難を、何か措置ということを何かお考えですか。

西山審議官:現時点ではまだ聞いておりません。

記者:やる必要がないということなんですか。

西山審議官:それはよく状況を見ながら考えなきゃいけないと思いますし、本部でよく検討されることになりますから、我々は材料をしっかり差し上げてご検討頂くということになると思います。

司会:じゃあ一列目の男性の方どうぞ。

記者:さっきと全く違う話になって恐縮なんですけれども、SPEEDIとかERSSとかそういう観測システムについても、それって今現状機能しているかどうかの状況どうなってるんでしたっけ。

西山審議官:私が承知しているところでは機能していると聞いております。

司会:他ございますでしょうか。では、一列目の男性の方。

記者:海外からの報道で、アメリカのNRCとか、あとIAEAですね、これが日本に支援にやってくるような報道がされてるんですけど、海外からの協力の関係というのはどういうふうになっているんでしょうか。

西山審議官:我々としては、もし情報が必要だという方があれば情報を差し上げますし、それからこちらでも前回か前々回か申し上げましたけれど、日本人の知恵だけでなく、他にいい知恵があればそれはあらゆるものを使っていくという姿勢でおりますので、そこも考えながら選択肢は広げておきたいと思っております。

記者:今のところ、海外の専門家の人が現地に来るという話はない。

西山審議官:今のところありません。

司会:以上でよろしいでしょうか。では、一列目の女性の方どうぞ。

記者:ダウンスケールは6時間半ということで、燃料の損傷というのはそれだけ長い時間露出していて、どういうふうになっているんでしょうか。

西山審議官:まず一つ、ちょっと今最初の、少し私が言いすぎたかもしれないので、外国との関係については私の知らないところで何か動いていることがあるかもしれませんから、(会場から笑い声)我々はこの現場といいますか、こちらで日々これをやりつめている人間ですから。外務省も日本にありますし、いろんなところで関わっておられる方あるかもしれませんから。ちょっと外国の方がどういうふうに動かれるのかというのは、ちょっと私の知識が全部でないこともありますけど、私としては今認識していないというふうにご理解頂きたいと思います。じゃあ今のご質問について。

青木審査官:水位がマイナスいくつという形で出ていれば、燃料の頂部からマイナスいくつっていう形で、上が出ていて下が浸かっている状態というのは、わかるわけですけど。ダウンスケールになりますと、水面から全部出ている状態ってことになろうかと思います。ただ蒸気が満たされていると全くドライのときよりはまだ冷却効果がありますので、そこは一体ダウンスケールという表示のときにどういう状態になっているかっていうのがよくわかりませんので、最悪のケースも考えられるし、まだましなケースもあるかもしれないし。これちょっと開けてみないとわかりません。

司会:以上でよろしいでしょうか。はい、じゃあ女性の方どうぞ。

記者:最悪のケースでいきますと、6時間半で燃料どれくらい溶けるんですか。

青木審査官:1Fの2号機はこれまでうまく冷却が進んでたプラントでございますので、かなり崩壊熱、まあ臨界している間はすごく熱が出ますけれど、もう臨界は止まっておりますので、あとはもう崩壊熱だけです。崩壊熱は臨界させて発熱させているときよりもはるかに発熱量が少ないんですけれど、それでも発熱はいたします。これが徐々に発熱量が減っていきますので、しばらく冷却うまくいっておりましたから、発熱量は最初の頃よりは大分減ってきてはいるとは思っております。そういうこともありますので、ちょっと今どういう状況なのかっていうのが、最悪といっても、ある程度冷却が進んだ状態でのダウンスケールでございますので、ちょっと想像がなかなかしにくい。というか、幅があってですね、どれくらい損傷しているのかっていうのはなかなか申し上げられない、にくいなと思っております。

司会:2列目の男性の方からどうぞ。

記者:東電の資料で中性子が検出されたっていうのがあったらしいんですけども、実際核分裂起きてると推測されますか。

青木審査官:すみません、どちらで中性子の。

記者:中性子がどっかの原子炉で検出されたというふうに資料に書いてあったらしいんですよ。

青木審査官:中性子が出たとすると臨界ということを頭に思い浮かんでしまいますけれど。

記者:臨界じゃなくてもどこかの一部分だけで、核分裂が起きてるかもしれない。

青木審査官:ただ、発電所、運転しているときは臨界状態にしているわけですけれど、そのときに影響がないように遮蔽があるわけで、あのコンクリートの遮蔽とかですね。建物はまだコンクリートの壁がありますので、十分遮蔽効果があるはずですので。そうですね、すみません。で、制御棒が入っていますので、臨界になっているとはちょっと考えにくいというのもありますね。

記者:じゃあ中性子が1Fの正門で、今日の夜の時点で0.001という数字が検出されたというふうに東電資料にあるらしいんですけども。

青木審査官:すみません、よく検討してみないとわからないですね。今のところ。分析をしてみたいと思います。

司会:じゃあ、どうぞ。

記者:現状でチェンバーに損傷があったという見解なんですけど、その場合、今のままで外に出て行く放射性物質の物質というのはどういったものが考え得る、どういったものが出て行く可能性があるというふうに考えていますか。物質名とかでいいですよ。

青木審査官:サプレッションチェンバーには一度、お水、プール水を通過した気体が入っておりますので、液体に溶けるもの、あるいは粒子状のものはプールの中に水のフィルターにかかりますので、水を通過してしまう希ガス、それからヨウ素は100分の1くらいとられますし、1パーセントくらいは出て参りますので、そういったものが出る可能性はあるかもしれません。

司会:他ございますでしょうか。はい。

中村審議官:先ほどお問い合わせを頂いたプラント関連パラメーターのところで、一か所だけ、水位のところで空欄がありましたけれども、これ東京電力の方からこの部分、このときについてですね、水位についてデータをとらなかったということで空欄になっているということでございます。ただし、炉圧、それから炉圧ですね、炉圧等々から見る限りにおいては引き続きダウンスケールが継続していたというふうにみるのが妥当かと思います。

司会:では、ここら辺で。

記者:すみません、ちょっと最後、要望なんですけれども、今回かなり危ないような状態になっていると私思っているんですけども、そういった危ないような状態でですね、情報が出てくるまでに発生からかなり時間がたっているんですね。これ、なぜこれほど遅れて発表になるかちょっとわからないんですけれども。次からですね、ちゃんと何か事態が進展した場合はですね、速やかに広報して頂きたいんですけれども。その点よろしくお願いします。

西山審議官:ご要望は承りました。

記者:今の関連なんですけれども、東電との広報本部というのもわからなくはないんですが、計画停電の話と原子力の話は全然話が世界が違いまして、要するに規制当局なわけですよね。何のための保安院がつくられたのかということをちょっとお考え頂いてですね、場所が会場がこういうのはちょっとやむを得ないかもしれないけれども、会見をその向こうでやられるときに東電と一緒にやるというのはちょっとやっぱり、これはお願いです。

西山審議官:ご要望は承りました。ご要望は承りましたが、総理がああいう発表されているところですので、本部の意向をよく伺って次の体制は考えたいと思います。

記者:それからね、一晩、一晩中ね、こっち記者は待ってて待機してるのに、昨日の夜やってからね、朝まで何にもやらないっていうのは、それはどういう、それはかなりちょっとおかしいんじゃないかと思うんですけどね。全くあれですか、今独立性を失ってらっしゃるんですか、みなさん。

西山審議官:大変それは私も申し訳なかったと思っております。なるべく皆様の便宜を図れるようにですね、対応したいと思っております。

司会:4列目の男性の方。

記者:すみません。福島第一で、午前8時31分に正門付近で、毎時8217マイクロシーベルトを観測したという情報があるんですけれども、(記者席から「えー」)大体8ミリシーベルトですよね。これは今サプレッションプール、格納容器の一部が損傷したということとやっぱり関係があると考えられるんでしょうか。

西山審議官:今初めて聞きましたので、検討いたします。

記者:今ちょっと確認して頂けますか。

記者:桁違い。

(記者席ざわつく)

記者:8217。正門で8217、時事通信。

記者:マイクロシーベルトパーアワーだろうかな。

記者:ですですです。ですですですです。

記者:8200ってどういう値なんですか。

記者:だから1000が1マイクロシーベルト、なんだっけ、いや1シーベルト、1ミリシーベルト。それが年間許容の8倍。

記者:もしその8ミリシーンベルトがもし本当だった場合に、作業員の退避させなくていいのかとか、あと50キロ圏内にまだ残っている人に対してどういう呼びかけをすればいいのかとか、もしわかることがあれば教えてください。

西山審議官:そこは今の時点ではちょっとなんとも言えないので、少し検討の時間を頂きたいと思います。

記者:確認なんですけれども、東電の放射線管理区域で働く社員の上限が100ミリシーベルトっていう話があるんですけれども、これはどういう何を確かな基準についてとか、それはご存知ですか。

青木審査官:はい、放射線業務従事者に対しましては、年間平常時ですと20ミリシーベルトが限度になっています。ただ緊急作業をするような場合、これは5年分まとめて1年でとってもよいというのがICRPという国際的な機関から勧告された数字でございまして、どこの国もその数字を採用されておりますけれども、緊急時には100ミリシーベルトまでは許容するということになっております。

記者:ということは、もしここの100ミリシーベルトをここでとった人は、もう5年間放射線のそういう作業をしてはいけないというかそういう感じになりますか。

青木審査官:もちろんそういうことになります。

記者:もしその8ミリシーベルトのところのなかに入って、働くとしたら単純に計算して12時間くらいが限界だというそういう意味合いですよね。

青木審査官:単純計算すればそういうことになります、はい。おそらく中に入るときは防護装備つけて入るっていうことになりますので、単純計算したらそうなりますと、割り算すればですね、という意味です。

記者:防護装備というのはどのくらい軽減できる、割合、例えば何割とか。

青木審査官:すみません、その鉛の鎧のようなものをつけて遮蔽装備ですね、そういうものをつけてエプロンとか、そういうものがありますので、そういうのをつけると大分遮蔽されますので軽減されるんですけど、それがすみません、どれくらい軽減されるかという具体的な数字までは私存じておりません。申し訳ありません。

西山審議官:東京電力から聞いたところによると、先ほどの情報ですけれども、8時31分に正門のところで8217マイクロシーベルトパーアワー。1時間あたり8217シーベルトという数字が検出されたというふうに報告がありました。ただし8時35分に2400に下がったということでございます。 

記者:どう受け止めていますか、その数字。

西山審議官:よくフォローして、なにか対応策が必要なのかどうか考えたいと思います。

記者:通常この値はどれくらいの影響がある値ですか。

西山審議官:先ほど申し上げたやつ、先ほど私が最初の900いくつかの数字を説明申し上げたときに自然界で人間が1年間ですねこれは、1年間に浴びる放射線は2400マイクロシーベルトです。ですから、その自然界で浴びる2400を今の8000ですから、その3倍半くらいですか、その、を一度に浴びてしまう、1時間に浴びてしまうということになるということですね。ただそれはこれは大きな数字だろうと思いますけれども、どの程度人体に害があるかということになると、これはどうなんだろうな。急性的な影響があるような値ではありませんので、仮にそれをどなたかが被曝したとしても、それによってなにかすぐに健康に異常があるということにはならないと思いますけれども、除染処理をすることになるんだろうと思います。

司会:ちょっと事態が色々変更、変化しているようなので、この辺で打ち切らせて頂いて、情報をまたインプットしていきたいと思います。ありがとうございました。

西山審議官:今のは1時間あたりですからね。8200というのは、1時間あたりですから。みなさんよくわかると思いますけれど。