原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月25日05時50分から13分間)

保安院:ご案内の方もいらっしゃるかと思うんですけど、先ほど東電さんが記者会見をやってます。紙配りながらで時間もあれなんで、イントロだけ話させて頂くと、今日、昨日、3号機タービン建屋におきまして作業員の方が被曝されて、内2名が病院に搬送させるということがありました。それはタービン建屋地下1階で作業をしていて、水が溜まっているところに入っていって、それで被曝をしたということになっているわけなんですけれども、東電の方でその水を採取してその分析を行いましたと。その分析結果を発表しましたというのが先ほど行われたところです。それでまずその事実をお伝えするというのが今回の目的となります。したがって、私どもの方でもまだこれを貰ったばっかりで、これについての詳細な分析というのは出来ておりません。まずはこういうことがありましたと、東電さんが発表されたんで、それをお伝えするということと、今どういうアクションをとっているのかというのをこの回ではご説明したいと思います。詳しいお話って言いますか、これを踏まえてどういうことをしなきゃいかんかっちゅうのは、夜、昨夜ですか、お話させて頂きました10時に次に記者会見は行わせて頂きたいと思っていますので、その時にまとめて行わせて頂くということをご了解と言いますか、ご理解頂ければと思います。

後ろに添付しておりますのが東京電力が再起ほど説明を行った資料というのをそのまま添付させて頂いております。今回の原因につきまして、私どもの方ではまだきちんとした分析は出来ておりません。東電の分析の2枚目、最後のページになりますけれども、最後から2つ目のパラグラフに、23日に行った東電の社員による現場調査時の線量実績から当該エリア、この地下1階のエリアですけれども、線量率が低いというふうに思いこんで、24日、昨日ですけれども、作業環境の変化に気が付かなかったと、また個人線量計の警報が発報したものの、作業を継続したためというふうに東電の方では分析をしているところでございます。これに対して、私どもの方ではやはり放射線管理がちゃんと出来ていないんじゃないかと、事前にチェックをしていないとかですね、というものはその通りでありまして、再発防止の観点から直ちに放射線管理といったものを見直し、改善をするということを口頭で指示をしたところでございます、今東電の方では、これも含めて検討しているところでありまして、私どもの方でもこの結果を踏まえてどういうことが出来るか少し分析をしていかなきゃいけないというふうに思っているところでございます。尚、昨日の西山の方からの記者会見でも色々お話を頂いております。この水がどこから来たのかとかですね、ということについては申し訳ないですけど、まだ分析中でございます。値を見ましても高い値が出ています。その水表面での線量率は400ミリシーベルトパーアワーということですから、1時間いたら作業時間の250ミリシーベルトを超えるという値に、それだけの高い値であるのは確かだろうと思います。ではこういった高い値が出るようになっている元となっているような放射性物質がどこから来たのか。それはたぶん色々考え得るんだと思います。水についても色々考え得るんだと思いますが、大変申し訳ないんですが、現時点ではですね、まだそれの分析っていうのは出来ておりませんので、それは10時時点でわかっているところについては次の会見の時にご説明をまとめてさせて頂きたいというふうに思っております。現時点でお話出来るのは以上でございますけれども、何かご質問ある方いらっしゃいますか。

記者:朝日新聞のコボリです…

05:54:50

5秒間記録なし

05:54:55

記者:…ですが、これは知らなかったのか。あと知っているとしたら、いつ東電から連絡があったんでしょうか。

保安院:核種分析をしてると入ってきたのは、あの会議のもう本当に直後くらいですかね。そこもはっきりと確認できてないんですけど、このペーパーに書いてありますけど、これではガンマ線核種分析っていうのとりあえずやってみたということになっているんですが、引き続きベータ線皮膚の被曝線量についても評価すると言っておりますので、ここではこのガンマ線、核種分析でとれたものというのは評価してるようですけれども、それ以外についても評価するようでございます。

記者:東電から連絡があったのは何時だったんですか。

保安院:これをやっているということについてですか。

記者:やっているということと、このデータについて。

保安院:このデータは、えーっとですね、記者会見のちょっと前ですね。何時だったのかな。

放射線班:つい最近ですね。ちょっと前ですね。

保安院:日を跨いでか。

放射線班:この内容はそうですね。核種がどれくらいあるかっていうのはそうですね。

記者:すみません。先ほど400ミリシーベルト、水表面では高いみたいな話ありましたけれども、ガンマ線核種分析の結果でもですね、3.9×10の6乗といって、パッと見、ものすごく高いように見えるんですが、そういった認識でよろしいんでしょうか。

保安院:これは高いと思ってます。ただこれとこれの関係、すみません、私自身もまだ分析も出来ていないもので、引き続き事業者から話は聞きながら我々としても評価をしていきたいと思います。他に。

記者:この客観的なデータを見る限りだと、その場での作業というのはしばらく出来ない感じになりそうですか。

保安院:昨日西山の方もお話をさせて頂いたかと思うんですけども、いくつかの方法ってあるんじゃないかなというふうに思っています。この水をまず何らかの方法で動かすという作業でありますとか、この場所を通らない形で何か作業を続けるという方法ですね。これについてもまだきっちりとした分析が出来ていないので、あわせて私どもの方でも検討していきたいと思っています。

記者:水はあれですよね、結構一面、地下一面にこうバーッともう、15センチの深さっていうか、単なる溜まり場ではなくて、かなり。

保安院:結構広がったっていう話は聞いているんですけれども、これもですね、実際どの程度広がったっていうところまではあんまりよく我々の方もわかっておりません。何より当事者の方が運ばれちゃってるっていうこともあってですね、すみません、これ以上わからないです。

記者:口頭で指示っていうのはいつ。

保安院:これはですね、私どもの保安院の分室っていうのが統合本部、東電の方にあるんですが、そこに入ってきた時点で、そこにいる人間がすぐに指示をしたということになってることにしてます。

記者:これは何か法律に基づくような指示なのか。それとも注意というか。

保安院:法律に基づくかどうかっていうのは今吟味はしてません。ただ明らかに作業手順についても考えてもですね、ご覧になって頂ければ、これはさすがにおかしいんじゃないかっていうことでございますから、そういうことを抜きにしてですね、指示を行ったということでございます。他に。

記者:今日お昼の会見では、この3.9×10の6乗ですか、炉心の、運転中の炉心の●●くらいだと言っているんですけど、実際そんな形。

保安院:そこについても我々の方では今評価、評価と言いますか、比較はしていないんですけれども、これ自体がどれだけ高いものかということも含めてですね、もう少しちゃんと吟味をしてみる必要があろうかと思います。これ自体先ほど申しました通り、ガンマ線核種分析の結果というところでございますので、それ以外も含めてですね、少し評価をしてみたいと思っております。そこに行くまでに、まずこの400ミリシーベルトパーアワーあるということ自体でもう非常に高い数字にあるのは確かだとは思ってます。他にいかがでしょう。

記者:すみません。個人の線量計の警報が鳴ったにも関わらず、作業を継続した理由について何か。

保安院:これについても先ほど申しました通り、放射線管理という意味で言うと、どれだけ作業員の人に徹底してたのかと、その放射線の雰囲気と言いますか、環境の中で作業をするということ、また水からの被曝もあるということについてきちんと話が出来ていたかどうかっていうこともあります。したがって、そういう管理についてもっと改善する必要があるんじゃないかというのをすぐに指示をしたというものでございます。

記者:放射線管理の責任がある人っていうのは、その放射線管理責任者とかそういうなんか。責任ある立場の人、現場における責任者?。

放射線班:現場にいらっしゃるその保全担当責任者というのがおりますので、その方に対して口頭で指示をしたと。

記者:東電の社員の方ですよね。

放射線班:それは東京電力の方ですね。

記者:すみません。ガンマ線の核種分析とベータ線の核種分析の目的ってどういうふうに違うんですか。

保安院:すみません。今その情報持っていません。

記者:先ほど、何ですか、口頭指示の根拠の話のところで、法律で、については吟味していないという言い方なさいましたけど、直ちに炉規制法とかでの違反というものではないということなんですか。

保安院:炉規制法でどうかとか、あと法令に対してどうかっていうのは当然出てくると思いますけれども、何分こういう大きな災害が起きているところであって、法令の適用ってどうするのかっていうのは、これは我々もよく考えていかなきゃいけないと思っています。いずれにせよ、個々人の放射線の管理という意味で言えば、明らかに適切な管理がされていないというのは、これは明らかですので、そこについて指示をしたというのが今の段階です。

記者:すみません。ベータ線の核種分析の結果が出る見通しというのは、何かお持ち。

保安院:まだ聞いておりません。

放射線班:すみません。ベータ線ではなくて、アルファ線の核種分析であります。プルトニウムとかウランとか。

記者:じゃあそうすると、ガンマ線だとこういう核種が拾えて、アルファ線だとプルトニウムとかが含まれるかどうかを調べられるということなんですか。

放射線班:まず、アルファ線があるかとどうかを調べる。それ結構時間かかるんですけど、自然界のアルファ線を排除しなきゃいけないんで、ちょっと置いておかなきゃいけないんですけれども、それがある程度出てくるというのがわかったらですね、今度それがどの核種から出てるのかというのをまた分析をしなきゃいけないということになります。ちょっとまだ時間がかかると思います。

記者:これは例えば今日一日で出てくるものなのか、何週間かかるのか。

放射線班:まずとった資料をですね、ダストを一週間は置いておかなきゃいけないんですね、いつ出来ているのかっていうのはちょっと見えない状態ではあります。

保安院:よろしければすみません。またこの分析もしなきゃいかんもんで、一旦これで打ち切らせて頂きたいと思うんですけど、よろしいんでしょうか。

記者:すみません。ちょっと聞き洩らしたんで、申し訳ありません。口頭で指示したのはいつだっていうのをもう一度。

保安院:この情報が統合本部に入ってきた時にすぐだというふうに聞いています。

記者:昨日ですか。

保安院:昨日ですね、はい。よろしいんでしょうか。じゃあどうもありがとうございました。