原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月26日22時35分から41分間)

司会:それではただいまより会見の方はじめさせて頂きます。よろしくお願いします。

西山審議官:ではお待たせしました。よろしくお願いします。では私の方から簡潔に1号機から4号機までの現状をとくに水の処理などについての状況を報告いたします。

まず1号機につきまして、福島第一原子力発電所の1号機ですけれども、このとくにタービン建屋に水があるということがわかっておりまして、その核種分析については現在の結果をすでに報告しているところであります。それでこれについては、前回の会見のときにも少し申しましたけれども、原則としてはポンプでくみ上げて、それを復水器という、本来はタービンを回した後の蒸気を冷やして水にするその復水器というものの中に入れて、閉じ込めておくという、そういうやり方をとろうとして今やっております。作業は進んでいると言えば進んでいますが、なかなか色んな難しい点もあるようでして、まだいつまでにこれを成し遂げられるかというようなことははっきりとはわかっておりません。それでこれからのプランとしては、今までにこの1号機については元々海水を消火ラインから入れて、原子炉に入れていたところ、必ずしも水の入り具合がよくなくて、温度や圧力の管理が難しい状況があったので、給水ラインというところに今度替えて、やはり同じ海水で一度替えて入れ出したと。その後今度つい最近になって、淡水に変えて塩や塩分、あるいは不純物による弊害を取り除こうとしているというのが現状であります。今現在はその淡水の注入は行われております。それで、この今の放射性を帯びた溜まり水をポンプで処理出来たあとは、そこをふき取り、除染をし、今後のプランとしてはそれが出来た上で、電源の復旧に入っていき、電源の復旧によって一番成し遂げたいことは、残留熱除去系という本来の海水による熱交換によって、安定的に原子炉を冷やしていくと。そっちのシステムに移行していくということが目標であります。

次に2号機でありますけど、2号機については、実際のところまだ溜まり水をですね、どういうふうに処理するかということについて検討中でございます。2号機について、そのどういう方法で水を抜き、どこに処理するかということはまだはっきりしておりません。

それから3号機につきましては、ここについては、元々経緯としては復水移送ポンプというもので水を入れようとしたところ、作業員の方がその電源の、ケーブルの敷設の時に負傷されたということで、線量の高い水があるという現状なわけです。我々としてはその水を抜いて、やはりここについても残留熱除去系の方の回復に持ち込みたいと考えておりますけれども、まだこれについても、現在それが出来るまでの間ということで、ポンプ車によって、淡水をこの3号機の原子炉には送り込んでおりますけれども、まだその溜まり水の方の抜き方については3号機についても現時点ではまだはっきり決まっていない状況です。

それから4号機につきましては、4号機にも溜まり水がありますので、これについて内容を今分析中と聞いております。それから使用済み燃料の、4号機は使用済み燃料の方が重要なわけですけれども、使用済み燃料のプールについては、今日は特段の動きがなく、その使用済み燃料プールの状況を把握しながら、必要に応じてまた注水していくということになります。私の方から冒頭以上にさせて頂いて、あとはご質問にお答えしたいと思います。

司会:それでは質疑応答とさせて頂きたいと思います。一番前前列男性の方どうぞ。

記者:共同通信のスエと申します。溜まり水の除去に関して、1号機はポンプを使って、2号機3号機は検討中ということですが、これは2号機3号機では同じようにポンプを使って復水器に入れるという方法は使えないので、他の方法を検討して遅れているというか、作業に取り掛かれないということなんでしょうか。

西山審議官:まだ溜まり水の全貌ははっきりしていないところがありますけれども、やはり溜まり水の量でありますとか、その場所であるとか、それから入れ込んでいく先のその復水器の状況だとか、そういうものを勘案して、まだ結論が出ていないという状況です。

記者:もう一点。1号機の方ですけれども、その水抜きの状況がまだどれくらいかかるかわからないということですが、本日移送、ポンプの移送を始めて、水が減っている、要するにここから追加の漏れがないらしいという報告はあるんでしょうか。

西山審議官:今そこははっきり聞いていません。また、難航しているというふうには聞きましたけど、入れる先から、抜く先から増えているとかそういうふうにも聞いてませんが、なかなか作業は難しいようです。

記者:難航っていうのは具体的にどういった点でという話は。

西山審議官:そこはわかりません。

記者:わかりました。

司会:では次、そちらのテーブル2列目の男性の方どうぞ。

記者:フジテレビのスズキです。よろしくお願いします。先ほど東電側の方から2号機の原子炉建屋のですね、大物搬入口から水が流れた跡があることを作業員の方が確認されたということなんですが、これ通常であれば原子炉のその搬入口の方から水が流れるということはあり得ないということなんですけど、これについてのご所見と、これによって想定される原子炉内で何が起こっているのか、それについてのご意見を頂きたいと思います。

西山審議官:まず2号機ですよね、これ。2号機っていうのは、まず建屋があるので、建屋が残っていると言っちゃあれですけど、建屋があるので、放水もしていないし、それからその代わりに使用済み燃料プールに注水を、注水は中から配管から行ったわけですけど、これについては溢れたときに感知する機械を持っていたので、それを持って溢れないような形に、少し溢れるにしてもほんの少しで済むような形に留められる機構になっておりますので、今までのこの水を入れる関係の作業からはそこから水がダラダラ流れてくるということは想定されない基だと思います。それと、あとはもう一つは流れた跡があるということなんですけれども、そこにある程度の線量が確認されているということだと思いますが、線量自体はこういう今の各プラントの状況ですから、中から出て来なくても、2号機の中から出て来なくても、その地面自体に線量が確認されるということはあり得ると思うんですね。ですから、外側で流れた跡がある部分に線量が観察されるというその結果を説明する、説明すると言いますか、そこに元になった出来事としては、一つは今さっき申し上げたような状況ですから、どういう水の出方したのかはわかりませんけれども、中から流れた水が、その線量を持っていたというケースが何かあるかどうかという観点が一つと。それから場合によっては、普通の水が線量をもった場所に堆積したことによって、溜まったことによって、それが流れていって線量を確認した形になったというような両方があると思うんです。

記者:すみません。今の関連なんですけど、先ほど東電さんは線量についてはまだ測っていないというふうにおっしゃられていたんですけれども、保安院さんの方ではもう線量は確認されているんですか。

西山審議官:我々が聞いているところでは、ちょっとお待ちください。私が聞いておりますのは、東電、東京電力も計測はしていて、それで数字はまだ固まっていないようですけど、ある程度の線量は測っているというふうには聞いてます。数字は、確たる数字は聞いてませんけど。私はですから、線量が多少あるという前提で考えております。今まで申し上げてきたことは、線量がある水がそこにあるとすると、その基になったものは線量がある形でプラントの中から出てきたのか、あるいは外にある線量に水が、単なる水が混ざったものなのか、そこははっきりしないということだと思うんですね。それで、それ以上のことは今はっきりとはわかりませんので、いずれにしてもこれはそこ線量をしっかり測り、それから今そのすぐに2号機のその原子炉の、原子炉の建屋と思いますから、原子炉の建屋のところから何か出てくることがあり得るのかどうか、そこはよく考えてみないといけないと思います。

記者:すみません。関連で、最後に申し訳ないです。線量多少あるということなんですが、その多少というのは大体どのくらいのレベルというふうに、通常であればおっしゃられるんでしょうか。

西山審議官:我々は例えば今例と言いますか、幅がある数字というふうに聞いておりますけれども、15ミリとかそのくらいのオーダーだと、15ミリシーベルトとかそのくらいのオーダーだと聞いています。

記者:毎時ですか。

西山審議官:そうですね。毎時です。

司会:では次、壁際の真ん中辺りの男性の方どうぞ。

記者:週刊朝日のミシマと言います。昨日審議官の方から、原子炉容器が損傷あるかもしれないという言及がありまして、それはあれは被曝された被曝された方から燃料棒由来の物質が出たからということでよろしいんですよね。その言及の根拠というのは。

西山審議官:いや、言及の根拠は核種分析というの、水についての核種分析した後、そこに燃料由来の核種が入っているので、原子炉かあるいは使用済み燃料か、どちらかであると思われるんですね。ここにはまだ決定的な決め手がないんです、実は。両方の説があるんですけれども、さっき私が、この前の会見で申し上げたのは比較的短周期でなくなる、半減する核種が入っているので、そういう意味では使用済み燃料が、使用済み燃料の使用年数をもうちょっと見てみなきゃいけないかもしれませんけれども、使用済み燃料の方は、使って長く経っているとすればその半減期の短いやつはもうなくなってくるんじゃないかと。そうすると残っているということは、原子炉の方に由来するものではないかというふうに思ったっていうことです。

記者:それでお聞きしたいのは、官邸のホームページの方に出てます資料、事故の中の添付資料の中に、12日からの各号機のデータが掲載されているんですが、これを見ておりますと、1号機については12日の午前2時49分の段階で所謂ゲージ圧で8気圧、ですから絶対圧で9気圧になっているんですが、これは本来70気圧近い圧力容器がこれまで下がるというのはほかの2号機3号機はみんな70とか50っていう数値を保っていますが、ここまで落ちるっていうのはですね、冷却材喪失が起きていてもおかしくないような気がするんですが、この辺の数値、同時にまた見て頂きますとわかりますように、ドライウェルの圧力も大体絶対圧は9気圧。だから大体同じようなレベルに格納容器と圧力容器はなっているということは、これツーカーになっちゃっていると見ても構わないと思うんですが、ということは何か抜けたんじゃないかと思うんですけれど、というふうに見ることも出来ると思うんですけど、この辺、審議官のみなさんのお見立てはどういうふうになっているんでしょうか。

西山審議官:ちょっとそこは経緯を確認しますけれども、1号機については我々の認識では水を入れる原子炉の中の水が十分でなかった時期があって、それによって燃料が損傷したことがあったということはあると思いましたね。それでその時に水素が出て、それが建屋の方に出たことによって、水素の爆発が起こったという経緯だったと思います。

記者:ただこの表ですと、その頃の水位はまだ1300と500がありますので、燃料棒が浸かっていたときにすでに圧力容器の圧力は絶対圧で9に落ちております。ですからこれは何か他の要因でなければ、圧力は落ちないような気がするんですが、この圧力計が信用に足ればですね。ですから、しかも格納容器と同じということは、これ普通にいう所謂冷却材喪失が起きていることに非常似た数字をこの数字からは読み取れるような気がするんですが、どうでしょうか。

西山審議官:そこはちょっと確認させて頂きたいと思います。

記者:わかりました。それともう一点。同じようにこの表からですね、ドライウェルが抜けた時間帯が所謂絶対圧で7気圧から、抜けたのが大体、8時38分という数字が出てるんですけど、このベントを抜いた時間はころころ変わっていますので、僕もよくわからないんですが、今配られた資料だと10時17分になっているんですが、10時17分にはドライウェルの圧力は全然変わってないように見えるんですが、これは逆に言うと、この8時36分に起きているドライウェルの圧力変化は何によるものだということなんでしょうか。

西山審議官:そこはちょっとデータをもう一回確認してからお答えします。

記者:すみません。それと3月11日の事故当時、被災時のデータというのはなぜないんでしょうか。

西山審議官:それも確認します。

記者:はい。わかりました。

司会:では次ご質問の方。一番前の。

記者:NHKのクツカケと申します。先ほどの2号機の水の件なんですけれども、これも官邸の発表資料には、大物搬入口から一般排水溝に流れ出た後というふうにあるんですが、この一般排水溝というのはそのまま海に繋がっているものだというふうに考えてよろしいんでしょうか。

西山審議官:それはそうだと思います。

記者:わかりました。あともう一点なんですが、残留熱除去系の方なんですが、これ1号機から3号機まで、についてですね、今まで被害の状況ですとかそういうものが入ってきていたら教えてください。

西山審議官:そこはわかってません。

司会:では次ご質問の方。壁際奥の男性の方どうぞ。

記者:中日新聞のホソイと申します。3号機の水溜りとかですね、放水口の水のその分析データなどには、所謂3号機ではMOX燃料があってですね、プルトニウムなんかもあるんですけど、プルトニウムに関するデータっていうのはないんですけれども、それは検出されてないということなのか、検出のその作業をして分析をしてないということなのか、どちらなんでしょうか。

西山審議官:今プルトニウムに関して、我々としてやる意味があるとすればと思っているのは、土壌であるとか土ですね、土壌であるとかダストというこの空気中の塵であるとか、そういったものについてはプルトニウムに関する分析をする意味があると思っていますので、そういうところについてはやることを考えたいと思っています。

記者:プルトニウムに関して言うと半減期長いので、やっぱりそうすると不安の多い物質だということも言えると思うんですけども、それは通常の放水口とかですね、そういう水溜りで出来たところには普通に考えてやった方がいいんじゃないかっていうふうに思うんですが、そういう考えはないんでしょうかね。

西山審議官:今のところありません。我々として意味があって、国民にわかって頂きたい部分についてはやりたいと思います。

記者:ではやらないということでよろしいんですかね。それは問題ないからやらないという。

西山審議官:そうですね。やって意味のあるところについてはやりたいと思ってますが。

司会:では次ご質問の方。壁際真ん中辺りの男性の方どうぞ。

記者:すみません。時事通信のスズキですが、ちょっと変わった話になるんですが、馬淵さんが首相補佐官として原発担当になられましたけど、何か官邸の方から説明があったりとかですね、指示があったりとかそういうことはございましたか。あとそれから分かればで結構なんですが、これからどういう形で保安院の方は馬淵さんとどうコミュニケーションをとっていく形になるのか教えてください。

西山審議官:その点について私ははっきり今のところ、ここで説明出来るだけの知識がありませんけれども、基本的には総理がおつくりになった東京電力の本店に設置されたら統合本部を中心にやっていくということで、その際に馬淵大臣にも、馬淵元大臣にも一定の役割を果たして頂くということだろうと思いますけれども、ちょっとこれまでの時点でそのことに関してきちっと情報持っておりませんので、今はコメントを差し控えたいと思います。

記者:ということは、逆に官邸の方から説明等は今のところないということなんでしょうかね。

西山審議官:私自身が官邸のそのプロセスに必ずしも、なんて言いますか、入ってないと言いますか、入っている人たちと連携を取りながら皆様に説明する役割ですので、私が知らないことは十分起こっているかもしれません。

記者:ありがとうございます。

司会:では次、ご質問の方。真ん中の列3番目の男性の方どうぞ。

記者:西日本新聞のヨシタケと言いますが、先ほどの1号機の話で、その気圧とか水にも関する話なんですけど、配管のですね、損傷の可能性を指摘する専門家の方がいたのですが、配管の健全性というのは確認されていますでしょうか。

西山審議官:1号機について配管に何か異常があるということをはっきり示すデータを私は見たことがないように思います。

司会:では次のご質問の方。壁際の女性の方。

記者:すみません。週刊朝日のオオヌキと申します。先ほどですね、1号機の原子力の圧力が当初からかなり70気圧から9気圧に下がっているということで、冷却水の喪失事故が疑われるんじゃないかっていうことを指摘したんですけれども、そのことに関して、冷却水の喪失事故が起きたっていうのはかなり深刻な状況だと思うんですが、何か対応マニュアルみたいなものはあるんでしょうか。

西山審議官:今回確かに冷却水が減って、それによって燃料が損傷した可能性が高いということで、そこはもうわかっているわけなんですね。それによって水素も発生して、さっき申し上げたように爆発も起こったということです。例の国際的な評価尺度でもそういうことだから今5段階目にきていると、登録してあるようなわけで、そういうこともあって、その後その状態をなるべく早く元に戻すために、海水を注入してそれを最近純水に変えた形で、淡水に変えた形で今日に至っているということです。ですから対策というのはまさに今やってるのが、そういうことに対する緊急の対策だったわけです。

記者:それは当初からなされていたということなんですかね、この12日の時点で。冷却水の喪失事故が疑われるからそういった対策を取っていたということなんでしょうか。

西山審議官:ちょっと整理してからお答えします。すみません。ちょっと記憶を取り戻すのに、少し時間がかかりましたけど。元々、何だっけ。RCICって何だっけ。隔離時冷却系っていう原子炉が海水による冷却が出来なくなった時に使う冷却系でもって冷やしてたんですけど、それも電源がなくて動かせなくなって、その後は外から強制的に水をつぎ込むしかないということになって、その水をつぎ込む際に中の圧力がうまく調整できないと、中の圧力の抵抗を受けて水が入らないという状況になったと。その間が、この間、ベントいう空気を抜く、ガスを抜く作業をしたりしましたけれども、それが燃料、若干時期が遅れて、タイミングが遅れたために燃料が十分水に浸かってない状況が生じて、それによって燃料も損傷し、水素も発生したと、ということですね。ですから、そういう意味で電気のないところ、電源のないところで対応する手は打ったんだけれども、それが少し間に合わなかったということです。

司会:では次、ご質問の方。一番後ろの女性の方どうぞ。

記者:テレビ朝日のフジオカです。すみません。三点あるんですけれども、今日夕方に2号機の制御室の明かりが点いたと思うんですけれども、これに絡んで計器類とか何か回復しているもの、とくにあるんでしょうか。とくにサプレッションプール損傷の可能性が2号機はあるということだったんですけれども、ここら辺の状況で新たにわかったことはあったんでしょうか。あと1から3号機まで水の注入が淡水に変わったっていうのも今日の夕方までにあると思うんですが、これによって何かとりあえず水を淡水として循環させてるだけだと思うんですけど、冷却については効果っていうのは表れてきているんでしょうか。あと最後に、この淡水に変わったことで残留熱除去系っていうので冷却はしていくということなんですけれども、この系統だとかなり配管とか複雑に絡み合っていると思うんですが、時間的に冷却系が完全に回復するまでっていうのはかなりスケジュール的に後ずれするっていうことになるんでしょうか。教えてください。

西山審議官:今確かに中央制御室については明かりが点りましたけれども、それ以外に計器であるとか、その他のところについて、とくにこういう進展があったという報告はまだありません。それから圧力抑制室の状況についても今のところとくに変化はありません。それから淡水を入れることによって、我々が期待している効果は、その塩分が付着したりして冷却の効果が少なくなるということ、あるいはその金属にその損害を与えるというか、腐食させたりする、そういう害を与えたりすること、そういうことを防ぎながら冷やしていくという、冷やすことが出来るという意味があると思っておりまして、そういう意味で、その効果は今すぐに数字として表れているか今は存じませんけれども、そういう効果が出ることを期待しております。残留熱除去系については、それを復活させるのが最終的な持続可能な冷却システムを作ることになるので、それを是非やりたいと思ってますけれども、まだいつまでに出来るかというのははっきりと申し上げられません。

記者:すみません。淡水にしたことで、冷却っていうことはどれくらい効果があるんでしょうか。

西山審議官:定量的にははっきり申し上げられませんけれども、我々が淡水に変えた理由の一番たぶん大きなものは、塩分が付着するとその分冷却効果が落ちると思うんですね。冷やしたい部分に塩がついたりするということになるので。そこを淡水に変えることによって、今ある塩分がどの程度とろんづけるかっていうことはやってみないとわかんないところがありますけど、それによってこれからはいきなり水が当たることによって冷やすことが出来るということだと思います。

記者:どれくらい冷えるっていうのは温度も、炉内の温度もほとんど今の段階では変わっていないと思うんですけれども、デメリットが防げるだけということですか。それとも。

西山審議官:まだ今まさに始まったばかりですから、もう少し様子を見ないといけないし、これが本来の姿ですからこれを続けていけば成果が上がってくると思ってます。

記者:補給水系をあきらめて、残留熱除去系に移行されるっていうのは、この淡水に変えたことでほとんどその補給水系の効果っていうのがあるからっていうことですか。溜まった水のこともあると思うんですけど。

西山審議官:そういうことでは必ずしもなくて、今残留熱除去系の方に移行するというのが、これがやはり最終的なあり方なんですね。それまでの手段として補給水系も使うことも考えていたということですね。今はですから、その補給水系に入れていくポンプを使おうと思ったら、その電源が負傷者が出たりしてうまくいってないので、その代わりに消防車によって淡水を押し込んでいるという形になっているわけです、それも暫定的な姿ですから、最終的にはその残留熱除去系によって海水をうまく引き込んできて、海水をそのまま突っ込むんじゃなくて、海水で熱をとるようなサイクルを作っていくということです。

記者:いつ復活出来るかわからない残留熱除去系っていうのがあるけれど、消防車によって淡水を入れ続けるっていうのを、なんて言うか、やり続けるっていうのが何となくスケジュール感が見えないんですけど。

西山審議官:ただ最後に引き継げるやり方を見つけるまでは冷やさないといけないわけですから、今はこれしか手がないと思います。

司会:ではそろそろ残り3名とさせてください。質問まだされていない方で。

記者:AP通信のヤマグチです。3号機のタービン建屋の溜まり水のことに関連してお尋ねしたいんですけれども、おけがをされた時の前日はそこにあったという報告がなかったということですが、それはということは、一晩の間に何かが起こってそこに漏れたのか。あるいは見落とし等で、本当はあったかもしれないけど、なかったという理解だったのかということのどちらの可能性で。もし一晩のうちにそれが溜まってたんであれば、どこからその水が来たのかという推測が出来るのかどうかということを知りたいんですけれども。

西山審議官:今の点は、我々は前の晩にはなかったというふうに聞いておりますけれども、見落としかどうかはわかりませんが、一応なかったというふうに聞いております。ただそれがどこから来たかというのはよくわかりません。

記者:朝日新聞のコジマと言いますが、3人の負傷者が出たことで、他の作業員の士気に影響が出ているとか出ていないとかいう報告は受けていらっしゃいますでしょうか。

西山審議官:今のところ受けていません。むしろしっかり線量管理をやることの対策をですね、徹底されたというふうに聞いてますが。

司会:では最後壁際の男性の方。

記者:今の関連なんですけども、作業員は3人目の方も来れ、170ミリシーベルト以上の被曝が確認されたということでよろしいわけですね。

西山審議官:そういう前提でしたね。

記者:この3人目の方は、とくにその後も症状とか何か健康上の不調とかそういう症状というのはとくに訴えたりはしてないんでしょうか。

西山審議官:確認しますけれども、その方はどちらかというと予防的に聞かれたような感じだったと思いましたが、ちょっと確認いたします。

記者:これ170ミリシーベルト以上の線量というのは全身という理解でよろしいんですか。足になるんでしょうか、それとも同様に。

西山審議官:全身の線量計だということです。

記者:わかりました。これは放医研の方で確認されたということでよろしいんですか。

西山審議官:今現場の管理をするAPDという線量計でその値が出たということです。

記者:すみません。これ24日、APDというのはどうして、24日ですよね、これ発覚したのが。それがどうして今日になってっていう話になるんですかね。

西山審議官:今日になって何があったんでしたっけ。

記者:いやいや、3人目の方のその被曝というのは今日。

西山審議官:その当時からもう3人とも170から180くらいの。

記者:ということでよかったんですか。

西山審議官:そういうことでしたね。

記者:わかりました。

西山審議官:それを前提にしてのことでした。

記者:わかりました。それと先ほどちょっと、先ほどのお話の中でですね、ベントが若干遅れた、燃料損傷の中でですね、っていうようなお話があったかと思うんですけれども、逆に言えばベントとかを適切にやっていたら、こういう燃料損傷というのは防ぎ得たというそういう理解でよろしいんでしょうか。

西山審議官:そこはもう一回評価してみないといけないと思いますけど、結果的にどこに遅れがあったのかということは検証する必要があると思いますが、結果的には燃料が水を被ってない時間が生じてしまって、損傷してしまったということが結果ですから、それに対してどこでやればよかったのかということは色々評価はあるかと思います。

司会:それではこれで会見の方終了させて頂きたいと思います。どうもありがとうございました。