原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月28日10時23分から42分間)

司会:遅くなりまして申し訳ございません。ではですね、25分、10時25分手前ですが、会見をはじめさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします。

西山審議官:おはようございます。よろしくお願いします。いつものように各、福島第一原子力発電所の各号機の状況について最初にご説明したいと思います。

まず1号機ですけれども、炉心のパラメーターにつきまして、この原子炉圧力容器のですね、少し温度が上がってきておりますので、これについてはもう少し流量の調整をいていくことになると思います。それから原子炉への淡水の注入につきまして、消防ポンプ車から仮設の電動駆動ポンプに切り替えることを申し上げておりましたけれども、これについては、切り替える必要があるのは1,2,3の3号機ですけれども、方針としていずれの号機についてもこの電動駆動ポンプとそれから電源と、それぞれ揃った形で切り替えていきたいという方針をとっておりまして、つまりある一つの電源でいくつかの号機を動かすというようなことにしてますと、仮にそれがおかしくなった時に、故障した時に色んな所に被害が、いくつかの号機が同時に困った事態になるということがありますので、そういう意味で一台一台を一つの号機に備えていくということにしたいと考えています。その関係で、のちに申しますけれども、2号機の方を優先して作業しておりまして、原子炉への淡水の注入を電動のポンプに切り替えていく、仮設の電動ポンプに切り替えていく作業について、1号機については3月29日を予定しております。これは発電機の、なんて言うか、調達の時期によるものであります。使用済み燃料プールにつきましては、コンクリートポンプ車による放水を3月29日を目途に実行する考えをもっております。次に、電源の関係では引き続き、直流の分電盤の健全性を確認して、これを復活させていくということ、あるいはモニタリングポスト、5番から8番のモニタリングポストに関する電源ケーブルを敷設して、モニタリングポストを復活させると、今モニタリングは、モニタリングカーという車で移動しながら行っているわけですけども、これを本来の姿であるモニタリングポストを活かした形でのモニタリングに切り替えていきたいということであります。懸案でありますタービン建屋の地下1階の溜まり水の復水器への移送作業につきましては、前から申し上げました通り3月24日の17時10分から水中ポンプで言っておりますけど、これを昨日の15時10分、3月27日の15時10分に3台体制、1台体制から3台体制に切り替えて、まだ現在も継続中であります。

次に2号機です。2号機については、原子炉への淡水の注入について、昨日も一つ申し上げましたように、ホウ酸を入れるために仮設のタンクを使っておりました。純水を調達するのに、真水を調達するのに仮設のタンクを使っておりましたけれども、それを純水タンクという他の号機と同じタンクの、からの調達に切り替えました。この切り替えをする必要がありましたので、現在手に入っている発電機と電動駆動ポンプの組み合わせをまずこの2号機に適応いたしまして、2号機についてはこの仮設の電動駆動ポンプと、仮設のディーゼル発電、この二つの組み合わせによる体制に消防ポンプ車からの移行を昨日3月27日の18時31分に完了いたしました。使用済み燃料プールにつきましては、次の課題は海水から淡水への切り替えということでありまして、今までは海水を入れておりましたので、その淡水への切り替えを3月29日に予定しております。電源の関係では直流分電盤の健全性の確認などを行う予定としています。2号機につきましても、懸案の2号機のタービン建屋の地下1階の溜まり水の移送について、まだこれは方法を検討しておるところでございます。検討の内容といたしましては、昨日申し上げましたように、復水器にこの溜まり水をポンプでくみ上げて入れたいと考えていますけれども、復水器自体がハッチを開けてみたら、上の蓋を開けてみたら満杯である様子であるということなので、今度はその復水器に入っている、現在入っている水をどこか別のタンクに移す。そのタンクをいくつかこう調べてみましたところ、また移したいタンクがかなり水が入っているというようなことが判明して、そのタンクの先のタンクをですね、の水を別のところに移すというようなことを今考えております。そういうルートをしっかり作った上で、2号機の排水も、2号機のタービン建屋の地下1階の溜まり水についてもこれをポンプで、その水自体はまず復水器に移すという方向で今検討をされているというふうに聞いております。ただこの辺りはかなり柔軟に考えないといけないものだろうと思います。

次に3号機であります。3号機については、炉心の方のパラメーターは一応は落ち着いているということであります。淡水への切り替えにつきましては、先ほど申し上げました方針で一号機につきちゃんとその号機専門の、専用の電動駆動ポンプと、仮設の電動駆動ポンプと仮設のディーゼル発電の組み合わせを使っていくという方針があるわけですけど、その方針に基づいて、3月28日、これは今日ですね、今日その切り替えを行っていくということで、これまでの消防ポンプ車から電気での体制に切り替えていくということになります。使用済み燃料プールへの注水はこれまで海水で行っておりましたけれども、3号機につきましても、3月29日に淡水への切り替えを行う予定としております。電源の関係では、照明用の分電盤の健全性の確認などを行う予定でございます。3号機でも地下1階の溜まり水があるわけですけれども、これについてはまだ移送先を検討中でございます。

次に4号機です。4号機につきましては、ここは使用済み燃料プールが問題になるわけですね。すべての燃料がこちらに移されていますので。この使用済み燃料プールに対しましては。昨日3月27日の16時55分から19時25分、16時55分から19時25分ということで、海水をコンクリートポンプ車によって注入しております。淡水への切り替え、使用済み燃料プールへ入れてある今の海水を淡水へ切り替えていくのを3月29日に予定しております。その他、電源の関係では、3号機に関しては、失礼、4号機、4号機です。4号機に関しましては、機器の健全性の確認などということで、変圧器の確認などをするというふうに聞いております。

5号機6号機についてはとくにコメントすることはございません。

それから今日は放水は予定されておりません。今申し上げたようなことで、放水は予定されておりません。

そのほかにいくつかコメントがありまして、一つは昨晩会見の頃、私が行いました会見の頃から、東京電力の方で2号機の溜まり水の調査結果について、データ的に信用出来ないと考えられる部分があるので、その再評価するということで、その結果が表明されております。報告されております。私どもの方からもお配りしたところでございます。これに関しまして、こういう誤った、一時的にせよ、誤った情報が東京電力から発表されたということで、この核種分析をはじめとして、この種の分析をしたときの評価体制などにつきまして、原子力安全保安院から東京電力に対して、口頭で指示を行っております。指示の内容は核種分析結果を評価するときの体制を再構築してもらいたいということ、それから評価を行う際の手順を徹底してもらいたいということでございます。東京電力の方では早速これらの指摘を踏まえまして、核種分析の品質向上、再発防止対策ということで、核種分析データの評価手順の明確化、核種分析データの評価手順の明確化、それから核種分析評価結果の確認の再徹底、それから保安班というそのこの関係をやっておられる方々の体制の整備といったことについての対策をまとめておられるということであります。それについて我々の方にまとめたという連絡を頂いております。これからそれがしっかり実行して頂けけるように我々としては見ていきたいと思います。それからこの関係で、過去の他のデータにつきましても一応これまで公表されているデータにつきましても、再評価をするというふうに聞いております。

そのほかにいくつか説明申し上げておきたいと思いますが、本日海水の、放出口近くの海水のモニタリング結果というものが皆様のお手元にも配られていると思います。すみません。ちょっと手順の確認をいたしまして、皆さんのお手元にまだ資料は配られてないそうですので、私が口頭で申し上げます。これは東京電力の方から午前中に発表があると聞いておりますけれども、放出口のところでの海水の分析をしております。一度1000いくらという高い値が出て少し戻ったけれど、また1850でしたか、という値が出たところがありました。それでそれはこの福島第一原子力発電所の南放水口付近の1号機から4号機の放水口から南側に330メートル行った地点というものだったわけです。それでこの地点の水位、失礼、データについては、放射性物質のデータについてはとくに三桁の数字になっていて、高いことはないんです。これについてはまた将来変動する可能性もありますから、フォローしなきゃいけないと思いますけれども、今日申し上げたいのは、その少し北側のですね、同じ、第一原子力発電所の5号機6号機の放水口、これはお手元に資料ありませんので口頭でだけの説明になります。後ほど東京電力から発表があります。第一原子力発電所の5号機6号機の放水口の北側というところでも測っております。その放水口から北側に約30メートル行った地点ということです。ですから今元々少し高い値が出たところよりも北側にある場所なんですけれども、そこでとったところでヨウ素131が1150倍という値が出ております。これについては、後ほど東京電力の見解が発表されると思いますけれども、我々の方にも今資料が、資料と言いますか、データが参りましたので、今の段階でお知らせしておきます。どういうことか、流れとしては基本的には北から南に海流は流れているというふうに聞いてますけれども、かなり海岸に近いところなので、その沖合の方の潮流とはまた別の流れがあって、今までとっていた、とって高い値が出ていた南側の場所から北の方にこう動いていってるのかなというふうに推測されますけれども、それ以上のことは今わかりません。この点は一応我々の方に知らせがありましたので、皆様にも報告しておきます。

そのほか今までご質問頂いたことに関連して少しわかったことを報告しておきます。溜まり水の除去方法としてこの人が近づかなくても出来る方法があるのかというご質問がありまして、それはあると思っていましたが、説明しましたけれども、確認してやはり水中ポンプという、ある程度の距離から投げいれても壊れないポンプがあって、それをドボンと入れることによって、そこから吸い上げてくるというような、建設現場などでも使われているの、たぶんみなさんも見たことあるかもしれませんけど、そういったものを使ってやるということです。ですから一時的にある程度近くまで人が近づかなきゃいけませんが、その入れた後は自動で排水されることになります。以上で私の説明終わらせて頂いて、あとはご質問にお答えしたいと思います。

司会:それではですね、11時まで質疑応答の時間を設けたいと思います。質問の際はですね、会社名とお名前をよろしくお願いします。では2列目の男性の方から。

記者:TBSのワタナベです。1号機の排水作業なんですけれども、3台に増やしたということなんですが、この数日かかるという見通しがあるんですが、どれくらいかかるものなのかというのが一点と、まだ排水作業に取り掛かれていない2号機と3号機について、どういった目途をもっているのかというところを教えてください。

西山審議官:これはちょっとわかりませんね。わからないという意味は、みんななるべく早くやりたいと思っているわけですけど、これがないとその部分についての作業は出来ませんので、一刻も早く1号機についてはくみ上げるし、2,3号機についてはくみ上げたものの行き先を探してやるということですけれども、ちょっと今どのくらいで出来上がるということは申し上げられません。

司会:では壁際の男性の方どうぞ。

記者:読売新聞のタカダです。今の質問に関連なんですけれど、2号機については検討理由を説明頂きましたけど、3号はなぜ移送先が検討中という状態なのかというのをご存じならば教えて頂けますかということと、あと海水の濃度の話なんですけれど、今のお話だとまだ推測の域を出てないような話ばかりなんですが、この近辺の沖合のその海流の流れとかっていうのは、何かデータみたいなものお持ちなんでしょ、その上でのお話をされてるんでしょうか。それと確認なんですけど、1150というのの前の値はこの我々に配られている資料の314.3というのでよろしいでしょうか。以上です。よろしくお願いします。

西山審議官:まず最後のご質問はそれで結構です。314.3に当たるところが1150になったということです。それから3号機については今検討の中身ははっきりわかりません。それから海水については今申し上げたことは、一応ある程度沖合のところの流れということで申し上げたので、それ以上はこの今のデータに関連するところについては動きははっきりわかりません。この件については、30キロ沖合のところでは文部科学省が船による調査をやってますので、そこについては特段の異常な値は出ていないということでありますので、そういう意味では、そのラインは確保されているということになります。

記者:昨日も伺いましたけど、海水モニタリングについてですね、ポイントを増やすなどの検討っていうのは改めてなさってないのでしょうか。

西山審議官:今私の理解では、ポイントを増やすというよりも、もう少し回数を増やすという方がいいのではないかというふうに考えています。

記者:海水モニタリングって時間は何時だかわかりますか。

西山審議官:3月27日14時5分、14時05分、昨日の14時05分に採取したものです。

司会:では壁際の女性の方どうぞ。

記者:日経新聞のヒラノと申します。一部報道でですね、地震当日の11日夜に保安院が福島第一の2号機ですかね、に関して3時間以内の炉心溶融を予測していたという報道があったんですけれども、事実関係について教えてください。

西山審議官:まずご指摘の資料に基づく指摘らしいんですけれども、これについては2号機の原子炉への注水機能が失われているということを前提に予測したものでした。しかしその後これは、前ここに色々話しましたけれど、RCICという隔離時冷却系というその系統が動いているということが12日の午前3時頃に東京電力から2号機について報告がありました。現場で確認出来たということでした。そこで政府としては引き続きこの注水機能を維持するということを求めていたところでありまして、そのご指摘のことが書かれた前提がですね、その後異なったことになりました。いずれにしても、そこに関連して、そうですね、今とりあえずそれで結構です。以上のようなこと、前提が変わってしまったので、そのことはそれ以降とくに当てはまらなくなったということです。

記者:その資料はどこから?。

西山審議官:それは保安院の見解をもとにどこかの組織が作ったというふうに聞きましたけど。すみません。こういうことでした。事実関係は、保安院の我々プラント班というところが策定した福島第一2号機の今後の進展についてという資料について、に基づいたものでありました。これが官邸の危機管理センターの作成資料の中で公表されたということでした。

司会:次の方。では2列目の女性の方どうぞ。

記者:フジテレビのタカミです。この海水の濃度なんですが、南側今まで高かったのが下がって、北側今までやや低いのは上がった、その理由について今の見解をお願いします。

西山審議官:まず、はっきりとはわからないというのが最終的な結論です。おそらくその一番のもとは、最初に高くなった方にあるんではないかと考えられますので、それがあの近辺で、こうなんて言いますか、回っていたというか、そういうことによって生じたのではないかと推測出来ますけど、そこの流れとかはっきりはわかりません。

記者:そのもとは今のところどういうものから来てるかっていうのは、何号機から出ているものなのかっていうのはわかりますか。

西山審議官:そこはわかりません。

司会:前の男性の方どうぞ。

記者:すみません。まずちょっと確認なんですが、2号機の方はですね、もう仮設のポンプと電源に切り替わっているのかどうかということとですね、それによって流量、注水量なんですが、この資料によると、1号機がこれ給水系を使うことで1時間あたり2立米から18立米に増えたということで、これパラメーターの表に出てるんですが、この仮設のポンプに使うとどのくらいの注水量が、また連続で維持できるという評価でいいのかどうか。それをまずちょっとお伺いしたいんですが。

西山審議官:まず2号機はすでに一番最初に切り替わっております。昨日の、3月27日18時31分に切り替わりました。それから1号機の方はおっしゃる通り、元々消火系で入れてたものがうまく流量的に入らなくなって給水系に切り替えて、その中身を今度淡水に切り替えたという経緯がありました。現時点ではその淡水系によって、先ほど申し上げたように、少し温度とか圧力が非常に微妙なもんですから、それを見ながら入れているというところであります。

記者:流量は。仮設の2号機の方の。仮設の流量は。注水量ってどのくらい確保出来るんですか。

西山審議官:ちょっと今そのデータは持っていないので。ありますか。19.5立米、立方メートル毎時だそうです。

記者:これは連続運転出来るということでよろしいでしょうか。

西山審議官:それはそうですね。

司会:では一番前の男性の方どうぞ。

記者:すみません。テレビ東京なんですが、すみません。先ほど北側でも海水の濃度がっていうお話あったかと思うんですが、まずその南側と北側の位置関係がどのくらい離れて、南側から北側に対してどのくらい離れているのかというのが知りたいのが一つと、あと海水の流れの中でその濃度って日によって高まったり低まったり、つまり分散していく傾向にあるかと思うんですけど、先ほど流れの中でそっちに移行した可能性があるっていうのは、同じ濃度のものが保たれてですね、そちらで観測されるっていうことがあり得るのかどうか。そうするとそういう濃度の塊が拡散してないで、そのまま流れているということなのか。ちょっとそこら辺どういうふうに拡散、あるいは放射性物質がそのままいくのかどうか、そこら辺の見解を少しお聞きしたいと思うんですが。

西山審議官:今距離はチェックいたします。それから海流については、これははっきりわかりませんけれども、まずどんどん沖合に流れていく件についてはこれは拡散していくことは当然だと思うんですが、今まだかなり岸に近いところですね、さっき申し上げたように、この今出た数字のあるところは放水口から北側に約30メートルということですから、そういう意味でまだこうあまり流れというよりは、淀んでいると言いますか、そういうことも考えられるので、はっきりは今のところわかりませんけれども、そういう状態で、ある程度濃度が保たれた形で接するということもあり得るんじゃないかというくらいの距離のような気がしますが、今は少しわかりません。

記者:ちょっと今の質問に重ねてになりますが、これもわからないっていう話になるかと思うんですけど、つまり1,4号機の南側の330メートル地点で見つかったと。それは北側の方、5,6号機の方、北側とで見つかった同じものが流れたんじゃないかっていうご推測ということは、基本的には1,4号機の南側の放水口から流れ出たものというふうに今のところは考えてらっしゃる。それがそのまま移行したんじゃないかということなのか。そこら辺ちょっと知りたいですね。その5,6号機から改めて今流れている可能性はあり得るのか。

西山審議官:今はっきりわかりません。わからないんですけれども、1,4号機の場合に、1,4号機の近くのところでは、何らかの、放水口から出たかどうかもわからない状況だと思うんですね。今放水口からは普段の流れは止まっちゃっているわけですから。普段の流れで塩の、そこから海水を取り入れて原発を冷やして戻ってくるのが放水口なんで、それは今本来の機能が止まっちゃってるんですね。それ以外に何か出てるかどうかっていうことだと思うんですが、ですから放水口に限らずその辺りに出たものというのが、やはり今1号機から4号機が一番問題があるわけですから、そこからの可能性が高いというふうには考えられますけれども、それが5号機6号機の方は今比較的問題は少ないし、放射能が何とかっていうことはこれまで起こっていないので、そういう意味で1号機から4号機の方にもとがあるのではないかというふうに推測されるということくらいですね。今言えることは。

記者:すみません。もう一点だけ、関連いいですか。一番はじめにどなたかの質問にあったかと思うんですが、そうすると、その地点を増やす、地点を増やすよりも回数を増やした方がいいんじゃないかというご見解があったかと思うんですが、その観測地点を例えば増やしてですね、もう少しそこら辺厳重に見ていくとか、あるいは今回の1,4号機、南側で発見したここの部分についてですね、じゃあどこから出たのかっていう原因究明までは今現在手は回っていないという理解の仕方でいいんでしょうか。

西山審議官:手法については色々考え方があるでしょうけど、我々いま、回数を増やす方向を考えています。それから原因究明については、今必ずしも行われていないと思いますけれども、ただこれはいずれにしてもこのまま例えばどんどん数字が大きくなっていくというようなことがあっては、非常に国民に不安を与えることになりますから、何らか考えなきゃいけないとは思っております。

記者:回数を増やすというのはつまり、今も継続して流れ出てくる可能性をむしろ探るということですかね。

西山審議官:そうですね、はい。

記者:そういう理解で。

西山審議官:はい。

司会:では4列目の男性の方どうぞ。

記者:朝日新聞のコボリです。今の海水にも関係するんですが、溜まり水のことお伺いしたいんですけれども、復水器から放水口に熱交換するために結局配管が伸びていっていると思うんですが、復水器に1号機も、あと2号機3号機も最終的には復水器に水を戻したいということなんですけれども、高い線量の水を復水器に戻して、例えば配管に何か損傷があって、そこを通って放水口の方にですね、高い線量の水が流れていってしまうということはないんでしょうか。

西山審議官:そういうことも今はどういうふうに配管がなっているかというのはよくわからないところがありますから、可能な限りチェックしなきゃいけないだろうと思います。そのことと、この排水をして早く冷却する、今一番しなきゃいけないことを急ぐということとは、どうしても並行的に進めざるを得ないなというふうには考えています。

記者:復水器の中に、2号機3号機、水が満杯に入っていたということなんですけれども、例えば2号機3号機の中に入った水は何か放射能濃度とか線量っていうのは測っているんでしょうか。

西山審議官:今は私はそのデータは聞いておりません。

記者:あと、その溜まり水、2号機3号機の復水器が一杯だったけれども、その水をどこかに移したいということなんですが、それは候補としてはどういうところが考えられるんでしょう。

西山審議官:様々なですね、タンクが、原子力発電所には設置されておりますので、そういうところを使っていくということです。例えば、圧力抑制室に水が入っているわけですけど、これを、圧力抑制室を掃除したり中を点検したりするために抜き出すためのタンクとかっていうのがあったりする。そういうことを一例として、そこにいくかどうかはわかりませんけれども、それらのタンクも活用しながらやっていくということで、どこに今入れることが出来るかを考えているところです。

記者:大体どこに移すか決めて、作業に入るスケジュールっていうの、もしあれば教えてください。

西山審議官:なるべく早くということで今やっています。

記者:ありがとうございました。

司会:1列目の男性の方どうぞ。

記者:共同通信のキクチと言います。何点か。先ほどですね、2号機の溜まり水のデータがおかしかったという点を指摘されまして、これを踏まえて新たにですね、過去にとったデータの再分析を要請するというようなお話でしたけれども、どの辺りのデータを再分析要請することになるんでしょうか。

西山審議官:これまでに出た、私は詳細を今承知しておりませんけれども、昨日間違いがあったように、例えばヨウ素の134というものが、これはよく見ればヨウ素131との比率なんかを考えれば、ああいうふうなデータはなかなかあり得ないようなことだったと、専門家に言わせるとそういうふうなことらしいですね。ですから、そういうふうなことを考えながら、これまで多くのデータがありましたから、そういう、なんて言いますか、とくに若干おう専門家にとって気になるところを優先してやるのではないか、と私は推測しておりますが。

記者:昨日原子力安全委員会の方では、1号機の溜まり水、25日にとったものについても、放射性の塩素があるのに放射性ナトリウムがないのはおかしいとかそういうようなお話があったんですけれども、そういったもの、安全委員会の指摘を踏まえて再分析を求めていく、そういう形になっていると。

西山審議官:安全委員会のおっしゃっていることは当然それは踏まえてもらうことになると思います。

記者:あともう一つ。結局昨日の2号機の溜まり水はですね、通常の1000万倍から10万倍ということで、いずれにせよ非常に高い数値ですよね。こういったものが出てくる色々可能性が考えられると思うんですけれども、この中で保安院として圧力容器自体が破損して、穴が開いたりですね、破損して漏れていると、そういうような可能性というものも今検討しているんでしょうか。

西山審議官:前から申し上げてますように、我々はそういうふうに割れてるとか、穴が開いてるとかっていう可能性は非常に低いというふうに思っていますけれども、普通はそういう形ではなくて、圧力容器に水を入れ、どんどん水を注入して、それを圧力が高まると水が入らなくなってしまうので、格納容器の方に抜いていく。そういう中で格納容器になりますと今度、外側に対してたくさんの弁があったり、配管があったりしますから、そういうとことの漏れが大きいのではないかというふうに考えていますけれど、何が起こっているのか全体的にはわからないところがありますから、そういう意味ではあらゆる可能性を念頭において、考えなきゃいけないとは思っていますが、今おっしゃった特定の事象については、我々としてはあまり可能性がたかくないと思ってます。

記者:ありがとうございます。

司会:すみません。時間となりましたので、最後一人。

西山審議官:先にこちら方から、さっき海水を採取した場所の、最初に高いデータが出た1から4号機の方の放水口の方の330メートル先のところと、それから5,6号機の先の、放水口の先の30メートルのところの間はですね、全部合計すると全体は約1.5キロの距離があります。じゃあ次どうぞ。

記者:すみません。溜まり水の除去で、水中ポンプ話、先ほどあったんですが、これはどれくらい、入手しているのか、もう準備は出来ているのかという状況と、あと排水する先は復水移送ポンプということになるんでしょうか。それから関連して、この説明の時に柔軟に考えなければと審議官おっしゃったんですけれども、これは復水移送ポンプの先のポンプがまた一杯だったら、その先というふうに普段の用途とは別のところに入れるということの意味で柔軟に考えなければとおっしゃったんでしょうか。

西山審議官:まずポンプについては、1号機は前から申し上げてるように、3台使っております。それ以外の2号機3号機については、今そのやり方とともに検討中と聞いております。それから復水器というんですね、まず1号機が、1号機の水を入れたいところは1号機と言います。復水移送ポンプじゃなくて、復水器という、復水という言葉に、往復の復に水に器と書いて復水器というところがあります。そこが従来、本来の原子力発電所が運転されている時であれば、原子炉から出てきた蒸気がタービンを回した後に、水に戻っていって、水が溜まる場所と言いますか、また原子炉に帰っていくわけですけど、そういうときに一時溜まっている場所ということです。それで、復水器があって、2号機の場合に先ほど申し上げたのはその復水器が一杯のようであるので、それから別のところを探していくと。そういう過程では今使えそうなものをどういう手順で使っていくか、さらにそこの使っていきたい先のところに一杯のものがあれば、またその先を探して動かしていくというやり方をとるということですので、そういう意味で色んなルートを柔軟に考えなきゃいけないというふうに申し上げたことです。

記者:ある程度の距離から投げいれても壊れないポンプというのは、今おっしゃった最初から使っているということなんでしょうか。

西山審議官:そうですね。1号機の時に、1号機は復水器で入れられると思ってますので、その復水器まで持ちあげるのに、持ちあげる全体かどうかあれですけど、一番最初に放射性を帯びた水をあるところまでくみ上げてその復水器にもっていく、そのところまで、途中まで少なくても使う用途にそのポンプ使っていると聞いています。

司会:では申し訳ないですけど、以上で会見を終了させて頂きたいと思います。次回はですね、決まりましたらまた連絡させて頂きます。ありがとうございました。