原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月20日12時37分から78分間)

司会:大変お待たせいたしました。ただいまより記者会見の方始めさせて頂きたと思います。よろしくお願いいたします。

西山審議官:お待たせいたしました。これから始めさせて頂きます。まず、それじゃあ座って説明をさせて頂きます。今東京電力からも発表があったと思いまけれども、3号機ですね、水をかける方の話は後ほど説明しましすけれども、福島第一原子力発電所3号機の原子炉の、原子炉格納容器の中の圧力が上昇しているということで、ここには水を圧力容器、それから場合によっては格納容器まで出てくる形で水を、海水をつぎ込んでいたわけですけれども、この原子炉格納容器の外側の、格納容器の方の圧力が上昇しているということで、安全に万全を期すためにこの3号機の原子炉格納容器内の圧力を下げる措置を行うこととしたということです。これは放射性物質を含む空気が一部外部へ放出されることを意味しております。まず圧力抑制室、サプレッションチェンバーと言われる格納容器の下にくっついているリング状の部分で、ドーナツ状の部分ですけれども、ここに繋がっている配管の弁を開放して原子炉格納容器内の圧力を降下させることにするというのが最初の手段でございます。つまり圧力抑制室に向けて格納容器からガスと言いますか、空気を圧力抑制室の中にある水を通すことによってそこで冷却して気体を液体にすることによって中の体積を、ガスの体積を減らして中の圧力を下げるということですね。それをまずやってみるということです。ただしこの圧力抑制室自体が水で満たされている場合には、中にもう水として収容できなくなってしまって気体を水に変えるということができなくなるので、その場合には原子炉格納容器の圧力が今の手段では下がらない可能性があるわけです。その際には格納容器に繋がっている配管の弁を開放して原子炉格納容器の圧力を下げるということになります。この場合には水を通さない形での気体の放出ということになりますので、放射性物質の出る度合いというのは、外界に出る度合いというのは最初の手段よりも多くなるわけであります。こういうことを実行するという報告がありました。これはそこの東京電力の本店に設置されている統合本部においても議論されている結果としてやむを得ない措置であるという判断であります。以上が一点目の報告です。

二点目は、放水の関連の情報です。まず過去の事実関係、これはもう報道されていますのでご存じのことと思いますけれども、3号機に対しまして今日の3時40分に東京消防庁のハイパーレスキュー隊の放水が終了いたしました。次に8時21分に自衛隊が11台の放水車で4号機に対する放水を開始いたしました。午前9時43分、自衛隊の放水が終了いたしました。その後、11時から16時まで、本日の11時から16時までケーブルの関係の、電源の関係の調査、作業が行われます。これは1,2号、3,4号ともにであります。そして、16時までその電源の作業をやった後、16時以降、3号機については消防が放水し、夜通しこれを行うという予定であるということと、4号機については自衛隊が放水をして、放水をするということを聞いております。それからその間電源の作業が中断いたしますので、明日21日の8時以降、電源ケーブルの敷設作業が再開されるというふうに聞いております。以上の予定の方につきましては、現場の状況に応じてまた色々変更があり得ますけど、現在の予定として聞いておりますのは以上のようなことであります。そういう前提でお聞きして頂きたいと思います。

次に電源の方の作業の現状であります。(図を指しながら)1,2号機につきましては、昨日の段階でここには詳しくは書いてありませんけれども、この1,2号機のあるところのパワーセンターというところまでケーブルを繋いでおります。それで昨日優先順位ということでいくつか申し上げましたけれども、パワーセンターにおける受電の確認、受電をしっかりするということが一つ。これによってはっきり、特に2号機ですね、2号機についての受電の、パワーセンターにおける受電の確認ということで、これによってそれから2号機の中に電気を引き込んでいく準備が整うわけです。その後、今日の先ほど申し上げた放水が午後、夕方始まる16時までの間に、昨日いくつか申し上げた絶縁の測定でありますとか、設置、アースの関係の作業だとか、そのほか負荷側という、負荷をかけるという意味の負荷ですけれども、いくつかの機器の点検であるとか、そういうことを行うと聞いております。この点については昨日私は、今日の朝5時くらいから作業をするということを申し上げたと思いますけれども、今朝はやはり放水の関係の作業があったので、11時から夕方の4時までの作業というふうになっていると聞いています。電源の関係は以上でございます。

次に昨日ご質問があった安定ヨウ素剤の投与の件を事実関係を確認しましたので、これについて説明を申し上げます。まず安定ヨウ素剤というのは、とくにヨウ素が放射性物質であるヨウ素が空中に出てきてそれが甲状腺に蓄積されるわけですけれども、それを防ぐためにあらかじめ、普通のヨウ素、放射性物質ではないヨウ素を飲んでおいて、人間の体が吸収できるヨウ素に限りがあるということを利用して、外から来る放射性のヨウ素を防ぐというために飲むものと理解しております。そういう前提でお聞きいただきたいと思いますが、この安定ヨウ素剤の投与につきましては、今年の3月16日の10時35分に原子力災害対策、原子力災害現地対策本部長、これは人の名前としては経済産業省の松下副大臣ですけれども、副本部長、失礼、対策本部長名で福島県知事宛てに指示をしております。この経緯は3月の12日の日に20キロ圏内ということで、その管内の方は避難をしてくださいという指示を出させて頂いたわけですが、避難が進展している中で3月14日に至りまして、3号機における水素爆発などで放射線量が増加する可能性が否定できませんでした。その時点までには、12日の時点で避難をお願いして14日ですから、相当程度避難は完了に近いと思っておりましたけれども、念のため避難できない住民の方が残っておられる場合を想定いたしまして、20キロ圏内からの避難をするときにヨウ素剤を服用するように、現地対策本部長から指示したものでございます。ただし実態はですね、実際はどうなったかと申しますと、県の、県によりますと、指示がなされた時点、今の3月16日10時35分においてですけれども、避難はすでに完了しておりましたので、この指示文書に基づいて安定ヨウ素剤を服用した住民の方はおられなかったというふうに聞いております。

あといくつか報告をいたしますと、まず時々質問がありますIAEAの関係であります。IAEAからは現在測定のチームの方として測定の専門家という意味では4人の方が来日されていて、測定地域はIAEAのウェブサイトにも掲載されています。具体的には東京、神奈川、千葉、会津若松などであります。そしてこの測定結果についてはIAEA、その方々からIAEA本部に直接報告をされているということでありまして、現時点では原子力安全保安院も入手しておりません。そのほか今日申し上げておきたいことは、(図を指しながら)屋内のですね、屋内に退避することをお願いしております地域で換気が必要な場合、必要な暖房器具を使用される場合には、こういうことに留意してくださいということであります。屋内におきまして換気を必要とする暖房器具を使用する場合にはどうしても窓やドアを閉めておいても換気によって放射性物質が入ってくる可能性があるということです。ですからそういうときには例えば窓を開けることであれば、そういう手段をとられるのであれば、湿らせた布で開いている部分を塞いで外から塵や埃が入ってくる、放射性物質が付着した塵や埃が入ってくることを防いでくださいというのが第一点でございます。それから言わずもがなのようなことでありますけれども、もしそういう場所があるんであれば、出来るだけ発電所と反対方向の窓を開けて頂きたいということがございます。私の方からは以上でございます。あとはご質問の方にお答えします。

司会:それでは、2列目女性の方。恐縮ですが、名前と所属の上でご質問の方お願いします。

記者:フジテレビのタカミと申します。3号機でベントを行うということなんですが、その時間と、そのベントを行うことによって放水作業や、あるいは近くでの電源のケーブルの敷設作業に何か影響というのはありますでしょうか。

西山審議官:時間的にはもう可及的速やかに実行するんだろうと思いますけれども、ちょっと具体的に何分からというのがわかりません。それから他の作業への影響というのは可能性としてはあると思いますけれども、そこも、なんて言いますか、放射線の状況などを測りながら対応していくことになると思います。

記者:そのさっき実行するとの報告があったのは何時頃ですか。

西山審議官:ついここにくる直前ですので、12時半くらいですね。0時半くらいですね。

記者:あとすみません、5号と6号なんですが、今両方とも冷却機能が回復したというふうに理解していいかと思うんですが、この先はこの5号と6号はずっとどういうことに向かっていくということなんでしょうか。

西山審議官:おっしゃる通り、5号と6号については元々6号に会った発電機で5号も冷却機能を確保していたわけですけど、そこに5号にも仮設のポンプを入れることによって海水の冷却ができるようになって電源が、電源用の冷却ができるようになったので電源が回復しておりますし、それから6号機の方にももう一つ海水による冷却でのポンプも、冷却するポンプが入って、水冷の発電機も導入されたということで、電源という意味では大分整ってきているわけです。ですから、これから先は5号6号はこれまで特に燃料絡みの問題は起こっておりませんので、一刻も早く原子炉そのものと使用済み燃料プールについての冷却機能を確保するということを重点において、そのほかはそれ以外の将来の発電の再開に向けたチェックをしていくということだと思います。

司会:では次ご質問の方。真ん中の列の一番後ろの男性の方どうぞ。

記者:朝日新聞のコボリです。すみません、一度最初の確認なんですが、3号機の圧力容器の圧力が上がってきたのか、格納容器の圧力が上がってきたのかどちらでしょうか。

西山審議官:格納容器の方です。

記者:格納容器の圧力が上がってきた。

西山審議官:そうです。外側の方の圧力ですね。

記者:外側の格納容器の中の蒸気を外部に、水を通すか通さないかわかりませんけど、出す可能性があるということでよいでしょうか。

西山審議官:はい、まず第一の方法の方は、格納容器が繋がっているサプレッションチェンバーといわれる圧力抑制室、これは格納容器の一部ですね、そこに入れることは水が適切な量であればそこにガスを送り込むことによって冷却して水にすると。それによって圧力を下げることができるというのが第一の選択肢です。それから第二は、今度水が満杯になっているようなサプレッションチェンバー、圧力抑制室に水が満杯になっているときには水がそれ以上入りきらない、水にガスを入れて水に変えて入り切らないということになりますので、その場合にはその手段が取れず、直接にきっちり大気中に出す、大気中にといいますか、格納容器の、失礼、建屋の側に出すということになります。3号機は天井がないわけですね、ですから外界に出るということになります。

記者:すみません、ちょっと確認なんですけれども、3号機の格納容器から出すと、建屋は天井がないのでそのまんま建屋の穴から外に出て行く可能性がある。

西山審議官:東京電力の発表によれば、弁の開放においては排気筒から、格納容器から出る時に排気筒を通って放射性物質が排出されるというふうに聞いております。今私が不正確だったのはあれですね、建屋が壊れているかどうかということとは関係なく、建屋の外側に出て行く排気筒に出されていくということになります。

記者:排気筒を出す前に水を通るか通らないかによって放射性物質の量が変わると、そういう理解でいいですか。

西山審議官:そういうことですね。

記者:ありがとうございました。

司会:では壁際男性の方どうぞ。

記者:毎日新聞のヤマダと言います。3号機の炉内圧力のことで何点かお聞きしたいんですけれども、これ原因はまずなんであろうというふうに推測されているのかということと、そのサプレッションチェーンバーの方にドライベントをする場合にですね、2号機のときのように、ええ、圧力抑制室に損傷を与える危険性というのはあり得るのかどうかということ。それから外へ出る、ドライベントする場合にですね、作業員が退避したりとかですね、そういう対処をしないとやっぱりいけない状況になるのか、その辺を教えてください。

西山審議官:原因は水の、元々水がしっかり入って燃料を冷やしていくことを期待して海水をつぎ込んで来たわけですけれども、そこの部分が何らかの形でうまくいってないということではないかと推測されます。ただこれについては今私が個人的に申し上げているだけで、はっきりとした分析はありません、現時点では。それからドライベントでなくて、まず水に通そうと、サプレッションチェンバー、圧力抑制室にまずガスを持ち込んだときにこれは格納容器と繋がっているわけです、一部になっているわけですけど、それが壊すことがないかということについては現時点ではその可能性は低いというふうに考えています。それからドライベントする場合の、ドライベントする場合に、ドライベントというのは水を通さないで格納容器中のガスを外へ出すと、排気筒を通して出すとした場合には放射性物質がその分多く出る可能性は高いので作業に影響が出る可能性はあると思います。そこはその時の様子を見ながら対応するんだと思います。

記者:そうしますと、確認ですけれども、炉内の温度というのが相当上がっているというふうに考えていいんでしょうか。

西山審議官:その可能性は高いと思います。

記者:どれくらいまで下げるというのが一応の目標値っていうふうになるんでしょうか。計器が故障しているかあっているかという問題もあると思いますけれども。

西山審議官:最終的な目標は100度より下げたところにもっていって、低温停止にもっていくわけですから、今回のベントでもってどの辺まで下げられるのかというのはちょっとやりながらまず圧力をうまく下げて、それで水位を見るということじゃないかと思います。

記者:水温じゃなくて、圧力の方をどの程度までとりあえず下げるか。

西山審議官:これまで大気圧より少し高いくらいで推移しておりまして、今回上がり始めているということでしたので、今のことで言えば、これまで安定状態を保っていた大気圧に少し、大気圧より少し高いくらいのレベルというふうに考えられると思います。

司会:それでは次ご質問の方。真ん中の前から3番目の女性の方。

記者:読売のホンマです。先ほど質問の中でですね、圧力抑制室の損傷の可能性、現時点ではその可能性低いとおっしゃっていたんですけれども、現在サプレッションチェンバーの圧力というのがダウンスケールとか不調とかでですね、全く計測機能がほとんどないと思われるなかで、どのようにしてその可能性は低いというふうに判断されたのか教えて頂けますでしょうか。

西山審議官:例えば2号機のように爆発音的なものがしたりとかですね、そういう異常を感じさせることが今までに起こってないからということだと思います。

記者:2号機のときは、こういうベントを開始して弁で蒸気をサプレッションチェンバーの方に逃してちょっとした後で爆発音というふうな形の確か時間経過だったと思うんですけど、今回そういうことがないという、そういう可能性が低いと思われる根拠は何かというふうにお伺いしたいのですが。

西山審議官:ちょっと今ここでは確認できません。

司会:では次ご質問。前から3番目男性の方どうぞ。

記者:朝日新聞のカミウリです。3号すでにですね、水を通す形でのベントはしていたと思うんですけれども、今回水を通さずにベントをした場合にですね、核種ですとか放射線量の強さですとかですね、そういうものがどのように変わるということが可能性として考えられるのか、みなさんおご知見としてですね、ドライベントをするとどういう可能性があるのかということがまず教えてくださいというのが一点です。もう一点。3号の数値を見ていると圧力容器とですね、格納容器の圧力の差がですね、他に比べて非常に少ないように見えるのですが、これはもうすでに格納容器の機能が損なわれてですね、格納容器と圧力容器がつうつうにぬけぬけになってしまっているという可能性は考えられないのかと。その場合その圧力容器に本来閉じ込められている放射性物質が外に出るというですね、かなり高い線量のものが外に出るという危険性はないのかということを教えてください。

青木審査官:これまで圧力容器の中の、原子炉圧力容器の中の圧力が高くて海水を注入することが出来なかったので、まず安全弁をふかせて、原子炉内の圧力を下げてそれから海水注水を始めておりました。その安全弁をふかせて出てきた蒸気というのはサプレッションチェンバーに落ちまして、ここで水のフィルターを通って基層部にガスが出ているという状況でございます。それで、上のドライウェルとそれから下のサプレッションチェンバーは、ドライウェルの方の圧力が上がりますと、ストローで水を吹くようにブクブクといくわけなんですけれど、逆にドライウェルの圧力が下がって、上の格納容器の部分の圧力が下がった場合には真空破壊弁()というのがついておりまして、下のサプレッションチェンバーのところと均圧させるように、要するにサプレッションチェンバーの方が圧力が高くて上の基層部分、ドライウェルの部分が圧力が低い場合には弁が自動的に開いて均圧するようになっていますので、今のサプレッションチェンバーに落ちて圧力が上がったやつはドライウェルの方に戻っていく可能性が高い、

西山審議官:格納容器って言いなさい、格納容器って。

青木審査官:格納容器の上の部分に戻っている可能性があります。もう一度ご説明しますね。原子炉圧力容器から安全弁を通じて蒸気がサプレッションプールに一度落ちました。そのガスがサプレッションチェンバー、格納容器の下の部分ですね、プールの部分、圧力抑制装置のところで溜まっております。ここの圧力が高いと上のドライウェルという、もう一つ大きい格納容器、原子炉容器が入っている方ですけれども、こちらの方と均圧するような弁がついておりまして、ここのガスが上の部分に逆流して戻っている可能性がございます。上の格納容器、フラスコ型の方ですけれども、こちらの方が圧力が高まっているというのはサプレッションチェンバーからのその逆流分というふうに考えることができます。

記者:ドライベントした場合何が起こるかということを教えてください。

青木審査官:ドライベントいたしますと、今のフラスコの方のガスが排気筒を通じて系外に放出されるということになります。

記者:その説明は聞いたのですが、そうではなくて、それによって、水を通さないことによってですね、例えば出てくる核種がどう変わるかとかですね、放射線濃度がどう変わるかということを考えられることを、危険性を明らかにしてくださいということを申し上げている。

青木審査官:今申し上げたのは、一度水を通ったものが下の圧力抑制装置に溜まっていたガスが上の部分に上がってきているという可能性を申し上げました。おっしゃる通り圧力容器側から場合によってはリークしているかもしれないという可能性もありますけれども、その考えだと、ちょっと想定されるものが変わってきてしまいます。一度水フィルターを通っているものでありますと、ダストとかそういったものは水の方でトラップされますので、取り除かれますので、希ガスとかヨウ素とかいったものが基層のところに出ている可能性があって、それが上の方に逆流してそれがベントすると出て行く可能性がありますと。それから最悪、最悪と言うか、圧力容器の側から毎日リークがしていたとすると、水フィルターを通ってないものが出て行く可能性がありますので、その場合には燃料被覆管の中にあった、燃料損傷していると思われますので、そちらの方の核種が出て行く可能性があります。

記者:かなりとんでもないこと今おっしゃってると思うんですけど、その場合にですね、例えばですね、まず避難範囲は今のままでいいのか、あるいは所内で作業している方はそのまま作業を続けられるのかということについてはいかがなんでしょうか。

西山審議官:この種のことは2号機とか他のことでもやってきたことであります。それで何か中にあるものをどさっと全部出してしまうというわけではなくて、少しずつまずは水を通すことをやってみて、それが仮に出来ないときに格納容器自体が損傷するのを防ぐために少しずつガスを出しながら圧力を調整していくと、そうしながらまた水を入れて冷やしていくということなので、今ちょっと大げさに聞こえたかもしれませんけれども、ただ多少は水を通すときよりはそういう放射性物質が多く出ることは間違いないと思います。今我々もここに来る直前にこれを知らされたこともあるので、格納容器を守るためのやむを得ない措置ということですので、その時にどうなるかということについてはもう少し、なんて言いますか、評価をきちんとしないといけないと思います。その様子で現場では当然そのやる場面で必要な避難行動とかですね、そういうことは行われると思いますけれども、今の、今度住民の方々にお願いしている避難の範囲が変わるということは今は想定されません。

記者:西山さん、12日の会見でウェットベントをドライベントにした場合、ヨウ素の100倍になるとおっしゃっていますけど、それは今おっしゃらないんですか。

西山審議官:それはちょっと、そういうふうになるかどうかは確認しないといけないと思いますから、今は未確認なので申し上げてないだけです。

司会:次、ご質問の方。真ん中の列の一番後ろの女性の方。

記者:朝日新聞のタケイシです。今の質問に関連してなんですけれども、3号機については確かウェットベントを試みた後、それだけでは圧力が下がり切れずにドライベントをしたという経緯があったと思います。今回の件についても、所謂放出される放射性物質の量等についてはその時とほぼ同じというふうにお考えになっているんでしょうか。少し事態が進行しているということもあるので、その時よりも多くなる可能性もあるのでしょうか。今日は雨も予想されておりますので、さらに地上に降り注ぐ分も増えるというふうに思われますので、その点改めて確認させてください。

西山審議官:ちょっとそこは確認したいと思います。この時間の間に確認いたします。

記者:すみません、その点というのはどの点を。

西山審議官:今のこの放射性物質にどういうことを想定しているかということです。

記者:じゃあ三点ともお願いしてよろしいでしょうか。

司会:それでは次ご質問の方。壁際一番後ろの方にいらっしゃる男性の方どうぞ。

記者:フリーランスのフジイマサトと申します。よろしくお願いします。同じく3号機についてですが、本日20日9時時点のですね、東京電力のプレスリリースについてはですね、この300キロパスカル程度に圧力が上がっていて圧力容器、格納容器ともにほぼ同じ圧力であるということについては触れていないんですけれども、これはその後ですね、判明して保安院さんの方にあがってきたということなんでしょうか。そのあたりの事実関係をお教えください。お願いします。

西山審議官:圧力がですね、高まっていたということについては今朝の少なくとも7時台には認識はされていたと思います。ただそれがまずは水によってですね、冷却水でもって冷やすことによって解決できないかということをおそらくトライしたんだろうと思いますけれども、それがなかなか効果を上げないので、今回この昼頃に至ってこのベント措置に踏み切るということになったというふうに理解しております。

記者:その7時というのは東京電力の方で認識していたものの、解決の努力をしていたのでプレスリリースにはあえて問題点としては取り上げていなかったというご説明でよろしいんでしょうか。

西山審議官:東京電力の方がどう考えていたかはここでは正確にはわかりませんけれども、圧力が高いということは朝の段階でも、7時台の段階でもわかっていたと思います。それから冷却水についての対応をしてきたということで、それで出来ない可能性が高くなったので今のような措置に踏み切って発表したということだと思います。

記者:ありがとうございました。

司会:次ご質問の方いらっしゃいますか。壁際の男性の方どうぞ。

記者:読売新聞のアベと申しますけども、ええとちょっとあの、基本的なことで恐縮なんですけど。あの、ええ、今回の事象が発生してからですね、あの、ベントそのなかでも、ドライベントというのは今まで、各号機、何回、いつ、行われてるんかっていうところをまず確認させて頂きたいんですけれども。

西山審議官:確認させてください。

記者:それがですね、今回消火作業なんかが始まってからでは今回が初めてという認識で間違いなかったんですよね。

西山審議官:それも確認いたします。

記者:基本的なことなんですけれども、今までの作業でもですね、こういうベントのときっていうのは、東電さんとかですね、消火の作業がもしなかったとしても東電さんとかの作業員なんかはですね、あまり退避、必要最低限の方以外は退避せずに行ったりするものなんですか。

西山審議官:今来た情報によりますと、海水の流量をですね、やはり冷却の方で海水の流量を増やすことによって、今圧力が、少し圧力が下がってきたので、まずはウェットベントって、水を通す方のベントを考えているということだそうでございます。

青木審査官:すみません、原子炉圧力容器のですね、温度が下がったのかな。それで圧力容器の圧力が下がったとういことでございますんで、先ほど可能性の一つとして圧力容器からリークがあったらなんていうちょっとかってなこと申し上げてしまいましたけれど、そういうことではどうもなさそうな感じでございますので、訂正をさせて頂きます。

司会:では次ご質問の方。前から2番目の男性の方。

記者:いくつか質問したいんですけれども、まず確認ですけれども。まだセシウムというのは確認されてませんよね、3号機の関係と言いますか、1号機の関係で一回検出されているんですけれども。

西山審議官:確認します。

記者:中村さんが一度言われて、その後その話は一度も聞いていないんですね。

西山審議官:そうですね。私も聞いたことがないですね。

記者:あとですね、今さっきウェットベントされると言ったんですけれども、もし先ほどのお話だと下に水がなかった場合は結果的にドライになるんですよね。

西山審議官:そうですね。圧力が高いままでベントをどうしてもする必要があり、かつウェットが出来ないときはドライに行くということになります。

記者:だからウェットベントしようとしてもサプレッションチェンバーのところに水がなかったら結果的にドライになるわけですよね。

西山審議官:水がなかったらでなく、水が一杯の場合にはということなんです。

記者:水が一杯の場合には。

西山審議官:ええ。結果的にドライになるかどうかはまたもう一つ、もう一回判断するんだという理解です。

記者:ウェットをしようとして結果的にドライになってしまうということはあり得ないんですか。要するに一杯だったらっていう想定があって。それは皆さん一杯であるかどうかということは確認できるんですかね。

西山審議官:その場合、それは圧力が下がらないという現象で出てくるんだろうと思います。

記者:計器上確認は出来るということですね。

西山審議官:そうですね。

記者:最後にもう一点お伺いしたいのは、青木さんが先ほどですね、燃料被覆菅の中にあった核種が出る可能性があるということをおっしゃいましたよね。そうすると、ちょっとこれそういうことだったのかと驚いたんですけれども、3号機はですね、MOX燃料使ってますよね。そうすると、他でもそうなんですけど、プルトニウムとかそういうのがですね、出る可能性が否定できないということなんですかね。

青木審査官:すみません、可能性の一つ、燃料損傷は多少はしておると思いますので、原子炉圧力容器の中で一部の燃料が被覆管が破れて中のものが一部出ているとは思います。

記者:それはペレットも融けているということが前提ですか。

青木審査官:それはよくわからないです。

記者:ペレットが守られていたら中のプルトニウムまでは達しないわけですよね。第一の壁と言われてますから。

青木審査官:はい。

記者:もしペレットが破壊されていたらセシウムが出るはずですよね。

青木審査官:ガス状のものは出てくると思います。

記者:ですよね。そうするとペレットはまだ大丈夫なんじゃないかということが言えるんですか。

青木審査官:よくわからないですね、まだ。

記者:あともう一つ最後に。ベントするときの風、ベントするときに前にですね、是非言ってもらいたいということとですね。風向きというのはきちっと言ってもらわないとちょっとやっぱり住民側の不安もあると思いますので、その件についてはお願いします。

西山審議官:そこについてはお知らせすることになると思います。

司会:では次ご質問の方いらっしゃいますか。壁際前の男性の方どうぞ。

記者:度々すみません、毎日新聞のヤマダと言います。事実関係の確認なんですけれども、3号機の圧力の話ですけれども、温度が高いということ、海水を注入していたのに温度が高くなったというのはどこかの時点で注入ができにくい状況が発生していたのかどうかということをまずお聞きしたいんです。

西山審議官:その可能性は十分にあると思います。

記者:それは確認は出来てなかったということですか。

西山審議官:そういうことですね。

記者:いつ頃から圧力が高くなってきてたというふうに受け取ってるんですか。

西山審議官:今朝の時点では先ほど申し上げたように、圧力が高いことは認識されてたと思いますが、それがいつからかというのはちょっと確認が必要です。

記者:昨日の夜のときにはそういう話はなかったような気がしたんですけれども。

西山審議官:はい、ありませんでした。

記者:その間の話という。

西山審議官:そうですね。昨日の夜はありませんでした。

記者:それと、第35報の5ページのところを見ると、いくつかのパラメーターが書いてあるんですけれども、ここでは圧力が高いっていう数字が出ていなくてですね、これとイラストが入ってるやつとの整合性というんですか、どっちをどう見たらいいのかという。

西山審議官:今2ページ、この35報の2ページには340キロパスカルと書いてあって、このイラストの方も340というふうに書いてあるように思いますけれども。

記者:5ページです。

西山審議官:5ページ。

記者:ごめんなさい。解決。

司会:次ご質問の方。1番前女性の方。

記者:産経新聞のタキガワです。ちょっと話が少し変わるんですけれども、4号機の燃料、使用済み燃料プールの温度なんですけれども、これまで不明というふうに出てたと思っていたんですが、これは初めて確認されたのかということと、この温度から類推できる燃料、使用済み燃料の状態についてお考えをお聞かせください。

西山審議官:まず84度っていうやつは前からよく個々でも話題になっていた最後に観察された、これ14日の日ですか。3月14日現在の値で、それ以降は測れていないんですね。それでこの4号機の使用済み燃料プールというのは、昨日、ですから私も説明申し上げたように、どういう状態にあるのか非常に説明が難しいものでして、一番最近の時点で水があるということは外から目視されているんだけれども、しかし水素爆発的なものがあったようだと、そうすると一時使用済み燃料が露出していた時期にあるんじゃないかということで、その二つをどう整合的に考えるのかというのは難しいところがあります。

記者:古いデータで今は不明という認識でよろしいんでしょうか。

西山審議官:そうですね。ただ水は一応被っているようではあるということです。

記者:わかりました。

司会:次ご質問の方。真ん中の一番前列の男性の方どうぞ。

記者:ちょっと話が変わるんですけれども、モニタリングポストの値なんですけれども、1号のところでですね、2600台と随分下がっているように思うんですけれども、これ改めてになるんですけれども、今の時点で放水の効果によると見ているのか、そもそもの核燃料の中のですね、パワーというかですね、放出が全体的に減っているからというふうに見られるのか。その辺はどういうふうに見ているんでしょうか。

西山審議官:ちょっと今のところ分析が出来ておりません。

記者:あるいは風向きとかそういうものによって変わっているのか。その辺も全然まだ何が主な、主なとは言えませんけれども、どういう原因が考えられるのかというところも、今の段階ではまだ言えないでしょうか。

西山審議官:今言えないですね。

司会:次、ご質問の方。右列3番目後ろの男性の方。

記者:朝日新聞のカミウリです。先ほどちょっとお答えが曖昧だったのでもう一度伺いたいんですが、3号機のですね、圧力容器とですね、格納容器の圧力がですね、このパラメーターで見ると、0.317メガと340キロですから、ほとんど差がない状態だと思われるのですが、この数値を見てもですね、圧力容器の健全性というのは今も保たれているというふうにお考えでしょうか。つまりもしそうでないと、内部のものが格納容器に出ている可能性があるということになろうと思うんですが、この数字を見るとですね、とても圧力容器が働いているとは思えないのですが、その辺ご知見はいかがでしょうか。

西山審議官:圧力容器と格納容器との間で圧力容器の圧を抜いて格納容器からサプレッションプールにのばしながら圧力を調整していくという過程を経ているとすれば、近い値になるということがあってもいいんじゃないかというふうには思いますけど。

記者:健全性は保たれているということですか。

西山審議官:そうですね。今は保たれてないということを確信させるだけの材料はないように思います。

司会:では次、ご質問の方。後ろ立たれている男性の方どうぞ。

記者:朝日新聞のツボヤと申しますが、今日自衛隊がですね、ヘリコプターを飛ばして4号機3号機2号機の使用済み燃料プールの温度を熱センサーで測るというふうなことを申し上げておりますが、そのデータについて保安院としては入手されていますか。もし入手されていないのであれば、入手されたら速やかにこちらで公表して頂きたいんですが、お願いします。

西山審議官:我々も当然のことながら重大な関心を持っておりまして、たぶん提供して頂けるのではないかと思いますけれども、これは色々、なんて言いますか、国家のそちらの方の技術のですね、センサー的な技術の秘密に関わる可能性もありますので、どこまで公表できるかとうのはよく防衛当局とご相談したうえで、仮に我々が、我々は是非知りたいと思いますけれども、知った場合にもどこまで公表できるかは、その観点に若干制約がある可能性がありますので、そこだけご承知頂ければと。我々からはとくに隠すことはいたしません。

記者:ただ公表できるのであれば速やかに公表するという、そういうことですね。

西山審議官:それはそうします。

記者:是非そのようにお願いします。

司会:それではそろそろ残り3名とさせてください。

記者:AP通信のヤマグチですが、2つお聞きしたいんですけれども、一問目はもしですね、MOX燃料が破損して内容物が大気中に放出された場合と、それから元々他のウランの燃料が破損して大気中に放射性物質が放出された時の被害の違いについてお聞きしたいんですけれども。それからもう一点はちょっと違う話題なんですが、茨城県で大気中に放出された放射線の量が一番高かったという報告がなんかあったようですが、割と離れているのにそこが一番高かったという理由についてどういうふうにお考えになりますか。教えて頂けますか。

西山審議官:まず前者の方は、MOX燃料が破損した場合と普通のウラン燃料が破損した場合の違いですけれども、前にもここでも話題になったと思いますけれども、ウラン燃料といえども燃焼すればMOX燃料的な組成に段々変わっていくわけですね。ということなので、それほど大きな違いはないというふうに私は思います。それから茨城県の関係は、何かわかることあるかな。茨城県はもちろんこれは全く人体に影響するようなものではない値ではありますけれども、他の全国の都道府県と比べると少し高い値が出ているんですね。その理由については今はっきりわかりません。やはり風向きであるとか、地形であるとかそういったものの要因が大きいんじゃないというふうに推測されます。

司会:それでは2番の男性の方どうぞ。

記者:朝日新聞のコボリです。二点お願いします。一点は先ほどセシウムについての質問がありましたが、大気中のその核種、放射線量ではなくて核種のデータというのはずっととっておられないのか。とっておられるんだったら燃料が破損しているかどうかの重要なデータになりますので、公開して頂けないかということ。もう一点はお願いなんですけれども、その現場で、中央の方で放射線には健康に影響はありませんといっても現場ではお医者さんが逃げだしているとか色んな情報があるので、もっと広報の仕方に工夫をしてですね、放射線が今の段階で健康に影響がないというのであればもっと安心できるような情報の公開の仕方をお願いしたいと思います。

西山審議官:前者の方の核種のデータですね、どういう放射性廃棄物、失礼、放射性物質が出ているかということについては仮にデータをとっているとすれば、それは公開いたします。ちょっとそういうものがあるのかどうかは確認しておきます。それから広報の仕方はもちろん我々もそういうふうに強く思っておりまして、なるべくああいうこれは大体どれくらいにあたるということを常に説明するように心がけておりますけれども、またさらにそういう努力を続けたいと思います。

記者:ありがとうございました。

司会:それでは最後、壁際の男性の方どうぞ。

記者:毎日新聞のカントウと言いますけれども、3号機の関連で、ちょっと基本的なことで教えて頂きたいんですが、通常ですね、圧力容器とサプレッションチェンバーと格納容器の圧力というのはどの程度なんでしょうか。

青木審査官:すみません、ご質問はどこの圧力でした。

記者:圧力容器とサプレッションチェンバーと格納容器、それぞれです。

青木審査官:原子炉圧力容器はですね、設計圧力が90キログラムパースケーセンチメーターより多少手前くらいですね。それからドライウェル、失礼格納容器の設計圧力が4キログラムパースケーセンチくらいですね。

記者:サプレッションチェンバーはどれくらいですか。

青木審査官:格納容器は上のドライウェルも下のサプレッションチェンバーも同じ設計圧になってます。4キロ程度です。

記者:わかりました。それでちょっと2号機教えてもらいたいんですが、2号機これ圧力容器の圧力が格納容器よりも低いんですかね。これは。

西山審議官:低いですね、確かに。そういうこともあって破損した可能性もあると思ってたわけですね。それはどうか、そこはまだ相変わらず、ベントもしているし、そういうことで低いのかなと思いますけれども。そこはまだわからないわけですね。

記者:確認ですけれども、2号機で破損した可能性があるのは格納容器ですよね。だからおそらくベントの可能性ということをお考えなんですね。そうするとベントを各号機やっていて、今の圧力の状態というのは圧力容器の方が低くても仕方がないというか、それで通常だというふうにお考えなんでしょうか。

西山審議官:圧力容器からガスを逃がして所謂水の中を通して格納容器の中でガスを水に変えるというふうにした場合には、それはある程度やればその三者、圧力容器の上の部分と下の圧力抑制室の部分と、それから原子炉と、圧力容器とかなり近い圧力になるということはあり得るんじゃないかと思いますが。

記者:2号機で圧力容器の方がすごく低いのは、これはわからないけれども問題だとは思われていないんでしょうか。

西山審議官:本来圧力容器の方が圧力が高くて然るべきだと思うんですけれども、このセンサーの正確性のことなど含めてちょっとそこははっきりしないと思います。

記者:またすみません、もう一つ。3号機のサプレッションチェンバーで水が満たされている可能性とおっしゃったんですが、それは満たされているとすると、どういう、どこの水というか、何が考えられるんでしょうか。

西山審議官:圧力容器に海水を注入して、海から直接注入して今冷やしている。それが蒸気になって燃料のところを冷やしながら自分が蒸気になっているとすれば、圧力抑制室に落ちるのは塩分の含まれないものになるということなので、そういう意味では、そのルートが主だとすれば、普通の水が入っているということになります。

記者:圧力容器に一旦入った海水が蒸発してその水がということですか。

西山審議官:そうですね、はい。

記者:ありがとうございます。

司会:それではこれで記者会見の方終了させて頂きます。どうもありがとうございました。

記者:先ほど設計圧力をおっしゃっていたと思うんで、ご質問はたぶん通常どれくらいの圧力なんですかということなので通常どのくらいで、設計上ここまで耐えられますという数字を次回の会見までにお願いできませんか。

西山審議官:はい、ちょっと考えてみます。

記者:あとすみません、先ほどこの会見中に確認したデータを頂けると。

西山審議官:そうですね、ちょっとしたいと思うんですけれども、それは間に合わないかな。

記者:雨の影響。雨が段々迫ってきていますので。早めにお願いします。

西山審議官:ちょっと説明出来るかもしれないので少しお待ちください。

記者:意図的にドライベントやるのかどうかが初かどうかということだと思うんですけどね。

西山審議官:え、なになに。

記者:意図的にドライベントやるのか初めてなのかどうかっていうのは大きなことだと思うですけれども。

記者:すみません、西山さん、記者会見でこういう質問が出るだろうということはもう予想されていると思うんですけれども。予めもう少しそういう部分を数値的なものも含めて聞いて頂いていればもうちょっとスムーズに進むのかなと。

西山審議官:ただこれは直前にもらったものなので、そこまでの準備をするまもなく、5,6分前とかそのくらいのあれなんですよ、これ。

記者:でもいつやったかというようなのはデータとして残っているわけですよね。

西山審議官:そうですね、どっかにあるはずだと思いますけどもね。

記者:我々に説明してくださっているのが、本当に全部説明してくださっているのであればですね、今までに2号が結果的にドライベントになってる可能性がありますけど、ドライベントしましたという発表はして頂いていないはずなんですけど、それをだから調べないといけないといわれると我々聞いてない事実がいっぱいあるんじゃないかと思ってしまうのですね。

西山審議官:それはそうですね。私は聞いたこと、重要なことは全部申し上げているつもりですけれども、場合によっては私の知らないところで何か起こっているかもしれないと思うもんだから、確認すると言っているんですけどね。

西山審議官:お待たせしました。まず確認いたしましたけれども、ドライベントは今までに一回もやっていないということです。確か2号機の時に一回可能性ありということで報告したと思いましたけれども、それもやっていないということです。ドライベントは一回もやっていないと。

記者:すべての号機で。

西山審議官:すべての号機で。それからあとこの仮にドライベントをやったとするとどういうことが想定されるかということについて、実は今の炉心がどうなっているかということについてはこれははっきりいしないわけですね、ですから通常の原子炉の反応を想定したときのドライベントをやったとするとどういうことになるかということをちょっと説明してもらいます。

保安院:PCVベントをしますと、中の炉心からですね、揮発性の低い気体とかヨウ素が放出されることになります。それからサプレッションプールの基層部からベントをするとサプレッションプールの基層を通って中の気体が出て行きますので、とくにヨウ素についてはそこで除染効果があると思われます。ウェットウェルベントです。ドライウェルベントの場合にはサプレッションプールの基層をくぐらないので、その効果がないと、ヨウ素についてはないということになります。除染検査としてはちょっとラフな言い方ですけれども、100、ヨウ素についてサプレッションプールの基層をくぐると100分の1くらいには大体なるんじゃないかと思われます。気圧については全然効果はないです。同じです。ドライウェルベントしようと、ウェットベントしようと気圧については同じです。すみません、気圧というのはクリプトンとかゼノンという核種でございます。それからヨウ素についてはヨウ素の131とか133という核種でございます。

記者:2号機でドライベントの検討をされたときに想定される線量ですとか、そういったものについても概要の説明があって、水を括らせた場合に比べるとヨウ素の100倍高くなるけれども、それをもってすぐに体に被害が、少なくとも急性障害をあびるものではないという話があったかと思うですが、その認識は今回についても同じということでよろしいですか。

保安院:同じ認識でございます。

西山審議官:じゃあ以上で終わります。

記者:雨によって濃縮されるそのリスクはどうなんでしょうか。

西山審議官:それは確かにですね、通常の場合でもこの今回のような事故がない場合でもですね、雨が降ると一桁くらいモニタリングの数値は大きくなるということですので、今回においてもそういうことは十分考えられると思います。

記者:その場合でも、所謂人体への影響は。

西山審議官:人体への影響はないレベルですが、なるべく雨には当たらない方がいいということは間違いないですね。

記者:避難所では洋服が例えば濡れてもですね、それは素人な質問かもしれませんが。例えば濡れてしまっても着替えるものがないからそのまま避難所に帰らざるを得ないとかっていう形でその方も不安だし、周りの方も不安になるということがあり得るかもしれないんですけれども、そういった場合の対応としてはどのようなことを知っていれば大丈夫だと思いますか。

西山審議官:考えることとしては出来るだけ屋内に入る前に体を拭かれていくということと、それから洋服についたものについてはやはりこれも屋内に入る前に払っておくということですね。その位だと思います。

記者:濡れるとよりトラップされやすいということは、裏を返せば濡れた洋服にはくっつきやすいということだと思うんですけれども、例えば避難所に入るときにですね、拭くといってもそんなに拭いてすぐにですね、濡れたものというのは取れにくいものですし、乾いていればパンパンと払えば、塵と同じで取れやすいと思うんですが、なかなかそこは難しいと思うんですけれども、そういったことも踏まえて例えば避難所でそういった対応をとるとかですね、もしくはここまですれば大丈夫だと、少し濡れていてもついていてもこの程度なら大丈夫だなんだとかそういったある程度安心できる材料も含めたそういった情報を提供して頂けないでしょうか。

西山審議官:それは非常によくわかるニーズというか、必要なことだと思いますね。ですが今申し上げられることは、濡れる量を極力減らしてもらうことが一番重要だと思います。それであとは着替えということができないわけですから、そういうことだと、それを前提とすれば今申し上げたように可能な限り雨のしずくを払って頂くということしかないと思います。では以上で終わります。長くお待たせしてすみません。

記者:確認ですけれども、ドライベントをやる前には事前に周知するということでいいんですよね。全然知らないところで突然1時間前にやりましたということになったらこれは前回2号が爆発したときにですね、かなり遠いところでも数値が出てましたし、事前に周知をして頂けることはそれは保安院としても東電の確約させないと我々おちおちここにおれないということにもなりかねないので。

西山審議官:そうですね。それはわかりますのでそれはそのようにしたいと思います。

記者:先ほどまだやるかどうかわからないということでしたけれども、今の段階でもそうなんですか。

西山審議官:今の段階でもそうですね。

記者:まずウェットで対応していくという形。

西山審議官:はい。ですが圧力があまり大きくなり過ぎたときは非常手段としてとらざるを得ない場面が生じるかもしれないということで、あらかじめ申し上げたということです。で、以上で終わります。

記者:次回何時ですか。これだけ宿題積み残して、不安だけを煽って次夜中とかだったら。

記者:少なくともですね、ベントを実行されるのが決まったらまずはちゃんと説明をする。で、見送ることで決まってもきっちり説明して頂く。それは厳守して頂きたいんですけれども。

西山審議官:そうですね、やるときにはとくにそうだと思います。

記者:やらないことが決まっても一報はちゃんと速やかに。

西山審議官:何らかの形でそれは考えたいと思います。時間はまた相談します。