原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月13日10時06分から26分間)

司会:すみません。それじゃあお待たせしました。ただいまからまた記者会見再開させて頂きます。よろしくお願いします。

根井審議官:どうもすみません。お待たせしました。原子力安全保安院の根井でございます。よろしくお願いをいたします。ちょっとすみません。これからいくつかご説明申し上げますようなことを処理をしていたものですから少しこちらへ入るのが遅くなりまして申し訳ございません。変更点など重要なところ中心に、説明はできるだけポイントだけさせて頂いて、みなさんの方で、のご質問を頂きながら補足をきちんとさせて頂こうかと思います。

それで一枚目はもうみなさんもうご承知のことなんで、二枚目に入って頂きまして、このアンダーラインのところは朝やらせて頂いた記者会見のときに私どもの方が12日と13日の最初と最後の丸一日違うところだけ書いてたもんですから、一回前の測定結果もいれて記載してもらえないかというご要望があったんで、ちょっとこれが、これで見やすい形なのか、もうちょっと何かこう工夫したほうがいいのか、これだけちょっと別表にするとまた他の量も多いもんですからね。なにかちょっとまた皆様方の方からまたじゃあこうしてくれないかということであればまたそれで数字はあるわけですから、どういうふうにしようとして毎回出させて頂くのがこう皆様の、と、にお話もしやすいし、使っていただきやすいのかというあたりも含めて、また何かありましたらご指摘頂ければまた改善していきたいと思います。

それから3ページ目が大事な話で、前回の時に、すみません、口頭で話をしてその後紙を作って、別途できるだけ早くやろうと思っておったんですが、ちょっとその後の処理が結構色んなことが動いているもんですから、それを処理していたもんで、一段落つくまでというとこになったもんですから。また前回の時に口頭でのお話ではありましたけれども、かなり中身をそれなりにはお話をしていたということで、多少ちょっと甘えさせて頂いてこれと一緒にやらせて頂いたということになったことをまずはお詫び申し上げます。

事象ですが、福島第一原子力発電所、3ページ目ですが、3号機の高圧注水系が自動停止したため他系統による冷却水の注入を試みたが注入ができず、原子炉への注水機能を喪失。これが今日の5時10分。したがいまして、前回の記者会見の時にまずは口頭とお答えしたうえでその場でご紹介を申し上げたということであります。その上でこの関係を先に書いてあるところをやらせて頂きますと8ページ、これがですね、5時38分に福島第一原子力発電所3号機の全注水機能喪失のため原子力災害対策特別措置法第15条にもとづく特定事象と判断した旨の通報を受信。いわゆる15条事象の通報を受信をしたということであります。それが別途配っておりますこちらの一枚紙でございます。私どもとして通報を受信をしたということであります。尚、通報を受けますと通常は原子力災害対策特別措置法にもとづきまして緊急事態の宣言の手続きに普通は入るわけですけれども、最後の尚書きに書かせて頂きましたように同じ発電所でもうすでにその状態になっておりますので、改めての緊急事態の発生、あるいは避難のための指示、公示といったものは今回はする必要がないということでその手続きはとっていないということをこの場でご紹介をさせて頂いているということであります。

その後ですね、8ページに戻って頂いて、東京電力においてこれも基本的には朝のときにお話を申し上げた、質問頂いてそれに対するお答えの中である程度は結果としてお話を申し上げた形になったのが、福島第一の3号機の場合には元々1号機2号機とは違って、RCICではなくて高圧注水系を用いた冷却を行っていたと。これに対して冷却が結果的にうまくいってというんでしょうか、圧力が下がってきた結果として高圧系を使える圧力のレンジではなくなったので、高圧注水系がトリップをしてじゃあ低圧系はというと、これはバッテリーがないという状況ですから、結果として注水機能を失ったということになるというご説明を朝も申し上げました。したがいまして必要なものは電源の復旧などということになるわけであります。そのために8ページにありますが、電源および注水機能とありますが例えばこれは1号機で当初やっていたやつかな、消火系。例えば消火系を用いて元々圧力が低いですから、例えばタンク消防車から水を入れて注水をするといったようなことはこれはとくに電源がなくてもできるわけですから、そのような措置などを試しながら注水機能の復活というんですかね、復旧に取り組んでいるというのが、この資料をまとめた時点、8時半だった、の状況でございます。で、この間結果として電源もですね、これも途中経過なんであんまり詳しいことを申し上げても本当はどうかと思うですけど、例えば電源を、今例えで言ってる情報、これも正確であるかどうかは別途確認しなきゃいけないんですけども、一回電源車、ケーブル繋いでみた。けれどもどうも何かの不具合、接触なのかな、何かの不具合で結果としてうまくいかなくて、もう一回外してもう一回電源の入り込みっていうんですかね、のチャレンジをしているとか。まさにこの時間からまだ今この時間も含めてだと思うんですけども、結構それなりに今回の場合には給水機能を回復する手段は今の段階でも、さっき申し上げたように、例えば電源が復旧しなくても消火ポンプであったり、あるいは電源の復旧の件もですね、元々電源車はもう中にあってケーブルもあって繋ぎこみの作業をするのが求められているといったように手段はあるわけで、それがなかなかこの一両日ずっとお話しているとみなさんもお感じになると思うんですけど、うまくいきそうだと思ってやってみてちょっと待ったみたいなことが少しずつ繰り返されるようなところちょっとありまして、今の段階でまだ注水、あるいはそういうものが確認されたというところまで今この段階で情報を得ているわけじゃないもんですから、本当はすぐそういう状態になるんであれば、正直言うとそういう状態を確認できた段階でみなさんのところに来れた方がいいのかなということも考えたんですけれども、とりあえず今の状況をまずきちんとお話をするのが先だということで、今動いてますけど、今そういう動きが中でありますが、私の方としてはそのように対応させて頂いて。今の段階では現場で一生懸命復旧に向けて取り組んでいるということでございます。とりあえず福島第一の3号機の件についてはそのようにということであります。

次に、すみません、9ページ目ということで、これにつきましては情報はまだ追加のものはございません。これにつきましては朝大分お叱りも頂きましたけれども、私どもとしましては出来るだけ情報を収集してある程度整理ができた段階で他のものと違って頻度高く更新するということにならないと思いますが、ある程度整理ができたときで、にまた皆様方に追加の情報を提示できるようにこの欄は一応この欄として用意しておきたいということでお許し頂ければと思います。とりあえず私の方からの冒頭の説明は以上にさせて頂ければと思います。

司会:それでは質疑ということで、挙手をしてお願いできればと思います。

記者:すみません、読売新聞のトミヤマです。今回の事態で1号機3号機、深刻な事態になったと思いますけど、他の号機全体としてはどうなのかということを国民向けに全体はどうなのかというのを。

根井審議官:福島第一につきましては、改めて申し上げますと福島第一原子力発電所は1号機から6号機まであります。4から6は点検中ということでこれはもうすでに大丈夫ですと申し上げておきたいと思います。1から3につきましてまた今からお話申し上げます。福島第二の原子力発電所は1から4号機ということでこのうち3号機はすでに冷温停止までいっておりますので、現段階でとりあえずの対応は済んでいるということでございます。そのなかで今度は第一の1,2,3ということでありますが、1号機につきましては朝お話したような状況でとりあえず注水を継続していれば大丈夫ということであります。その状態が維持できるということでございますので、今の段階ではとくに国民の皆様方に不安を与えるような状態には今のところはないということでございます。3号機につきましては今の15条事象の発生などの状態になっておりますけれども、復旧の手段は複数ございます。順番に取り組めば済む内容のものでございますので、現場が、事業者の現場が一生懸命に取り組んでいる状況であるということを申し上げておきたいと思います。2号機につきましては、今のところ冷却機能は維持されておりますし、一方でベントの準備もできておりますので、基本的には必要な対策の準備はできていると、今の段階では対策の準備はできているとご理解ください。福島第二のⅰ,2,4号機につきましては、基本的には冷却機能が現時点では維持はされているということでございますので、また電源の復旧作業を、電源は今維持されている、ということですので、基本的には今の状態で今直ちに何か安全を損なうような状態があるというところには幸い至っていないということを申し上げておきたいと思いますが、いずれにせよ完全な第二発電所の方につきましても、3号機で成功しましたような冷温停止に向けて現場一生懸命引き続き取り組んでいるということでございます。以上であります。

記者:自動停止からですね、2日たってるんですけれど、冷温停止しているものは11基のうちの3基しかないと思うんですよ。あの3号機、福島第一の3号機なんかは除いたとしてもこれだけ時間かかっているのは何か理由っていうのはあるんでしょうか。

根井審議官:これにつきましては、一つはまず相当程度の号機において非常用電源を失っているというのが第一であります。失礼しました、電源を失っていると。そのなかでいわゆる冷却のために懸命な努力をしてここまで頑張ってきているということでございます。ただ一方で電源の復旧についての電源車の調達などがようやく現場に到着する段階にはなってきているので、ということでありますので、いずれにしてもその部分が時間がかかっているということでございます。それから二つ目は、これも最初にまとめてお話をされていると思いますが津波の影響で、影響を受けているポンプなどの機器の修復の課題もあるものですから、そこも含めてそうした時間がかかっているということですが、順番に懸命に取り組んでいるということでございます。

記者:あともう一点、福島第一の3号機、プルサーマルの原発だと思いますけれども、これ用の影響というか対策に対する色んな特別な対応みたいなそういった懸念等々ありましたら教えて頂けませんか。

根井審議官:これにつきましてはいわゆる炉心冷却の取り扱いそのものについてとくに今の段階で特別な取扱いを念頭においてやってるわけではございませんけれども、この点につきましてはまた改めまして対応の収束の様子を見ながら必要があれば皆様方にはお話を申し上げたいと思います。

記者:特別なことを念頭においていないというのは、MOX燃料であれウラン燃料でやることに変わりないからですか。

根井審議官:冷却でやることは同じだからということであります。

記者:すみません、東電の方から3号機のベントに放出を始めたというような発表されてますが、その本位は把握されていますか。

根井審議官:何時でというふうに、すみません。

記者:8時。

根井審議官:8時に放出と出てますか。

記者:そうです。放出。

根井審議官:放出の作業開始が8時ということではないんですか。

記者:作業開始は8時で、まだ放出はできていない。

根井審議官:そういうことですよね。作業開始ということですよね。

記者:保安院の方でどういう情報把握されていますか。

根井審議官:その8時に放出作業の、すみません、私、時間の…。基本的にはそのほぼその時間に8時頃に放出作業を開始したということについては同じように聞いておりますので、もう作業を開始しているとここでは書かせて頂いてるということです。

記者:作業を開始した。

根井審議官:はい。

記者:それとですね、放射線量の測定値が基準値を超えたためまた特別15条をまた通報したという情報もありますが、それは。

根井審議官:これについては、確認させて頂いて、すみません、15条、15条通報の、ですよね、今おっしゃってるのは。

記者:はい。

根井審議官:15条通報の連絡を受けているということについては、連絡通報の文書が来るのがいつもみなさんのこれまでのケースでもタイムラグがあるもんですから、その可能性はあろうかと思いますから、今すぐ調べさせます。

記者:すると今1号機すでに放出していますが、仮に3号機も一緒に放出しますとそれが住民への影響は2基同時に放出するとその量は住民への影響はどういうふうに考えていますか。

根井審議官:これにつきましてはですね、1号機のベント放出、あるいはその後の爆発ですね、その後のモニターの状況についてご説明をした機会があったかと思うんですが、その後の状況はモニターの計測値が落ち着いているというお話をさせて頂いていたかと思います。その意味ではいわゆる1号機の方の影響については要するに国民の皆様に大きな心配をして頂くようなレベルには最近の時点ではなかったというふうに評価をさせて頂いておりますし、当然今回3号機で放出をしますと、放出したときに一時期高いものが、高い濃度のものが測定されるということはあろうかとは思いますけれども、1号機の例に倣えば、その後は落ち着いていくということであれば、住民のみなさん、国民のみなさんに大きな心配をして頂くということにならずにすむのではないかというふうに思って考えております。

記者:今避難、まだ避難できてない方は全部で何名いらして、それでさっきその被曝可能性のある60名の方はその後どういう状況でしょうか。

根井審議官:避難の情報につきましては調べましてお答え申し上げます。今ちょっとここの資料にないもんですから。整理をさせて頂きます。それから二番目の点については朝も申し上げましたけれども、この情報について私どもこれ以上細かな情報を今持ち合わせておりませんので、その点についてのお答えは控えさせて頂ければと思います。

司会:その他ございましたら、挙手をお願いできればと思います。はい。

記者:3号機の15条通報を受けたとき、非常事態宣言のことを確認したいんですけれども、改めてしないというのは1号機で非常事態宣言出してるからしないとか。

根井審議官:そのために書かせて頂いていますように、基本的にはすでに出している文書のなかで福島第一原子力発電所全体について緊急事態が発生したというすでに法的措置をとっておるもんですから、改めて上書き、上乗せする必要がないということでご説明申し上げたということでございます。

記者:福島第二でも出されてるんでしょうか。

根井審議官:第二も確か出してますね、はい。

司会:よろしいでしょうか。それでは質問ないということで。

(サイレン)

記者:すみません、現場に行かれる検査官の方というのはもう出発する時間とか準備の方ってどうなんですか。

根井審議官:すみません、私他の仕事をしておりまして確認をしておりませんが、もうすでに着いているはずです。

記者:着いてるはず。じゃあ一緒に作業はされているという。

根井審議官:そのはずであります。

記者:はい。

記者:すみません、第一の1についてなんですけども、現在今、炉心、燃料棒を十分水が覆っているという状況なので安心だということなんですけれども、これ今後どういう作業を、ずっとひたすら水を入れ続けて、その水位を保つっていうことでずっととにかく水を注ぎ続けるという作業になるんですか。

根井審議官:朝申し上げましたが、当面そういうことだと。それで安全は確保できる、確保する。ただしその後当然ながら電源の確保を並行してやりながら追加的な措置がとれるようにしていくということで、時間的には今の段階では十分に時間の余地はあろうかと、あると私どもとしては考えているということであります。

記者:すみません、ベントの作業と実際になんかポンプでも入れたりかっていうことはまだしてない。

根井審議官:はい?

記者:注水機能の回復だけで、注水はしてない。すみません、3号機の。注水機能の回復とベントのための作業を実施中って、ベントのために向けた作業を開始したって。

根井審議官:すみません、回復についてもそのための作業です。

記者:そのための作業。

根井審議官:はい。

記者:実際に入れてるわけじゃない。

根井審議官:というところを確認はできておりません。

記者:方法を探している。

根井審議官:でなくて、そのための作業。方法を探してるんじゃなくて方法はわかってますので。そのための作業をしているのは確認できています。その上でちょっと今日ここに来るまでにその注水の状況の確認を私がここに来るまでにできてなかったということであります。

記者:わかりました。

根井審議官:すみません、今連絡入りまして、3号ですね、ベントの開始が9時20分。にベントが開始したということで、これはできたということであります。

記者:できたというのは、放出が確認されたということですか。

根井審議官:基本的には、すみません、今ここではベントが開始されたというのを伝えてよろしいという紙が来ましたから。

記者:さっき8時頃に開始したというのじゃなくて、9時20分。

根井審議官:いや、8時というのは作業を開始した。はい。

記者:表現としては今はどういう状況なんですか。ベントを実施中。

根井審議官:基本的には炉内圧力を下げるための蒸気の放出ができるようになったのでしたと。

記者:した。

根井審議官:はい。

:しているじゃない。

根井審議官:しているかな。

記者:今もしている、でいい?

根井審議官:失礼。基本的には続きますのでしているで構いません。

保安院:ベントをした場合には中の圧力が高ければその圧力を…

:マイク。

保安院:圧力が減るまで出ますけれども、必ず圧力が下がりますので下がった段階で放出は止まります。

記者:それはまだわからない。

保安院:それは今後モニタリングポストで確認をすることになります。

記者:8時に放出に向けた作業を開始して、9時20分から放出作業をしているということですね。

根井審議官:はい、その通りで構いません。はい。

記者:放出はまだ止まってないというのはもう確認していると。

根井審議官:いや、今申し上げたように放出を9時20分に開始したというところまでが今ここに伝わってきた情報でございます。

記者:先ほどのQ&Aで放出今してるっていうことで、ですっていうことでイエスと答えられましたけど、放出はもう。

根井審議官:おっしゃる通りですね。

記者:止まってる可能性はあるわけですよね。

根井審議官:そこについては、はい、はい。

記者:9時20分に放出を始めたということですか。

根井審議官:はい、左様でございます。

記者:8時ジャストに作業を開始した。

根井審議官:分単位は確認させてください。

司会:他はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは今回の記者会見これで終わらせて頂きます。どうもありがとうございました。