原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月13日17時20分から77分間)

司会:それではただいまから保安院の記者会見を再開させて頂きたいと思います。先ほどは本当に当初ご予定していたお時間に会見できず大変申し訳ございませんでした。今回西山審議官、中村審議官、青山統括の3人の方で記者会見を、それではよろしくお願いします。

西山英彦大臣官房審議官:今回の地震のことに鑑みましてこの原子力保安院も担当することになりました大臣官房秘書官の西山と申します。よろしくお願いいたします。それでは私の方から最初に二つ申し上げておきたいと思います。まずこれは官房長官から先ほどご発表がありましたので、我々同じ時間の記者会見のやつキャンセルさせて頂きましたけれども。福島第一原子力発電所の3号機についてであります。これにつきましてはまさに発表がありましたように今朝の原子炉の水位の低下後の9時5分に原子力、圧力逃し弁、圧力逃し弁を開きまして炉内の圧力を下げて9時8分から真水の注入を開始いたしました。これによりまして一時炉内の水位が上昇して炉心を冷却できる状況になりました。しかしながらその後水源を海水に変えました。そうしたところ炉心への注入が不安定となってしまいました。この結果外部モニターの数値が、1時52分ね、13時52分に1554マイクロキュリー(注:シーベルト)パーアワーと、ということに上昇するとともに原子力の水位が、原子炉のですね、原子炉の水位が大幅に低下いたしました。現在は少しこの水位が上昇し始めておりますけれども、まだあまり芳しい改善を見せておりません。この間炉心を十分に冷却できない状態が、となりましたために、注水の、注水をしてる過程などを通じまして過量の水素が発生した可能性が高いことが、可能性が予想されます。これが原子炉建屋の、原子力建屋の上部に溜まっている可能性が否定できません。このため3号機におきましても、福島第一原子力発電所の3号機におきましても、1号機で生じたような水素爆発の可能性があるということで官房長官があの時点でご報告をされたわけでございます。具体的に申しますと、(図を使って説明)この、この原子炉の中に原子炉格納容器の中、圧力容器の中、ここに水を注入していこうとしたわけですけれども、とくにこの圧力容器の中に水を注入していこうとしたわけですが、この水位がこの燃料の頭よりも少し下がってしまった状態にあるということで、そういたしますとこの燃料の頭のところが元々ジルコニウムという金属の中にペレット状になったウラン燃料が入っているわけでございますけど、それが高温になりまして、ジルコニウムが少し融けることなどによりまして、水と反応して水素が出ると。それがこの配管などのすき間からおそらくだはと思いますけれども外に出ていって、それでこの建屋の、この周りの圧力容器の、格納容器のさらに、これが圧力容器、格納容器、それから建屋がありまして、その建屋の中に上部だと思いますけれども水素が溜まっていくということになるわけであります。これはなかなか逃すことが難しい状況によりますので、これからの水位をよく見ながら次の対応を考えていかなければいけないという状況でありまして、まずはしかしこの水を入れることによって、ここ、燃料のところをおさめてそれからの対応になっていこうかと思います。

次に東北電力の女川発電所のことにについてもう一つ報告申し上げます。本日の午前0時頃に移設周辺に設置いたしましたモニタリングポストにおきまして5.7マイクロシーベルトパー毎時、毎時ですねというものを計測いたしました。このため保安院は事業者東北電力から原子力災害対策特別措置法第10条に基づく通報を受信いたしました。その後測定値は下がっておりますのでこれは福島原子力発電所、第一原子力発電所1号機で発生しました爆発による、昨日の爆発による一時的なものではないかというふうに判断をしております。それから先ほど一つ申し損ねましたけれども、官房長官も触れておられましたけれども、失礼しました、今ちょっと勘違いいたしました。今の5.7マイクロシーベルトという施設周辺の値についてでございます。これについてのことで先ほど官房長官は別のケースについて触れておられましたけれども、この5. 7マイクロシーベルトというのが決して心配するような値ではないということだけ一言補足させて頂きたいと思います。例えば胸のレントゲンX線を一回とりますと、これは50マイクロシーベルトということでありますので、5.7マイクロシーベルトというものがいかに小さいか、10分の1強ということになりますけれども、そういった値であるということになります。現時点では私の方からは以上の二つを説明させて頂いてご質問を受けたいと思います。

司会:それでは挙手を頂きまして、はい。

記者:NHKの●●と申します。最初に女川原発のモニタリングポストの数値のことについて聞きたいんですけれども、今回女川のポストが上がったということで、女川で女川自体というよりも福島第一の1号機によるものと思われるということなんですが、要するに100キロくらい離れた距離のところで、の女川で観測されたということで、これはつまり福島第一の1号機の爆発に伴う放射性物質がかなり広範囲にわたって飛散しているんじゃないかというふうに思われるんです。そのあたりの展開についてどう思われるか。と同時に、例えば避難地域の前提も含めた対応として何か必要なことを考えておくことはないでしょうか。

西山審議官:私どももその点も検討いたしました。それで今現時点の我々の判断としてはまず女川原発における排気筒のモニターについては変動がございません。つまり女川原発における、において実際に原子炉から出てくる排気を処理してる、発電所から出てくる排気を処理してるところについては変動がないということですので、ですからそこに変動がない限り、普通はその敷地境界のところもですね、影響を受けるはずはないわけですね。そういうことから考えますと、まずこれは他の外部の要因であろうという推測が成り立ちます。それから風向きとそれから時間的な推移を考えますと、確かに拡散という要素が十分にあると思いますけれども、福島第一原子力発電所における爆発があってから大体その風向きと時間的な要素がですね、女川で値が出てもおかしくない状態にあると思っていますので、我々は今現時点ではこれは福島第一原子力発電所の爆発に起因するものというふうに考えております。

記者:それでつまりそういった広範囲に広がっている現状についてはどういうふうに考えていらっしゃるかと。

西山審議官:その点については我々そういうことも考えながら避難の範囲を設定しておりますので、現在の避難の指示が出てる部分についてこれをしっかり進めていくように我々としてもサポートしていかなきゃいけないと考えております。

記者:すみません、読売新聞の●●と申します。確認したいんですが、福島第一だとたぶん通常より0.06マイクロシーベルトパーアワーだと聞いておりますが、5.7マイクロシーベルトパーアワーっていう値は普通にやっていると絶対女川原発では出てこない値ということでいいんですか。

西山審議官:そうですね、はい。だからこういう報告事項と言いますか、10条事項にあたっているということでございます。

記者:裏返すとですね、レントゲン一回の10分の1くらいの値であるけれども、それが福島から要するにあそこの女川まで行くということはその範囲の人たちはそれくらいの被曝はもう覚悟してくださいということでいいんですか。

西山審議官:今確かにそれがピンポイントにどなたかのところにいくというようなことだってあるじゃないかというご疑問はあるかと思いますけれども、これは今の風向きとか通ったルートとかを考えて今のところとくにそれによって次の行動をするということは必要ないんじゃないかと我々は考えております。

記者:だから福島のそこから放射性物質はそこまでいくかもしれないけど、健康には影響はないでしょうからそこはもう気にしないでくださいということなんですね。避難域を拡大しないということは。

西山審議官:そういうことになります。

記者:放射性物質の核種はわかるんですかね。考えられることは何があるんですか。

中村審議官:私の方から。私の方からお伝えさせて頂きます。女川発電所の方でですね、モニタリングポストでですね、放射線量を確認をしておりまして、それで放射線量について先ほど申し上げたような数字が出てきているということでございます。とくに核種までの情報は今のところ聞いておりません。

記者:飛散の程度からいって考えうる核種の可能性が高いものとかないんですか。

中村審議官:通常原子力発電所からの、から核分裂によってですね、発生をしてくる核種で言いますと、セシウムとかセシウム137とかヨウ素とかですね、考えられるわけですけども、とくにこのモニタリングポストにおいてはですね、そういう核種までですね、把握をして線量をとるというものではございません。線量の数量といいますか、強さということのみ把握をしてその結果としての話でございます。

記者:あともう一点、逆にお聞きたいんですけれども、20キロ圏内、もしくは10キロ圏内、3キロ圏内の人たちっていうのは逆にいうと何マイクロシーベルトパーアワーの被曝が予想されるから退避することになってるんですか。

西山審議官:ちょっと時間頂いて担当者と考えます。他にどうぞ。

記者:朝日新聞の●●といいます。三点、すみません、お尋ねしたいんですけれども、女川ではなくてですね福島の方なんですが、一点目は先ほど海水を入れたあと不安定になったというお話がございますけれども、確か1号機についても海水に切り替えた直後に不安定になってその後爆発という経緯もあると思うんですけれども、一つまずその不安定になった要因としてはどういったことが考えられるのかということをちょっと教えて頂きたいということと、それから二つ目につきましては3号機についてはMOX燃料を使っているということで燃料の入り具合はフルではないと思いますけれども1号機と比べてももし爆発した場合に出る線量というのが高くなる可能性もあるのではないかというふうに考えられるのですが、3号機についてのもしその水素爆発等が起きたときの被害状況の想定についてどのようにお考えなのかということを2点目お伺いしたいと思います。三点目につきましては1号機、3号機、出きれば2号機もなんですけれども、それぞれ炉内の温度、圧力、水位について現時点でどういう状況なのか合わせて教えて頂ければと思います。

西山審議官:まず海水において不安定になるということは海水という、真水を普段使っているものが海水が入るわけですからそれは相当なことが負担がかかるだろうということはわかりますけれども、ちょっとそれ以上に今は我々としても知見を持ち合わせていないです。それからMOX燃料については。

青木審査官:MOX燃料につきましては通常ウラン燃料が核分裂をしたあと、核分裂性物質の他に核分裂しないウランがプルトニウムに変化するというようなことでございますが、それを再処理で取り出して最初から新燃料からプルトニウムを入れるというのがMOX燃料になります。ですからウラン燃料とMOX燃料の違いはプルトニウムの量が若干多いと、通常のウラン燃料でも燃焼が進めばプルトニウムは蓄積しますので、ウラン燃料とMOX燃料は何が違いますかと言われると、プルトニウムを最初から微量入れてますので、MOX燃料最初にプルトニウムが若干微量入ってますからその分プルトニウムが多いですねというところの違いはあります。

記者:そういう意味ではなくて、昨年9月からMOX燃料を入れて稼働を開始していると思うんですけれども、例えばウラン燃料を燃やしてですねフルで使って、例えば核分裂性生物とかですね、色んなもの溜まってくると思うんですけれども、それがプルトニウムに変換されると思いますが、そのウラン燃料を使ったときの最大値とですね、現在のプルトニウムが生成される時点での、今もし爆発した場合での例えば量ということで比較をするとどういった状況にあるのかといった意味で、燃料の違いを聞いてるわけではなく、被害想定の違いを聞いています。

青木審査官:プルトニウムとかウランと言いますのは、元々重量の重いものでございますので、拡散すると言いましても、飛んでいきにくいものだと思っております。水にも、水に通過したときにですね、ヨウ素だったら100分の1が基層に出てきます。希ガスの場合にはすべて100%水は通過しますけれども、ウランとかプルトニウムというのはもっと水でつかまりやすい、微粒子となって出て行くことはあると思うんですけれども、ガス状のものではなくて粒子状のもので重いですからなかなかそんな遠くまで飛んでいきにくい性格のものであるということでございます。違いは、そういった違いがあって、今量的にどれくらいあるのかというところについては我々把握しておりませんので。

記者:三点目の質問とも絡んで、水位が上昇してるとはいっても低い状態なので例えばそういった今水でトラップできるといってもですね、そのトラップするべき水がない状態だと思うんですけれども、その点についてはどうお考えですか。

青木審査官:半分程度は浸かっているのかなとも思うんですけれども、燃料棒、4メートルくらいの長さになりますけれども、それの今水位計のスイッチを見ると半分程度は炉水の中にあるんだろうとは思うんですけれども、そうすると下のところはこれは冷却水に浸かっておりますので、冷却されております。それから過熱されておりますので蒸気が上に上がって参りますけれども、そうすると上の部分もですね、燃料棒の上の部分も蒸気がその熱を奪いますのである程度冷却はされるというのはもう実験でわかっておりますので、炉水がある限りにおいてですね、まだそんなにひどいことになってはいないのかなというふうには想像しておりますけれども。それで蒸気で充満しておりますので、先ほどおっしゃったそのお水でトラップされるということはないんじゃないかということですが、まるっきりなにもない状態ではなくて蒸気があるということなので、そこはまだ救いがあるのかなというふうには思います。

司会:すみません、次の質問に行く前に先…

記者:データについて、三番目のデータについて教えてください。

青木審査官:データですが、お問い合わせなのは1,2,3号機の原子炉の圧力と水位と温度ということだと思いましたけれども、本日の16時現在の情報になりますが、1Fの1号機0.378メガパスカル、3気圧、4気圧程度ですね、原子炉圧力。それから水位ですけれども、マイナス1700ミリメートル。先ほど申しましたように燃料は4メートル程度ありますので、上から1メートル700くらいですか。それから温度です。すみません、温度のデータはございません。それから今度2号機ですけれども、原子炉圧力が5.85メガパスカル。これ間違えてるかな。ちょっとすみません、確認します。それから水位ですけれども、プラス3750ミリメートル。それから3号機ですが、原子炉圧力が0.18メガパスカル。それから水位ですけれども、二つありましてマイナス1500ミリメートルというのとマイナス2000ミリメートル。

記者:1号機の圧力の単位もう一度おっしゃって頂けますか。

青木審査官:1号機の圧力の単位ですか。メガパスカルゲージになりますね。

記者:すみません、燃料棒の長さって合わせて教えてください。

青木審査官:大体4メートル程度になります。

記者:二つあって両方ともですか。

青木審査官:これはですね、水位計が二つあって4メートルの高さの燃料に対して上から一つの水位計は上から1メートル500、それからもう一つは2メートルという指示になっているということです。

司会:すみません、次の質問に行く前にちょっと先ほどお答え後でという質問に。

放射線班:すみません、先ほどちょっと席にいなかったのでご質問された方もう一度質問をお願いすることはできますでしょうか。

記者:だから避難区域の3キロ圏内、10キロ圏内、20キロ圏内とかっていうのは逆にいうと、何マイクロシーベルト毎時の被曝線量が予想されるから退避ということになってるんですか。

放射線班:避難区域の設定におきましてはですね、原子炉からの放出予測を行いましてそれを地域の方々がどれくらい浴びるかという設定を行います。その場合に外部、直接線による外部被曝とあとヨウ素等の吸収、吸引による内部被曝を考慮して避難区域を設けますので、避難区域を設けるということにおきましては、原子力安全委員会の方から示されております、500、内部被曝であれば500ミリシーベルト以上の被曝がある場合に避難区域を設けるというふうになっております。

記者:今回は500ミリシーベルトですか。マイクロ?

放射線班:500ミリシーベルトです。

記者:以上の内部被曝が予想される場合には避難区域を設けるという決まりなんですね、原子力安全委員会の。

放射線班:指針に書いて、はい。

記者:今回はどうだったんですか。

放射線班:今回の避難区域の考え方につきましては、想定される被曝量というのがですね、基本的には原子炉のモニターというのが完全に消失している状態ですので、排出量というのがわからない状態でございます。それで考え得る放出量を想定して避難区域を設定していると形になります。

記者:その値はどうだったんですか。

放射線班:値というのは、値?

記者:要は放出の量を考えてみれば被曝線量はわかるんじゃないんですか。

放射線班:放出量というのは原子炉の中にですね、原子炉の中に入っているものを全量放出したという形で計算しております。

記者:その計算を聞いているんですよ。

放射線班:すみません、それはちょっと今手元に持っていないので、後ほどお持ちすることにします。

記者:確認したいんですけれども、原子炉のモニターが消失しているということで全部が出た場合のことを考えた、最悪のケースを考えたわけですよね。こういう原子力災害のときってたぶんERSSとSPEEDIを使って炉内の状態を見てるのと、気象の拡散予測を使ってどれくらいの人が被曝するかということから算出して避難区域を決定めるわけでしょ。その場合、前提となるERSSを聞いてなかったんですか。それは聞いてた。炉内のモニターができてなかったというのはどういうことなんですか。

中村審議官:炉内のモニターができていなかったというのはどういうこと。

記者:とおっしゃってる。炉内のモニターが消失、原子炉のモニターが消失してるので、考える最大度を考えたと。

放射線班:炉内のモニターが消失しているというよりは、炉内の情報が我々のところに届いていないということです。

記者:東電は知ってるんですか。

放射線班:東電は知ってるんですかね。

中村審議官:ちょっと質問の趣旨をもう一度確認して。

放射線班:要は原子炉の状態における情報が東電は知っているのかということでしょうか。

記者:そうです。逆にいうとなぜ保安院は知らないんですか。保安院のERCとか見れるわけですよね。常時24時間監視するようになったんでしょ。それは見れてなかったんですか。

中村審議官:そのときの状況についてはちょっと確認させて頂きたいと思います。

司会:じゃあ次の方。お名前と所属も。はいどうぞ。

記者:テレビ東京のゴシマといいます。すみません、ちょっとわかりづらいんで一つ教えて頂きたいんですが、先ほど内部被曝が500ミリシーベルトというお話だったと思うんですけれども、先ほどから出てるようなつまり女川で検知されている数値ですとかですね、外部の検知の数値だと思うんですが、要は避難されている地域というのが外部でどのぐらい検出されたらというのをちょっと教えて頂けませんか。内部被曝ではなく。

放射線班:外部被曝で検知されたっていうのはどういった。

記者:ごめんなさい、内部被曝、先ほどの説明ですと、ヨウ素を吸収した分も取り除いて●●をどのくらい上げるのかで算出されると。そういうのの内部被曝というのは500ミリシーベルトなんだというお話あったかと思います。で、この質問でそもそも女川でつまり5.7というのが観測されてるんだけれども、それは大したことないんだというご説明だったんですが、その地域の、くらいの被曝というのは今そもそも想定されているのか、それは安全にかかわらないっていうのか知りたいのが一つ。もう一点それは今報道されているこれくらいの数値が出ましたよ、これくらいの数値が出てますよっていう数値に換算して避難地域、10キロ圏内、20キロ圏内でどのぐらいの数値が想定して避難を考えているのか、その二つが聞きたいんですよ。今の説明の500ミリシーベルトというのがそのまま例えば女川で観測されたその数値に当てはめていいものなのかどうか、つまり女川でもしその500ミリシーベルトを観測される場合はそれはもう避難しろっていう対象になってるのか、それとも内部被曝という考えとは別なのか、そこら辺がよくわかんないんで説明してください。

放射線班:避難区域の考え方としましては、放出される中心点をおきまして放出される場所からその500ミリシーベルトを浴びる地域というのはERSSだとかSPEEDIだとかそういった予測機能を用いて範囲が示される形になります。

記者:つまり500ミリシーベルトっていうのはもう検知とかそういうのされた時点でそこはもう避難すべき地域なんだって。

放射線班:検知の前に予測を、その範囲を予測して…

記者:わかります。わかります。そう予測したからですか。

放射線班:はい。予測したからそういう形で。それが内部被曝あったり直接線の放射線量だったりするわけ、放射線だったりするわけですけれども。

記者:わかりました。それで、その女川の5.7というのは先ほど感知はされたと。でも避難されるほどのものではないと。それはつまりその時点でそのくらいの数値が検知されているというのはすでに予測していたことなんでしょうか。想定の範囲内なのかどうか、そこが知りたいです。

放射線班:放射性物質というものがですね、放出されるんであればですね、放出された先、空気だとかそういったものに流されるわけでして、それはどこまでかは当然流されていくという形になります。なのでそういったその数値が広がれる可能性というのは当然あると思います。

記者:その時点で5.7っていう数字が出たっていうことは考えられうることであるし、そこの地域の住民は今一時的にそれを浴びても安全なんだ、問題はないんだっていうふうに今お考えなんだっていうことでいいんですか。

放射線班:認識として。

記者:認識としてという言葉はいらないんです。安全なんですよね。問題はないんで…

放射線班:問題はないです。はい。健康に与える影響はないと考えております。

記者:健康にはない。

記者:共同通信のカトウと申しますけれども、先ほど出た質問でちょっともう少しわかりやすく説明して頂ければと思ったんですけれども、MOX燃料だとですね、1号機の燃料とどう違うのか。融点が例えば低い、特別に今多いことによって融点が低くなるのかとかですね、危険度はどう違うのかということ。で、もし違いがあったとしても格納容器内の中での出来事なのであれば外側には影響がないのかというあたりをわかりやすく説明して頂ければと思うんですけれども。

青木審査官:ウラン燃料、MOX燃料、不純物が混じりますと、燃料の、ウランだけよりもそこに不純物が混じりますと溶融点が下がります。溶けやすくなります。プルトニウムが入っても同じように溶けやすくなります。で一方で不純物がありますと今度は温度が上がりやすくなります。ですから不純物、あるいはプルトニウムがありますと温度が溶けやすくなり、それから温度も上がりやすくなるという傾向はあるんですが、ただ我々がその燃料設計を見るときには十分融点に対して最高温度は十分低いところにあるということで、十分な余裕がりますよねということで確認をさせて頂いております。お答えは傾向としてはおっしゃる通り、おっしゃる通り、傾向としてはおっしゃる通りプルトニウムが混じりますと若干溶けやすくなる傾向はございます。

記者:では早く対処した方が1号機よりは早く改善した方がいいという。

青木審査官:全体としてですね、先ほども申しましたように、ウラン燃料の中にもプルトニウムが蓄積されて参りますので、燃焼が進んだ、要するに長く運転した原子炉であればプルトニウムがより多く蓄積されることになりますし、最初からMOX燃料の場合には最初からプルトニウムが入ってるわけですけれど。ですからMOX燃料が入っているから直ちに危険だということでは決してないと思います。

記者:技術的には同じような考え方でいいという。

青木審査官:はい。構わないと思います。

記者:すみません、格納容器の中に、中のことであれば直ちに何か外側に影響があるということは考えにくいということですか。

青木審査官:はい。そのための格納容器でございますので、万一のときのことを考えて原子炉容器のさらにその外側に鋼鉄製の格納容器を設けるというのが設計になっていますので、これ安全のためにですね。ということになっておりますが、今のように冷却がなかなか進まなくて圧力が上がって参りますと若干格納容器からある程度は漏れるということは、これはやむを得ないなと。我々も設計を見るときには漏えい量というのはある程度余裕の範囲であれば認めておりますので、全くゼロにするというのは工学的にはこれはできないということで、ある程度の漏れ量というものは我々もちろん許容はしておるんですけれど、今回のように実際に格納容器の中の圧力が高くなったりしますと、当然ながら漏れやすくなりますので。あとはもう実際どれだけ漏れるのかということなんですけれども、これは後から評価を正確に評価してみないとわかりませんけれども、おそらく格納容器の外側に水素が漏れ出てそれが建屋の上に、水素ですから軽いですから、上に溜まって爆発、水素が爆発をして天井が飛んでしまうといったようなことが起こっているは、それは格納容器から水素が外に漏れ出たからだというふうに考えております。

記者:水素は軽いから割と上に出やすい。

青木審査官:上に、そうです、はい。

記者:プルトニウムやらなんやらというものよりは出やすいので上に。

青木審査官:はるかに。ガスですし、軽いですからそうなると思います。

記者:先ほど枝野さんの会見で水素が排気から少しずつ抜けて行っているというふうにお伺いしたんですけれど、それはこのままずっとたっていけばどんどん抜けて行って、安全な状態になるという理解でよろしいでしょうか。

青木審査官:水素が発生いたしますのは燃料棒のその金属とそれから水がですね、高温の状態で接しますと、金属と水との反応でですね、水素が発生するというような現象がありまして、これはですから、原子炉の圧力容器の中でそんな現象が起こっているのかなというふうに考えます。圧力容器は今安全弁でですね、中の蒸気を外へ、格納容器の方に、(図を使って説明)圧力容器の中で出たものは安全弁でこちらの方のサプレッションプールの方で逃しておりますので、蒸気をですね。ですから格納容器の方へは出て行っているということです。それから先ほど申し上げましたように格納容器はある程度漏洩すること元々許容されておりますし、それから圧力が高くなりますとより漏れやすくなるということは当然だと思いますので、どれくらいの量なのかというのはあとから検証しないとわからないとは思いますけれども、そういうことだと思います。これで格納容器の外に水素が出て行って建屋の上の方に水素が溜まって爆発をして格納容器は無事だったけれども建屋の天井が骨組みだけになったということになったんだろうと思っております。

司会:一番奥の方。

記者:TBSの●●と申します。水素爆発についてお伺いしたいんですけれども、3号機の建屋の中に水素ガスが溜まるの何らかの方法で抜くみたいな話があったと思うんですけれど、ほっとくとどういうタイミングで昨日みたいなことが起こり得るのか。それはどうやったら確実に避けられるのか。あるいは放っといた場合にそういうことが起こり得るタイミングというのがいつくらいになるのかというようなことを伺いたい。ちょっとこれ西山さんにもお伺いするんですけれども、これ1号機も含めてなんですけれども、冷温停止に近い状態で安心できるという状態になるまでの時間の見通しと推移を簡単に教えてもらえないでしょうか。

西山審議官:まず最初のご質問についてはこれはなかなか、水素を抜く方法というのは容易でないんですね。これ非常に難しい。水素を抜くことは非常に難しいと考えられています。そういうふうに、なことを、ある板、板がはってあってそれがはがれて、そこから一部漏れるということがあるかもしれませんけれど、そういうことを除いては基本的にはなかなか水素を取り除くという手段はないので。

記者:ないの。

西山審議官:ありません。はい。ですから…

記者:爆発するのを待つしかないというか、発生を抑えると。

西山審議官:なるべく発生を抑えて、水を早く入れて、本体の今問題を起こしているところの燃料のあるところをですね、早く水で冷や満たして冷却するというところが重要です。

記者:発生量というのはモニタリングするのはこれは難しいんですもんね。

西山審議官:難しいですね。

記者:いつ弾けるかわからない状態だというふうに思うしかないんですよね。

西山審議官:そうですね。それを冷却することによってなるべくそういうことが起こらないように今一生懸命やっているということです。

記者:現状で言うと、水素の発生量は減らせているなということなんですか。

西山審議官:まだそこははっきりわかっておりません。

記者:炉心の冷却状態とかからして。

西山審議官:まだ必ずしも水が順調に流れ込んでるということではないようですので、今のところまだそういう確信は持てておりません。

記者:基本的には昨日と同じような事態が起こる可能性はかなり高いという。

西山審議官:今申し上げている以上のことはないですね。

司会:次の方。

記者:すみません、もう一つ聞いてるんですけれど。

司会:ああそうか、失礼。

西山審議官:日にちの目途でしたっけ。これはまずですね、水素が爆発するとすると、一定の濃度に達したときに起こるということになると思いますので、なりますので。それがどの程度の今発生状況かということによるわけですね。ですからそこの何日というところもわかりません。

記者:1号機に関してはもう水素爆発はあっちゃったわけですけれども、温度は低下する方向に向かったあとに、低下する方向になっているということですよね。

西山審議官:そうですね。

記者:これがもう安定したっていうふうに、冷温状態に近い、冷温停止に近い状態に評価できるようになるまではどのくらいかかるんですか。

西山審議官:1号機の方ですか。

記者:まずそうです。

西山審議官:普通この大体のこの種の冷温停止にいけるかどうかっていうのは1日とかそのくらいのオーダーです。

記者:じゃあ今日中にそういうふうな判断になる可能性もあるという。

西山審議官:そこはわかりません。ただ普通の原子炉の場合で、止まって水が全部入ってるとするとそのくらいのオーダーでいくという感触を持って頂きたいと思いますけれども。ただ今回のものがどの程度順調に入っていくかということがありますから、プラントの中の状態もわかりませんし、そういう意味で相場観として今の数字を見て頂ければと思います。

記者:2号に関してはどうなんですか。

西山審議官:2号に関しても同じです。

司会:次の方。

記者:すみません、住民の被爆の状況、朝から全然発表内容が変わっていませんが、最新の保安院が把握している状況を教えてください。

西山審議官:ちょっと今のことについては担当者が、呼びますのでちょっとお待ちください。他にお願いします。どうぞ。

記者:今の水位を見ますと1号機と3号機が両方とも燃料棒が露出していて、1号機と3号機両方とも今燃料棒溶け出して、もう溶けている状況、燃料溶けている状況というふうに理解していいですか。可能性が高いですか。

西山審議官:そうですね。

記者:で、その二つとも今放射性物質が外に弁開いていますので、出ている可能性があるということですか。

西山審議官:それはそうですね。ただそれは量的には非常に微量なものであるということですね。1号機においても原子炉の格納容器は無事だったことはわかったわけですので、そこから逃す必要の最低限逃す必要のあるものについてのみということですので。

記者:昨日の1200マイクロシーベルト把握されたと思いますが、それより高い数字今までモニターに出ていますか。

西山審議官:それが最高だと。

記者:1200。

西山審議官:はい。

司会:次の方。

記者:一応確認ですけれども、3号機の方では炉心の融解が、溶解が起きているという認識でもうよろしいでしょうか。

西山審議官:通常…

青木審査官:半分程度、燃料が水から出ているような状況にあっているようですので、一応先ほども申し上げたように下から上がってくる蒸気で冷却はされてはいるんだろうとは思いますけれども、燃料棒自身はやはり損傷は免れないだろうというふうに思います。ですから中のものは核分裂したものはですね、燃料棒の外に出てきてるだろうなというふうには考えます。損傷状況がどんな状況になっているのかっていうところまではですね、ちょっとそこまではわかりませんので、これは最後冷やして開けてみなければわからないということだと思います。

記者:すみません、もう一つ。1号機の方なんですけども、一応海水をどんどん入れ続けているということですが、当然海水入れてもどんどん温まってしまうんでしょうから、入れ続けなきゃいけないんでしょうが、その入れた海水って今どんなふうにコントロールしてっていうんですか、当然循環できない状況にあると思うんですが、その海水、今どんな状況になってるんでしょうか。むしろ出さなきゃいけなくなっちゃうのか。どういうふうにコントロールされていますか。

西山審議官:まずはこの格納容器の中を海水で満たすという、圧力容器から始めて格納容器まで含めて、なるべく海水で満たしていくということにつきますね。とくにそれを外に出すとかっていうことは今ありません。

司会:じゃあ次の方、どうぞ。

記者:1号機の水位の状況なんですけれども、もうそろそろ1日経つと思うんですが、マイナス1700ミリメートルであんま変わってないように、その遅れている原因っていうのは、固まってしまっている原因、その理由っていうのは、原因はどこにあるんでしょうか。

青木審査官:何が固まってるって。

西山審議官:1号機のこの1700ミリがあんま変わらないじゃないかって。1号機の1700ミリ。

青木審査官:水位ですか。

西山審議官:昨日からずっと入れてる。

青木審査官:1号機の水位につきましては、正しい数字をおそらく示していないだろうというふうに思っております。それで海水を炉心に入れて、原子炉容器をまず海水で満たそうということにしておるんですけれども、水位が上昇してきませんので、いつ満水になったかちょっとまだ把握できないということなので、ずっと入れ続けているということでございます。先ほどご説明しましたように、安全弁で格納容器と圧力容器とはもう繋がっていますというか開いておりますので、水位計がちゃんとした数字を示してくれてはいないんですけれども、水位が上がってくればいずれはオーバーフローして格納容器の方に冷却水が流れ出すというような状況になっていくのかなというふうに思っています。

記者:TBSのナミキと申しますが、多少認識が違ったら申し訳ないのですが、朝の会見のときには1号機について燃料棒はもう冠水してて危険な状態とは考えていないというふうにおっしゃっていたと思うんですけれど、それってまずあってますよね。

青木審査官:水位計がですね、先ほど申し上げた通り、正しい数字を示していないと思っておりますので、注入量としては相当のお水を入れておりますから当然もう燃料は冠水していて、もう水に浸かっていて、格納容器の方にオーバーフローしてるんだろうなというふうに思っています。

記者:じゃあ今の認識としては安全であるというふうに思ってらっしゃる。

青木審査官:はい、そう考えております。

記者:あともう一点なんですけど、すみません。3ページの上の方で2号機が電源機能を確保し、給水機能を維持ということでそれはこれまでやっていた電源車との接続作業が成功して電気が通ったということですか。

中村審議官:はい、こちらについてはですね、隔離時冷却系はずっと稼働中でございますけれども、これについてさらに電源機能を確保して。高圧注水系の方ですかね、復旧をしたというのは。2号機です。今2号機の。

記者:2号機。

中村審議官:2号機ですね。2号機については隔離時冷却系がずっと動作中でございます。

記者:何が動いてるんですか。

中村審議官:隔離時冷却系であります。

記者:それで2号機については注水機能は。

中村審議官:はい、維持をしております。

記者:はい。安全なレベルということですか。

中村審議官:はい、原子炉水位につきましても燃料の一番先端のところから370センチ程度ございます。燃料は完全に冠水をしていると言いますが、十分冷やされる状態になっているということでございます。

記者:圧力は5.85メガパスカルある。

中村審議官:先ほど青木の方から少し申し上げたかもしれませんけれども、数字についてはちょっと確認をさせて頂きますけれども、格納容器内圧力についてもとくに異常の、異常のあるような圧力状態ではないのかなというふうに思っております。

記者:5.85は違うってことですか。

中村審議官:その数字についてはちょっと確認をさせて頂きます。

記者:すみません、1号機の水位計については正しい数字を示していないというお話だったんですけれども、格納容器まで、がフルに満たされればそれは確認できるということでよろしいんでしょうか。

中村審議官:はい、正しい水位は示してないというわけでは、それは断定できるわけではないんですけれども、これまで注入をしている水の量に比べればですね、ちょっと水位の変動がですね、必ずしもその量に比例するような形にはなってないので、したがってちょっとその水位計にですね、問題があるのではないかなという推測をしているところでございます。いずれにしても、先ほど西山の方から説明をしましたように、昨日の夜からですね、圧力容器内に海水を注水をしておりまして、圧力容器の満水相当の海水を注入をしておりまして、尚引き続き注水をしているということでございます。

記者:私の言い方が悪かったと思うんですけれど、その意味ではなくて、例えば格納容器の水位ですね、さらにオーバーフローしてしまって放射性物質を含む今度海水が外に溢れているようなちょっと大それた推測ですけれど、そんなこともあったら困るなと思ったもんですから、格納容器まで満たされる場所、これストップできるようなそういうシステムがあるのかどうかとお尋ねしたい。

中村審議官:格納容器については、失礼しました、格納容器については健全でございますので、そこできちっと閉じ込め機能が働くというふうにみております。

記者:産経新聞のハラダと言いますが、3号機は水素爆発した場合ですね、1号機と同じように格納容器が残るような見通しなんでしょうか。

西山審議官:はい、そのように考えております。

記者:中日新聞のコヤマと言います。今の質問に関して大丈夫だと言えるその根拠というのはどういったものなんですか。なぜ大丈夫と言える。水素どれだけ出てるかもわからないような状況でですね。

西山審議官:構造上からですね、格納容器というのはそういうことと言いますか、ほとんど想定していないことでは、起こってはいけないことではありますけど、丈夫につくってあり、かつ建屋の方はある程度の強さではあるけれども外側に、なんていうかこの間の1号機のような形でいくことが想定されたものですので、1号機の経験が、から考えるべきじゃないかと思っております。

記者:現段階では昨日の1号機に溜まった水素ガスよりも溜まってる量は少ないというふうな考えなんですか。

西山審議官:そこはわかりません。

記者:3号機の溶けている状況なんですけれども、ペレットまではいって、被覆管だけじゃなくてもうペレットまでいってるかどうかの見立てというのはどうでしょう。セシウム、1号機のセシウム放出というデータもあったわけですけれども、今の状況で中の方までいってそうかどうかっていうのはどのように見てらっしゃいますか。

青木審査官:申し訳ありません。どこまで壊れているのか、これはちょっと開けてみないとわからないです。ただそういうその中の本来燃料棒の中にあるものがですね、外に来ているというのは環境モニターで確認されていったりしますから、燃料が壊れてるっていうことは確かだろうなというふうには思っております。

記者:どういったものが確認されるんでしょうか。

青木審査官:ヨウ素だとかセシウムだとかそういった本来なら燃料棒の中にあるようなものですね。それが外で確認されておりますので。

記者:その3号機由来のものもすでに。

青木審査官:申し訳ありません。そこはわからないですね。おっしゃる通り1号機のときにはそれ確認されておりまして、その後3号機のものがそこに追加で出てるのか、これはどこから来ているものかというところまではわからないので。状況が1号機と3号機と比べて同じような状況になっているのでそう推測するということになろうかと思います。

司会:その他いかがでしょうか。

記者:時事通信のマツダといいます。今の爆発した場合のことのちょっと確認なんですけども、原子炉建屋の設計といいますか、構造といいますか、建物自体、強度自体の部分なんですが、それは3号機も1号機も同じというふうに考えてということでいいんですか。

青木審査官:その立地、たっている位置によってですね、耐震性の考慮して建屋設計されておりますので、それぞれで考慮する地震が、ガルが違っていたりするとまた違うかもしれませんけど、基本的には、あとはつくったときの年代によってですね、古いプラントからどんどん新しいプラントに対して改良、設計改良はなされておりますので、そこ微妙に違っているのかと思います。ただ耐震設計をしている日本のプラントですので、かなりしっかりと建物はつくられていると思います。1F1号機で外壁がはがれてる部分というのは一番最上階の部分でございますので、そこはもう非常に薄い構造になっているところでございますので、その下のところはもうコンクリートでガチガチに固まっているような状況だと思います。

記者:ついでに、上が薄いというのはこういう事態をまさか想定してるってわけでは。

青木審査官:耐震構造をとっておりますので、なるべく揺れたときにですね、上は軽く下は重くというのが耐震設計上いい設計に入りますので。そういう設計がなされているということです。

西山審議官:次のご質問受ける前に被曝のデータをですね、アップデートされたものが手元にありませんので、申し訳ないんですけれども次回に確認して報告させて頂きたいと思います。

記者:朝からもう6時間、7,8時間経っているんですが、10時のときに何もなかったんですけど、福島県の方では発表しているようですが、保安院の方では把握しないんですか。

西山審議官:そういうことはありませんけど、ちゃんと把握しなきゃいけないと思いますけれども、今手元にありませんので、また後ほど報告させて頂きたいと思います。

記者:じゃあ次回の会見は必ず教えて頂ける。

西山審議官:次回確認して。

:県さんとのデータで照合できない部分があるので、念のためきちんと数字を確認したいと思っておりますので、次回お持ちするようにいたします。

記者:毎日新聞の●●と言いますが、女川に関連してですね、女川までの間で放射線量が上昇しているのをそういう、100キロ離れていますけど、その間でなんで観測値が高いのかっていうのと。あと女川、20マイクロシーベルトっていう話、数字もあったような気がするんですけれど、それは。

中村審議官:まずあとの方の質問に対する回答なんですけれども、20という数字はですね、単位の換算、単位が違った、異なる単位系での数字だったと思います。最高値が21ナノグレイですかね、放射線の単位による違いでございます。放射線の強さというものでございまして…

18:16:42

14秒間記録なし

18:16:56

中村審議官:その福島第一発電所とそれから女川発電所との間における放射線の測定でございますけれども、モニタリングポスト等あるかとは思いますけれども、測定を、基準としているその測定ポストについてですね、みたところそういう数字が表れたということでございます。そこの具体的なモニタリングポストがですね、について大切なことはモニタリングポストでの推定値、測定値っていうのがですね、女川発電所によるものかでは、かどうかというのがわかるということがやっぱり大切でありますので、そういう意味からの適応できるモニタリングポストの数値をみているということでございます。

記者:先ほどセシウムやヨウ素が3号機の周辺で確認できたということですけれども、これは1号機由来でなく3号機由来であるというふうに断定できる要素、根拠というのはどういった。

西山審議官:確認できたというふうに申し上げてないと思うんですけれども。はい。

記者:まだ確認はできてない。

西山審議官:できてないです、はい。

記者:北海道新聞社のトガメと申します。先ほどの女川までの間でのデータの話、質問があったと思うんですけど、女川由来かどうかを確認する必要があるから有意なデータとして女川のモニタリングポスト使ってるという話でしたが、福島と女川の間にもモニタリングポストがあるわけですよね。そこでは異常な数値は参考値として出てるか出てないかっていうのをまず教えて頂きたいんですけど。

放射線班:福島と女川の間にございますモニタリングポストというものにつきましては、昨日もお伝えしたと思いますが、常時監視システムというのが停電のために動作していないということをお伝えしていると思います。なので動いているところの局舎における観測ポイントにおいて異常値が出ているということは確認されておりません。

記者:何か所くらいあるんですか、動いているところっていうのは。

放射線班:福島の近くにおきまして動いているところが昨日お示ししました表のすべてです。

記者:ちょっとすみません。ちゃんと理解できてなくて。

放射線班:昨日お配りしましたモニタリング状況というものの、がすべてでございます。

記者:その後そのところの数値も変わっていない。異常な値は出てないと。

放射線班:異常な値という前提が色々ありますけども、高い値が示されたりとかはしております。

記者:しております?

放射線班:しており、午前中に1200というものは観測しているということになります。

記者:あと一点、情報が錯綜しているのでよくわからないんで教えて頂きたいんですけど、昨日の夜に自衛隊の航空機が福島の●●とこ出た航空機が戻ってきたら放射性物質みたいなのが機体に付着してたんじゃないかみたいな情報があるんみたいなんですけれど、そういった話って保安院って入ったりしてましたでしょうか。

西山審議官:聞いておりません。

記者:住民被爆の件なんですけども、たぶん情報これ錯綜しているのがあるんで確認なんですが、バスに避難した人、住民のケースのこの9人というのに対して地元の県の方が要するにこの数字を把握していないというふうにおっしゃっているようですが、そこらへんの情報の齟齬というのをどういうふうに捉えたらいいでしょうか。教えてください。逆に言うとあとこの9人というのは誰が主体となってやった調査なのかっていう部分もあわせてもしわかれば教えて頂きたい。

西山審議官:ちょっと確認させて頂きます。

記者:テレビ朝日のアライと申します。繰り返し同じ質問になってしまって申し訳ないんですけど、先ほどから1号機よりも3号機の方がより危険ではないかという質問に対しては水素の量がわからないと、水素の量がわからないということだったんですけれども、1号機については昨日爆発があってからようやく海水の注入に踏み切ってそれで冷却機能が回復してきたというのがあるとは思うんですけれども、3号機の場合は海水を注入をしてもなお水位が下がり続けると、そうであれば1号機以上に3号機に対してそれ以上の何か対応をする手立てがあるんでしょうか。もしないとしたら、客観的状況からみて危険度は高いと言わざるをえないと思うんですけれどもいかがでしょうか。

西山審議官:我々の判断としては1号機のああいう経験があったもんですから、それを踏まえて早く海水に切り替えて量的にたくさん入れていくという選択をいたしました。ただそのことによって入るのが、また円滑でなくなったということがあるもんですから、そのこととの関係で今それをなるべく早くおっしゃるように水で満たさないといけないので、それに向けた努力をしているところです。

記者:ですから、水を満たせるこの先の見通しというのはたっていらっしゃるんでしょうか。

西山審議官:今、今の、色々現場での改善はあると思いますけれども、この量的にはやはり海水をとらないと量が確保できないということで、それを入れた形で何とか水位を満たすように頑張っていくんだろうと思います。

記者:すみません、時事通信のサトウです。先ほどの質問の関係なんですけど、要はヨウ素とかセシウムというのは3号機由来かどうかはわからないけれども確認されているとおっしゃったんですが。これは…

西山審議官:いつ言いました?

記者:先ほど、要は3号の損傷がどこまでいってんのかはわからないけれども、そういうヨウ素とかセシウムが確認されていますよと。

青木審査官:すみません。どこ由来のものかというところまでわからないので、ちょっとそこ私言いすぎました。訂正します。ただ先ほど言いましたように、1号機と3号機の城況を、1号機の状況と3号機の状況を考えると3号機も恐らくもう燃料破損はしているだろうなというふうに想像しております。

記者:だから由来はどこかわからないけれども、

青木審査官:わからないです。

記者:確認、検出はされてるわけですよね。

青木審査官:検出は、すみません、以前検出がされてたと思うんですけれども。

記者:1号機由来のやつ?

青木審査官:ええ。

記者:じゃあそれ以降はとくに確認、検出が、出てはきていないということですか。

保安院:いずれにしても由来はわからないけれども、ヨウ素については事業者から、それからセシウムについては方位計の方からですね、検出されたという報告を受けております。ただしそれが、すみません、繰り返しになってしまいますが、1号からか3号からかっていうのはわかりません。

記者:それはいつどこで検出されたんですか。

保安院:それについてはきちんと確認してまたご報告したいと思います。

記者:それは今日ですか、それとも昨日ですか。それすらもわからないんですか。

西山審議官:今確認いたします。

記者:昨日の菅総理の記者会見の中で想定を超える津波のために本来働くべきバックアップが働かなかったというふうな発言があったんですけども、今回の事態、ここまで至った原因というのは非常用ディーゼル発電機が動かなかったことに尽きると思うんですが、やっぱりその原因というのは地震による力の物理的な影響とか、もしくは津波で非水して電気系統やられたりとか色々考えられると思うんですが、昨日の段階で首相がそこまで言ったということも、日本国政府としてはやっぱ津波が原因ということでいいですか。

西山審議官:今おっしゃったディーゼル発電機以外にも五重の壁と言ってですね、原子力の場合にはたくさんの防護方法をとってきているわけですけれども、ただ今回それを最も予測不能な形で壊してしまったのは津波であることは間違いないので、総理が言われたのはそういうことだと思います。

記者:要はまだたぶん東電なんかは点検できてないんで、それが地震力で例えば技術的な途中でケーブル切れたりも、そんなんなのか、それとも津波でやられちゃったのかというのは何とも言えないという言い方をしているんですけれど、昨日総理があそこまで言い切ったということは保安院としてはもう津波ということで。

西山審議官:そこはもちろん我々もきちんと分析し、それも総理にご説明したうえでご判断頂くわけですけれども、しかしどう見ても今のような我々が厳しい状況に陥っているのはその津波による打撃というのが一番大きいので、総理がそこをおっしゃるというのは今の当然のご判断だと思います。

記者:で、確認なんですけれど。

西山審議官:だからこれから先、その要因分析をしないという意味ではないんでですね。

記者:わかりました。今の段階でディーゼル発電機は動かなかった理由としてはやっぱりそのディーゼル発電機建物の中にあるわけで、外の海水ポンプなんかが非水して電気系統がやられちゃうと動かせなくなると。たぶん蓋然性として考えられるのこれが一番高いと思うんですね。そういったあたりの原因が高いというふうな考える見解でいいんですか。

西山審議官:そこが大きな要因だと思います。

記者:もう一点だけ。あと、福島って第一原発が3と5が代表プラントで第二も4だと思いますけれど、代表プラントとして中間報告のバックチェックが終わってると思うんですね。バックチェックのなかで津波の議論ていうのはどうだったんですか。

西山審議官:確認させてあります。

記者:もう一つ、要するにバックチェックまで終わっているということは基本的にもう国が地震、耐震安全性のお墨付きを与えてる状況といっていいと思うんですけれども、こういうことになったと。で、現実に今中間報告の段階だけでバックチェック終わってる原発いっぱいあると思うんですよ。やっぱりこれ大丈夫なのかと住民が思うのは当たり前のことだと思うんですけれども、バックチェックやり直すとか指針をもう見直すとかそういうことのお考えどうなんですか。

西山審議官:そこはまさにまず今は事態を収拾することが第一ですから、その後の問題です。

記者:わかりました。ありがとうございます。

司会:その他いかがで。はい、どうぞ。

記者:先ほど1号機、3号機の圧力を出して頂いたんですけど、これ通常のはどれくらい数字はあるんでしょうか。あるいはどれくらいなら安全。正常値っていうのはあるんですか。

青木審査官:格納容器につきましては、大気圧とそんなに大きく差はないと思います。ちょっと圧力容器につきましては確認します。

司会:どうぞ後ろの方。

記者:すみません。この会見、前の会見からずいぶんここまで間があいていると思うんですけれども。被爆の状況なんかについては次の会見のときというお話があったので、ある程度の時間の目途というかですね、どのくらいでは、ある程度の段階できって報告頂きたいと思うんですけれども。その見通しちょっと。

西山審議官:きってっていうのは次の会見の時間をということですか。

記者:ずいぶん間が後になっているんですよ。

:大体3時間ないし4時間くらい。今回ちょっとあいてたと思いますけれども、大体それくらいの通常であればですね、情報はお伝えできるというふうに思っております。

記者:さっきの被曝の話に関してもその時ということで。

西山審議官:はい、そのときに。

記者:9時とかそんなもんですか。10時とか。

:正確な時間というのはまたご連絡させて頂きます。

西山審議官:大体オーダーとしてはそんなもんだと思います。

記者:日付が変わることはあり得ないですよね。

西山審議官:そうですね。

記者:先ほど耐震の問題で3号機の建屋の、下のほうを強くつくったということだったんですけど、上の方は少し意図的に弱いということは水路が発生したとしてもかなり抜けていくということは考えられるんでしょうか。抜くのは難しいとしても、抜けていくっていうこと。

西山審議官:あまり期待できないと思います。

中村審議官:補足をいたしますと、1号機の設計を見てみますとこれはGE社が設計をしているものですけれども、やはり水素が溜まるというようなこともある程度、設計上きちんと考慮をしておりまして、したがって、そういうことを考慮したうえでですね、設計上一番てっぺんの部分が比較的柔らかい、逆に溜まって爆発するようなケースには逆に一番そういう、一番軽い形でですね、爆発するような形での設計思想というのが1号機には反映されているということでございます。

記者:3号機もそれは同じ。

中村審議官:基本的にはそういうような設計思想、水素が溜まるようなケースというのをある程度設計の中ではですね、考慮をしているんだろうと思います。

記者:つまりボンといくとしてもどうしても上から抜けていく。

中村審議官:一般的に考えてですね、当然ガスが何らかの形でですね、いかなるガスにせよ、溜まるケースっていうのは当然考えられるわけですからそういった場合にも大きな形でですね、影響あるような形での爆発ということじゃなくてですね、むしろ比較的小さい形でですね、そのきれいな形で終わるような形での設計思想というのは考え方としては取り込まれているんだろうと思います。

記者:つまり炉の方に影響が及ばないような爆発のさせ方を。

中村審議官:具体的にですね、2号機とか3号機でですね、そういう設計思想が盛り込まれているかどうかはわかりませんけれども、一般論として非常に重要な建物をですね、設計をする際にはそういうことが考慮要因であるということでございます。

記者:上は平なんですか。

中村審議官:1号機の場合ですと、あれは平な構造になっていると思います。3号機もあれですよね、平ですよね、3号機、建屋。建屋、まっすぐ平たいものになります。

司会:そろそろもう最後の質問ということでお受けしたいと思います。どうぞ。

記者:すみません、先ほど津波の打撃の話がありましたけれども、確認なんですが、保安院としては今回の福島第一原発、第二原発の深刻な状況というのは一つの要因として津波が大きいということは認めているということでいいのかということと、それからいわゆる非常用ディーゼルがなかなかなかったことが最大の要因と考えておれるのかが。まだほかにも色々な指揮系統だったり、水位計だったり、制御機能だったり色々問われることなんですが、その大元のところとしてどこを考えておられて、それも津波によるものとお考えになっているのか、が二点。三点目として先ほどの方がおっしゃったのをちょっと確認したいんですが、海水ポンプが働かなくなったこと、それが電気系統が壊れたこと、その要因として津波を考えておられるということでいいのか。すみません、ちょっと三点確認だけさせてください。

西山審議官:まず原子力発電所をつくるにあたってはですね、当然のことながら、先ほどご質問があった最近まで新しい耐震基準をちゃんとつくってそれにもとづいて揺れとそれから津波に対する対応というのはちゃんととってるわけですね。津波は寄せてくるものも引く場合も両方とも考えて原子力発電所はちゃんとつくってるんです。ただ今回は歴史上本当に稀なことに日本は襲われてしまったわけで、それによってこの事態が発生しているということです。今回少しずつ要因は違いますけれども、非常用ディーゼルが動かないことなどやはり津波を被ったことによると、今の時点で推測される打撃によって五重の壁を築いてきたはずがなかなかうまく働いていないという状況になってることが、今我々の直観としてはわかりますので、今のところはそれを頭に置きながら進めていますけれども、それぞれの今動かなくなっているところを復旧させるべく今現場も全力あげておりますが、これから先の要因分析で次のところをどうするか、次どうやって操業を再開するかについてはまたこういった経験を踏まえてよく考えなきゃいけないことだと思います。

中村審議官:先ほどのご質問への回答でございますけれども、バスで避難をした双葉町の住民の行き先でございますけれども、すべて行き先を確認中と資料でなっておりますけれども、県の方からはですね、県外へバラバラに避難したものの再び集合して二本松市の福島男女共生センターへ移動中ということで聞いております。

記者:今のって私に対する回答?

中村審議官:そうです。

記者:ちょっと僕の今の質問の趣旨はちょっと違って、つまり今回のこの9人というのを県の方はカウントしていない。つまり自分たちの被曝者の人数の中にはこの9人というのは入っていないんじゃないかというようなことをおっしゃっていたようなので、そこにつまり重複があるのかなんなのか。あとこの9人というのをカウントしたのは調べた主体が国なのか県、地元自治体なのかを。情報若干錯綜しているようなんですが、そこらへんに齟齬がないでしょうかっていうのが私の質問の趣旨。

中村審議官:私どもはですね、資料の方にお示しをしていることについて県から聞いております。はい。

司会:それではこれで、記者会見終了させて頂きます。