原子力安全・保安院の記者会見テキスト(第21報)(2011年3月13日23時30分から42分間) 

司会:それではただいまから原子力安全保安院の記者会見を。よろしくお願いいたします。

西山審議官:保安院担当の審議官を兼務しております西山でございます。よろしくお願いいたします。(図を使って説明)まず、福島第一原子力発電所の1,2,3号機の現状についてここでご説明をさせて頂きたいと思います。

まず福島第一原子力発電所の1号機でありますけれども、1号機につきましては今現在この消火系のラインを用いて海水を注入しております。燃料の、失礼、原子炉の水位でございますけれども、実はこれは水位計について若干正しい値を示していないんじゃないかというふうに思われますけれども、現時点ではこの燃料の一番頭の部分から1.7メートル下にあるというふうになっております。ですからこれだと燃料の頭が出ちゃってることになるわけですけれども、しかしこれまでの注水の、海水を入れる努力によりまして、我々の考え方では、あるいは東京電力からの報告を頂いているところではすでにもう圧力容器の方から先に水を入れているわけです。圧力容器の方から先に水を入れているわけですけれども、これに満杯するだけの水は十分今日の夜の内、明け方までにですね、今日の明け方の内に達成しておりまして、現在はさらに、しかしそういうデータが必ずしもはっきりしてないものですから、万全を期してこの周りの格納容器のところまで、この外側の格納容器のところまでうめる覚悟でですね、ずっと水を流し込んでいるという状況でございます。それによりまして、さっき申し上げたように水位自体は一応はマイナス1.7メートルと、燃料の頭のところからマイナス1.7メートルとなってますけれども、圧力の方は、原子炉の圧力の方は0.3533メガパスカルゲージということになっております。これは落ち着いた状況というふうに考えております。

それから次に福島第一原子力発電所の2号機ですけれども、こちらの方は原子炉隔離時冷却系という、RCICという、原子炉が普通に冷やすことができなくなった状態のときに働く系統で今冷やしておるわけでございます。それによりまして現在原子炉の水位ですけれども、この燃料の頭のところから3.8メートル、3800ミリメートル上に水位がもうございますので、これは通常の燃料の隠れ方になっておるところでございます。ただ、原子炉の圧力については今日の18時現在以降ですね、ちょっと機器の接続不良のためにその値が確認できておりません。ただ2号機については今とくに大きな問題は感じてないところでございます。

それから問題の3号機についてですけれども、3号機についてはちょっとこちらの方に移りますけれども、一般的に水を注入する系統がうまく動いていないということで、今ここにありますように、ちょっと非常に略式の書き方でありますが、原子炉に何か火がついたとき、通常のことですね、オペレーションで火がついたときにそこを消しにいくためのルートを使いまして、そこに消防のポンプ、消防車を繋いでホウ酸の混じった水を入れていくという形で今やってるところであります。その努力を続けております。これについては官房長官からもご説明あったところであります。本来ならばこれによりまして、水位もちゃんと上がってきてもらいたいところなんですけれども、これも官房長官からご発表がありましたように今現在の原子炉の水位はですね、1.8メートルマイナス、こちらの図でいきますとこの燃料の頭のところから1.8メートルマイナスの値、あるいは2.2メートルマイナスの値、マイナス1800という値とマイナス2200という値が出ておりまして、これを見ますと4メートルくらいの長さの燃料棒ですね、燃料棒4メートルくらいですから、その半分くらい出てしまっているということになるわけです。ただ圧力の方見てみますと、原子炉圧力はですね、0.25、0.25メガパスカルゲージということでありまして、この値はそんなに悪い値ではありません。そういうことで、今現在ここに、この福島第一原子力発電所3号機につきましては海水の供給をひたすら続けているという状況でございます。それでこれに関連して先ほど一つ官房長官に、官邸のときの会見で質問がございました圧力を放出するラインにあります弁がこれは空気作動の弁なんだそうですけれども、弁なんでありますけれども、これが閉じてしまっているんじゃないかというご質問がありました。確かに一時的に空気がきれてしまって閉じておった時間がありましたけれども、本日の21時10分、21時10分にこの弁をですね、新たにコンプレッサーを繋いで開く努力をしたところ開いたと。コンプレッサーを繋いで空気で動く弁なので、コンプレッサーで空気を送り込むとまた開くわけですけれども、それが確認されたと。21時10分に確認されたという情報がございました。ですから今はこの圧力の放出のところはできてるはずということでございます。それからあとでご紹介しますけれども、この3号機がもし放射線を外に漏らしていた場合には、放射性物質を外に漏らしていた場合に反応するであろう1号機の北西の敷地の境界にある、1号機の北西の敷地の境界にあるモニタリングポストの値を見ますと、今日の確かに真水から海水に切り替えたのが本日の13時12分でありましたけれども、その時に一時4ケタのかなり高い値まで上がったときがありましたけれども、その後、現時点では2ケタの、しかも40台とかですね、そういう値になっておりますので、このモニタリングポストの値からはとくに今事態が悪化しているというふうには見えておりません。そういう意味で今東京電力としては水供給をですね、続けているところでございます。以上が1号機から3号機の状況です。

それからこの場所におられる方には紙をお配りしてありますけれども、被曝された方々に関する除染スクリーニングという除染作業の実施状況ということがございます。まず一つは原子力の、現地の原子力災害現地対策本部からの報告がございまして、本日、これは主に町村にやって頂くことになりますけれども、必要な資機材と要員を確保いたしまして除染スクリーニングの基準値を設定して、これを本部長の指示として設定いたしまして作業を開始しております。本日は約100人の方に対して除染スクリーニング及び除染作業を実施してるところでございます。後ほども申しますけれども、緊急時モニタリングの結果をみても、現時点におきまして環境中の放射性物質は健康への有意な影響を与えるものではないというふうに考えますけれども、避難された方々を対象にして、除染スクリーニングなどを実施しているものでございます。次にそれにある程度関連いたしまして、先ほどの会見のときに質問がございました住民被曝の可能性についてデータが更新されてないじゃないかというご質問がございましたけれども、またこれについて我々もやっておられる、一時的なデータをもっておられると思われる自治体ともそういうご質問があったことも踏まえてよく話してみたんですけれども、今自治体の方におかれてもですね、一部については被曝のされたと思われる方の測定をしたりはしておられるようですけれども、これから本格的にやっぱり人数も多うございますので、どういう基準でどういう測定の仕方をしていったらいいのかということなどもしっかり整理してからですね、まとめてデータをまとめていこうというお考えのようでして、先ほどここで結果をお示しすると申しましたけれども、今晩の段階ではまだそういうふうに結果としてこういうふうに被曝の状況でしたというようなことを申し上げられるようなデータはまとまっておりません。その点については先ほどとちょっと違いましたので、お断り申し上げます。それからあと住民の方々の避難を大変なご迷惑をおかけしておりますけれども、今粛々とこういう大変な中をご協力いただいて避難をして頂いております。現時点までにはこの資料もお配りしてるし、これは映せるかな。(スクリーンに映して説明)これの資料、会場の中には配ってあるんですけれども。現時点ではここにございますように、広野町、楢葉町、富岡町、大熊町などまず健常者の方々、比較的、本当にご迷惑な話で恐縮ではございますけれども、動きやすい方々におかれては非常なご協力を頂きまして順調に避難をして頂いております。ただ一方で病院でありますとか老人ホームでありますとか、やはり非常な困難を人よりも普通の方よりも多くの困難を抱えられる方々におきましては、非常に時間がかかるし、色んな疑問もお持ちであるというようなこともあって、まず説得、あるいは移動の手段の確保ということについて今自治体、警察、あるいは場合によっては自衛隊のご協力も頂きながら、少し時間がかかっておりますけれども避難の方法、あるいは実行をしているところでございます。最後にモニタリングのデータの状況について申し上げます。(スクリーンに映して説明)若干詳しい資料お手元にあるわけですけれども、これは現地対策本部長の方からご報告を頂いたものでありまして、各モニタリングポストの主なデータを出しております。より細かいものはお手元にいっております。もう少し上にあげてもらえますか。ここで見ますと、下から二つ目の一番右側のところのですね、下から二つ目の欄のところ、いわき方面というあたりがこれが事故、事故と言いますか、この地震のよるこの発電所の異常な状況が発生した時のの値。0.06から0.07マイクロシーベルトといったあたりが平常な値なんだろうと思います。じゃあまた元に戻して。それに比べますと例えばこのモニタリングポスト、福島県の一番上をご覧いただきますと、大野地区5.36マイクロシーベルトということになっております。確かにこれは先ほどの0.06から比べますと高い値ではありますけれども、しかしこれを例えば通常このくらいの放射線を…

記者:すみません、それはどこにありますか。資料としては。

保安院:すみません、21報の10ページでございます。

記者:え?

保安院:21報の10ページでございます。

記者:もうちょっと配慮して資料の何ページを見てくださいとか。これ見えないから。

西山審議官:申し訳ないです。

記者:何ページですか。もう一回言ってください。

西山審議官:10ページでお願いします。

記者:すみません、お願いします。

西山審議官:すみません、10ページでもう一回繰り返しますと、下から2段目のですね、いわき方面のところにありますが、0.06から0.07とこのあたりがこの地震がおきたあたりのデータだなと考えております。それと比較いたしましてこのモニタリングポストの、例えば一番上の大野地区のところを見ますと5.36マイクロシーベルトとなっております。これはそれなりの高い値のように見えますけども、実は例えば私どもがニューヨークに東京から飛んでいくとその片道においてどうしても浴びてしまう放射線とほぼ同じ量でございます。そういうことも考えますとこれ自身も今までより高いことは間違いありませんけれども、心配されるような値ではないというふうに考えております。私の方から冒頭申し上げたいのは以上です。ではご質問お願いいたします。

司会:それでは挙手頂きまして、所属とお名前お願いできればと思います。

記者:フジテレビのヨシムラと言います。避難の話でそれなりに順調にということなんですけれど、南相馬市と葛尾村といいますか、連絡がとれなくて確認というのはその状況はどういう。

西山審議官:まさにその通りの状況でして。

:葛尾には連絡とれてはいますので。

西山審議官:とれてるんだっけ。彼はどうした。説明できますか。

住民安全班:住民安全の方を担当しております●●と言います。現地災害対策本部と書いた2枚組の資料が一緒に配られているかと思います。そちらの中見て頂きますと、3枚紙になっておりますか。こういう横表がございますけれども。この横表の上から5つ、6つの町については比較的詳細な情報が入っております。それ以外の後ろの4つの町については退避、避難はほぼ終了していると1行書いてある状態でございます。ご確認頂けますでしょうか。いずれも状況の確認ができておりますけれども、この後ろの4つの市町村、市と村ですね、については20キロ圏内なので、後で動き始めた部分ということで少し情報の整理が遅れております。というところでございます。

記者:避難はほぼ済んで。

司会:それでは、はい、どうぞ。

記者:朝日新聞のコボリと申します。3号機の水位計のことで、水位のことでお伺いしたいですけれども、この水位のデータが正しいとしたら燃料棒が冷却水から露出していると。露出していると1号機は溶けてしまった可能性があるということで、おっしゃっていましたけれども、3号機についてもやっぱり燃料は溶けだしているおそれはあるのかっていうのと、あと水位は水位のデータでみるとマイナスなんだけれども圧力はそんなに悪くないとおっしゃいましたけれどもその関係はどういうことなのか。わかっていることがあれば教えてください。

西山審議官:今のまず後者の方からまず触れたいと思いますけれども、そこの2つのデータはですね、整合しないところがあります。圧力の点とさっき申し上げたモニタリングポストの点からいくと、なにかそんなに悪い事態が起こっているようには見えない。しかし水位は下がっているとなると本当に水が入っているのかというような疑問がわいたりとかってことはあるわけなんですね。そこの矛盾は今のところまだ解決はできず、今は海水をとにかく一生懸命流し込もうとしているという状況です。冒頭のご質問に、最初の方のご質問について言えば、確かに炉心が露出して燃料の損傷が生じているおそれはあるというふうには考えております。そういうことですね。

司会:次の方、いかがでしょうか。

記者:二点なんですけれど、一点目、除去スクリーニングなんですけども、これ行っているのは福島県という理解でよろしいでしょうか。

西山審議官:これは町村というふうに聞いております。町村。

記者:ちなみに具体的にどこの。対象の市町村でやると。

西山審議官:そうです。

記者:3号機に、産経新聞の●●です。3号機についてなんですけれども、炉心が露出して損傷の可能性があるとおっしゃいましたが、1号機の場合はセシウムですとか放射性物質の確認によってそれらが裏付けられたかと思うんですけれど、3号機の場合はこれを確認する方法はあるんでしょうか。

中村審議官:基本的には放射性物質のモニタリングをやることによってですね、セシウム等々がですね、見つかった場合については燃料の損傷ということが類推されるわけですけれども、今のところ当初報告があったですね、セシウムの報告以降ですね、特段新しくセシウムが観測されたというふうな情報は聞いておりません。

 

記者:1号機のセシウムと区別することは可能なんですか。

中村審議官:そこのところ、モニタリングでありますので、それがどこからですね、来ているのか、1号機なのかあるいは3号機なのかということは特定できません。

記者:できない。

    

中村審議官:はい、できません。

記者:その場合どうやって3号機から出てるって言えるんですか。

西山審議官:それは両基の状況をみて今出てるとすればこちらの方が可能性が高いんじゃないかというふうに推測していくということだろうと思うんですね。1号機の方は基本的に今落ち着いた形になっていますので、これから先何か新しいのが出てくれば3号機というふうに推測するとかそういうことになると思います。

記者:すみません、弁が3号機、フジテレビの●●です。3号機の弁が故障したって官房長官会見している。その後開いたということなんですが、弁ってどこの場所か教えて頂けます。

中村審議官:(図を指しながら)こちらの2つの弁であります。ここの系統からですね、出ていきまして、こちらの方の排気に出ていくこのラインの中にですね、弁2つ、2か所ございます。そこの弁の。

記者:2か所とも。

中村審議官:これ1か所。

保安院:1か所ですね。

中村審議官:1か所の弁でございます。どっちの方ですかね。

保安院:手前の方だったと思います。

中村審議官:こちらの手前の方の弁でございます。

記者:それで水素は1号機と同じように爆発する可能性があるということだったんですけど、今の状態ではどうですか。まだ爆発する可能性はいかがですか。

西山審議官:そうですね、今のものは水素を抜く話とはまた別の系統のことなので、可能性あります。建屋の方の、建屋の方に抜けるかどうか、建屋から抜けるかどうかってこと。今ご覧のようにこれは原子炉格納容器の、あるいは圧力容器からも直接抜いていく話なので格納容器の上の方に溜まった水素をどうするのかということはそこにないといけないわけですね。だから違う話であります。ですから同じ、爆発の可能性は官房長官が言われたままの状態です。

記者:さっきの会見より水素の爆発の可能性が、さっきの会見よりは上がってるのか下がってるのか。

西山審議官:あまり有意な差はないんじゃないかと思います。

司会:次の、はい、どうぞ。

記者:三点お伺いしたいんですけれども、一点は先ほど1号機の水位計についてはデータが正しくないかもしれないんだけれども、3号機の水位計についてはデータが正しいというふうに捉えていいのか確認させて頂きたいということと、次二つ目は水位については減少傾向にあると、依然不安定だというお話前回の会見でもあったと思うんですけれども、3号機の水位については前回よりも下がっているように数字上には見えますけど、なぜ海水の注入がうまくいかないのか、その。理由についてちょっとお聞かせ頂きたいと思います。当初いわゆる中の圧が高いまま入らないというお話もありましたが、圧はそれほど高くはないというお話ですので、それ以外の配管、もしくは電気系統、その他どんなところに支障があったものだというふうに考えられるのかお伺いしたいのが二点目です。三点目は細かいんですが、水素の発生は依然続いているというふうに考えていいのか。その三点お伺いしたいです。

西山審議官:まず二つの水位計のですね、1号機と3号機の差をどう考えているかということにつきましては、1号機の方はこれまで見た状況からすると、こういう数字にはとてもならないだろうし、動きもないということがありますので、これは正しい値を表していない可能性が高いというふうに考えられます。他方、3号機の方は今回少し下がってしまったということがあるので動きを見せたという点において、何か表している可能性はあるというふうに考えているということです。それからなぜ海水の注入ができないかということについては、それがわかれば本当に助かるといいますか、わかればいいわけなんですけれども、そこのところについては今現場の方で色んなことを試しながらなるべく多くの海水を送り込むべくやっているということであります。水素の発生については、水素の発生については、ちょっとそこのところがわからないというか、水素の発生している可能性はあるわけですけども、それが量的に増えているかどうかっていうことははっきりいたしません。

記者:時事通信のイマイと申します。すみません、今のことなんですけれども、そのわからない理由っていうのは、何々だから水素は増えているかどうかわからない、そういった説明を。

西山審議官:そうですね、要するに海水を送りこんでいるはずな状態にあるわけですけれども、水位の方は下がってしまっていると。自分がやってることと違う現象が起こっている。じゃあものすごく事態が悪化しているのかというと、他のデータ、圧力であるとかあるいはモニタリングポストの値であるとかはむしろ落ち着いているという状況ですから、事がうまくいっている可能性もあるわけですね。そういうことですから、うまくいっていれば水素の発生はそこで防がれているはずだということになりますと、ちょっとそのどちらにいくかわかんないと。やはり近づくことが容易でないプラントという状況に今ありますから、いかに遠隔操作でうまく海水を送り込むかっていう努力を現場ではされているということですので、そういう中での観察でございます。

記者:テレビ朝日のヨシノと言いますが、今おっしゃった水を送りこんでも水位は下がってモニタリングポストは安定しているという非常に矛盾した状態で何を一番信用今のところできます?。これまでの事例を見てると、モニタリングが安定しているものというのはやはり要するに全体的に安定しているという可能性が高いのではないかとみられるんですけど、その辺どうなのかなと。

西山審議官:おっしゃる通りで、モニタリングは信用できるというふうに、当然そうでなきゃ困るわけですし、実際に先ほどちょっと立って説明したときにご紹介したようにそれに不応する動きを示していることもありますので、モニタリングは信用して当然いくべきだと思います。ですから、そういう意味で悲観し過ぎずに今の海水注入の努力を続けるということだと思います。

記者:もう一つついでなんですけれども、そうすると水位が下がってるということは計器類がやはり誤作動している可能性というのはあるんでしょうか。

西山審議官:あると思います。

記者:すみません、読売新聞の●●と申します。3号機で流れを何点か確認したいんですけど、まず弁の問題というのは、弁が開いたことによって解消したのは中の内圧が下がったということでいいんですか。

西山審議官:そうです。

記者:官房長官のおっしゃっているのは水位のこともちょっとおっしゃっていたとような気もするんですけれども、圧が下がったことによってできることっていうのは何なんですか。

西山審議官:中の圧力がいたずらに高まるのを防ぐということですね。

記者:その注入とは関係ないんですか、注水とは。

西山審議官:ちょっと説明してもらいます。

青木審査官:格納容器の圧力を高まるのを防ぐために格納容器ベントということで圧を抜くわけですね、そのことと格納容器の中にあります原子炉容器の方に外から注水することとはそんなに直接関係するものではないです。はい。

記者:だからいわゆる爆発とかいう危険性を下げる意味で弁は開いてよかったということでいいんですよね。内圧高まり過ぎて最悪の場合。

青木審査官:格納容器を壊さないように圧力が抜けたということで、それはそれで目的は達成されたということですね。

記者:だから弁の開いたことの意味っていうのは最悪の事態を回避するという意味では。

青木審査官:はい、格納容器は健全性は維持したいと思っております。

記者:爆発を防ぐとかまたそういうこととは別なんですね。

青木審査官:はい。

記者:それと海水の注入の話と放射線の話なんですけども、さっき真水から海水に切り替えて注入したのが13時12分とおっしゃったと思いますが、それとモニタリングの話をしていて、たぶん1号機の北西敷地境界っていうのが一番3号機を表すのに近いんですよね。

西山審議官:そうです。

記者:それが資料の2枚目になると思うんですけれども。

西山審議官:そうです。

記者:網括弧というところの13時42分の辺りのから13時52分の1557.5マイクロシーベルトパーアワーとか、そこたぶん一番高いんですよね。

西山審議官:そうです。

記者:お話のちょっとよくわかんなかったのは、真水から海水への注入に切り替えることと放射線量がこう増加することはどういう因果関係があるんでしょうか。

西山審議官:官房長官が記者会見された内容でございますけれども、まず真水で注入を開始して、炉心を冷却できる状況になりましたと。しかしながらこれは水源が足りなくなっちゃったんですね、真水が。で、海水に変えたのちに炉心への注入が不安定になったということなので、それが13時12分。その後にこのデータがちょうどあがっているわけですね。ですからそのときに海水の、海水に変えたことによって不具合が起こって、そういうデータに反応するものがでたんじゃないかと思われます。ただその後は落ち着いてきたというところがまた見られるということです。

記者:それは海水だろうが真水だろうが、とにかく作業を中断して切り替えたことで不安定になったということですか。

西山審議官:そうですね。その可能性が大きいと思います。

記者:どっちかっていうと水の成分がどうこうじゃなくって、切り替える作業において、だから注水が不安定になって、なんでそれが放射線量の増加に繋がるかがちょっとよくわかんないんですけど。

西山審議官:注水が不安定になれば水の量の増え方が順調ではなくなるわけですから、燃料の損傷がその分出てきちゃうわけですね。それによって水素の発生が生じるっていうことになるわけです。

記者:ということは逆に水の量でその放射線量が影響するってことはやっぱりもう炉心損傷というのか燃料の損傷っていうのは進展してるかどうかっていうのは現時点ではあるわけですよね。認識としてそうということですよね。今のお答えは。

西山審議官:そうですね。

記者:それ以外考えられないということですね。

西山審議官:えっと、その。

記者:その可能性が高いということですね。

西山審議官:燃料の損傷は十分あり得ると思っています。

記者:それとあともう一点確認だけしたいんですけど、水素の爆発というのがかなり喫緊にあるかもしれないと思うんですけれど、今注水してようが、だからその圧力が下がろうが、水素の爆発を防ぐという意味では別になんも改善されているわけじゃないんですよね。さっきおっしゃっていましたけど。

西山審議官:そうですね。ただ水素の発生を止めることができれば、扱いやすくなるということはあると思うんですね。爆発の程度も弱くなるでしょうし、逃げていく道がもし仮にあったとすればそれも容易になるでしょうし、っていうことはありますけども。

記者:ってことはジルコニウムは外に出ないように、それは水で覆うというのが一番。

西山審議官:もちろん、その通りです。おっしゃる通りです。

記者:それは今認識としてはどうなんです。やっぱり露出しているということに思ってるんですか。

西山審議官:そこは可能性は十分あると思いますけれども、さっきも申し上げたようなデータのちょっと矛盾があるので、現状がどうなのかははっきりいたしません。

記者:比較的水位計では正しいんじゃないかという見方なんですよね。

西山審議官:動いていることから見てですね。

記者:わかりました。

西山審議官:ただそのモニタリングポストも信用できるってこともあるんで、本当に今矛盾した状態にあって現場ではとにかく海水を一生懸命押し込んでるわけですから。

記者:モニタリングでは安定してるけど、内容は炉心が結構ひどい、ひどいっていうか、そういう放射性物質出すような状況になってるんじゃないかという。

西山審議官:可能性はあるということですね。そうですね。圧力はただ割と安定しているということですね。

記者:わかりました。

司会:次の方、はい。

記者:日経新聞のヨシノと言いますが、出力が1号機と3号機では違いますよね。3号機の方が大きいですよね。

西山審議官:そうですね。

記者:それに伴う例えば水素が溜まる量が多くなり、爆発の規模にどう影響するとかっていうことはどうお考えなんですか。ていうのともう一つ、格納容器って確か窒素充填かなんかにしてあったと思うんですけれども、そのあたりは今どういう状況になってるんですか。そうすると爆発も防げる、格納容器の爆発は防げると思うんですが。

西山審議官:後者の点は、の方が簡単なのでそちらを先にお答えしますと、格納容器の中は窒素が満たされておりまして、まさに水素が出ても爆発しないように、窒素が満たされておりますので格納容器が水素によって爆発することはないんです。問題はその格納容器からさらに外に出て行って建屋の方に行った水素が問題ですね。ということは最初の方の、後の方のご質問に対するお答えで。もう一つは3号機の方が出力が大きいのでこれはやはり仮にもし同じ条件で、燃料が悪くなっていったとすれば3号機の方が大きくたくさん水素が発生するということだと思います。

司会:次の方、いかがでしょうか。

記者:基本的なところで教えて頂きたいんですけれども、1号機の0.3533メガパスカルというのはこれ格納容器の中のなんでしょうか。それとも圧力容器なんでしょうか。

西山審議官:圧力容器です。

記者:1号機も3号機も共通なんですけれども、これまで高圧の中には高圧の注水系で水を入れてたかと思うんですけれども、消防ポンプでもそのような高圧の注水というのは可能なんですか。

西山審議官:可能です。高圧といってもそんなにものすごい圧でなくていけるので可能です。

司会:次、はい。どうぞ。

記者:朝日新聞のスギワラと言います。先ほど水位計とモニタリングポストの数字は矛盾しているというふうにおっしゃったと思うんですが、仮に水位計の方が正しくてマイナス1.7メートルくらい露出しているとすればモニタリングポストはどれくらいの数字が出る可能性があるんですか。矛盾しない数字だとすると。悪い状況だとすると。

中村審議官:水位計につきましても示している値についてですね、そうすると水位計そのものが示している値からですね、上の部分全部がですね、露出しているわけではなくて、これ沸騰してるもんですから、その上部のところについてはですね、一定程度は水があるような状況でありまして、冷却もされているような状況だと思っております。したがいまして具体的にどういう形でですね、燃料の損傷が起こっているのかということを具体的にですね、見極めていく必要があろうかと思いますんで、そこを見極めることがですね、それをベースにしてモニタリングポストの値が決まってくるかと思うんで、なかなかそこのところは前提条件がどの程度損傷しているのかどうかっていうのが見極めるのが難しいので具体的にはちょっと評価をしづらいような状況でございます。

記者:っていうことはその矛盾した状態を説明するということのなかで考えられるのは、出てるんだけどもある程度蒸気やなんやらって冷却されてるという可能性が普通に考えられる。

中村審議官:一定程度、冷却されている可能性はあるんだろと思います。

司会:どうぞ。

記者:朝日新聞のコボリです。先ほど3号機について近づくことが今容易ではない状態で、いかに遠隔でプラントに水を送り込むかっておっしゃっていましたけれども、近づくことが容易じゃないって、線量の関係だと思うんですが、線量が近くてどのくらいあって、いかにして今遠隔でどうやってプラントに水を送りこめているのか。あと送り込んだら、1号機の方は確か毎分30トンとかっていう数字だったと思うんですけれども、3号機の方はどのくらい送り込めると考えられるんでしょうか。

青木審査官:ポンプの容量につきましては、ちょっと記憶がうろ覚えなのであとで確認させて頂きます。それから近づけないと聞いておりますので、これについては、ポンプの方がですね、動いていてある程度圧力が出ているというところは確認はされておりますので、送りこまれているんだろうというふうなことは推定はされておりますけれど。配管の中が見えるわけではありませんので、実際にそれが圧力容器の中までいっているのかと。あとやっぱり炉心に近いところまで人も近づけませんので、しかも配管の中というのももちろん見えませんので、なかなかその近づけないということと、それから配管の中を水が通っているということでですね、状況がよく確認できないと。だからポンプが動いていて、圧力がたっているので送り込まれているであろうというふうに推定はされておりますけれど、今水位計が、中の水位計が今壊れている、失礼、これは動いているけど矛盾する値を示しておりますので、本当に入ってるんだろうかといったところがですね、確信をもっては確認できないという状況になっているということですね。

記者:今その作業をしている人たちっていうのはどのくらいまで近づいて。

青木審査官:ちょっと具体的なことよくわからないので、格納容器には近づけないんだろうなとは思うんですけれども、もちろん中に入ることは閉じられていますので、もちろんダメですけれども。ちょっと具体的なところはわからないです。それから、失礼、水素爆発の可能性もありますので、あまり静電気とかで引火しても困りますので、そこにもちょっと近づけないだろうなということもあると思います。

司会:他にいかがでしょうか。

記者:産経新聞のハラダといいます。3号機はこのままじゃぶじゃぶ水を、本当の中に入らないのに入れ続けて、最終的に上まで覆うようになれば中に入っていくとか、なんか最終的なゴールみたいなのがあるんですか。

中村審議官:先ほど申し上げましたように、まず水素の発生を極力少なくするということと同時に、今現在建屋の中にある水素、これについて、これを建屋外に排気をするということが一番いい方法でありますので、この排気する方法というものを色々と今現在検討しているところであります。

記者:水じゃぶじゃぶ入れるというのは格納容器の中まで入れるっていう。さらに。

中村審議官:今水を、海水を入れているのはですね、圧力容器の中でございまして、圧力容器の中に海水を入れることによって燃料をできる限り冷却をして、したがって燃料の損傷をできるだけ少なくして新たな水素の発生を極力抑えると。

記者:今入ってないと、もしその可能性もあるわけですから。入ってない場合にとりあえずどんどん格納容器を満たしていく可能性があるわけですよね。

中村審議官:水素についてはその格納容器を通じ、建屋の方にですね、移っていく可能性がありますので、そして尚且つ今水素が建屋の中に一部ございますので、その発生を抑えると同時、今現在そこにある水素をですね、排出する方法をですね、今検討しているということであります。

西山審議官:おっしゃっているのはあれですか。圧力容器に入れようと思っているけど入らないからその周りの方に溜まっちゃうんじゃないかということ。

記者:溜まっていくしかない、悪いことはないのかなと思って。

西山審議官:ちょっと考えにくい。今圧力容器には入れようと思ってやっているわけですよね、それで仮に圧力容器に入らずその周りに溜まるっていうことになると、そういう可能性もゼロじゃないかな。また仮にじゃあ格納容器の中に溜まっていたとしたら最終的にはそれで圧力容器を囲んでしまうしかしょうがないことになるかもしれませんね。

記者:圧力容器の中に入っていく可能性は別に想定していないという。

西山審議官:そうですね。

司会:他にいかがでしょうか。

記者:●●ですが、すみません、ちょっと混乱してるんですけれども、先ほど格納容器の中に窒素は満たされているとおっしゃたんですけれども、ベントをしていて開けてるとそこから窒素とかも出て行って、実はそんなに思ったほど窒素もなくてやっぱり格納容器で水素できてしまうっていう危険性っていうのはないんですか。

西山審議官:基本的には相当な量の窒素というか、窒素で満たしているというくらいの窒素ですからそれを多少抜いたからといって、中の爆発に影響するものにはならないというふうに考えていると。

司会:他よろしいでしょうか。それではご質問内容ですので、これで終わりにさせて頂きたいと思います。

西山審議官:どうもありがとうございました。