原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月29日17時43分から57分間)

司会:それではですね、17時45分ちょっと手前ですが、会見をはじめさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします。

西山審議官:ではよろしくお願いします。まず今日の進展について報告をいたします。

福島第一原子力発電所の1号機でありますが、1号機につきましては、原子炉への、まず原子炉については、原子炉への淡水の注入を仮設の電動駆動ポンプにて行っております。この基については、いつも温度や圧力についての微妙なやり方が必要なわけですけど、配慮した微妙なやり方が必要なわけですが、この仮設の電動ポンプに切り替えて少し流量を多くしてですね、現在のところ、133リットル。1分当たり133リットルという流量でやっておると聞いておりますが、それによって原子炉圧力容器の温度は下降に転じております。下に下がるようになってきております。具体的には先ほど朝の時も少し申し上げたことも含めてですけれども、本日3月29日の4時現在、この給水ノズルというところの温度では323.3℃でありましたが、それが、4時現在ですね、323.3℃。9時40分現在で309.6℃。9時40分309.6℃。13時現在299.4℃というふうにある程度下がってきております。またしかしこれについては前から申し上げてますように、しっかり見ていかないと微妙なものですので、引き続きしっかりフォローしたいと思っております。あと1号機のタービン建屋の地下1階の溜まり水につきましては、引き続き3台のポンプにて移送作業、復水器への移送作業を行っております。ただこれについてはまだ現状、このくらい減っているというような成果は申し上げる段階になっておりません。これは現場に確認にいけてないということも一つの要因ではありますけど、まだ現在はっきりとした成果はわかっていません。ただ作業はずっと進めております。

次に2号機であります。2号機については、まず原子炉については少し給水ノズルの、失礼、まず流量を少し絞りまして、淡水の流量を少し絞りまして、それによって給水ノズルのところの温度が少し上昇傾向にあるように見えます。ただこれは水を入れることと、それから水を入れて冷やさなきゃいけないことと、それからその水が流れてくる、外に出て流れてくることと、因果関係はっきりわかりませんけれども、2号機の場合、とくに高濃度の水が出てくる傾向にありますから、それによって最小限の流量にしているということであると考えております。それから2号機につきましても、この復水貯蔵タンク、溜まり水をですね、復水器に移すためにまずその二つ先の復水貯蔵タンクから圧力抑制室のサージタンクに移送すると、そこに入っている、失礼、復水貯蔵タンクにある水を圧力抑制室のサージタンクに移送するということが16時45分から開始されたと聞いております。朝も申し上げましたけれども、まずその先を移送させて、復水貯蔵タンクを空け、そこに復水器にある水を動かし、そして今の溜まり水を復水器に入れると、こういう作業をするということでございます。それが16時45分から開始されたということです。ちょっと順番が前後しましたけれども、使用済み燃料プールの、本日海水から淡水への切り替えをやっておりますけれども、これついてはまだ結果ははっきり聞いていません。

次に3号機でありますが、3号機については、まず使用済み燃料プールへの淡水のコンクリートポンプ車による放水が14時17分に開始されまして、4時間行う予定と聞いております。14時17分から4時間淡水の放水をすると聞いております。使用済み燃料プールです。次に溜まり水、タービン建屋の溜まり水については、こちらについても、こちらについて少し私の前の情報が認識が少し足りなくてですね、3月28日、昨日の17時40分からすでに圧力抑制室のサージタンクへの移送は始めていたということがわかりました。ということですので、まだ復水貯蔵タンクの中の水を圧力抑制室のサージタンクへ移送するということは、昨日の17時40分から始まっていて、そこが動かせたら今度、復水器のものを復水貯蔵タンクに移すと。それで復水器の中にこの溜まり水を入れるという作業が続くことになります。

4号機につきましては、中央制御室の照明が点灯したということはすでにご案内のことかと思います。

次にトレンチの溜まり水のことであります。これについて、1号機に付属する、そばにあるトレンチについては、コンクリートブロックを設置し、その前に土嚢を置いたということを申し上げました。これは現在、失礼、本日の午前8時頃に行ったということであります。この土嚢の置き方のイメージとしては、東京都でかなりたくさんの雨が降った時に地下鉄の入口を塞ぐような、シャッターを下ろしてその前に土嚢を積むことが行われますけど、大体あんなようなイメージで、トレンチの入口のところに、入口のところにドアがないコンクリートの建屋があるもんですから、そこにあのような形でコンクリートブロックをまず置いて、その前に土嚢を積んだという形で、仮に今10センチの余裕があるわけですけど、その分が水が溢れてきた時にそういう動きが今ありませんけれども、仮にそうなったとしてもそのまま一気に海に流れるということはないように、そのような対応をしているということであります。それから、トレンチ内の水に関する核種分析でありますけれども、これについては、まず1号機が水位が高いということもあって、これを優先してやっておるということで、これについては、近々まとまり次第お示し出来ると思います。本日中か、あるいはもう少しいくかもしれませんけれども、今急いでいるというところでございます。2号機3号機につきましては、2号機については今非常に線量率が高いこともあって、サンプリングの仕方とか、あるいはどこをサンプリングするのかとか、そういったことについて検討していて、もう少し時間が必要だということであります。3号機については。瓦礫の影響があって、今線量も測れてないわけですけれども、そういう中で瓦礫をどうしながら線量も測るかということも検討中だと聞いております。このほかに今回お配りした紙に少し書いてありますけれども、特に結果的には負傷には至りませんでしたけれども、3人の作業員の方が残留熱除去系の海水ポンプを、配管を取り外したところで、取り外しのためにボルトの切断をしていたときに、配管内の海水を体に被ったということがあったということでした。これについては、3人の方で、協力会社の、東京電力の協力会社の方ということですけれども、結果的にはシャワーで手足を洗い、下着を交換した後は、汚染はなかったということでしたので、とくに汚染なく終わりましたが、一応そういうことがありましたので、皆様に報告しておきます。私からは説明以上にさせて頂いて、あとはご質問を受けたいと思います。よろしくお願いします。

司会:質疑応答に入りますが、今日ですね、この二回目の会見で一応終了、今回で終了する予定なので、質疑応答時間40分間設けさせて頂きたいと思います。ですので、6時35分まで時間を設けますんで、よろしくお願いします。では質問の際はですね、会社名とお名前をお願いいたします。一番前の男性からどうぞ。

記者:毎日新聞のフジノです。溜まり水の件で教えて頂きたいんですが、汚染した水このままで出続けた場合に、それを貯めるですね、収容し切れる見通しはあるのでしょうか。

西山審議官:色々な方法があると思うんですね。今は手近な発電所と言いますか、同じ基のところを探したり、あるいはそこにかなり近いサージタンクというものを探して、そこに入れようとしてますけれども、このほかにも器になるようなものがある可能性もありますし、それから場合によってはそういうものを急ごしらえで作るということもあるかもしれませんし、あるいはどこか外に隔離された形で別のものを用意するというようなこともあるかもしれませんし、そこは量に応じて様々な可能性をいずれにしろ考えるということだと思います。

記者:今のところはそれが出来るとお考えですか。

西山審議官:今関係者は何とかしようと思ってやっていると思います。

記者:1号機は24日から排水が始まっていると思うんですが、これタンクでくみ上げる量とですね、時間とを考えて、なかなか進んでないんじゃないかという気がするんですが、排水の目途というのは立っているんでしょうか。

西山審議官:今ははっきりいつまでにこれが実現できるということは立ってないと思います。今のところこの方法でいずれ成果は出てくるのではないかというふう期待してやっていると思います。

記者:溜まり水のその容量どれくらいあるかっていうのはわかってるんですか、大体。

西山審議官:これははっきりわかりません。

司会:では3列目の男性の方どうぞ。

記者:読売新聞のタカダです。関連の質問をさせてください。3号についてなんですけれど、西山さんが、何ですか、サージタンクへの移送っていうのはすでに始めていたという説明だったんですけれど、その際、私の認識が違うとおっしゃいましけど、細かいことで恐縮なんですけど、西山さんがご認識が違っていたのか。保安院にその情報が、今朝段階とか来てなかったのか。どういう意味合いでお使いになられましたか。

西山審議官:これは私が説明を受けたときに、私が、ちょっとお待ちくださいね。ちょっと私はっきり自分が朝どういうふうに申し上げたか、私の皆さまに朝説明した時のメモには、3月28日から移送中というふうに書いてあったんですけれども、私の発言を聞いていた者に言わせると、まだ始まってないような説明をしたというふうに聞いたもんですから、始まっているということで、そのことをはっきりと申し上げようとした次第です。

記者:この方法をですね、東電の方が立案して、それで実行に移すということを保安院側に説明したのはいつ頃の話ですか。

西山審議官:今おっしゃってるのは今朝の段階までの間にっていうことですね。

記者:つまりこの、何ですか、タービン建屋の水をですね、排出する方法に当たって、昨日でしたは、本部の方では全力で検討してますというお話だったと記憶しています。その後具体的にこういう計画になって、こうしますと、東電側が計画を立案して、保安院がそれを承認したのはいつの頃なのでしょうかという問いです。

西山審議官:なるほど。それはちょっと調べてみます。

記者:今ご即答は頂けないということですか。

西山審議官:そうですね。ちょっと確認する必要があると思いますので。

記者:一連のご説明を伺っていると、なんて言うんでしょう、保安院の方がきちんとその作業を認識して、妥当性を確認してるのかどうかというところに何となく疑念を感じるんですけれども。

西山審議官:これはこういうことで、今統合本部において戦略がまとめられて、進められているわけですね。それで統合本部との関係で、我々の方との情報の共有ということで、統合本部の中には保安院の職員もいて、そこで実態的には決定されていって、それを我々は時々刻々受け取りながら、皆様に説明しているわけですけれども、場合によってやはり統合本部では、決まったことでも、我々の方に情報が十分入ってないということもあるわけなので、そういうことによる制約でございます。

記者:そうしますと、統合本部内での保安院は、きちんと認識して、かつ妥当性を評価してゴーサインを出しているということでよろしいですか。

西山審議官:それはそういうことです。

記者:加えて伺うんですけど、溜まってる量がわからない、かつその抜き出してる水の量がわからないっていうちょっと不透明な状況で、いつ終わるかっていう見通しもわからない中で伺うんですけれど。この方法がうまくいかないときの違うオプションとかがもし検討されてるなら、教えてほしいのと。それが例えばいくつかあるんならば、それも教えて頂けますでしょうか。

西山審議官:今、今のところようやくそういうことで、関係者の議論の末に1号機をやり、その後はですね、今は3号機ですね。3号機も始まったという段階ですから、今これ以上のことはないと思います。

記者:この作戦一つでまずは一生懸命やってみますっていうお話ですか。

西山審議官:現時点ではそうですね。

記者:うまくいかないということがあるならば、また次を考えるということでしょうか。

西山審議官:そうですね。並行して考えていくとは思いますけれども、今この場所でこういうアイディアがあるというふうに申し上げられるようなものにはなっておりません。

記者:ありがとうございました。

司会:2列目の女性の方どうぞ。

記者:フジテレビのタカミです。復水貯蔵タンク、2号機は復水貯蔵タンクからサージタンクへ作業を開始したということなんですが、午前伺ったところ、2号機の復水貯蔵タンクはあと900立米、残量900立米ということなんですが、今ってこれ何台のポンプで、1台のポンプはどれくらいの量でくみ上げていますか。それでこの復水貯蔵タンクの水全部終わるのにどれくらいかかる見通しなんでしょうか。

西山審議官:それ今わかりませんので確認いたします。

記者:ポンプ何台とかっていうのもわからない感じ。

西山審議官:今はわからないです。

記者:3号機もそうなんですか。

西山審議官:同じです。

記者:共同通信のシズノです。頂いた61報に出ているこの先ほど水を被ったという事象の件、もう少し詳しく知りたいんですけど、水が汚れていたかどうかとか、何をしていたかということ。お分かりになる範囲でお願いします。

西山審議官:まず発生したのは3月29日、本日の12時03分と聞いておりまして、3号機の残留熱除去系の仮設のポンプ、海水ポンプを据え付ける工事におきまして、既設の配管を取り外して、取り外すために、そこに配管を取り外してポンプを据え付けようということだと思いますが、それでボルトを切断した時に配管内の海水が噴出して、全身に被ることになったと。それで被災者の方は3人で、12時03分に発生した後、12時40分頃に免震重要棟というところで、皆さんがいるところですね、ここに到着したということであります。それで、装備は全面マスクとタイベックスーツを着ておられたということでありまして、その後先ほど申し上げたように、シャワーで体を洗われ、手や足を洗われ、それから下着を交換した後は汚染がなかったということで、あとは内部被曝もないということでございますし、病院に行く必要もないと判断しているということでありました。

記者:単なる海水だったということですね。

西山審議官:そうですね。そういうことだろうと思います。

記者:計測したけれども、全く線量も上がってない。

西山審議官:全くなかったということですね。

記者:わかりました。ありがとうございます。

司会:壁際の男性の方どうぞ。

記者:溜まり水のことでまたお伺いしたいんですが、これトレンチの水というのがですね、仮に汚染されていた場合にですね、またどこかに、これ移送する必要というのがあるのかどうかということと。あと移送する場合にですね、タンクなどの見通しとか、収容量っていうのはこれ目途が立っているのかどうか。あと先ほど外部に隔離して移すということをおっしゃられていましたが、これ具体的に検討しているのかどうか。当然これ放射能すべて含んでいる水だと思うので、海面への放出っていうのはたぶん出来ないと思うですが、その辺りの検討状況をちょっと教えて頂けますか。

西山審議官:今の状況についての説明は皆様のイメージをわかせるために申し上げたのであって、現時点で何かはっきり申し上げられるような特定のアイディアがあるということではありません。そういう意味で申し上げたわけです。ですから、色々な選択肢を考えて、普段ある目的に使うものを別の目的に使うことなど、色々考えた上で決めていくということです。現在のベストだと思うやり方がこれまでお示ししているような順番に空けていって、入れてく。最終的にその汚れた水、溜まり水は復水器に入れるというアイディアが今はベストだと思ってやってるわけです。それでその、ですから外に出すかとどうかということは現実の選択肢として別に検討されているわけじゃないといます。

記者:トレンチの水は、これ収容しきる見通しっていうのはあるんですか。どこかにですね。

西山審議官:そこは今ははっきりはわかりません。

記者:検討はしておられるんですか。

西山審議官:検討はしてると思いまけど、まずはその溜まり水を処理しないと、何事も始まらないということがあるんですね。

記者:これ確認ですけど、放射能含んでるので、そのまま放出することはないっていうことでよろしいんでしょうか。

西山審議官:それはそうだと思います。

司会:質問の際は会社名とお名前お願いします。2列目の男性の方どうぞ。

記者:読売新聞のキラと申します。ちょっとですね、西山さんがですね、何立方メートルとかいう数字をこれまでおっしゃってるんで、色々と見てみたんですけど、まずですね、サージタンクの容量なんですけど、3400立方メートルが二基と3500立方メートルが一基って書いてあるんですけど、これは空なんですか、まず。

西山審議官:空だと聞いてます。

記者:空ですよね。そうするとですね、トレンチ構のですね、容積ですね、それを全部足して、トレンチ構の1が3100で、トレンチ構2が6000で、トレンチ構3がですね、4200立方メートルですよね。そうすると、これはなんか収容できるんじゃないかなと。あと復水移送タンクのものも換算するとなんですが。

西山審議官:そうかもしれません。ただ今まだそこまで計算しているかどうか、私ははっきり確信を持っておりません。

記者:まずですね、トレンチ構の体積以上のですね、水があるということはまず想定は出来ないわけですよね。

西山審議官:そうですね。おっしゃるのは、実際にあるものとしてということですよね。

記者:ええ。体積をおっしゃってですね、そのトレンチ構がまた別のところに繋がってですね、っていう可能性は探されているんでしょうか。

西山審議官:今そこはわかりませんけれども、仮にあるかどうかということは考えていると思いますね。別にあるという意味じゃなくて、当然今回もこうやって見つかったわけですから、そこからどこかに通路があったりすることはないかということは当然関係者は考えていると思います。

記者:あともう一つだけ、そのもしですね、今の手計算でパパッとやって、十分収納できるんですけど、問題があるとしたら、1号機2号機3号機の建屋内の水なんですね。その建屋内の水っていうのは、かつて靴が濡れたとき15センチくらいあってというようなお話をお伺いしたんですけれども、何メートルっていうレベルでですね、冠水しているものなんですか。それとも、水溜りというレベルなのか。溜まり水ってちょっと言葉が変わってきているんですけど、どの程度のものっていうのを考えたらよろしいんでしょうか。

西山審議官:私の理解は最初に3人の方が被害に遭われたときくらいのイメージですから、あの時はくるぶしまで浸かるっていう状況でしたけど、基本的にそのくらいのその前後のことを私としては思っております。

記者:何メートルとかそういうことではないということですよね。

西山審議官:私はそうじゃないと思います。何メートルということではないと思っております。

記者:わかりました。ありがとうございます。

司会:では4列目の男性の方どうぞ。

記者:朝日新聞のコボリです。トレンチの溜まり水のことでお伺いしたいんですが、この会見までにトレンチの水位がですね、変化しているっていう情報があったら教えて頂きたいのと。トレンチの水位は今どうやって確認されているのか。作業員の方が除きに行かれてるのか、何かセンサーみたいなものを置かれているのか。わかれば教えてください。

保安院:水位についての測定方法ですけれども、今のところは目視で変化を見ているということを聞いております。そして今の状況では、あまり変化はしていないということを聞いております。

記者:すみません。あと2号機なんですけれども、水がトレンチの方に溢れてくるかもしれないので、流量を絞ったら少し温度が上がっているということなんですが、2号機のこの格納容器の設計温度というのは1号機と違うんでしょうか。

保安院:詳細についてはわかりませんが、1号機と2号機は室力が違いますので、おそらく違っていると思います。

記者:もしそれも何度かわかれば教えてください。それと2号機なんですが、流量はどれくらいからどれくらいまで。今最低限にしているとおっしゃいましたけど、どれくらいまで絞ってらっしゃるんでしょう。

西山審議官:117リットルというふうに今のデータでありますから、これがその数字だと思います。最低限というのは、厳密な最低かどうかはわかりませんけれども、なるべく冷やすという目的を達したうえで、この溢れないようにするといいますか、余分なものは入れない方がいいというようなくらいの感じだと思うんです。最低ということはちょっと言いすぎかもしれませんけど。

記者:最後の質問なんですが、それで冷やすことはまず優先しなくてはいけないと思うんですけれども、今色んなサージタンクとか色んな方法を考えて、もしどうしてもそれが間に合わない場合、しかも溜まり水がトレンチから溢れてきた場合っていうのはそれでもやっぱり冷やすことを優先して海に流れ出てもその場合はしょうがない、最悪の場合しょうがないというふうにお考えなんでしょうか。

西山審議官:現時点ではそういうことは考えておりません。

記者:ありがとうございました。

司会:1列目の男性の方どうぞ。

記者:日本テレビのイシカワです。先週木曜日にですね、審議官にちょっと伺ったときに、原子炉にあれだけたくさんの水を入れておいて、原子炉から漏れることはないのかというふうに伺ったときに、漏れませんというふうに明言を。

西山審議官:そんなことは言ってないと思いますけど。

記者:されたと思うんです。ちょっと私の記録では、すみません、そういうふうに残っておるんですが、要は漏れていない前提でいたのが、今現状漏れている可能性があるということになっていると思うんですが、ちょっとその辺の整合性について、まず伺えればと思います。

西山審議官:私は漏れていることはないと言ったようなことはないと思います。割れてるとか、穴が開いているとかっていうことについては、2号機の圧力抑制室で爆発音があったところを除いては、そういうことは考えにくいんじゃないかと。他の号機については、というふうに申しまして、ただ漏れてることは十分あるということです。そうでなければ、水素も外へ出て来ないでしょうし、それからこれだけの放射性物質がですね、出ていることはないわけで、私が申し上げたのは、弁だとか、配管のこう横のゆるみだとかが、色々な圧力や温度の変化によって、そこら辺で漏れが生じちゃう可能性はあるというふうに申し上げたんですね。漏れてないということは申し上げてないと思います。

記者:はい。ですと、言った言わないになってしまうので、あれなんですが、今週になってその急に、急にと言ったらあれなんですが、トレンチでこれだけの水が見つかったりとかですね、こういうどんどん外に放射能に汚染した水が出てくるということは、想定されている範囲内で対応されているのか。やはり限られた数の方で対処している限り、現象が起きたときに対応せざるを得ない状況なのか。その辺の俯瞰的な形でどれだけ対応出来ているのかというのはいかがなものでしょうか。

西山審議官:まず私の理解は、とにかくこの燃料が若干損傷した時期もあるような燃料で、それは何とかこれ以上の損傷は防がなきゃいけないというのが、これがやっぱり最も重要なことで、仮にこの燃料がこれ以上の損傷をするということは、もっと放射性物質をたくさん出すということになってしまいますし、今はある程度保たれていると思われる格納容器とか圧力容器にも異常がまたさらにきてしまうということで、これだけは何としても防がなきゃいけないということですね。そう思って今関係者は何とか塩水を入れ、それから真水に変えていくということまでやって、ここまで来てるわけです。これは何としても保ってかなきゃいけないんですね。そういう意味でその水がどこに行くのかということは、当初の想定は圧力容器に入れた水が何らかの形で格納容器の中に入っていき、格納容器の中に、圧力容器の中にも、それから格納容器の中にも段々水が溜まってくるというようなことになってくると思うんです。それ以上に外に漏れるかどうかっていうことは、はっきりわからないけれども、しかし、この行動はやらざるを得ないということでこれまでやってきたという理解です。

記者:そうすると、その溜まり水から高濃度の放射性物質が見つかったり、トレンチの水からもかなりの線量が計測されているということで、それはまだ燃料プールという可能性もあるのかもしれないんですけれども、格納容器なり、圧力容器から漏れ出しているという危険性をきちんと認知というかですね、踏まえた上での先手先手をうった対策というのがちゃんと出来ているのかというのがかなり不安に思えてくるんですけれども、その辺はいかがなものなんでしょうか。

西山審議官:それは確かにそういう手があればいいと思いますけれども、さっきのような何としてでもやらなきゃいけない目的を達成するために、その仮に原子炉から漏れたときはここに導くということが出来る状況では今ないんだと思うんですね。そういうことですから、水の挙動とかについては、もちろんどこかで検知すればそれに気を配らなきゃいけませんけれども、これまではとにかく冷やして燃料に異常が起こらないことを最優先してきたし、それは今でもそれは立ってると思うんですね。ですから、これはどうしてもこういうふうになってくるというのは、やむを得ない副作用ではないかと思います。

記者:ありがとうございました。

司会:では奥の男性の方どうぞ。

記者:ダウジョーンズのオオベです。すみません。タービン建屋の地下にある水の水位なんですが、東電の方とかだと1メートルだとか、50センチくらいだとかそんなような話が出ていて、こちらではくるぶしくらいということで、どっちかによって溜まってる水の量がかなり違うと思うんですが、一体どっちなんでしょうか。

西山審議官:その水量については、我々いつもはっきりしたことはわかっておりませんので、今ここでは東京電力との、東京電力がどういうふうにそこのところを言っているのかはっきりしたことがわかっているのかどうか必ずしも我々と意見が違うということでもないように思いますけど、いずれにしろかなりわからない中での水抜きの作業になっているということだと思います。

記者:それからあと、ポンプの強さって、今使っているポンプ、水を抜いてるポンプの、3台あるかと思うんですけれども、強さっていうのはどれくらいなんでしょうか。1時間にどれくらいの水を抜けるような力のポンプなんでしょうか。それと、それがもしあまり力のないようなものだとしたら、他のところから、例えば自衛隊だとか海外とかから持って来たりするような計画とかってあるんでしょうか。

西山審議官:確認します。

司会:次の方どうぞ。では2列目の男性の方どうぞ。

記者:すみません。読売新聞のキラと申します。先ほど西山さん、やっぱり私の質問にくるぶしくらいじゃないかとお答えになってですね、確か東電では1メートルとかそういう話も出てたかなという気がしてたんですね。今の受け答えだとですね、タービン建屋の1階にですね、もし1メートルの水があったらですね、何立方メートルになるのかという想定はですね、非常に大きいものになりますよね。そうすると、そのサージタンクにあと何リットル入るのかですね、そういうことを換算してですね、ちゃんと入るのかどうなのかっていうのを頭の中に入れて、その計画が出来るのか、出来ないのか、正しいのかっていうのを監査するのがですね、保安院の立場だと僕は思っているんですけれども、どうしてそれは見解が二つ違ってですね、それによって皆様がやられている作戦っていうのが正しいものなのだっていうですね、認識をですね、担保出来るんでしょうか。

西山審議官:そこのところは、私は今その数字ははっきり存じませんけれども、いずれにしても現場においてある程度見合うような容量を使って、そこに入れながら判断していくしかないと思うんですね。仮に正確に今あるものを測ったとしても、その後また今注水もしているわけだし、他からどこから水が来るかもわからない状況ですから、東京電力の方がどういう認識かというのは改めてまた確認してみたいと思いますけれども、そこについてあまり厳密な水量を特定してくれということを、それをやることというのは、必ずしも意味がないかなというふうに思います。大体の量でもって、やっぱり抜いてみて何が起こるか、また次々と来るのか、それでだいぶ乾いていくような状況になるのか。そういったところをまず見極めないといけないんじゃないかと思いますね。

記者:そうすると、いや、そうは言われてもですね、1メートル七日、15センチなのかっていうのはえらい違いだと思うんですね。だからそれさえも把握してないっていうのがちょっと、それも1メートルって出た話が出てから何時間もある話なので、タイムラグってそうないと思うんですよ。そこのところのどうして差が出るのかというところを知りたいんです。

西山審議官:それは私が、私自身がそこまでの、今何メートルの深さなのかということについて、私のレベルで少なくとも知識がないということだと思います。それからポンプの容量はですね、6.5ton1時間、毎時6.5トンのポンプが3台ということです。19.5トン。1時間あたり3台で19.5トンということになります。

記者:すみません。ありがとうございました。

司会:では1列目の男性の方。

記者:すみません。3号機の残留熱除去海水系配管の件ですけれども、こういったポンプの据え付け工事、仮設のポンプの据え付け工事の時に起こった事故だということですが、こういったRHRのですね、修理というか補修というのは、他の号機でも行われているのでしょうか。

西山審議官:行われていると思います。

記者:それが行われた場合、RHRを動かすことについてですね、どの程度の目途が立っているのかというところを教えてほしいのですが。

保安院:すみません。RHR、残留熱除去系の点検でございますけれども、先日よりご案内いたしております通り、まずタービン建屋の地下1階の水を抜いた上で、そこから絶縁抵抗を測定しなければならないということで、今水抜きを最優先しているという状況でございますので、それが出来てから実際のモーターの点検が出来るという状況でございます。

記者:NHKのハルノと申します。先ほどトレンチの水の核種分析の件で、1号機から優先にやっていて本日中か、急いで取りまとめを行っているというご説明ありましたが、今現状どうなっているのか、水を何時頃とって、今分析に入っているのかとその現状をちょっと説明してください。

保安院:すみません。サンプリングした時間はちょっと情報は入っておりませんけれども、今日中には測定結果が出るということは聞いてございます。

司会:1列目の女性の方どうぞ。

記者:日本テレビのアンドウと申します。プルトニウムの件なんですけれども、どこから来たのかというのは、わからない、まだわからないと思うんですが、今までの水素爆発やまたは2号機のドライベント、それどちらも両方とも可能性としてはあるかどうかということと。それから、ベントは当初かなりやってらしたんですが、今なるべく避けているように思えるんですけども、最初のうちはやらなくては、やらざるを得なかったけれども、今はコントロールが段々そういうことに関しては可能になってきているのかということ含めて、そのベントの方針についてもお伺いしたいんですが。

保安院:ベントは目的としては格納容器が破壊されることを防ぐということですので、当初格納容器の圧力が少し上がっておりましたので、そのためにベントをしていると。で、今は格納容器の圧力については、比較的安定しているということで、様子を見ているということでございます。

西山審議官:もう一つご質問ありましたね。

記者:プルトニウムの原因と水素爆発と、両方。

保安院:これもどこから来ているのかということと同じように、どういうルートで出たかということについても土壌に出ているということしかわかっておりませんので、そこもルートについては現時点ではわからないということでございます。

記者:じゃあどちらもあり得ないということはないということですよね。

保安院:可能性として今どちらかが否定されているということではございません。ということであり得るかもしれないし。

記者:あるいは、それ以外もあるっていうことですか。

保安院:今、西山審議官の方から申し上げましたように、格納容器から漏れてるルートっていうのがあるといたしましたら、そちらから出ている可能性も否定は出来ないかと思います。

司会:では壁際の男性の方どうぞ。

記者:日経新聞タナカと言います。今度の想定について、ちょっと一つ教えて頂きたいんですけれども、今後第一原発に関して、放射線量が非常に高い数値が検出されて、作業が継続が出来ないというような状況になった時に、作業員の方を完全にこの原発から撤退させるというようなことというのは、想定されるんでしょうか。もしされるのであれば、その後どうやってこの問題に対処するかというところを教えてください。

西山審議官:今そういうことはないようにやっているということしか申し上げられないですね。

記者:仮にそういう場合になったこと、なった場合のことは想定されていないと。

西山審議官:はい。

司会:では壁際の前の男性の方どうぞ。

記者:共同通信のナカザワと申します。3号機で海水を被った件なんですけど、これ下着を変えたということは服の中まで全身濡れてしまったということになるんですか。

西山審議官:はっきりわかりませんけど、おそらくそうなのではないかと。推測ですが。

記者:結果的に線量検出されていないということですけれども、場合によっては大事故になりかねないケースだと思うんですが、その辺の認識とか、防護対策、再発防止の点ではどういうふうにお考えになってるんでしょうか。

西山審議官:今その点につきましてはですね、2時過ぎに私どもの原子力安全保安院の方から原因分析と対策をしっかりやってくれということと、それから放射線管理の体制をしっかりとってくれということについて、原子力安全保安院から東京電力に指示をしております。

記者:原因分析と対策。

西山審議官:原因分析と対策をしっかりとってくれということと。それから、体制としてですね、会社の体制として放射線管理をしっかりやれる体制をとってもらいたいということです。

記者:現場には放射線を管理する方はいらっしゃらなかったんですか。

西山審議官:そこはわかりません。

記者:またその協力会社の人だけでやっていた可能性もあるということ。

西山審議官:今私の持っている情報では東京電力の方がいたというふうには聞いておりません。

記者:じゃあいなかった可能性もあるということですか。その点については、保安院さんとしてはやっぱりそれは相応しくないというご認識。

西山審議官:私はこれについては、今こういう、やはり役割の分担というものがあるでしょうから、そういう作業を得意とする協力企業の方がやられるというところにいちいち東京電力の方付いていく必要があるかとどうかというのはちょっと疑問のようにも思いますけど。

記者:では放射線を管理する方が現場にいなかったということなら、それは問題かということ。

青木審査官:放射線管理って言いますか、防護の教育っていうのは作業員はみんななされておりますので、必ずしも毎度毎度その東京電力の人間がですね、横について監視するということは、してなくてもおかしくはないと思います。ちゃんと教育はなされているはずですので。ただ、水が噴出するというようなこと予見をしてですね、事前に合羽を着て、中に水が入らないようにするとかですね、そういった配慮が足りなかったんじゃないのかなというような気がします。

司会:4列目男性の方どうぞ。

記者:朝日新聞のコボリです。1号機のことでお伺いしたいんですが、この原子炉圧力容器の温度が給水ノズルのところで約300℃あって、圧力容器の下部の温度が135℃っていうのは、これはどういうことが考えられるんでしょうか。燃料棒が例えば冷却水の上の方が露出して、やっぱり上の方が高温になっているとか、何か考えられることがあれば教えてください。

保安院:あまりはっきりしたお答えにはならないんですが、一般的にお風呂でも同じように上の方が熱いということはあるかと思いますが、この温度差がそういうことで説明がし切れるものかどうかということは、ちょっと今はっきりと申し上げることは出来ないかと思います。

記者:あとこの温度差なんですけれども、あんまりその温度差があると、容器に対して悪影響とか、そういうことは考えられないんでしょうか。

保安院:すみません。これも明確な数字でどれくらいの、所謂熱で発生する応力があるかというのは、この段階では何とも申し上げられませんので、一般論としてのお話になりますが、ご指摘の通り、温度差が大きくありますと、先ほど申し上げた通り、熱の伸びが違いますので、それによる熱応力というの、発生します。ただ熱応力で発生して炉の健全性が損なわれるというのは、普通疲労を考えますので、この状態でずっとあるから炉が悪くなっているということはあんまり考えにくいんではないかと思います。

記者:1号機は40年も、プラントできてからもう40年ですけれども、その状態でも高経年化対策しているから、この温度差があっても大丈夫というふうに考えていいんでしょうか。

保安院:熱応力で繰り返し、疲労というのは繰り返しがあればということですので、この温度差である程度熱応力がもしかすると発生をしているかもしれませんが、通常高経年化していって、炉の方が劣化をしていくというか、悪くなっていくかもしれないというのは、熱応力の発生が繰り返すことになりますので、所謂高経年化というのと、今回ここで発生している熱の差というのは、おそらく違う議論になるというふうに思います。

記者:わかりました。あと最後、1号機も含めて、これも原子炉の建屋の中というのは、遠隔操縦のロボットとかも含めてまだ誰もというか、機械も含めて、まだ中がどういう状態になっているかっていうのはわかってないんでしょうか。

西山審議官:わかってないですね。

記者:今後そのロボットを中に入れるとか予定はありますでしょうか。

西山審議官:今この間一回説明しましたけれども、原子炉の中の空調、中と言いますか、原子炉建屋の空調なんかを整備したいというふうには思ってまして、そういうことである程度線量が調整出来れば。人間が行くことも考えられるし、それからロボットについては、アイディアとしてはありますけど、今現実的にはたしてなるのか。これもおそらく世界中に色々なアイディアがあるでしょうから、その中でうまいものがあれば採用するということはあるかもしれませんが、ちょっと今の段階でははっきりしてないと思います。

記者:ありがとうございました。

司会:では次の質問で最後とさせて頂きます。では3列目の男性の方どうぞ。

記者:読売新聞のタカダです。度々すみません。タービン建屋のですね、水が減らないっていうか、水があるという状況ですけれど、これに対するご認識を伺いたいんですけれども、タービン建屋っていうのは、配電盤があって、その所謂原子炉の冷却系を電気で動かすにあたって、かなり重要な場所だと思っているんですが、そう考えると残留熱除去なんかを動かしてですね、今の現状をその危機的な状況から変えるには、やっぱり絶対にやらなきゃいけない作業だという認識があるのかということを伺いたいんですが。

西山審議官:それは今まさにおっしゃった通りだと思います。電源なんかの重要なものがあるということもあって、何とかその今の溜まり水をですね、どかしたいというふうに考えているわけですね。

記者:逆に言うと、そこのそこが出来ないと危機的な状況は変わらないという。今のその場しのぎの状態が続くということでしょうか。

西山審議官:私の思いますには、仮にしばらくそういう状態が続いちゃうとして、そこに人が近づけないというようなことがあれば、今度は別のルートで、別の電源を持っていって、それをタービン建屋のその部分を使わないでやる方法を何とか考え出すしかないと思いますけど。

記者:線量の高いところで出来る仕事っていうのは、たぶん限られるのかなといような気もするんですが、時間を考えて、かつタービン建屋での水の量がわからないという状況であるならば、今おっしゃったような別の方法っていうのも、同時並行でやるというオプションがあるのではないでしょうか。

西山審議官:おっしゃる通りだと思います。おそらく関係者もどの程度具体的にアイディアを煮詰めるかは別として、こちらが困難な時にはこの手を取ろうということは色々考えながら今議論してやっていると思います。

記者:ありがとうございました。

司会:それではですね。

記者:すみません。質問ではないんですが、会見今日はもうこれで終わりというふうに冒頭おっしゃいましたけれども、分析結果が出たりとかっていう場合も会見はないということですか。

西山審議官:いずれにしろ、出たらデータは差し上げて、もし必要なら説明はするということにしたいと思います。

記者:必ずしもないというわけではないけど。

西山審議官:そうですね。こういう形での会見やるかどうかは別として、データをお出しし、かつご質問頂くということはやりたいと思います。

記者:審議官はいらっしゃらなくても、他の方が説明してくださる。

西山審議官:そういうことになるかもしれませんけど、そこはわかりませんが、また色々な変化があるかもしれませんし、いずれにしろ来た情報はちゃんと提供します。

司会:ということなんで、次回は翌朝、時間はまだ未定ですが、翌朝になると思います。また新しい情報があればですね、資料配布か、もしくはレクをつけてですね、皆様にお伝えしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。