官房長官の記者会見テキスト(2011年3月11日午後4=11分間)

【冒頭発言】

・原子力災害対策特別措置法の規定に基づく住民への避難指示について

司会:お願いします。

官房長官:大変お待たせをして失礼をいたしました。先ほどと同様、全体を聞いていただいて、落ち着いて対応をしていただきたいということをまず冒頭申し上げます。先ほど21時23分原子力災害対策特別措置法の規定に基づきまして、福島県知事、大熊町、双葉町に対し住民の避難の指示を出しました。福島の原子力発電所の件で3キロ以内の皆さんに非難の指示、3キロから10キロの皆さんに屋内での退避、という指示をいたしました。対象地域、福島原子力発電所の3キロ内の地域に住んでいらっしゃる方、滞在してらっしゃる方は落ち着いて速やかに避難を始めていただきたい。3キロから10キロの皆さんは屋内において退避をしていただきたい。これは念のための指示でございます。避難指示でございます。放射能は現在、炉の外には漏れておりません。今の時点では環境に危険は発生しておりません。安心して地元市町村、警察、消防などの指示に従ってください。安全な場所まで移動する時間は十分にあります。ご近所にも声を掛け合って、慌てず冷静に行動をしてください。自衛隊を始め、支援体制を全力で現在整えております。不確実な噂などに惑わされること無く、確実な情報だけ従って行動するようお願いをいたします。繰り返しますが先ほど福島の原子力発電所の件、原子力災害対策特別措置法に基づいて3キロ以内の皆さんには退避を、避難を、そして3キロから10キロの皆さんには屋内での退避、いうことの指示が本日21時23分出されました。現在福島県、或いは大熊町、双葉町、そしてそれぞれの消防、警察等に対してこの指示をお伝えをして対応を取っていただいているところであります。加えて警察、自衛隊が現地に既に入っておりまして、警察、自衛隊によるこの指示に基づく対応を進めるところでございます。わたくしの方からの発表は以上でございます。なお技術的な事等については別途経産省の方等でご報告をいただけるかと思いますが、現時点では既に一部の報道ございますが、原子炉のうち一つが冷却ができない状況に入っておりますので、このままの状態が続いた場合に備えて、念のため避難をしていただきたいということでございます。

【質疑応答】

記者:読売新聞のクリバヤシです。先ほどの会見ではですね、直ちに避難という状況ではないとお伝えしてますが、短時間の間に対応が変わったのはどういう原因なのでしょうか。

官房長官:現実の炉のうちの一つがですね、冷却ができない状況に入りました。従って万が一に備えて避難をしていただいたほうがいいと、万全の措置を取らせていただく、ということでございます。

記者:例えば自治体から要請があってということではないのでしょうか。

官房長官:他の原子炉の状況等を把握をいたしまして、原子力保安院の方とも相談をいたしましてこういう対応をさせていただきました。繰り返しますが万が一のための念のための措置であります。

記者:産経新聞のオダですけど、その万が一の念のためのというのは放射能が漏れる可能性が万が一の場合にあるということ。

官房長官:にこういった場合については一番悪いケースを想定して準備をするべきであるというふうに考えております。そうした観点からできるだけ早いうちに退避をしておいていただくということでございます。

記者:TBSアクイです。避難の対象になる人数分かりますか。

官房長官:今鋭意整理をいたしておりますが、そうした情報全部待って会見臨もうかなと思ったのですが、できるだけこれ早い方がいいだろうとお待たせいたしましましたが、そうした整理を待たずにまずは第一報をお伝えをしようと、思ってわたくしここにまいりました。

記者:毎日新聞のカゲヤマです。バッテリーをそのいつまでも持たないので非常用の代替電源を現地に運ぶべく検討されているということですが、それが上手くまだいく準備がなかなか整はないのでということなのでしょうか。

官房長官:順次現地に向かっております。そのうち1台は着いたという報告も受けております。

記者:読売新聞のアガタです。先ほどのテレビのニュースで流れた速報では、半径2キロ圏に非難要請と出ていたと思うのですが。今の3キロのお話しとはどう。

枝官房長官:それは福島県が独自のご判断でされたというふうに承っております。

記者:そうすると2キロのときは約2000人のはずだったのですが影響人員ですね、それなりに3キロ10キロと考えるとかなり膨れ上がるということでよろしいでしょうか。

官房長官:2キロよりも3キロの方が多くなります。ただ3キロから10キロの皆さんについては室内で退避をしてくださいということでございます。逆に動かれると混乱が生じてかえっていろいろなリスクが生じますので、あくまでも3キロ以内の方がそこから外側へ退避をしていただきたいということです。

記者:福島が独自の判断で避難の指示、措置とですね、その政府の福島県に対する指示、前後関係どちらが早いでしょうか。

官房長官:福島県の方が先だと思います。

記者:ちょっと●●かもしれませんけど、先ほどの保安院の説明だとですね、冷却は順調に、冷却は行われているとただ電源が切れたら問題があるということだったのですが。そうではなくてもう冷却事態が今順調に行われていると?

官房長官:三つの炉のうち一つ、冷却が上手くいかなくなっているものが発生したので、そしてしたものですから今回念のため退避をしたということにしたわけです。

記者:把握している情報というのは先ほどの会見と今とは変わっていない?

官房長官:先ほどの会見のときは基本的には三つのとりあえずの冷却はできている。バッテリー等の問題がある。その後一つについては冷却が上手くいかないという状況がはっきりしたこういうことです。

記者:その一つはですね、バッテリーの問題ではなくて冷却のポンプなり装置の機械的問題が起きている?

官房長官:そのところの確認をするまで待たずに、とにかく現に冷却の機能が上手くいっていないということで念のため対応をとらせていただいた、こういうことであります。

官房長官:よろしいでしょうか。

記者:毎日新聞です。米軍の協力ですがその後具体的にどのような応援するのか決まりましたでしょうか。

官房長官:こちらの方の対応で動いてずっとやっておりましたので、危機管理センターの全体を把握せずにこちらにまいりました。

記者:今回の地震なんですが、この地震についてですね政府として何地震と命名するってのは今のところ?

官房長官:今はまずは緊急に全力を挙げております。

記者:先ほどあの、前の前の会見でですね自治体と連絡取れるか、取れているのか確認中だとありましたが、それは確認できましたか?

官房長官:各県庁とは連絡が取れております。ただ1時間ほど前の段階でございますが、必ずしも市町村の全てと連絡が取れているわけではないと、ただ消防、警察それぞれのラインがございますので、あらゆるラインを使ってですね現地の状況を把握をしているところでございます。

記者:時事通信のコウケツです。現時点でですね把握をしている人的被害の状況について何か情報はあるでしょうか。

官房長官:断片的にいろいろな情報が入ってきておりますが、今整理して皆さんにお伝えをするよりも、今はまずそれぞれの事象に対してですね、最大限の対応措置を取るということに全力を尽くしております。

司会:よろしいですか。

官房長官:ありがとうございました。