【質疑応答】
官房長官:昨日14時46分ごろ発生した宮城県沖を震源とするマグニチュード8.8の地震について、ここまでのところ取りまとめてご報告をいたします。この地震については、「東北地方太平洋沖を震源とする地震」と命名されました。多くの皆さんが被災をされ、また、既に未確認のものも含めれば相当数の方が亡くなられている情報が入っております。被災をされた方にお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方にご冥福をお祈り申し上げます。現在の対策の概要でございますが、救助活動に当たっている職員の皆さんは、まず警察が各県警などから広域緊急援助隊約2千名が出動をいたしております。これに加えて航空機11機、災害救助犬8頭も既に出動をいたしております。消防においては、緊急消防援助隊の547陸上部隊、この陸上部隊は一部隊おおむね5名前後で構成されておりますので、2千人から3千人ぐらいの数になろうかと思います。更に9つの航空部隊と8つの海上部隊が出動いたしております。防衛省は自衛隊の東北方面隊を中心に8千名体制、それに加えて航空機約300機、艦艇約40隻が救援活動に当たっております。海上保安庁は巡視船艇322隻、航空機44機、特殊救難隊10名が既に救助活動に動いております。被災地における物資の確保について、関係団体に依頼するなど、各省連携をいたしております。また各都道府県の備蓄を最大限活用すべく、現在、備蓄状況の確認を急ぎ、その輸送のためトラック協会等に協力を要請いたしております。なお、在日米軍に対しても既に支援を要請をいたしまして、空母ロナルド・レーガンによる消防ヘリ等の着艦、給油、医療支援の実施を検討しているところでございます。政府としては、このようにあらゆる手段を講じて被災者の救助に全力で取り組み、もう既に急ピッチでその作業が進められているところであります。交通等の遮断も続いておりますが、緊急車両については東北道全線、八戸道全線、それから新潟からいわきへと横断する磐越道全線、中央道のいわき中央から三郷間など、基軸となるべき高速道路については、緊急車両の通行は可能という状況となっておりまして、部隊、物資等の輸送等のラインは確保をされております。こうした幹線からそれぞれの被災地に向かうルートについては大変困難をきたすというふうには予想をいたしておりますが、とくかくに近い所まで物資、人員を届けるということの最低限の交通網は緊急車両は通れるという状況になっているところでございます。気象庁によれば、今後の余震により、場所によっては強い揺れとなる恐れがあるとのことであります。ご承知のとおり、ニュージーランドの過日の地震も一度目の地震に対する余震で多くの犠牲者が出ております。余震という言葉だと、小さいという印象をもたれる方いらっしゃるかもしれませんが、余震も相当大きいものがあると。本震と、つまり昨日の14時46分の地震に準ずるような地震が起こる可能性はありますので、皆さんそれぞれそうした点についての備えをしていただきたい。特に、地震の揺れの大きかった地域では、土砂崩れや家屋の倒壊などの危険性が通常より高くなっております。今後の余震によって、更に被害が拡大する恐れがありますので、十分な警戒をお願いをいたします。また津波についても、第2波、第3波がより大きくなって到達することがあります。あと1日以上は、依然として継続をすると予想をされております。今も大津波警報も出ている地域が多々あります。こうした警報が解除されるまでは、第一波に準ずるような大きな第2波、第3波が到達するおそれがありますので、沿岸には近づかないようにお願いをいたします。今後とも適切に情報提供していくことに努めてまいりますので、国民の皆さんにおかれましては、テレビ、ラジオや自治体の広報等に注意をし、関係機関の指示に従い、落ち着いて行動をしていただきたいとお願いを申し上げます。被災地ではこれから寒い夜を迎えます。様子を見に外出することなどはせず、避難所など安全な場所で過ごすようにしてください。救援活動は夜を徹して全力で続けます。夜明けとともに更にペースを上げます。お互いに助け合いながら、引き続き冷静な活動をお願いをいたします。
原子力発電所関係でございますが、福島第一原子力発電所における事故に関しては、非常用炉心冷却装置による注水が不能な状態が続いておりますが、放射性物質の放出はありません。現在、復旧に向けて関係機関が全力を挙げております。しかしながら、21時23分、念のため、総理から半径3km以内の住民に避難命令、半径3kmから10km圏内の住民に対し屋内待機の指示が出ております。警察、消防、自治体が避難誘導に当たっております。自衛隊の支援も得て、自衛隊は既に80名が現地に到着をしております。警察も120名が対応中であり、更に30名が23時15分着の予定でございますので、もう着いているかと思いますが、現場に急行をいたしました。先ほどの時点で、大熊町においては3キロ以内の避難が完了しているという報告も届いておりますが、これは現在確認中でございます。双葉町の住民については避難中であります。避難民輸送のため21台のバスを、これは民間のバス会社にご協力、栃木あるいは茨城のバス会社にご協力をいただいて、現地に向けて派遣中であります。更に19時30分に、自衛隊に原子力災害派遣命令が出され、21時20分、大宮駐屯地の陸上自衛隊化学防護隊も現地に向けて出発をいたしております。住民の皆さんにおかれては、テレビ、ラジオ等の情報に注意をしつつ、また自治体、警察、消防、あるいは自衛隊の皆さんを応援にいただいております、こうした皆さんの指示に従って、落ち着いて行動いただきますようお願いを申し上げます。
【質疑応答】
記者:毎日新聞のカゲヤマです。被害がかなり拡大しているようですが、国内だけではなく、海外からの支援要請なども受ける予定はありますでしょうか。
官房長官:はい、あのーこれについては外務省の方にですね、まだ具体的にどこにどう行っていただくということが確定していなくても、それぞれご支援のご協力を申し出て頂いている海外の国々に対してはですね、可能な準備あるいはある程度の出発に向けた作業等も進めていただくように調整をお願いをしております。また、もうすでに始まっているかと思いますが、0時15分からの予定で菅総理とオバマ大統領が電話会談を今しているころではないかというふうに思っております。
記者:福島第一原発についてなんですが、冷却ができないということなんですけれども、今後、熱によって例えば炉が融解したりだとか、それに●●する放射能漏れの危険性はどのように見ていらっしゃるんでしょうか。
官房長官:そうしたことのないよう、今最大限の対応を致しているところでございます。ただ念のため、3キロ以内の住民の皆さんの避難指示をさせていただいたということであります。
記者:毎日新聞ですが、0時15分から行われているオバマ大統領の電話会談、具体的にどちら側から呼びかけをされて、どういう支援を呼び掛けているか、会談の趣旨、内容を教えてください。
官房長官:これは今、会談が終わりましたら総理なり外務省の方から、そちらからの立場から発表されると思います。
記者:読売新聞の●●ですが、原発の関係で、電源の復旧状況を。現時点で構いませんので。
官房長官:電源確保するためにですね、各地からいわゆる電源車を現地に運んでおりまして、順次現地に到着しつつあるというふうに報告を受けているところでございます。
記者:6台が●●というお話がありましたけれども、現地にはどれぐらいの●●。
官房長官:えーと6台以上、念のためといいますか、万全を期すため、各地から例えば国立府中から2台、那須塩原から3台等ですね、各地からそちらに向かわせているところでございます。
記者:読売新聞のタマキといいます。被害状況、特に人的被害なんですけれども、相当数が亡くなった情報と仰ってましたけれども、概数でも構いませんがある程度の数字というのは把握されてますか。
官房長官:あのー大変多くの方が亡くなられているという状況であるということは間違いないというふうに思っております。ただ今の段階で概数をお話をする状況ではないというふうに思っております。現に海沿いのところ、津波の影響が残っていたり、また第二波第三波の恐れがあるという状況の中でまずは救出を待っていらっしゃる方の救出に全力をまずは挙げておりますので、被害の全体の概数等について申し上げる段階ではないと思っております。今後消防庁と警察の方で適宜それぞれが確認ができた数について被害状況についてできるだけ速やかに発表できるようにという指示は致しております。
記者:テレビ朝日のコバヤシです。上空の映像で気仙沼なんかはかなり火災等が発生しているようだが、特に台数は結構なので特に被害が大きいと予想される地域っていうのはどの辺が…。
官房長官:はい、あのー気仙沼の火災の状況については、状況、報告も上がってきておりますし、また現地においても消防活動全力を挙げて頂いているという報告も頂いております。気仙沼を含めてですね、三陸地方の被害が相当大きいということは間違いないというふうに思っておりまして、気仙沼のように火災の情報が入っているところ、逆にですね、連絡がまだ十分に取れない地域もございます。夜になってしまっておりますので、明日、日が出て明るくなり次第ですね、こうした地域中心に航空機や船舶によってですね、被害状況を早急に把握をして、そしてこれ夜、なんとか耐えて頂いて、えー航空機等によるですね、救援等、できるだけ速やかに進めて参りたいというふうに思っております。
記者:毎日新聞ですが、在日米軍の支援要請して空母、消防ヘリということでしたけれども、これは主に三陸地方、気仙沼を中心に入っていただくということで考えていらっしゃるんでしょうか。
官房長官:あの今、あのーそちらの方向に空母自体が向かって頂いているというふうにご報告受けております。あのー今、具体的段取りは消防庁が自衛隊通じてですね、色々やって頂いているところでありますし、さらにその自衛隊の、あ失礼、米軍の航空機等でですね、実際の救難、救援の活動をできないかということは打診調整を致しております。あの米軍に置いても最大限の協力をして頂けるということも申し出て頂いておりますので、この特に津波等で海岸部で取り残されていらっしゃる方、救難を待っていらっしゃる方、多々おられると想像、想定されますので、そこに向けては自衛隊、海上保安庁、消防庁に加えてですね、米軍のご協力がどこまで頂けるか、どれぐらい能力をお持ちなのか、調整をしているところです。
記者:すいません、福島第一原発については、●●炉内の熱については抑えられるという認識でよろしいですか。
官房長官:現時点ではコントロールできている状況だということでございますが、今後冷却の状況の変化に備えてですね、今回避難の指示を出させていただいたということでございます。電源車も順次到着をして、対応がこれができればですね、なんとかコントロールできるのではないだろうかと、そこに向けて全力を挙げております。
記者:東京新聞の●●と言います。人的被害についてなんですけれども、多くのという抽象的な言葉だと、●●受け取る人によってイメージが違うと思うんです。少なくとも●人という方が●●。
えー
官房長官:はい。あのこれ日々新しい状況が入ってきている、しかも残念な状況が入ってきているところでございます。少なくとも現時点で、えー…
(官房長官の手元に資料が差し入れられる)
えー警察庁の把握認識している亡くなられた方の数は93名でいらっしゃいます。えー行方不明の方は531名でいらっしゃいますが、残念ながらこうした数には止まらないであろうということは様々な直接の被害の方の数の把握ができない、しかし大規模な被害を受けていることが想定される地域がいくつも想定されておりますので、というのが今の状況です。
(官房長官が資料の説明を受ける)
えーと行方不明の方、読み間違えており、351名。失礼致しました。
司会:他ございますか。
記者:今の関係で、亡くなられた方が93名、行方不明者が351名とのことなんですが、地域、えーと何県とか何県とかいう…。
官房長官:警察庁の方で23時時点の集約でございますので、その後残念ながら新たな情報が警察庁の方にも出ていると思いますので、最新の情報はいずれにしても警察庁や消防庁にお尋ねをいただきたいというふうに思いますが、それでも必要でしょうか。
記者:はい、分かりました。
官房長官:いいですか。
記者:●●新聞のアラキと申します。原発の件なんですけど、現在の電力というのが限りがあったと思うんですけれども、政府としては何時までに現在の電源車できちんと電力を確保したいと思ってらっしゃるんでしょうか。
官房長官:これはできるだけ早くということでございますし、順次到着しつつあると、近くに来ているということでございますので、なんとか電源しっかり確保できる方向で、今最前の努力をしているということでございまして、何時までというよりも一刻も早くということでやっております。
記者:デッドラインがあるかと思うんですけれども。
官房長官:これは色んな条件、状況がございますので、先ほどの時点では炉がきちっと水に浸かって、正確にはそういう言い方じゃないかもしれませんが、保冷される状態のところにあって、何とか今電源しっかり確保して、それが機能させることができればという状況にあるというふうに報告を受けております。
司会:よろしいですか。
質疑終了
官房長官:それでは、政府としても全力を挙げてやらさせていただいております。特にメディアの皆さん、テレビや新聞の皆さんも重要な情報源でありますが、特にわたくしからも今特に電気が届いていない地域が多々あるというふうに思っておりますので、特にラジオを通じてこうした皆さんに、適切、的確にわたくしの会見に止まらず各機関からの情報をお伝えをいただきますよう、わたくしからこの場を借りてお願いを申し上げます。ありがとうございました。