官房長官の記者会見テキスト(2011年3月12日17時50分から34分間)

【冒頭発言】

官房長官:既に報道もされておりますとおり、福島第一原子力発電所においてですね、原子炉そのもののものであるということは今のところ確認されておりませんが、何らかの爆発的事象があったということが報告をされております。現在、先ほどの党首会談以降、総理、そして経産大臣を含めて、専門家を交えて、状況の把握と、そして分析、対応に、今、全力で当たっているところでございます。放射能について測定はきちっと行なわれておりまして、この後6時過ぎにも直近の新しい数字が出てまいります。現在のところ出てきております数字の下では、当初からこの間、冷却水の水を増やす、あるいは圧を弱めるために、放射性物質の含まれているものであるけれども、管理された下で、一部放出をするというような想定の下で、想定されうる数値の範囲であるというふうに考えておりますが、しっかりとこの放射性物質の数値の把握に努めて、周辺住民の皆さんの安全については万全を期しているところでございます。万全を期すという観点から、今回の事象は第一原発の事象でございますが、第二原発についても念のため、従来、3km圏内からの退避の指示をいたしておりましたが、10km圏内からの退避の指示に改めたところでございます。今、総理、経産大臣、そして原子力の保安院、そして原子力安全委員会、専門家を交えてしっかりと情勢の把握、分析、そして対応に努めているところでございます。現時点でしっかりと放射性物質の測定等行なわれておりまして、この状況をしっかりと把握をしながら、周辺住民の皆さんの安全について、万全を期しているところでございます。また、万一の場合に備えた用度等の準備もしっかりといたしているところでございますので、大変、特に周辺の皆さんにとっては不安が多いかと思いますが、今、政府、東京電力、そして保安院、原子力安全委員会、総力を挙げて万全の対応に努めておりますので、落ち着いて対応をしていただきますよう、お願いを申し上げます。この後、しっかりと状況、情勢の把握に基づいた分析と対応がお示しできる段階の下に、大変ご関心、国民の皆さんの関心も当然高い事象でございますので、適切に情報をお伝えをしてまいりたいというふうに思っているところでございます。

 なお、この福島第一原発の件に加えまして、改めて私から何点かこの場を借りて皆さんにお願いをさせていただきたいと思います。間もなく夜になりますが、繰り返し申し上げてきておりますが、まだ余震、あるいは津波の可能性は残っているということを、是非しっかりと意識をしていただきまして、避難所等に避難をしておられる皆さん、家の様子を見てくる等のことを、これから特に夜間になりますので、くれぐれも避けていただきまして、避難所等安全な場所にしっかりといていただきますよう、改めてお願いを申し上げます。また、二次被害の恐れ、それから交通等の混雑による救難活動の遅れの可能性もございますので、まだ二次災害の可能性のある現時点では、家族の方、あるいはボランティアで協力をしたいという思いの方、少なからずいらっしゃるかというふうに思いますが、被災地への、入ってくる、ということについては、くれぐれも慎重にご判断をいただきたいというふうに思っております。特に、津波の心配残っておりますので、海岸部、あるいは河川の河口部付近には近づかないようお願いを申し上げます。またこれは、すべての国民の皆さんにお願いをいたしたいと思いますが、この地震による、地震と津波による、原子力発電所、あるいは火力発電所等の運転停止によりまして、今、発電量の総量が大きく落ち込んでいるところでございます。現在停電の地域の中には、まさに地震、津波の直接の影響で停電になっている地域もございますが、全体の発電量との兼ね合いで停電になっている地域もございます。是非この地震、津波に、国を挙げてしっかりと克服をしていくという観点から、すべての国民の皆さんに節電をお願いを申し上げます。是非不要な電力については当分の間、使わないで節電に努めていただきまして、今、直接の地震の被害による停電以外の地域の皆さんが、必要最小限の電力、しっかりと確保できるよう、ご協力をお願いを申し上げる次第でございます。なお、さらに、この間、すでに、特に、メール、チェーンメール等を通じて事実と全く異なっている情報を、あたかも「警察によると」などのですね、あたかも事実であるかの如く装った形でのメール、チェーンメール等が多数出回っていることを把握を致しております。こうしたことは、いたずらに不安感をあおるのみならず、それに対する対応で救出、救難活動が遅れて人命に関わるということもあります。是非こうしたことは避けていただきますようお願いを申し上げます。報道機関の皆さんが、各機関からの発表、そして報道機関としてのしっかりとした取材に基づいて情報を的確に流していただいているというふうに思っておりますので、根拠のない、そうした情報に惑わされることのないよう、またそれを広げる側に回ってしまうような事のないよう、ご協力をお願いを申し上げます。なおマスコミの皆さんにも二点お願いを申し上げます。適切な取材で、国民の皆さんに、的確な情報をお伝えするという役割、大変重要でございまして、そのことについてはそれぞれの判断と責任の下に進めてもらいたいと思っておりますが、やはりこれ、上空からの取材がどうしても主になるということの中で、やはりヘリの音が大変色々な妨げになるという声がいくつも届いているところでございます。是非この点についてのご配慮をお願いを申し上げますとともに、また取材とはいえですね、津波等の危険のある地域に立ち入っての取材、報道等もいくつか見られておりますので、是非この点については控えていただければありがたいと思っております。また同時に、上空からの映像等で危険な地域に立ち入っていらっしゃる被災者の皆さんの映像等が流れております。こうしたこと、被災者の皆さん心情はよくわかりますけれども、避けていただきたいとお願いを申し上げているところでございますが、こうした映像を流す場合には、「こうした危険なことは避けてください。」などといったコメントを付していただきますと、こうしたことは危険なんだということで二次災害に巻き込まれる恐れ、リスクというものが小さくなるかと思っておりますので、是非こうしたご配慮もお願いできれば幸いでございます。

 最後に繰り返しもう一度最初の点について申し上げます。福島第一原発で生じました爆発的事象につきましては、現在、事実の正確、詳細な把握、分析、それに対する対応、菅総理そして海江田経済産業大臣、原子力の保安員、原子力安全委員会、当事者の東京電力、総力を挙げて全力で取り組んで、住民の皆さんへの被害が生じないよう全力を尽くしているところでございます。これまでにしっかりと、放射性のレベル等については、測定をし、それに基づいて皆さんへの指示等を行なってきているところでございます。この後また、6時過ぎに新たな次の情報等も入ってまいりますが、こうした放射線測定の数字などに基づいて、必要な退避等をこの間お願いをしてきておりますので、是非落ち着いて、それぞれ関係の皆さん避難所等におられる方多いと思いますが、自治体、警察、消防、自衛隊、総力を挙げて対応していただいておりますので、こうしたところの指示に従って落ち着いて対応をいただきますよう、重ねてお願いを申し上げます。

【質疑応答】

記者:読売新聞のクリバヤシです。先ほどの福島第一原発の1号機の爆発についてですけれども、現在政府内で検討している、その最悪の場合、どのような事態が起きたのか、その水蒸気による炉圧で原子力の圧力容器等にですね、破損が起きている可能性はあるでしょうか。

官房長官:これはまさに現在分析をしっかりと進めているところでございまして、事実と異なるようなことを見通しということでもお示しをして、それによって特に関係者の皆さんの判断、謝る等ということになってはいけないというふうに思っております。住民の皆さんの退避等についてはしっかりと放射線レベル等の測定をできております。原因についても、あるいはその原因に対する対象についても今鋭意やっておりますので、しっかりと具体的にお示しできる程度の確からしさがあった度合にはその時点でしっかりとお示しを致したいというふうに思っております。

記者:原子力圧力容器の破損等ですね、現に政府の中で考えられる最悪の事態が起きた場合にも、10キロ圏外への退避ということで十分というお考えでしょうか。

官房長官:状況に応じて、これは常にこの間、その時点で想定される最悪のケースに備えて現時点では10キロということをお願いを致しています。そういった意味では、10キロというお願いをした時点で想定される事態の中では10キロ以上のところに行って頂いている、ほとんどの方に行っていただいているということであります。更に新しい事象の分析の結果については、現時点では具体的なことを申し上げる段階ではありませんが、それぞれ把握した事態に基づいて、最も万全の指示をさせて頂いているというふうに思っております。

記者:時事通信の●です。問題の原子炉ですが、先ほど原子炉そのものが確認されていないとおっしゃいましたが、それは破損がないということですか。

官房長官:何も確認していないというのは、今回の原因等についての最終的な事実の確認と、それから分析を含めてですね、きちんと今しているところでございますので、それがまとまった段階でしっかりとお示ししたいということであります。

記者:そうしますと、原子炉が破損しているのか、破損していないかということ自体が確認できていないという。

官房長官:いや、あの今あらゆる、特に最悪の可能性も含めてですね。その最悪の可能性を次々と一個ずつ消しながら事実の確定、あるいは現在対応すべき万全の措置が何かということについて、専門家の皆さんを含めて分析して頂いているという状況ですので、何かが確認できていないとか、できているとかはなくて、そういったやり方で今取らなければならない万全の策ということを今鋭意整理しているというところでございます。

記者:しかし、炉が破損しているか破損していないかというのは極めて重要な問題ですけれども、政府としてそれは確認できているのか、いないのかという点についてはいかがでしょうか。

官房長官:確認するということでは、直接見てということは、元々平時でも直接炉の中を見るというのは簡単にできるものではありませんので、何を持って確認できるかということの意味付けはあるかというふうに思いますが、現時点では今出している10キロ圏内からの退避ということを越えて万全の策を取らなければならない。可能性は今検討しておりますが、今の段階でそういったことが直ちにしなければならないという、そういった状況を認識しているものではないということは間違いなくと申し上げます。今計測結果等や分析に基づいて更に必要があれば勿論それを対処致しますが、現時点ではまさに10キロ圏内から出ていていただいていれば、大丈夫であるというような範囲の中で認識を致しまして、分析等を進めているということであります。

記者:つまり今現在は10キロ圏内から出ていれば、特に何の問題もない、住民の皆さんはそれで大丈夫なんでしょうか。

官房長官:繰り返し申し上げますが、3キロの最初の退避をした時点でもその時点で想定される最悪のケースを想定して3キロ圏外に出ていただければとお願いを致しました。そして10キロ圏外という時も最悪のケースに備えて万全ということで10キロ圏外に出て頂きました。今そのケースの中の範囲で物事が起きるというふうに思っておりますが、さらに今回の新しい事象に基づいて今後の対応策について分析、検討しているところでございますが、これは起きている事象と放射線の計測と、両面からやっておりますので。放射線の計測では前回の測定結果からは10キロ圏外にいらっしゃる方は今のところ大丈夫だということの計測結果が30分程前のことでしょうか、発表されている状況でございます。新たな情報に基づいてその都度万全の、一番万全の策をお願いしていこうと思います。

記者:爆発の事象が起きた後のデータでも、今のところ10キロ圏外であれば大丈夫だという。

官房長官:今計測されているものではありますね。勿論これは一回の数値がどうこうということで決まるんではなくて、この数字の変化とか、それから継続性とか、あるいはいろんなもので見て分析していかなければならないということも専門家からご指摘を頂きながらやっておりますので、私がこの記者会見に入る段階のところでは次の計測とか、今分析している状況をしっかりと行うまでの間、これで大丈夫だということであります。

記者:産経新聞のノダですけれども、今のお話を伺っていますと、今後、計測結果が思わしくない結果だった場合には10キロ圏内からの退避というのをさらに広げて、15キロとか20キロとかですね、広げる可能性があるということでよろしいんでしょうか。

官房長官:これは常にとにかく安全確保のためには、常に万全を期すという姿勢、方針でやっておりますので、あらゆることの可能性は常に持っております。その時点で把握している情報に基づいて万全の措置をその都度お願いしていくということであります。

記者:NHKの●●です。政府としては爆発後ですね、放射性物質が外に出たという可能性は高いと見ているんですか。

官房長官:元々ですね、この1号機についてはベント等の方法によってですね、原子炉の圧力を落とすことが全体としての万全のためには必要であるということで、管理された形で若干の放射性物質が外に出るということを想定して、そのためのむしろ対応をとってきたということですので、いずれにしろ一定の放射性物質が外に出るということは想定をしていたものであります。

記者:じゃ爆発によってですか。

官房長官:今外に当然放射性物質が出ているわけでありますから、それがわれわれが政府は当初から、正確に言うと東京電力なんですが、想定していたプロセスの中におけるものなのか、それ以外の要素が含まれているのか、そのことについての分析をしているということです。

記者:政府としてはこれは想定の範囲内ですか。それとも違っているんですか。

官房長官:常に最悪のことを想定しながら対応を致してきております。この事象が起こる前の段階で想定していた範囲の中に含まれている。この事象を受けて更に新たな分析をしている、こういうことです。

記者:政府はこれまでずっと安全だということをかなり強調して言ってきたと思うんですけれども、それとこう想定の範囲内だったんじゃないでしょうか。

官房長官:つねに最悪のケースに備えて万全の策で住民の皆さんの健康、安全のために、万全の策をとるということで対処をして参りました。その時点で想定される最もリスクの高いケースに備えて退避等の指示を出してきているところでございまして、その意味ではこの事象が起こる前に想定していた範囲で10キロを越えたところに出てくださいということの想定の範囲内で起きていることであります。ただしこの事象によって新たな問題、リスクを検討すべきであるかどうかということを含めて検討を今しているところであります。

記者:産経新聞のノダですけれども、その都度その都度ということなんですが、これから夜を迎えると思うんですけれども、仮に、10キロ圏内で難しいとなった場合、15キロ、20キロと仮になった場合ですけれど、その場合、その移動手段とかいろいろ問題が出てくるんと思うんですけれども、予めですね、さらに最悪の事態を想定したケースですね、退避ですね、指示を出すということは無いんでしょうか。

官房長官:そのこともですね、退避ということについては、これから夜になる等ということについては、当然これは専門家の分析というよりもですね、リスク管理の観点から当然想定の範囲には入ることだというふうに思っております。なお、自衛隊、消防、警察を始めとしてですね、関係機関の備えといいますと、それについてはあらゆる事態を想定して、昨夜のうちから色々な車両、あるいは人員を現地の方に向かわせて到着させているところでございます。

記者:毎日新聞のアクイ(ワクイ)です。総理からこの件についてですね、どのような指示が出ているんでしょうか。

官房長官:総理ご自身が専門家の皆さ話、あるいは経済産業省大臣と、から、直接お話を聞きながらやっておりますので、まさに指示を出すというよりもしっかりと住民の皆さんの健康の観点から常に最悪のケースを想定して万全の措置を取るということを、事実上指示しながら経産大臣、保安院、原子力安全委員会、東電などに対応をさせているところであります。

記者:確認なんですけれども、住民へのヨウ素剤の配布は始まっているという認識でよろしいんでしょうか。

官房長官:すみません、現に配布が行われているかどうか、現場の問題でございますので、配布ができる状況はきちんと備えております。あとは現場の方で、勿論こちらの方と相談しながらでがありますが、いつでも配布ができる状態になっていることは確認しております。

記者:この状態だとすぐにでも配布をするとして●●した方がいいと思うんですけれども、これについては危ないんですか。

官房長官:それは医療関係者、あるいは放射能の関係者の皆さんのところでしっかりと必要な段階で配布をしていくことの対応になっております。

記者:時事通信の●●です。テレビのVTRで見ますと、その炉の外壁が崩れたりしているような状況も見受けられるんですが、現時点で政府が把握している現地の被害の状況と、人的な被害の状況についていかがでしょうか。

官房長官:まさにですね、どの部分がどういうふうに破損しているかということについて、これこそまさに確実な情報を皆さんにご提起しなきゃならないことだろうというふうに思っておりますので、しっかりとその点を確認して、その公表できる時点では公表させていただきたいと思っております。

記者:その現時点でわかっている範囲ででも結構ですので、どういった被害が出ているのかということについて、国民の前に示していただけますか。

官房長官:現時点で出ているのは一定の爆発があって、それによって建物の一部が破損されているということは間違いございません。その破損の程度、あるいは破損の正確な部位等についてはこれ正確を期して申し上げませんと必要以上に不安を煽ったり、逆に必要外に安心感を持っていただいたりということがあってはいけませんので、正確を期して発表させていただきたいと思います。

記者:確認ですが、10キロ圏外への退避でですね、避難を指示する前提となる、想定する事態の中には原子炉の本体の破損というのが含まれているのでしょうか。

官房長官:こういうことがありうるということについては、専門家の様々な分析に基づいて、そしてその場合に起きる最悪の可能性というものを想定して、そして万全を期して、というのが、この間の経緯であります。現在もそういう想定でございます。その具体的な分析の中身はむしろ専門家の皆さんからお応えいただいた方がいいと思います。

記者:毎日新聞のカゲヤマですが、その最悪の事態ということですけれども、専門家の一部からは、現状でも既に20キロ圏内に避難を進めるべきではないかという指摘もあるんですけどもいかがですか。

官房長官:まさにそろそろ18時前後の放射線の測定なども上がってくるんではないかというふうに思っておりますが、まさに新たな事態を迎えたことで、どういう対応を取る必要があるのかということを、そうした放射線の測定も含めて分析と検討をしているところであります。

記者:映像を見る限り、もう事故であるし、怪我人も出ているわけで、政府がその情報を出すのが遅いことによってですね、被害を拡大しているという側面はないんですか。

官房長官:これはですね、まさにしっかりと正しい、間違えのない情報をしっかりとお伝えをしなければいけないというふうに思っております。逆に間違った情報を早く出すことによる過ちは、これこそ許されないことだというふうに思っておりますので、しっかりと事実関係を把握し、分析をし、必要な対処方針を一緒にお示しすることが責任だというふうに思っております。

記者:産経新聞のノダですけれども、今日の朝にですね、総理が福島第一原発を視察したと思うんですけれども、その総理が視察するとなると、東電側が説明したり、警備したりですね、いろんな作業が必要になると思います。それによって、今回、結構朝が緊迫した段階だったんですけれども、作業が遅れたりということはなかったんでしょうか。

官房長官:そういったことは私はなかったというふうに思っております。むしろ総理ご自身がですね、現場で直接対応していらっしゃる皆さんの認識や評価、あるいはその時点で把握している事実関係をしっかりと把握をされて、今対応されているということで、むしろ対応には万全を期すために必要なことだったんではないかというふうに思っております。

記者:毎日新聞のカゲヤマです。別件なんですけれども、先ほど国民の皆さんに節電をお願いするという話がありましたが、今原発でダメージを受けていることによって、通常平時できる量からどのぐらい落ち込んでいるかということで、現状はどうなんですか。

官房長官:まさにこれは特に原発だけではなくて、火力の方もあります。それを今とにかくいろんなところでフォローして頂いているところでございますので、特に週が明けると経済活動等も動き出しますので、経済産業省の方に明日のあまり遅くない時期までにきちんと整理、分析してですね、どの程度の対応が特に週が始まったところで、月曜日になったところで対応が必要か、できるだけ早く整理、分析をするようにということの要請しております。

記者:●●、先ほどから聞いていると、長官の話が想定される最悪のケースを考えながら、●●と仰って、その方向自体は強いて言えば間違いはないと思うんですが●●、ただ、今回の地震が、日本中にいる数多くの専門家の想定を越えた地震だし、津波だし、原発の事故なんですよね。といういうことは10キロと確か法律で決まっている最長の退避距離をですね、それを上回る超法規的な●●でないということも、危機管理●●、その距離をできるだけ縮めて、あとで●●ればいいと思うんですよね。今まで聞いていると、2キロだったり、3キロだったり、10キロだったり、多分次の会見で20キロになるというのは、だれの目に見ても想定できる最悪のケースだと思うんだけども、今まで起きていることが全て想定の範囲外のことなんだから、お願いもあるんだれども、国民の目で●●を守る立場としてその想定される最悪であって、想定されていなくてもこれまでをやりましたよと、やってほしいですが。

官房長官:一般的に論としてもですね、ご指摘のとおりだと私も思っております。そして今回の地震はいろんなご評価があるようですが、千年に一度とかですね、観測史上最も強いとかですね、いろんなことが言われておりますが、いずれにしろ、従来のわが国の地震、津波被害のある意味では常識以上の激甚な災害だというふうに思っております。その結果として敢えて申し上げれば、この原子力安全に対する対応もですね、この地震、津波前に想定されていたとおりのことで全ていくならば、逆に言うと、それに則ってですね、敢えて言えば一種機械的に対応が進んでいくというふうに思っておりますが、まさにこの地震そのものが想定の範囲を超えているという表現がある意味でも当たるかもしれないような地震があるがゆえにですね、一個一個の事象、一つ一つの状況に対してしっかりと分析をしながらやってきてるところでございます。そして、この地震そのものがそうした地震であるということも含めて、その時点において考えられる万全の措置をとってきているということでありまして、その時点における想定できる万全の措置をこの間進めてきておりますが、だからこそ今の時点で想定できる万全の措置というものが何であるか、新たな事象を起きるごとにですね、適切に分析をして、そしてその都度適切に指示をさせていただいているというふうに思っております。

記者:質問の趣旨が伝わっていないと思うんですけど、今の時点で想定しうるんじゃダメなんじゃないですかということを僕は言いたいんですけど、刻一刻と悪化してるわけじゃないですか。

官房長官:そういうこともありうることを含めて、常にその時点での万全をとっています。つまり、では最初の時点でどこまでやったらいいのかということを考えて、勿論この場合は対応が足りないことが絶対あってはいけない。対応が小さすぎたということはあってはいけないということでありますけれども、まさに想定を超えるような大きな地震と津波ということに対して、そのことを前提に考える万全の措置をその時点その時点しっかりととっていくことで、国民の皆さんの安全を守ると、こういうことで一個一個を積み重ねてきているつもりであります。

記者:産経新聞のノダですけれども、今日のこの会見なんですけれども、当初伺っていた説明では総理が冒頭説明をされる、お話があるということだったんですが、総理が来られなかったのはなにか理由があったんでしょうか。

官房長官:まさにこの事態に対応するために、申し訳ありません、メディアの皆さんにしっかりと、あるいはメディアの皆さんを通じて国民の皆さんに総理としてのメッセージや意思をお伝えするということが、大変重要なことだと総理ご自身も思っておりますが、それ以上にこの事象にしっかりと対応することが重要であるということで、そうした事情のご説明を含めて、代わりまして私の方からご説明をさせて頂いたということであります。