【質疑応答】
官房長官:お疲れ様です。定例会見ですので、私の方からはございませんので皆さんの方からどうぞ。
記者:読売新聞のクリバヤシです。先ほどですね、政府の下の連絡会議があったと思うんですけれども、協議の内容って新たに決まったことがあれば。
官房長官:はい、私自身は別の業務に携わっておりましたので、副長官に出席して頂きました。詳細で公表すべきことがあれば、党の方から公表頂けるかと思いますが、しっかりと連携してやっていこうと。それからいくつか具体的にご提案というか、留意点とかといったことをご指摘頂いたという報告を受けております。
記者:与野党の幹事長会談でですね、岡田幹事長の方が仰ったんですが、子ども手当とか高速道路の無料化の予算を災害復興の方に、などに振り向けるということも止むを得、検討されてるというお考えだったんですけれども、そのお話は出たということとですね、政府としても災害復興にあたっては予算の大幅な振りかえというのは必要だとお考えでしょうか。
官房長官:現時点では内閣の立場としてはですね、一つには、今、とにかくこの災害対応という観点で全力を挙げている状況でございますのでもちろんそれには財源が必要であるということは十分承知を致しておりますが、まずは具体的に災害対策の執行をしていくということに全力を挙げております。それから、現に今国会に提出されている法案予算案につじましてはですね、内閣の立場からは原案でご理解を頂きたいと申し上げるべきだというふうに思っておりまして、まずは政党間で必要があればご協議を頂くという立場であります。
記者:日本テレビのヒラモトですけれども、福島第一原発なんですけれども、午前中の会見のその後ですね、特に2号機等の状況というのは、危険な状況というのは今もなお続いているんでしょうか。
官房長官:2号機ですね。
記者:いや、全体です。
官房長官:全体ですね。1号機、3号機は現時点では安定的に給水がなされているという報告でございます。2号機についても給水がなされているという状況でございましてこれが安定的という見方をしていいのかどうかということについては、私はまだもうちょっと低位をみるべきではないかというふうに思っております。それからよく出てくる正門付近の放射線の量ですが、今日の確か、私が午前中に申し上げたんでしょうか、8時31分の8,217、と大きな数字が出たということで報道でも取り上げられておりますが、この正門付近の放射線のモニタリングの数字は9時の時点で11930マイクロシーベルトという非常に高い数値を示しました。しかし、その後12時半には1362、これが、直近なんでしょうか15時30分には596.4と、勿論平常値より高い数字ではございますが、人体には影響を与えない程度の水準に下がってきて、そしてその下がっている傾向にあるという報告を受けております。なおここでの11000という数字はですね、普通に生活をしていて一年間に受ける放射線の量と大体これが匹敵すると。これを当該地点にもし1時間いれば、その量になるということでございますので、瞬間的の数字ではございますので、勿論緊張感を持って受け止めなければならない数字であるというふうに思いますが、一瞬の一時的な数字であった、そして低下をしてきているということで、この点については若干安堵を致しております。それから4号機につきましては、すでに報告がなされているかと思いますが、火災は外形上鎮火したものと見えるというこの報告を受けておりまして、この鎮火が外形上でございますので、その内部等状況をしっかりと精査、確認をして対応していかなければならないということで、この調査といいますか、検討といいますか、をされているという報告を受けております。それから、前回の会見で大変高い数字が出まして、ミリシーベルトの数字が出まして、これが大変強い緊張感を持ってこの事態に対応しなければならないということの、1つのベースになったものでございますが、これについてはその後の分析によりましてですね、可能性としては昨日の建屋の崩壊によって生じた瓦礫の原因ではないかという見方も出てきております。いずれにしても断定はできないものでございますが、こうした数字が恒常的に出てくるような状況ですと大変大きな数字でございますので、危険な状態だというふうに思っておりますが、正門付近の数字が先ほどのように一時高い数値を示しましたが、500台まで下がってきているということでございますので、この状況をしっかりと注視しなければなりませんが、4号機から大変高い濃度の放射性物質が継続的に出ている状況ではない可能性があると、そういった観点で検討、分析をして頂いていると、こういう状況でございます。
記者:それはその3号機が400ミリシーベルト、4号機が100ミリシーベルトという値がありましたけれども、その今おっしゃったように、正門が低いことによって、継続的にその放射能漏れは起きていないという、それは今の現状のそういう認識ということでよろしいんですか。
官房長官:最終的には専門家の皆さんを含めて断定しなければならないと思います。私の今の立場では、どこかで専門的に断定されたという報告までは受けておりませんので、継続的に出ているものではない可能性がかなり出てきていると。しかし断定はまだするべきではないので、しっかりと検証していると、こういう状態だというふうに認識しています。
記者:ちなみに、3号機と4号機の地点での新たなモニタリングポストの数値っていうのはあるんでしょうか。
官房長官:ここはまさに先ほどご紹介をした推論によれば、非常に高い濃度のですね、瓦礫がある可能性があるということですので、この点については注意深く作業員の皆さんについてもして頂かなければいけませんので、現時点ではこの近辺についての新たな数字はまだ入っておりません。
記者:4号機の使用済み核燃料棒の、現状まだそのプールの中に入っていないのか、まだどういう状態なのか、今そういう情報はございますでしょうか。
官房長官:プールには入っているんだというふうに思いますが、それがどの程度水のほうが減っているのかということについては、必ずしもデータは入ってきておりません。温度がまさに一番安定している状態よりは高くなっているということについての報告は受けております。
記者:朝日新聞のサトウです。いずれもですね、1から3号機については、燃料棒が露出した状態というのは、まだ続いてるんでしょうか。
官房長官:これも断定できるものではありません。しかも、特に今日はですね、他の要因による放射線測定値の増減変化がございましたので、断定できるものではないというふうに思っておりますが、注水が安定的になされていると。それから、原子炉の圧等の状況から、特に大きくですね、ここでなんというんでしょう、放射性物質が特に出るのが増えているというようなことの可能性は勿論慎重に検討しなければなりませんが、低いというふうに受け止めています。
記者:すみません、共同通信の●●バですが、●●もらいたいですけれど、福島第一原発で他の原子炉に問題が起きてないのか、1~4以外に5、6で問題が起きていないのかと、昼間に総理がメッセージされた際に20キロから30キロ以内の屋内退避を言われたんですが、あれは法律に基づく指示なのか、勧告なのか、どちらか教えてください。
官房長官:はい、まず第一原発については、あと5号機と6号機がございますが、いずれも停止中で、そこにありますのは、そこには勿論使用済みのものを含めて放射性物質がございますが、今のところ温度が若干上昇していると、これについては留意してみていかなければならないということの報告を受けております。
記者:5号機、6号機について、予防的な措置を取られるようなお考えはあるんでしょうか。
官房長官:それは検討して頂いてると聞いております。
記者:総理の昼間の…
官房長官:あ、失礼しました。これは法律に基づく指示であります。
記者:テレビ朝日のコバヤシですが、昨日から今朝の総理が東京電力の方に向かれて、東京電力側の情報の出し方とか、スピードとかに問題があるということも指摘されてたんです。総理が行かれて以降ですね、東京電力側の対応で変わった体制というのはあったんでしょうか。
官房長官:努力は頂いているというふうに思いますが、しっかりと対応をしていただかなければいけないと。まさに大変大きな国民の皆さんに影響を与える問題でありますので、これ常に留意してまいりたいと思っています。
記者:日本テレビのヒラモトですけれども、20キロとから30キロのその住民の方への屋内退避の指示ですけれども、今拡大していっている状況ではないという情勢分析がありましたけれども、今後どれぐらいまで続くというメドみたいなものはあるんでしょうか。
官房長官:まさにいろいろな通知や原子炉の状況等を踏まえて検討していかなければいけませんので、現時点で断定的なことを申し上げるべきではないだろうというふうに思います。
記者:2号機は引き続き冷却できているという認識なんでしょうか。それと、2号機の圧力容器内の燃料棒が●●。
官房長官:まさにこれは専門家の皆さんが現時点で測定できている数値等に基づいて、ご評価を頂くべき事項でございますけれども、圧力とそれから水流がしっかり流れているという点から、冷却の役割は果たせているのではないかというのが一般的な見方だというふうに報告を受けております。
記者:●●プールの●●は燃料棒にあまり影響は与えていないというところなんでしょうか。
官房長官:そのことが直接どの程度、いろいろな意味で影響を与えているのか、それからこれから与える可能性があるのかというのは、これは慎重に専門家の皆さんも分析をしていただかなければならないと、我々も注意深く見守らなければいけないというふうに思います。
記者:日本テレビのアクイです。先ほど会見でもおっしゃったその3号機付近で400ミリシーベルトという値なんですが、当初東電の現地の事務所では確認していないというふうに言っていたんですが、このモニタリングの主体はどこなのか、そして報告はどこから上がってきたのかということについて説明していただいてもよろしいですか。
官房長官:東京電力、と報告を受けています。東京電力だと報告を受けております。
記者:テレビ朝日のコバヤシですが、もし数値を持ってたら教えていただきたいんですが、政府として人体に影響がある数値、その判断になっている基準の数値、どれぐらいの量でどれぐらいの時間浴びると人体に影響があるという判断を下しているのか、目安となる数値を教えて頂けますでしょうか。
官房長官:これ当然、勿論専門家の皆さんが専門的に分析されるわけでありますが、当然我々もそうした評価のご報告に基づいて様々な判断をするに当たって、当然数字は持っておりますが、これこそどれぐらいの時間を浴びて、どういう影響等というところが、全部前提になります。高い数字でも一瞬の場合、低い数字でも長時間の場合、ということで、全く影響が違ってくるという種類のものであるというふうに聞いておりますので、軽々な表現をしてですね、無用な不安を与えたり、逆に変に安心をして頂いたりということがあってはいけない。皆さん冷静に対応して頂く局面だというふうに思っておりますので、こういったご説明にとどめさせていただきたいと。内閣の側としてはですね、専門家の皆さんと測定されている数値に基づいて、専門家の皆さんの作って頂いている基準に基づいてですね、例えば退避等をお願いするとの判断をしているということでございます。
記者:各自治体でもすね、その一部の自治体によっては数値を発表しているんですが、通常の何倍か程度の発表しかなくて、それを聞いたそこにいる住民の人は逆に不安になるということもあると思うんですね。もし目安があるんであれば、出していただけるんでしょうか。
官房長官:その点についてのご要望というかですね、当然当事者の皆さんにとってはある意味当然の思いだというふうに思っておりますので、どういう説明の仕方をしたら、誤解なく趣旨が伝わるのかということは、本当に重要なことだと思いますので、それが可能かどうかを含めてですね、専門家の皆さんを含めて検討してまいりたいと思います。
記者:共同通信の●●ですが、先ほど5,6号機の温度が上昇しているとおっしゃいましたが、上昇している理由はまたポンプ系統に何か不具合があるのかということを…
官房長官:こちらも使っているプールの水についての、これは正確な表現はなかなか専門家の皆さんにしていただいた方がいいんと思うんですが、これの冷却し続けるための努力が津波の影響によって上手くいっておりませんので、じわじわと上昇していくということは想定されていることでありまして、これをどうやってしっかりと抑えていくのかということは必要になっていくというふうに思っております。
記者:読売新聞のクリバヤシです。確認なんですけれども、3号機のですね、あ、2号機のですね、サプレッションプールだけではなくて、格納容器本体部分の損傷も●●っていることの可能性はあるでしょうか。
官房長官:具体的にこの部分の可能性が高いということで、コンペ―ションプールの話を専門家の皆さんからの話に基づいてご報告をさせて頂きました。しかし全体としては、圧力の状態でしっかりと冷却ができているのか、そしてもうひとつは一定程度の人体に影響を与えない程度の放射性物質の外へ出て行くという状況にとどまっているのかという観点が重要であって、炉の内部でございますから、具体的に直接検証することはできませんので、そうした状況の中でその部分の損傷という可能性が高いというご報告の中で、全体としての外に出ている放射線の量のモニタリング、そして水流やそれから圧力等のチェックによって現状では、まだ必ずしも安定的といえるかどうかは別として、冷却の機能は一定の役割を果たしていると、こういう分析をしているということです。
記者:その部分というのは、具体的にどこですか。
官房長官:コンプレッションプールの部分です。
記者:長官、あのー原発の対応で大変なのはよく分かったんですけど、●●のですね、マーケットの動向について政府としてどう御覧になっていて、あのー政府としてどう対応しようと思っているのか教えて●●。
官房長官:あのー地震津波によってですね、我が国はおおきな打撃を受けておりますが我が国の経済力、それを支える技術力、そうしたものの基盤はこのことによって全く揺らいでおりませんし、日本国民の総力を結集してこのこくなんというべき状況を乗り切っていけるというふうに私は思っております。そうした中においてしっかりとこうした我が国のありようというのは様々な皆さんに一定のご評価とご理解は頂けるのではないかというふうに思っております。もちろんそうした中で、日々の株価の動向についてはしっかりと動揺することなく冷静に注目をして、注視をして参りたいと思っております。
記者:すいません、あのーちょっと話題が変わって恐縮なんですが、統一地方選の延期の問題について、与野党で一律に延期するというのは話はまとまらなかったようですけども、政府としてどの地域をどれくらい遅らせるかというのはお考えでしょうか。
官房長官:ま、この件についてはもちろん実際の執行についてですね、行政の側でやっていくわけでありますから、注視をしておりますし、それに関しての知見というか認識ということは当然色んなご判断を頂く前提になるかと思いますが、まさに選挙のことは行政ではなくて国会において与野党間でご協議を頂くことだと思っております。
記者:すいません、中国新聞のアラキと申します。先ほどの高濃度の放射能漏れのことで、ちょっとお尋ねするんですけど、継続的に出ていない可能性があると先ほど長官が言われましたが、事が事だけにですね、最悪の事態を想定して対応するのが非常に大事かなと思うんですが、政府としての対応を改めてちょっとお聞きしたいんですけども。
官房長官:はい。私も注意深く可能性ということで申し上げたつもりでございます。一番そうした数値が出ていることについてですね、国民の皆さんの生命、身体等に影響を与えるような原因である場合を想定した中で、その可能性を消していけるのかどうかというような考え方で、専門家の皆さんのご判断や分析としてですね、政府の役割としてはそうした責任を果たしてなければいけないということは、この間もやってまいりましたつもりですし、今後もそうしていかなければいけないと思っています。
記者:関連して、長官これまでですね、繰り返し会見を開いてこられたと思うんですけど、その健康被害がですね、生じないように何とか止めたいというふうに繰り返し言われてましたけれど、結果的に見るとそうはなってない状況についてですね、どういうふうに思われてますか。
官房長官:大変大きな被害の中で、あらゆる可能性があるという状況の中で健康被害の与えない範囲内でなんとかそのダーメージをですね、食い止めるべく全力をあげて参りました。しかし、今回ですね非常に高い数値の出ているという状況を招来をしているということについては、大変残念に思っておりますし、一層の努力でこれを更に悪化させることなく何とか改善方向に持っていくべく、更に努力して参りたいというふうに思っています。
記者:時事通信のコウケツです。4号機の火災の原因、要因というのか、原因について改めて分かったことがあるのかと、それから5号機、6号機が現在たどっている仮定というのと4号機が火災に至った仮定というのに、類似点というのか、関連性というのはあるんでしょうか。
官房長官:専門家の皆さんを含めた分析で原因を意思断定した、あるいはこの可能性であろうというようなところまで行っているという報告は頂いておりませんが、これは午前の段階でも水素爆発の可能性が高いというところまでご報告した段階は変わっておりません。第5、第6についてはそうした状況を招来しないようにどういう対応ができるのかということについて努力しているところでございます。
記者:先ほどの質問とちょっとかぶるんですが、これまでの避難区域について、その屋内待機の設定というのは、今の作業が上手く行われて、新たに何か起きても、現状の数値をもって区域を設定されていると思うんですが、これ以上悪化した場合のことに備えて、改めてそういった区域を設定し直すことは考えていないでしょうか。
官房長官:現状で専門家の皆さん、特に原子力安全委員会の安全を確保する皆さんの機関でありますので、の皆さんのご評価等をですね、元にしてですね、検討、検証している状況の中ではですね、現時点の状況が前提であるならば、こうした対応の中で国民の皆さんの健康に与える影響というのを抑えることができるというふうに分析を致しております。勿論この間、なんとかそういったことがございましたが、新たな事象が生じた場合には、それに対応する新たな措置ということは、可能性としては否定は致しません。
記者:それと臨界が起きたりとか、爆発が起きた場合に、爆発というのは原子炉そのもの爆発が起きた場合、今のその区域の設定の仕方で、それこそ健康に影響が出ないような範囲で止(とど)まってるんでしょうか。
現時点の状況の中で何か起きうる可能性のある範囲のことを想定して、現在の退避のエリアを設定していると、こういうふうにご理解をください。