官房長官の記者会見テキスト(2011年3月18日16時18分から45分間)

【冒頭発言】

 記者の皆さんにはお待たせをいたしました。 未曾有の大地震、大津波から1週間が経過をいたしました。

 この震災で亡くなられた、たくさんの皆さんに改めて御冥福をお祈りを申し上げるとともに、被災をされた皆さんにお見舞いを申し上げます。

 今なお、多くの皆さんが食べ物、あるいは暖をとる手段、いろいろなものが不足をしている中で、避難生活に耐えておられることに、政府として本当に忸怩たる思いでございます。

 全力を挙げて、こうした皆さんの状況を少しでも改善をしていくために、更に全力を挙げてまいりたいということを、地震発生から一週間のこのときに、改めて決意をいたしているところでございます。

【質疑応答】

記者:長官、あのー朝日新聞社のサトウです。大変な事態のときにですね、先ほどの政府野党会議では内閣法の改正というものを提案されて大臣を増員するという提案が民主党側からされました。今ですね、この事態において大臣を増やす必要性があるのか、現体制で、今の体制でですね、乗り切れるということは不可能なのか。その辺についてお願いします。

官房長官:内閣の立場は、法律に基づいて内閣総理大臣が選ばれて、その法律に基づいて行政業務をしっかりと責任をもって遂行するということでございます。現在の内閣法では17名の国務大臣、ということが定められておりますので、その定められた件数の中で全力を挙げるということがその責任だというふうに思っております。もしこうした大災害という事態を踏まえてですね、国会の方で異なった決定をして頂けるのであれば、そのことをその時点で有効に生かさせて頂きたい。こういうふうに思っています。

記者:読売新聞のクリバヤシです。法律のもとにということは分かるんですけれども、具体的に今、地震対策、原発対策諸々対応する中で閣僚の数が足りない、対応できないというような認識があるのかどうかということをお伺いします。

官房長官:まああのこれは人事権が内閣総理大臣の専権事項でございますので私の立場からどこまで申し上げていいのかは、なかなか難しいところがあろうかというふうに思っています。ただ、ここまでの一週間はあらゆる意味で危機対応ということで国会の方も審議なくご理解を頂いてきておりますし、まあこの震災、当然広い意味での原子力のこと含めてでありますけれども、こと以外のことはほとんど待って頂いている状況でございます。ただこの間、震災対策のまさに陣頭指揮をですね、官邸の危機管理センターでとってきて頂いている松本防災担当大臣、この間はそれに専念してきていただいておりますが、いずれは環境大臣を兼務しておられますので、環境大臣の業務が出てくるということはなかなか難しいだろうなぁと率直に思っております。私も官房長官、様々な役割ございますし、沖縄の問題、北方対策の問題、大変重要でございますが、両方をこの危機対応含めてですね、対応していくということは果たして中期的に可能かどうかというようなことはあろうかと思います。ただ、法律で定められてそれに基づいて仕事をするわけでありますから、いかなる状況でも万全を期して全力で当たるということだと思っています。

記者:その関係なんですけれども、産経新聞のオダですけれども、今日の定例会議では民主党の岡田幹事長からその増員について3人という提示があったということなんですが、政府としては仮に3人増やす場合は何を増やしたいのかと、どういうお考えなんでしょうか。何について3人分増やしたいのかということについて。

官房長官:あのー繰り返し申し上げますが、具体的な人事は、閣僚人事というのは内閣総理大臣の専権事項でございますので、それは私の立場からは何か具体的に申し上げるべきことではないと思っています。

記者:日本テレビのヒラモトです。話題変わるんですけれども、福島第一原発についてお伺いします。今日、東京消防庁のハイパーレスキュー隊が入るなど放水、あと電源の回復については、冷却装置の復旧など、現時点で網羅的な情報を確認するところを教えて頂けますでしょうか。

官房長官:はい。電源を外から引いてきて、そういう作業については進んでいるということの報告は受けておりますが、まだそれによってどこかの部分が外部電力によって復旧したという段階には至っておりません。今、放水を一旦行って、一旦今の段階では、そちらの方をこの直前の段階では電力の供給の方の作業をしているという報告も受けております。それから放水についてはこれはあの、既にご承知の方が多いかと思いますけれども、本日の午後、3号炉に対する給水を行いまして、今メンバーを入れ替えて引き続き3号炉に対し、さらに今日中に継続ができるかどうかという状況だというふうに聞いております。

記者:東京消防庁の方は。

官房長官:具体的なチームについては消防庁、自衛隊、そして米国から提供いただいている放水車、これは東電の職員なりが運用しているようでありますけれども、こうしたものを順次駆使してやっているという報告を受けてます。

記者:朝日新聞のハヤシですが、3号炉への注水作業の進捗状況で、現在燃料プールにどの程度水が入っているかというのを●●。

官房長官:現時点で確定的なことは申し上げる段階ではないと思っております。ただ、水蒸気等が放水にあたって出ているということから、プールの方に注水がいっているということについてはほぼ間違いないだろうという報告を受けています。

記者:●●、●●と申します。気象庁などが東海大地震の恐れがあるのではないかという見解をしております。様々なところでこうした懸念が払拭されない中、浜岡原発を停止し●●ないのはなぜかという声も上がっております。官邸にも福島みずほ社会民主党党首が緊急停止のですね、申し入れをしたはずですけれども、こうした声に対して政府としてどうお答えになるか。原発の賛否は置いておいて、緊急避難的な措置としてですね、緊急停止をお考えになることはあり得ないのか。このあたりの見解をお示し頂きたいと思います。

官房長官:福島党首をはじめとしてそういったご意見があることは承っております。あらゆることについて、こうした危機的な状況でありますので、この件に限らす、今政府はあらゆる問題について一定の前提をおかずに、様々な声を受け止めているという段階です。

記者:日本インターネット新聞社のタナカリュウサクと申します。計画停電についてお伺い致します。本日、私東電のこの問題の技術方に直接聞いたところ、電力需要量の数字は東電側から政府に提出しているという答えが返ってきました。実際のところどうなんでしょうか。

官房長官:それぞれの個別の日々、それから時間帯によって電力需要の見通しについては変化を致しますが、それぞれについて一定のご報告は受けております。

記者:じゃあ要するに東電の数字をやっぱり元にしているということですね。

官房長官:あ、計画停電についてですか。

記者:いや要するに電力需要量です。計画であろうが計画でなかろうが。

官房長官:見込みの需要量とそれから実際の需要で使われた電力量それぞれについて、あの、その都度その都度ではありませんが、報告を受けてはおります。

記者:政府のオリジナルの数字は持っていないということですね、では。

官房長官:これは当然あのー電力消費量は電力会社が供給しているものですから、その消費量を把握できているのは当然東京電力であります。

記者:じゃあ東電の言いなりじゃないですか。こうやって需要が足りないぞと言われたら。

官房長官:実際の需要見通しだけではなくて、実際に供給された電力量、消費された電力量についての報告も受けております。

記者:フリーのシマダと申します。ロシアのですね、非常事態省のジェイブ大臣が日本にその専門家、救援部隊を派遣するということを仰っておりますけれども状況はご存知でしょうか、それに対してご存知であればどう対応する予定でしょうか。

官房長官:あのー各国から様々なご支援についてのお申し出はいただいております。そしてその中で特に原子力発電所関連については米国と、すでに専門家も日本に送って頂いておりまして、専門家のレベルでもディスカッションをしっかりと進めていただいて、こちらの状況、そしてそれを踏まえての米国側で対応をしていただける、ご協力いただける内容などについてはディスカッションをして頂いているところであります。それ以外の国についてもですね、様々なお申し出と、それによって何を提供していただけるのかということ、そしてこちらの側の、特に専門化のレベルでの原発については、必要とされている知識、情報、あるいは態勢等について専門的なレベルでのご判断やご意見踏まえて一義的には米国以外とは外務省を窓口にお話をして頂いているというふうに聞いております。

記者:現状では米国だけということですか。

官房長官:現状で原子力発電所のことについて、具体的に、専門家を日本に送って頂いているのは米国、それから事務総長がIAEA,日本人ですが日本に来られましたので、そういった意味ではIAEAということだと思っています。

記者:フリーランスの●●です。枝野長官、寝ていますでしょうか。

官房長官:あ、はい、あのーこれはですね、現地において本当に厳しい状態で寒さに耐えて眠れないという方も少なからずいらっしゃるという状況です。あるいは、救援、救難活動に現場で努力をして頂いている自衛隊の皆さん、警察のみなさん、消防の皆さん、あるいは医療関係、ほんと不眠不休でやって頂いております。それから、それだけではなくて、あのー例えば、様々な行政機関の皆さんも不眠不休の努力を続けて頂いております。私自身はあのーもちろん、政治家の役割、責任はまさに判断をすることだと思っておりますので、その判断に悪影響を与えることは結果的に国民の民さんにご迷惑をおかけるすことだ思っておりますので、その判断に悪影響を及ぼさない範囲で最大限やらせて頂いているつもりです。

記者:不眠不休の枝野長官に申し上げにくいんですが、官邸に情報がきちんと上がっていない、そして、誤情報を掴まされているんじゃないかという危惧があります。国民の不安にも繋がっています。また、海外メディア、そして海外の政府、いろんな形で情報を出していますが、それはどうも齟齬がある。一つ具体的にお伺いしたいのが、アメリカ始めイギリス、フランスが現在、福島原発の80キロ圏外への避難を言っています。日本政府は30km、この間の50kmというのはどうやって捉えればいいのかということを地域の住民が非常に心配しております。海外の政府が正しければ、それは正しいと言って日本政府が変更するか、日本政府が正しいんだったら、海外の政府に対してそういうデマを流すなと言って抗議されるか、どちらなんでしょうか。

官房長官:あのー原子力発電所からの退避指示の内容については、いくつかの国が、日本におられる自国民に対する指示等の内容と政府が発表している内容が確かに異なっております。しかしながらこれは、これまでも実は何度も申し上げてきておりますが、海外におられる自国民保護という観点からは、一般的に求められている水準よりも、より保守的な水準で様々なことを指示をするというのが、私はそれぞれの政府の当然の対応だと思っております。わたくしが同じ立場でも、つまり、日本の国外で同種の事態が生じて、日本国民の退避について様々な判断をするにあたっては、科学的客観的に適切だと思われる数値を超えてですね、様々な指示をすることは当然自国の政府の責任としてありうるというふうに思っております。そうしたことの中で、日本政府としては、今様々お話ありましたが、今私どもが把握をしている専門家の意見も含めたデータの中で適切と思われる退避に対する指示等を出させて頂いております。そしてその数字の違いについては、アメリカ政府の方の中からも日本政府の判断は適切であるという趣旨のご発言も出ているというふうにも承っております。

記者:今日オバマ大統領は80kmということで、80キロ圏外に出ろということを発表しました。日本時間で、明朝。ということは、オバマ大統領が言っていることが間違いということでよろしいですか。

官房長官:それは、我が国のまさにきちっと責任ある立場として、実際に得られているデータ、情報、そして専門家の分析に基づいて日本政府としては国民の皆さんに対して、適切な判断として今の指示をさせて頂いております。しかしながら、他国のそれぞれの政府が外国にいる自国民保護の観点から、様々な判断に基づいて、それと異なることをなさることは、逆の場合でも私は当然あると思っておりますので、ありうることだと思っています。

記者:申し訳ないけど最初3キロと枝野長官言ったんです、一週間前。圏外に。それから10キロ、20キロ、そして30キロと増やしていってます。これが国際的に不信感を生むべき結果になっているんです。通常結果責任ですから。このような形で広げていったことは結果として間違いであったと今ここで仰ってください。訂正してください。

官房長官:私は、それぞれの事態の状況に応じて、その時点で必要とされる判断を専門家の皆さんの意見を踏まえて政府として判断したものを伝えさせて頂いております。この間、事態は変化をしてきています。それぞれの状況、現状を踏まえてその時点でより事態が万が一悪くなることも想定しながら、その時点で取りうる策を指示しているのであって、状況が一週間前と同じであるならば、それは一週間前の判断が間違っていたということだと思いますが、今時点の例えば様々なデータ、それから、現地の状況から考えて、今想定される事態の中では今の水準で退避をして頂きたい、こういう指示をしているところです。

記者:毎日新聞のカゲヤマです。関連ですが、先ほど科学的客観的なものを超えて海外は判断をしていると仰ってましたが、オバマ大統領の80キロ圏外への避難勧告の説明の中で、オバマ大統領は米国民の安全を確保するため、慎重な科学的評価と指針に基づいた決定と説明しています。決して科学的客観的なことを超えて判断しているわけではアメリカのオバマ大統領、ないと思うんですがこれについてどのように思われますか。

官房長官:まず前提として私が申し上げたのはそれぞれの国がそれぞれのご判断があるということはあり得ることですと申し上げました。そうしたことの中でそれぞれの国がどういう事情を判断要素に入れているか、まさにそれぞれの主体的なご判断だというふうに思っています。私がみなさんにぜひお伝えしたいのは、今の時点でしっかりと政府として把握をしている様々なデータとそして現地についての把握している様々な状況、情報と、専門家の皆さんのそれに対する分析に基づいて国民のみなさんの健康に影響を及ぼさない、今の時点から当面の時間予想される事態というものの範囲内で必要な措置はしっかりと判断をしてお示しをさせていただいていると。それ以外の様々なご判断、ご意見があるのは、こういったものについては当然のことで逆に、こうした広い範囲の退避は必要ないではないかというご意見も実は一部からはいただいております。しかしながら様々なデータと、しっかりとした、例えば、原子力安全委員会や原子力安全・保安院の皆さんのご意見を踏まえて、そして国民のみなさんの安全をしっかりと守るという観点から政府として決定をしたものであります。

記者:週刊朝日の●●と申しますけれども、ちょっと前の話で恐縮なんですが、12日の朝、菅総理がですね、福島原発の方に出向かれたと思うんですけれども、その出向かれることになった経緯ですね、例えばその東電から要請があったですとか色んなまあお話し合いが●●ですね、あったと思うんですが、●●どういう形で●●決まって行かれたのか、経緯を詳しく●●下さい。

官房長官:すいません、6日前のことでその間様々なことがございまして、率直に申し上げて詳細な、特に時系列的な段取りは今あのこの場で記憶を頼りに申し上げると正確でない恐れがあるというふうに思っております。あのー基本的には菅総理やこうした事態に対しては現場の状況をしっかりと把握をすることが重要だということで総理のご判断で行かれたということはこれは間違いありません。

記者:その判断は何時ごろ決まったんですか、

官房長官:まさに今この事態その後の一週間様々な事態があった中で何時ごろとお尋ねを頂いても記憶で申し上げると誤りがあるといけないのでそれはあのー申し上げられない。ご容赦ください。

記者:ニコニコ動画のナナオです。現状に関しましては、毎日長官からご発言がありまして同時に各担当大臣がそれぞれ懸命に対応されてるのは承知しております。こうした一方で大震災が発生してから一週間経ちまして、日本の最大とも言える危機を克服していくためのですね、全体的、包括的な計画、あるいは指針を総理から発表されるといったような予定はありますでしょうか。また、原発への対応含め長官と総理との間で何かお話されておりますでしょうか。

官房長官:はい。まああのこの間私の会見はまさに官房長官という役割は、まああの一種の総理に代わって様々なことを発表させて頂くと。もちろん先ほどの人事の話のように総理に代わっての立場ではお話し申し上げられない種類のこともございますが、そういう立場で国民の皆さんにもメッセージを発信させて頂いております。あのー今ご指摘頂いたようなお話については私も何らかの形で総理から国民の皆さんにこういうことでやっていこうということをですねお示しをする機会が必要だろうというふうに思っております。一つは今日が一週間という一つの区切りでございますので、今日のようなタイミングがいいのか、それとも今まさに実は目の前の原この子力発電所の、えー安全性を、しっかりと現状で踏みとどまって、そしていい方向に変えていくという一つの大きな大事な今あの時期であるということ。それからまさに被災者の支援という、こうしたことに全力で取り組まなければならないと今時期でありますので、どういうタイミングでどういうふうにそうしたメッセージを発信するかというのは、様々な事情を考慮しながら、まさに今日そうしたメッセージのある部分も出すかどうかも、今現時点でも検討しておりますので、日々検討しながら適切なタイミングで示していきたいと思っております。

記者:フリーランスのハタケヤマミチヨシと申します。地域の方がですね、不安を募らせているというのは、一体この事態がいつまで続くのかということだと思います。福島第一原発で起きている事態の収束、それから退避指示の解除にはどれくらいの時間がかかるとみておられるのか、お聞かせいただければと思います。

官房長官:これについてはですね、こういったときに楽観的なことをお話し申し上げるのは良くないというふうに思っております。今の時点では、まずは冷却をしっかりと行って、これ以上事態が悪い方向に進まない、この状態を今放水等によって確保をしつつあるところでございます。そしてこれが、次の段階ではより収束の方向へというところに向かっていける時期がどの時期になるかというのは、今まさに今進めて頂いている、現場でご苦労頂いている自衛隊、消防警察、そして東電のみなさんの努力の結果によってはっきりしてくるところでございます。そしてその先の見通しはその時点で初めて申し上げる、あるいはその時点でもまだ申し上げられないかもしれません。まずは、事態のこれ以上の悪化を食い止めて、事態が収束する方向になんとかもっていくということに全力挙げている段階です。

記者:すいません、共同通信のテジマですが、午前中の会見で原発制止を困難とする自民党の谷垣総裁の発言に対して枝野さんは至極最もだという発言をされましたが、改めて政府は成長戦力の一環として原発の輸出というようなことを考えていらっしゃいますが、それがどう変わっていくのかというお考えなど。

官房長官:まさに今原子力発電所については福島第一原発で起きている事象が国民の皆さんの健康に被害を与えるようなことにならないように、したがってこれ以上の事態の悪化を少しでも防ぐべく全力を挙げているところでございます。したがいまして、そのことと先ほどご指摘頂きました稼働中の発電所のことについては今の時点でもしっかりと検討しなければならないことだと思っておりますが、そうした先のことについては、まさに今の目の前の事態をしっかりと対応しきった上できちっと判断をしていかなければならないだろうというふうに思っています。

記者:それに関連して、他国でも既に稼働中の原発を一時停止したりして原発政策の見直しが広がってますが、現に日本でも一つ止まっていることで計画停電という事態になっていると思いますが、エネルギーを供給していく上でどうしていこうとお考えでしょうか。

官房長官:まずは今の事態においてもですね、東北、首都圏、東北も少し先で明日明後日のところは大丈夫だというふうに聞いておりますが、相当電力消費量を抑えるということをやりませんと供給が追いつかないという状況であるのは間違いありません。もちろんそういったことを当然、今計画停電でご不便をおかけしているわけですので、同時にこちらについての対応はさせて頂いておりますが、全体の原子力政策をどうするかということについてはこうした事態をしっかりと対応をした上でですね、えーきちっと検討しなきゃならないと思っています。

記者:長官、読売新聞のクリバヤシです。あのー先ほど、稼働中の原発についてはしっかりと検討しなければならないと仰いましたけれども、ということはその、現に被害を受けていないですね、政府と離れた原発についても電力の受給について調整がつくならば、停止させるということも具体的に検討されているということでよろしいんでしょうか。

官房長官:いえ、今、最初の質問に対して申し上げましたとおり、こういう時期でありますから、原子力の問題に限らずですね、ありとあらゆるご意見、ご提言については予断を持たず全て俎上に載せるということの意味です。

記者:すいません、中国新聞のアラキと申します。確認を含めてですけれども新規の立地計画についてなんですけれども、山口県の上関町で中国電力が新しい原発を作る方向でですね申請をしていますが、こうした新規立地のですね、計画についてはどういう●●でしょうか。

官房長官:いずれにしても、今政府の側の原子力関係の関係者は総力を挙げて福島第一原発の事態の収束に向けた努力に取り組んでいるところでございますので、いずれにしてもこれがしっかりと収束を迎える、あるいはその方向がはっきりするということになるまでは、それ以外の部分については前に進めることはあり得ないというふうに思っています。

記者:毎日新聞のカゲヤマです。原発の収束見通しなんですが、アメリカ原子力規制委員会の委員長は、福島第一原発事故について対処するのに時間がかかるとみられる、恐らく数週間単位だろうとの見通しを示しています。アメリカ政府がある程度見通しを示しながら、自国政府が見通しを示さないというのは危機管理の観点からいってもあり得ないと思うんですが、見通し不能ということなんですか、それとも言えないということなんでしょうか。

官房長官:これも収束というのが、何をもって収束というのか、まさに色んな段階があります。そして、もう一つは、まさに日本の政府は国民のみなさんにしっかりと正しい情報をお伝えをする責任があるというふうに思っております。従いまして、そのしっかりと、確実な見通しでなければ、日本政府としてはそれを示すべきではないというふうに思っています。もちろん、様々な立場、様々なご意見の中ではいろいろな見通しが当然ありうるだろうというふうに思っておりますが、責任ある立場以外の皆さんのところから見通しが色々あることは当然のことだと思いますが、政府が見通しをということを申し上げる以上は、ほぼその通りになるという確証がなければ申し上げるべきではないと、その立場の違いはご理解いただければと思います。

記者:すいません、今色んな段階とありましたが、とりあえずその放水注水はどのぐらい必要かというまず最初の段階についての見通しは持っていらっしゃるんでしょうか。

官房長官:これまさに今現にですね、電力、外からの電力を引っ張ってくるという作業をしていただいております。これがどれぐらいの時間で出来上がるのか、そのことによってどれぐらいの様々な危機が、そのことだけで回復するのか、あるいはそれと同時に様々な修理補修等が必要であるのか、まさに今目の前にやらなければならないことを、特に現場の皆さんは全力でやって頂いておりますので、そうした情報がなければ見通しも立てることはできません。今は事態の悪化をこれ以上食い止めるための万全の措置を取って、何とかこれをむしろ収束の方向に向かわせるための、特に現場の皆さんは大変厳しい環境の中で全力を上げておりますので、見通しを立てるために別に情報を上げろというようなことを現場に申し上げられる段階ではないと思っています。

記者:すいません、産経新聞のノダですけれども、震災、発生してからですね2回目となるんですが、明日明後日、週末を迎えるんですけれども、計画停電の件なんですが、明日明後日週末に関してはどのような見通しで●●されるのか教えてください。

官房長官:あの東京電力からは土日月の連休中も計画停電を実施する予定であるという報告を受けております。

記者:昨日の段階では大規模停電があるかもしれないという警告的なものがあったんですけれども、この週末においてはですね、そのようなことはあり得るんでしょうか。

官房長官:これについては、私計画停電の発表がなされてその後の計画停電に関するご報告のときはほぼ申し上げてきてるというふうに思いますが、あのーまさに今の電力の供給量からすれば皆さんが普通にお使いになれば、不測の大規模な停電が起こり得る、つまり、供給量が需要より足りなくなってしまうということが想定できる。だからこそ計画停電を実施している。しかも鉄道交通網についてはこれはもう一定程度動かさないと違った意味で生活に対する影響が大きいということの中で、ギリギリの努力をしていただいて鉄道運送をできるだけ確保するということをやって頂いております。したがいまして、しっかりと節電等がなされないというような状況があればそういったことは一般的にありうる状況はずっと続いていると。だからこそ計画停電を行っているということでありまして、その中でも特にそれぞれの日のまさに需要の実績を踏まえて、あるいは変更等の見通しを踏まえて昨日は大変そうした可能性が高まったということで東京電力からも発表があり経産大臣等などもですね、その実際の需要のデータも踏まえてですね、そうしたメッセージ発したものというふうに思っております。

司会:大変長くなっておりますので質問が簡潔にお願いします。ご協力下さい。

記者:フリーライターのウラカミと申します。政府は色々なことを想定されてるというふうに思いますが、最悪の場合どういった●●を想定されてますでしょうか。

官房長官:あのーこれもですね、最悪の場合というのはどういったことの意味を指すのかというのはあのー例えば、何もない状態で日々いるときに想定されてる最悪の事態というのは常に最悪の事態としてあるわけであります。今、現に震災が生じている、あるいは原子力発電所については事故が生じているという状況の中で今の状況から、次の段階として悪化をした場合あり得ることについて想定をしているということでありますけれども、あの今のところそうした方向に向かっているのではなくて、そうした状況を食い止める努力が一定の効果を挙げている、こういう状況だと思っています。

記者:●●新聞の●●です。被災地への●輸についてなんですが、自衛隊による輸送スキームをこないだあの●●されたかと思うんですが、現時点ではですね、災害対策法に基づくですね、日本通運による輸送ですとか、トラック協会の仲介ですとか、あとは都道府県からの協定に基づく委託ですとか、あとはその他色々自治体ですとか錯綜していてですね、現場の方ではかなり色々●●ですね、混乱しているということもあるんですが、これを政府としてですね、調整整備する必要はあると考えていらっしゃいますでしょうか。

官房長官:この間、率直に申し上げて未曾有の大地震と大津波が日本を襲いました。その結果としてですね、一般的な災害対応として想定をされていない事態が多々生じました。例えば基本的には住民の皆さんに対する、被災をされてる住民の皆さんに対する例えば食べ物の供給、その他のサービスについては市町村が主体となりそれを都道府県がサポートするという法体系になっております。しかしながら、現場の市町村の役場自体が機能を果たしていない、そもそもどういった被害実態にあるのかということが、そうした状況ですから県庁等にも報告をされない、などという様々な事態が生じました。これに対し実際にその場に救命を待っていらっしゃる方もいらっしゃる。実際に避難所等で救援を待ってらっしゃる方もいらっしゃる。ということで例えば自衛隊の燃料等を直接ですね、自衛隊の持ってるものを、運搬ではなく自衛隊の持ってるものを提供するなどというこれまでなかった異例の措置などをはじめですね、様々に現実に連絡が特に取れていない、あるいはその他の輸送手段がない被災者の皆さんのところに対応していくというまさに危機対応をして参りました。一方で、そうしたやり方が長時間続くことはできませんので、本来のルートを復旧しながら本来のルートをできるだけ増やしていくという努力を重ねておりますので、それが錯綜している段階では若干、あのー特に現場の当事者の皆さんにはご迷惑をかけてる点があろうかというふうに思っています。しかしながら、あのー徐々に本来のこうした場合に想定されてるであろうプロセスで現場に様々な物資が届けられる方向へ進めていくと。ただしそれを杓子定規に行政的に進めてしまいますと実際に現場にそのやり方では届けられるのに届かないということがあってはいけませんので慎重に進めていると、こういう段階です。

記者:すいません、関連でもう一点だけ。あのー●●法はかなり古い法典なんで、今日本通運さんだけが、日通さんだけが指定機関になっているんですが、現状日通さんだけではなかなか賄えない状況になってまして、例えばその他のヤマトさんですとか大きいところですね、指定機関を増やすという考えはありますでしょうか。

官房長官:あのこれ現実にはですね、被災地に物資を送り届けるということについて実際にその業務を行って頂いている皆さんに対しては、道路の状況事情等を踏まえながら相当柔軟かつ広範に緊急車両の高速道路を使えるような手続きなどを進めて頂いております。あのーいわゆる法的な手続きとして今ご指摘頂いたようなことが成す必要があるかということはあの受け止めたいというふうに思っておりますが、あの現実には指定機関であるかないかに関わらず現実として必要な輸送の車両等については対応をしてきておりますし、また、民間の皆さん対応してきて頂いております。

記者:すいません、河北新報のイワ●●です。三連休の21と●●なってるんですけれども、菅総理が被災地に入るご予定というのはあるのでしょうか。

官房長官:まだ確定を致してはおりません。あのーこれはなかなか正直言って難しい判断だと私は思っております。まさにこの危機の最高指揮官である総理自らが被災の現地に訪ねてその現状を見、それから現場の皆さんの声を少しでも直接お伺いをしてくるということは大変意義のあることだというふうに思っております。一方でいくらこちらの方からお願いをしても、総理が現地に伺うということは一定のエネルギーが受け入れ先ではかかることでございますので、そのことも状況によっては十分考慮しなければならないというふうに思っておりまして、あの今検討を致しております。ただ、やはり震災から一週間を越えてということは避難所におられる多くの皆さんが、一週間を越えて避難所における大変不便な。不自由な生活をされているという状況の中にありますので、もちろんそうした現場の実情や声はあのーしっかりと総理のところに官邸にも届いておりますが、直接見る、直接聞くということの意義の大きさというのは非常に高まっているのかなあと私は思っています。

記者:それに関連して共同通信のコシバですが、避難所が今不便にな状況になってるということで、午前中の会見でも被災者を避難ごと他の地域に移すということを考えておられると言いましたが、これに●●して宮城県知事も集団疎開を呼びかけました。こうした被災した自治体とどうやって連携していくような検討状況なんでしょうか。

官房長官:あのー疎開という言い方が適切であるのかどうかということはあろうかというふうに思いますが、特に病院、あるいは介護施設、あるいは高齢者の方、妊婦さん、様々ないわゆる震災弱者と言われる方をはじめてとしてですね、今回の震災は大変広範囲に被害が及んでいるということ、それから特に津波の被害地においては、根こそぎ持っていかれてその復旧には相当な時間がかかるだろうと思われること、様々な事情を考慮するとですね、えー当面の生活を全国各地の皆さんにご協力を頂いてということについては、かなり具体的にこの間も検討を致してきております。それぞれの関係主体等ともご相談しなくては、国でこうやれとい言っても受け入れて頂ける自治体、あるいは送り出す側の対応等必要でございますので、こうしたことについては今鋭意調整を進めているところでございます。

記者:それに関連して、受け入れについて●●というか前向きな自治体というのがあるんでしょうか。特に被災地じゃない地域で。

官房長官:これもあのどの程度のどういう受け入れならばというのはそれぞれ受け入れ自治体の皆さんにもお考えがあろうかというふうに思っておりますので、実際に受け入れ可能な範囲がどのぐらいあって、そうした皆さんはどれぐらいの期間とか想定をされているのか等踏まえませんとですね、実際には掛け声かけても動かないということであってはいけない、実際に動く仕組みに向けた調整を進めているということでありまして、そう遠からずこうしたことに具体的着手ができるのではないかと思っています。

司会:長くなっておりますので進行ご協力下さい

記者:中国の、●●●●マガジンというものですけれども、よろしくお願いします。今回の質問ですけれども、今回は責任というものなんですけれども、東京電力さんに責任があると考えていらっしゃるのでしょうか。

官房長官:こうした大きな地震、そしてそれに伴う津波、そしてそこから生じた原子力発電所の事故、いずれについても国民の皆さんの生命、財産を守る。そのために、救命、被災者支援、様々な対応について政府が総力を挙げて、全力を挙げて取り組むと、その一点で菅総理以下今全力を挙げているところでございます。その対応については、もちろん、今現に被災地の皆さん、大変寒い中で、食糧も十分にまだ行き届いていないところも少なからずあるという状況の中で、大変ご不便ご苦労お掛けをしています。それについては様々なご批判も当然あろうかというふうに思っておりますが、まずわたくし共は今全力を挙げて万全の、できる対応を取るということで取り組ませて頂いていることろであります。

司会:恐縮です、最後一問でお願いします。

記者:●●新聞のノグチと申します。先ほどIAEAの天野さんが●●れたときに、日本政府として福島原発の件で、大変な状況●●頑張って●●てでもさらなる電力をお願いしたいというふうに仰っていたんですが、もし改善点があるとすれば●●一体何が足りなかったと思っていらっしゃ●るか。

官房長官:情報の開示ということについては、官邸としては入手をした情報等については全てしっかりと国民の皆さんに公開をするということでこの間進めてまいりました。ただ、現地との物理的な距離もございます。それから、仕組み上、東京電力を通じてであるとかですね、そういったこともございます。尚且つその間の通信等が必ずしも万全ではないという状況等多々ありまして、まずはしっかりと官邸なりですね、あるいはそれから今の時点では色々整理させていただいて、原発周辺の例えば放射線量については保安院から、それからそれより周辺の部分のところについては文部科学省から、様々なデータ、公開をさせて頂いていますが、そうした情報を政府として掌握をして整理をするという時間がもっとスピーディーにできたのではないかということは思っております。ただ、入手した情報については、その都度適切に公開をする、あるいは元データを持っているところに公開をさせるということについては、この間も徹底して指示、実行して参りましたし、今後もそう進めて参りたいと思っています。

司会:最後でお願いします。

記者:長官、よろしいですか。福島第一原発の原子炉建屋の使用済み核燃料とは別にですね、敷地内に6400本ぐらいの核燃料があるということなんですが、これについての危険性について政府はどのように認識しているかということについてちょっと教えて下さい。

官房長官:今朝の時点で報告を受けた限りではですね、今の段階で危険の生じている状況では必ずしもないのではないかということで、しっかりとモニターをさせて頂いているところでございます。現在のところ水蒸気等の発生は見られていないというのが今朝ほどの報告でございますので、しっかりと温度等ウォッチして[管理をしていかなければならないと思っています(音声データが切れたため読唇による)]。