官房長官の記者会見テキスト(2011年3月21日17時58分から41分間)

【冒頭発言】

官房長官:私から何点か御報告を申し上げます。まず、ホウレンソウ、原乳等から放射性物質が測定をされた問題について御報告を申し上げます。昨日、厚生労働省からも細かい地点や数値を発表させていただいております。また、今日も各地でのモニタリングの結果、集計の上、厚生労働省から発表させていただきます。まず第一に、是非皆さんにしっかりと御理解、御認識をいただきたいのは、いわゆる暫定基準値を超える数値が測定をされておりますが、これは人体に影響を及ぼすような数値ではないということでございます。基本的に、昨日も申し上げたかと思いますが、この暫定基準値の基になっている考え方は、一生ずっとその数値のものを飲食し続けた場合、健康に影響の出る可能性がある、そういった大変低い数値を基準といたしておりますので、たまたま数回にわたり、そうした飲食物を口にしたことによって健康に影響を与える可能性はないというのが専門家の皆さんの認識でございますので、そういった意味では過剰な反応の無いよう冷静に対応をしていただきたいと、まずは冒頭申し上げます。その上で、しかしながら、こうした基準値を超えた数値の農作物がモニタリングの結果出てきておりますので、本日、先ほど原子力災害対策特別措置法第20条3項の規定に基づき、原子力災害対策本部長である内閣総理大臣から関係する都道府県知事に対し、一部地域、品目に関して食品の出荷制限の指示を出しました。今回の指示の品目や範囲を決定するに当たっては、これまでに取得したデータを基に、品目については作物の形態など、地域については、暫定規制値を超えた地点の広がりや原産地の表示が県単位で行われているという実態を踏まえ、原子力安全委員会の助言もいただき、決定をしたものでございます。具体的には、ホウレンソウ及び同様の形態の葉菜類であるカキナについて、茨城県、栃木県、群馬県、そして、ここはモニタリングできておりませんが、これらより福島第一原子力発電所に近い福島県に対し、各県内全域について当分の間、出荷を差し控えるよう指示をいたしました。原乳については、福島県に対し県内全域について当分の間、出荷を差し控えるよう指示をいたしました。繰り返しますが、今回の出荷制限の対象品目を摂取し続けたからといって、直ちに健康に影響を及ぼすものではありません。今回の出荷制限措置は、暫定規制値を超える状態が長く継続することは好ましくないため、決定することとしたものであります。なお、今後、各地においてさまざまなモニタリングをいただき、厚生労働省において集約をいたしておりますが、そうした調査結果を分析、評価した上で必要があれば追加の指示をすることとなります。なお、これら出荷制限の実効性を担保し、消費者の食の安全を確保するため、こうした出荷制限の対象については、事後において適切な補償が行われるよう万全を期すことといたしております。なお、水道については、昨日福島県飯館村の水道水から飲食物摂取制限に関する指標値を超える放射性ヨウ素が検出されましたが、これは厚生労働省の通知に基づき、飯館村が住民に対して水道水の飲用を控えるよう要請しているとの報告を受けております。こちらについても同様の規制値に基づいたものでありまして、現在、報告をされている検出の放射線量によれば、直接に、直ちに健康に害を与えるものではありませんが、念のため水道水は飲用を控えること。ただし、生活用水としての利用には問題がない。代替となる飲用水がない場合には、飲用しても健康には問題がないということを指示し、これに基づいて住民に対して、水道水の飲用を控えるよう、飯館村の方で措置をしていただいております。なお、本日この数値は下がっているという報告も受けております。なお、詳細のデータ、その他については、厚生労働省及び農林水産省において、この後、記者会見が行われますので、そちらでお聞きをいただきたいと思っております。なお、今回の出荷制限の地域と退避指示あるいは屋内退避指示がなされている区域には、食い違いがございます。しかしながら、これは退避地域あるいは屋内退避地域については、空気中の放射性物質についての測定値に基づいて、これが健康に万が一にも影響を及ぼすことがないような万全の措置として取らせていただいております。こうした意味では、この地域を越えた、今回、出荷制限等が行われている地域においては、こうした大気中の放射性物質の濃度について、この詳細も文部科学省から御報告をさせていただいておりますが、全く人体に影響を与えるようなレベルのものではないということでございます。ただ、飲食をするものについては、今、これを飲食したからといって、体に影響を与えるものではありませんが、長期にわたってこうした数値がもし続いた場合に備えて、今回出荷制限の措置を取ったものでありまして、大気中のものに接する場合と、それを飲食して体内に取り込む場合とで基準に違いがあるのは当然のことでございますので、くれぐれもこうした出荷制限地域においても、日常生活をする大気中の放射性濃度については全く問題がないということについて、お間違いのないよう受け止めていただき、また、冷静な対応をお願い申し上げる次第でございます。

 それから、原子力発電所の状況でございますが、3号機から煙が出ているということは、もう既に報道されているかというふうに思っておりますが、さまざまなモニターの数字には、今のところ悪い数字の影響のものは出てきておりません。当然、原子力発電所の建屋の中には、さまざまな可燃性のものは、原子炉等とは別にもございますので、そうしたところから出火した可能性を含めて、しっかりと状況把握に現地において努めていただいているところでございますが、原子炉あるいは放射能といった観点から、今のところ問題になるような状況は認められておりませんが、まさに注意深く状況の把握に努めているところでございます。

 本日は、午後4時から地震緊急災害対策本部と原子力災害対策本部の合同会議を開催をいたしました。本日は、主に各省間の調整、連携のための仕組みの整理、確認ということを行ないました。既に皆さん御承知のとおりかと思いますが、被災者生活支援特別対策本部は、従来こうした業務は、この官邸内地下の危機管理センターで行なっておりましたが、まさにこうした業務の量が大変大きくなり、なおかつ特出しをして対応できる状況になりましたので、特別対策本部を設置したものでございますが、これを内閣府本府の地下に事務局のチームを組んで、既に稼働をいたしております。情報の収集、あるいは対策本部としての指示は、この内閣府本府地下の講堂で集約をされておりますことなどを始めとして、各省間の連携を進める上での必要な組織体制、仕組みの確認などを行なって、明日以降、各省間の連携と必要な事項に対する対応がよりスピーディーに、強力に行なえるよう、整理をしたものでございます。

【質疑応答】

記者:日本テレビのヒラモトですけれども、その措置ですけれども、当分の間とありますけれども、大体どれくらいのものを描いているのかということと。その措置を当分の間過ぎたときに解除になる時点があると思うんですけれども、その解除するにあたってのですね、その条件というのはいったいどういったものが考えられるんでしょうか。

官房長官:まず当分の間がどれくらいなのかということについては、これはひとえに放射線の濃度の観測によるということであります。それは一義的には原子力発電所の状況を収束に向かわせることができるのか、より具体的にはそこから出る放射線の量がどうなっていくのか。それに基づいて、しっかりと放射線量のそれぞれの地域、特にこうしたホウレンソウや牛乳から出る放射線量を検討、分析をして、基本的には暫定基準値が1つの目安になろうかというふうに思いますが、そうしたものとの兼ね合いの中で対応するということになって参ります。従って、まだ現時点でいつの時期になるかということの見通しは立てられません。

記者:あと県内をですね、対象にしますと、暫定基準値を超えた農家以外のですね、超えてない農家も対象になることで、先ほど補償の話もありましたけれども、補償とあと風評被害といったものも広がると思うんですけれども、具体的にそういったものにはどう対応していく考えでしょうか。

官房長官:まずこれ一定の広がりをもってモニタリングを行った中でですね、先ほど申しましたようにですね、原産地表示が県単位で行われるのが基本であるということ。それから一定の広がり等を踏まえた上で必要な範囲を指定したという二面で行っておりますが、まさに個別に観測、計測をされた生産地にとどまらず規制をかけるということですので、従来の食品衛生法を超えた措置として、原子力の本部の方での措置として行ったものでございます。それにあたっては当然のことながら、政府からの規制によってですね、出荷ができないということになりますので、それについて適切な補償をするということを前提として考えております。尚、風評被害についてはこれはもうまさにお集まりのメディアの皆さんはじめぜひご協力をお願いをしたいというふうに思っておりますが、この暫定基準値を超えているものも、今仮に口に入ったとしてもですね、健康に影響を及ぼすものでは全くないということでありますし、また、にもかかわらず、暫定基準値を超えている場合にはこうした規制を行っておりますので、基本的に流通をされているものについては安心して口にして頂いても健康に被害を与える可能性はありません。こうした状況が中長期にわたって継続をした場合の万一のに備えて、今から出荷規制をかけておくということでございますので、ぜひその点は誤解のないように頂きたいということをお願いをする次第です。

記者:最後にちょっとすみません。ホウレンソウ、特にですね、この4件今回対象になっていますけれども、そのうちホウレンソウの出荷量、流通量が減って、価格の上昇が予想されるんですけれども、他県からですね、そういったホウレンソウを移してきたりとか、価格の上昇、予想される上昇に対する何か措置というのは何か考えているんでしょうか。

官房長官:これは農林水産省を中心にしてですね、必要な供給量をできるだけ確保するということについての対応は同時並行して検討をしてきて頂いております。従って、農林水産省の方でお尋ね頂ければと思います。

記者:朝日新聞です。そもそもこの指示にはですね、強制力があるのかどうかということと。それから補償額というのはどれくらいを見込んでいらっしゃるのか。補償額、損害補償額。それが東電側と折半すると形になるのかということですね。それからもう1点は、原子力損害賠償法の例外規定を適用するのかどうか。その辺りについて。

官房長官:まずこの措置は原子力災害特別措置法に基づく総理の指示によるものでございまして、これは大変強い権限ではございますが、直接にその流通機関に対して指示するものではなくて、各都道府県知事に対する指示をするものでございます。これによって実効性というのはきちんと担保できるというふうに認識をいたしております。さらに万が一必要があれば、この原子力災害特別措置法は様々な措置を駆使できる構成になっておりますので、その検討の余地はありますが、知事のもとでしっかりと対応はできるだろうというふうに認識いたしております。補償についてはですね、金額等の見通しはこれはこうした措置がどの程度続くか等によって全く変わって参りますので、現時点で予断をもつことはできないというふうに思っておりますが、基本的にはまずは一義的には、原子力災害に起因するものでありますので、当然まずは東京電力が責任を持っていただく。それがもし十分に補償できない場合には国においてしっかり監督する。これが法律の基本的構成ですし、それにそって対応することになろうかと思います。

記者:読売新聞です。出荷制限になる対象の基準としては、その暫定基準値を超えるということでしょうけど、例えば1か所であるとか2か所であるとか、そういう何か基準というのはあるんでしょうか。

官房長官:基本的にはですね、いくつかのモニタリングの結果を踏まえてですね、総合的に判断するとしか申し上げられないというふうに思っています。原子力安全委員会等を含めてですね、広範な地域でこうした暫定基準値を超えている農作物が出荷をされる可能性があるというふうにみれば、そういった措置をとることになりますし、たまたま何かの事情で1カ所だけ出たということなのか。それとも、そのことによってかなり広範な地域においてということが想定されるのか、それはまさに総合的な判断でございますので、専門家、特に放射線についての専門家の皆さんのご意見を踏まえながら措置を決めている。こういうことです。

記者:テレビ朝日のコバヤシと言いますが、ホウレンソウとかき菜で形が●●の対象になったという1つの●●。当該地域の他の農作物の出荷制限については今後あり得るのか。常識的に考えると、他に栽培しているものも同じように放射性物質がついている可能性というのは十分あると思うんですけど、ホウレンソウとかき菜だけっていうのは、それを対象にしてるっていうのはどういう。

官房長官:詳細の、どんな品目についてどういった地域でモニタリングをしているのか。これは厚生労働省の方からご報告があろうかというふうに思いますが、そうした中で現時点で暫定規制値を超えている数値が見られているものはこの2つの品目であるということから、こうした判断をしているのであって、今後そうしたモニタリング調査の結果によってこれは変化をするのは当然ありうることだと思います。

記者:それと、すべての栽培されている農作物に対してまだ全部モニタリングはされていないということ。

官房長官:今、関係機関がフル稼働して特に原子力発電所の周辺の地域についてのモニタリングを進めております。詳細、どんな品目を何カ所でどうやっているのかというのは、これは厚生労働省の方からそう遠くない時間に発表されるというふうに思っています。

記者:時事通信のコウケツです。3号機についてお伺いするんですが、建屋の屋上の煙というのは、使用済み核燃料が保管されている付近から出ているという話なんですけれども、使用済み核燃料と今回の煙の因果関係というのは、政府は、先ほど長官のお話だとないというふうに考えているのでしょうか。

官房長官:あるともないとも申し上げておりません。今その原因については調査、検討をしているということです。たださまざまなモニタリングの数値が、私がこの部屋に入ってくる直前の段階では、悪い方向に動いている数字はない。こういう報告を受けているものであります。

記者:計器がですね、原子炉建屋内の計器が正常に作動していない段階で、原子炉や放射性物質との因果関係についてですね、先ほど長官問題ないというふうにおっしゃったと思うんですけれども、そういった判断を出すのはやや時期尚早なのではないかというふうに思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。

官房長官:原子力発電所内の計器だけでなくて、この間防衛省の方からご報告させて頂いているかと思いますが、例えば温度を上空からモニタリングしたもの等ですね、それからこの間の様々な、ほぼ間違いないと思われる数値についての経緯、それから放射線量についての経緯、こうしたところには問題がないと。ただ、この原因については何か断定的なことを申し上げたつもりはございません。まさにどういった原因なのかということについて、今鋭意調査をしているということであります。

記者:産経新聞のノダですけれども、すみません。ホウレンソウの関係なんですけれども、東京都の調査によれば、千葉県の旭市でですね、算出されている春菊についても暫定基準値を超える放射性物質が検出されているということなんですが、これについてはですね、規制はかけないんでしょうか。

官房長官:まさにそういったことも含めてですね、モニタリング調査をより強力に行い、その分析を進めているところでございます。

記者:朝日新聞のヤマモトです。これだけ地域的に広がってくるとですね、例えばもっと周辺の例えば宮城はどうなのかとか長野はどうなのかっていう疑問が自然と消費者の間でわくと思いますが、これについての調査は現時点でどのようにお考えなのかということ、調査の必要性ですね、についてはどのようにお考えかということが第1点。もう1つはですね、今回の福島第一原発の事故直後からですね、おそらく農産物の汚染についても広範囲に広がっているだろうというふうに指摘する専門家はいました。そんな中でですね、もともと基準値を設けてさえなくてですね、バタバタと基準値を設けてそれから対応策を検討する。そうこうしている間にですね、現実に汚染された農産物が流通現場にのって消費者の近くまでいっているという事態を招いたことについてどのようにお考えか。2点お聞きします。

官房長官:1点目はまず宮城県については地震、津波の影響でこうしたものの流通が今なされていないということが大前提になっております。その上でこれは今回ホウレンソウについて規制の対象になった地域に限らずですね、これは広範なモニタリングは現時点でも対象としています。ただし、モニタリングの分析の能力には一定の限界があるということの中で、一番効果的にしっかりとした規制がかけられるようにというモニタリングを進めるよう、特に国の直接の機関についてはさせているところでございます。それから、このモニタリングそのものについては平常時も確かなされているかというふうに思っておりますので、原子力発電所の事故以来、モニタリングをしてきた結果として原乳とホウレンソウについて、これは一昨日だったでしょうか、一番早いものは。それが観測をされたので、それに基づいて今回の措置に至ったということでございます。

記者:日本テレビのヒラモトですけれども、モニタリングについて福島、茨城、あと栃木とか、モニタリングが国の機関が行うということで、まず品目について追いついていないという声が聞こえるのと、あと地域も限定になるのでカバーできてないということを指摘されています。そうしますとですね、そのモニタリングを経ないで流通してしまって、消費者からみるとですね、暫定基準値を超えているかどうかわからない野菜がですね、流通する可能性というのも出てくると思うんですけれども、そうした可能性については、今後ですね、どういった対策をとっていく感じでしょうか。

官房長官:これについては、モニタリングの結果に基づいて可能性の高い、つまりリスクの高いところに集中的にできるだけモニタリングをするというような努力は進めているところでございます。それから繰り返し申し上げますが、暫定基準値を超えたものであっても、健康に影響を及ぼすものではありません。暫定基準値そのものがですね、この数値を超えたら厳しいモニタリングをかけて、調査をかけて、分析をかけて対応することが必要になるという基準値というふうに専門家の皆さんからご説明を受けておりますので、それを超えているものが流通をしていたとしても、そのことが健康に害を与えるものでは全くありません。そうした数字を超えたものが出てきたので調査、整理をしっかりと行って、今回出荷規制をかけたということでございますので、そこのところはぜひ誤解のないようにお願いをしたいというふうに思っています。

記者:可能性は低いと思うんですけれども、ある一定のところで特定に高いものがあったにも関わらず、そのモニタリングを経ないで出ている可能性というのはほとんどないという認識でよろしいんでしょうか。

官房長官:この間のですね、これはまさに原子力安全委員会等の専門家の皆さんにこの調査、分析には加わっていただいておりまして、例えば天候等によってどういったところに相対的に数字の高い放射性物質がいっているのかということについては、これは大気中の放射性物質濃度等の分析からも傾向がはっきりと出ておりますので、そうしたことも含めてこうした分析の結果に基づいて対応しているということです。

記者:TBSの●●です。ホウレンソウとかかき菜で、すでに出荷されてですね、流通しているものというのはあるかと思うんですけれども、これについてはどういう対応をされるんでしょうか。

官房長官:まずですね、この原子力の事故の前に出荷されたものについてはまったく問題がないということはこれは当然皆さんどなたでもご理解をいただけるかというふうに思います。その上でですね、これは原子力災害が、事故が生じた後はもとよりのことですね、いろいろなモニタリングは平時においても行っていることの中で、さらに事故以降はですね、周辺地域のことを強化した中で、初めて暫定基準値を超える数値が出てきたものが一昨日だったでしょうか。という状況でございますので、それ以前には逆にモニタリングにひっかかるようなものはなかった。しかも、先ほどもお答えしました通りですね、その気象条件その他の中でリスクが高い所については原子力安全委員会等で十分認識をしているということの中でございますので、そうしたご心配は基本的にはないと思っています。

記者:あとすみません。それから品目を広げる可能性もないわけではないというようなことを冒頭おっしゃっていましたけど、今消費者の立場から見るとですね、現実にじゃあ例えば栃木県のいちごが売ってるとか、そういうのに心配になるような人もいると思うんですけれども、それはじゃあ今売られているものは買って食べても大丈夫ということなんでしょうか。

官房長官:少なくとも私は間違いなく全部気にせず買って自分でも食べます。いま問題になっている数値というのはそういうレベルの問題でありますし、特にこれはホウレンソウというのは、もうすでにおわかりの通り、葉を大きく広げておりますので、大気中の放射性物質を集めやすい形状になっているということで、ホウレンソウに高い数値が出ているということでございますので、もちろん物事の形状によってどういったものが集めやすいのか、にくいのかというのは、これはもちろん専門家の皆さんに分析をしていただくわけでありますが、そうしたことの中で現在数字が出ているものと形状とを合わせた時に今日の時点で規制が必要なのはこの2つであったということで、今後、これが広まるのか狭まるのかというのはまさにモニタリングの数字に基づいて客観的に判断をして皆さんにお伝えをして参りたいと思います。

記者:ニコニコ動画のナナオです。よろしくお願いします。企業の寄付に加え、義援金、寄付金が様々な企業、団体などによって国民から集められておりますが、相当な額に上るとの見通しがございます。こうした一人ひとりの善意が一刻一秒で闘っている被災者の支援に周り、タイムラグなく迅速に有効に活用されるよう、今回の緊急事態を踏まえて政府として包括的にサポートしていくお考えなどありますでしょうか。

官房長官:こうした広範な寄付をですね、国民の皆さん、特に個人の皆さんにお呼びかけをしてですね、取りまとめて頂いている機関はそれぞれに様々な力をもってですね、それの有効な活用の仕方についてはできる機関がされているというふうに思っています。赤十字であるとか、メディアの皆さんとかですね。そこについてはまさにそれぞれの自発的善意に基づくことでありますから、これを国が直接ああせい、こうせいとかって言うのはやはり趣旨と違うのかなというふうに思っております。そうした皆さんの善意に基づく様々な支援、そしてそうしたところでは行き届かない、あるいは国が強制力、公権力をもってやるべきところということで役割を分けて物事を進めていくべきではないかというふうには思っています。

記者:朝日新聞のヤマモトです。民主党政権はですね、すでに食の安全を一元的に扱う食品安全庁の設置、検討を閣議決定しております。ただ現実においては実現していなくて、現在はですね、文科省、厚労省、それから農林水産省、内閣府食品安全委員会とですね、非常に各省庁に食の安全に関する部門がまたがっていて、今回の一連の対応を見てもですね、非常に時間がかかっているなっていう印象を受けます。改めてそういった措置というのを●●についてどのようにお考えかお願いします。

官房長官:今回の原子力発電所の事故、あるいはそもそも震災、災害対応についてはですね、様々な今後検証、そしてその多くはご批判をしっかりと私ども受け止めていかなければならないというふうに思っております。また、それに基づいて将来に備えて様々なことを考えていかなければならないのはこれ当然のことだというふうに思っておりますが、いま現に様々な事態、現実に進行しておる中で、今の組織と力の中で最大限の努力をして被害を生じないように、あるいは最小化するということに今全力を傾けているところであります。

記者:河北新報の●●と言います。大阪府議会の議長がですね、昨日東日本大震災について、大阪にとって天の恵みという言葉は悪いが、東京にこの地震が起きてよかったというふうな発言があったそうです。14日にはここ東京のですね、石原知事が「大震災は天罰だ」という発言をして撤回をされてますけれども、こうした発言についてですね、2万を超す死者、行方不明者への冒とくだと思いますし、現在35万を超える方々が避難している。地震とか津波とか火災とか放射能で心身ともに被曝されている中でですね、そういった困窮する避難所の生活の中で助け合いとか譲り合いとかですね、日本人の尊厳とかを内外に示して、海外のメディアが称賛しているわけですね。そういった中でこういう発言が出てくるということは長官も含めて、不眠不休で頑張っている方々への冒とくでもあるとは思うんですが、長官の説明をお願いします。

官房長官:直接にご発言を伺っておりません。尚且つ、これ政府の立場で何か申し上げるべきことなのかどうか、なかなか難しいところがあろうかと思います。まさにそうしたことは報道されているでありましょうからそうしたことを受けてですね、それぞれ国民の皆さんお一人お一人がいろいろとお考えになってご判断をされるんだというふうに思っています。

記者:テレビ朝日のナカムラです。先ほど出荷停止に関してですね、直ちに健康に与えるレベルではないというふうにおっしゃいましたけれども、現在直ちに健康に害を与えるレベルはどの程度と考えていいのか。現在のですね、観測されている最大の数値がそのレベルに対して今どのくらいの割合まできているのかというのはいかがでしょうか。

官房長官:これは一貫して申し上げてきているかと思いますが、この放射線の量については1年間で許容されている基準の線、これ以上では健康に影響が及ぶ可能性のある線ということについての指針等があることは皆さんご承知の通りでございます。従って、そうしたところにどれぐらいの、なんて言うんでしょう、回数、例えば食べ物であれば量を食べれば届くのかというようなことを専門家の皆さんに分析をして頂いて、その上でまったく影響のない量である。あるいはその1回あたりで例えば口にした場合の受ける体への影響が、例えば一般的によく言われるCTスキャンを受けるのと比べてどうなのかというようなところを専門家の皆さんに分析を頂いて、それで問題がないということを私が申し上げさせて頂いている。こういうことでございます。

記者:現状食べ続けても大丈夫というのはわかるんですけれども、今後どこまでいったら●●的に気にしなきゃいけないレベルなのかというのはどういうものなのか。

官房長官:それはそれぞれのものによって異なりますし、もしそうした具体的なリスク、可能性が出てくる段階では、それは当然のことながら、専門家の皆さんの分析に基づいて、国民の皆さんにそのことはメッセージとしてお伝えをすることになりますが、現時点では全くそれぞれについてですね、そういったことが想定される段階ではありません。

記者:計画停電についてなんですけれど、民主党の岡田幹事長がですね、電力使用のピーク時に大口規制するやり方、これを総量規制と言われてるんですか。これの導入を検討していると。これは政府としても検討されていることなんでしょうか。

官房長官:この計画停電というか、電力の供給が不足をしている事態に対する対応策としては、これは中期的にこうしたことが必要だということの中で、今まずただちにできる措置として計画停電ということを実施をしているわけであります。これ、こうした状況をどれぐらい長期にわたって続けられるのかというまさに社会的な問題もあります。一方で、それ以外のどういうやり方をすれば現実に供給量を需要が超えてですね、計画されない大規模な停電に陥ることがないかということの兼ね合いは、専門的にやっていかなければならない。そうしたことについての技術的な検討は進めています。

記者:産経新聞のノダですけれども、ちょっと別件になるんですけれども、今日ですね、石原都知事がですね、総理と会談したんですけれども、その際に石原都知事は、福島第一原発の関係で、現場の実情を知らずに指示が出て、東京消防庁の放水車が壊れてしまったと。そういうふうに抗議したと伺っております。石原知事が記者団に話したところによると、現場の指揮官が「放水しなければ処分する」と言われたそうです。この指示は海江田さんという話もあるんですけれども、政府としてこれについてどう把握しているのか、経緯をお聞かせください。

官房長官:石原知事からはですね、東京消防庁の皆さんが本当に現場で大変なご努力、ご苦労を頂いたと。それの実施にあたるプロセスの中でですね、いろいろ問題点があったのではないかというような指摘を総理が受けたということだと聞いております。それらについてはですね、事実関係の把握、それからもし善処が必要であるならば、そういったことを含めて政府として対応させて頂くと。それにしても、本当に東京消防庁の皆さんの大変勇気ある献身的な努力については心から感謝をしているということについて、総理から石原知事に申し上げた。こういうふうに聞いています。

記者:すみません。指示したのは海江田さんということでよろしい。

官房長官:いや、だからそれについては、これから調査しますと今お答え申し上げました

記者:農産物の補償についてなんですけれども、出荷停止の対象になった農産物は当然対象に含まれるんだと思うんですが、出荷停止にならなかった基準値内の農作物で、そのまま出荷をして、しかし消費者の受け止め等で売れないといった訴えがですね、今後出てくる可能性があると思いますが、そうしたものについても補償の対象になるというお考えでしょうか。

官房長官:今回、私が発表させて頂きましたのは国の指示によって出荷規制をする以上は、それについては当然補償をするということを申し上げたものであります。

記者:そこから先は未定ということでよろしいですか。

官房長官:私が今日申し上げられるのは国の権限で出荷規制の指示をする以上は、それについての補償について当然国が対応するというところであります。

記者:時事通信の●●です。総理が今日視察を中止されましたけれども、昨日長官は政府内でも●●であるというふうにおっしゃいましたけれども、改めて今回の中止をされた、どういう検討状況があって視察を中止したのかということについてお願いします。

官房長官:本日中止になりましたのは、まさに天候上の理由であります。視察に行こうという方向でございましたが、これ確かヘリコプターだったかというふうに思いますが、それが天候上の理由で飛べないということ。ヘリコプターはなかなか雨が降ったり風が吹いたりすると飛べないものだそうでございまして、そうした事情でございます。そのかわり、現地でお会いをしてお話をすることになっていた村井知事、宮城県知事はじめ地元の組長さんやそれから商工会の方だったでしょうか、と電話で直接話をさせて頂いて、現地を見ることはできませんでしたが、現地の事情について直接お話を聞かせて頂くという機会を今日の午前中に設けたと聞いております。

記者:ただ気象情報ならばですね、昨日の段階でもある程度わかっていたと思うんですけれども、総理が行かれるというのでかなり現場でも人員をとられると思うんですが、今回の総理の視察の対応についてですね、長官どのようにお考えでしょうか。

官房長官:これは昨日も、私もこの行く行かないということについてお尋ね頂きましたときに、行くとしても現地は自然体で受けて頂きたいというようなニュアンスのことを申し上げましたし、そうしたことで現地の方と連絡を取らせて頂きながら、最終的に天候が許せば伺いするという話であったというふうに聞いております。そうしたことの中で組長さん等が一定の時間取って頂いていたわけでありますから、その時間に残念だけれども電話でということでお話を聞かせて頂いたということであります。

記者:その関連なんですが、そうするともう総理は今後は視察は行かない予定になるんですか。今回は延期ということでまた行くということではなくて、電話会談したからもう行かないというご予定なんですか。

官房長官:これはまさにですね、昨日私はかなり率直に申し上げたつもりでおりますが、まさに最高責任者としてですね、現地にできるだけ足を運んで直接見て、直接聞くということが一方で大変重要だと。一方で例えば1つは官邸を離れること、あるいは現地の受け入れの皆さんにはいくらお願いをしてもですね、一定のご負担があるだろうということ、そうしたこととの兼ね合いの中で総合的に都度判断をしていくということだというふうに思っておりますので、今回は残念ながら天候の事情の中でですね、現地まで伺って現地を見るということができませんでしたが、今後も全体状況をみてですね、出かけることのマイナス部分に比べて、現地を伺うということのプラス部分が多いという判断があればですね、可能な範囲ではあり得る。ただし、これはまさに総合的な判断の中で決めていくことだと思っています。