官房長官の記者会見テキスト(2011年3月31日16時06分から14分間)

被災地等における安全・安心の確保対策ワーキングチームについて

司会:お願いします。

枝野官房長官:わたくしから一点ご報告を申し上げます。本日午後、被災地域等における安心・安全の確保対策ワーキングチームの第1回会合を開催をいたしました。これは全閣僚をメンバーとする犯罪対策閣僚会議の下に位置付けるものでございまして、ワーキングチームを設置をし、被災地等における安全・安心確保対策の骨子が決定をされました。関係省庁が緊密に連携し、被災地における安全・安心の確保、それから今回の被災に付け込んだような、いわゆる詐欺的な犯罪等を含めてですね、こうしたものを防いでいくための総合的な対策の強化のための検討、推進の枠組みを作ったというものでございます。わたくしからは以上です。

記者:長官、朝日新聞のサトウです。予算の成立を受けまして、明日公共事業の個所付けが発表されるのですけど、報道によればですね5%は被災地に回したいという報道があるのですが、その検討状況はどういうふうになっているでしょうか。

枝野官房長官:当然予算が成立をすれば、箇所付けの話になるわけでありますけど、この震災という事態を踏まえた中でですねどういった対応をするか、最終的な詰めは財務省中心に関係省庁でいま詰めていただいているところです。

記者:日本テレビのヒラモトです。原発に関連して、30キロ圏内の住民に対して無料での健康診断を検討しているという話があるのですけど、その検討状況というのはいかがでしょうか。

枝野官房長官:大きく一部報道がなされているようでございますが、当然原発周辺地域の皆さんの健康、様々なこの間の経緯の中ではですね、健康被害の恐れが無いというふうに思っておりますが、しかし当事者の皆さんにとってはですね大変不安であろうと思いますので、できるだけそうした不安にお応えできるような対応は検討はしております。今の段階で具体的にいつ頃どういうふうにと、いうことを申し上げる状況ではございませんが、できるだけそうした住民の皆さんの声に応えられるように鋭意検討を急がせたいと思っているところでございます。

記者:産経新聞のオダですけれども、無料の健康診断なんですがそれは放射能の測定も含まれるのでしょうか。

枝野官房長官:今まさにそうした皆さんの健康に関する不安にお応えをするべく、できるだけ早い段階でどういったことができるのか具体的な検討を急がせるという状況でございますので、もしそれがまとまったらその時点で皆さんにもご報告ができると思います。

記者:共同通信の●●です。総理が先ほど共産党の志位委員長と対談されて、2030年までに原発の現状を14基以上増やすとした政府のエネルギー計画を白紙で見直すことを表明されたのですけど、政府としての検討状況はどうですか。

枝野官房長官:これはわたくしがこの場で何度か申し上げております通りですね、まずは福島第一原発の状況をですね、何とか収拾をさせるということに全力を挙げですね、もしそれが収拾できた際にはですね、今回の事故の検証もしっかりと行ったうえでですね、それを踏まえてある意味では予断を持たずに様々な検討をしなきゃならない、そういったことを申し上げてきておりますが、同じような趣旨だと思っております。

記者:重ねて志位さんとの会見で総理は第一原発を廃炉にしなきゃいけないということを改めておっしゃりましたが、改めて枝野さんは廃炉にするかどうか。

枝野官房長官:最終的な結論はですね、ある段階でしなければならないだろうというふうに思っておりますが、これは1号から4号の炉の状況やですね、それから第一原発全体のですね、状況を前提にすればですね、これは放射線の安全性の観点からも、それから社会的な状況からも、ある意味ではほぼ同じような認識を皆さんされているのではないかと、わたくしは思っておりますが改めてどこかで検討して結論を出したというわけではありません。

記者:産経新聞のオダですけど、その関連になるのかもしれないのですが、アメリカのオバマ大統領がアメリカの話なのですが、引き続き原発を推進する方針だと改めて強調したんですけど、これについて政府としてはどうみていらっしゃる。

枝野官房長官:これはもうまさに、アメリカという独立した主権国がですね、それぞれのご判断で様々な対応をされていくと、いうことそのものについてコメントをする、或いはできる立場ではないというふうに思っております。

記者:中国中央テレビの記者なんですけれども、IAEAの40キロでの検出されてますけど、日本政府としては今避難範囲の拡大することを検討してますかね。

枝野官房長官:今日の午前中の会見でもお話しありました。IAEAの土壌サンプルの調査で、IAEAの避難基準を超えているものが一つあったという報告はIAEAからもいただいておりまして、それに基づいて注意深く検討する、正確に言いますと状況を慎重に把握するよう助言をいただいたという状況でございます。当然こうしたご指摘やその検査結果ということもですね参考にさせていただきながら、避難の範囲等についてはですね日々安全の確保という観点から検証をしているところでございます。今日いまの時点で避難地域を変更するというような判断はいたしておりませんし、またそういう状況ではないと思っておりますが、日々様々なモニタリングの結果も入ってきておりますし、或いはそういったものがたくさん集まれば集まるほどですねそれに基づく様々な分析もできますので、そういったものを日々迅速かつ適切にですね判断をして対応していきたいと思っているところです。

記者:ニコニコ動画のナガオです。よろしくお願いします。福島原発の対応につきましては、総理を本部長とする統合本部が頂点となりまして、東電の原子力緊急時対策本部がぶら下がっていると理解しておりますが、22日から発足しております日米協議はどこに位置するものでしょうか。またこの協議が現在実質的オペレーションにどの程度生かされているおりますでしょうか。

枝野官房長官:大きな意味では全体としての原子力の対策本部が政府としてあります、全閣僚がメンバーになっている。そこのもとで米国との様々な協議をさせていただいているという位置付けになるというふうに思っています。当然そこでのやり取りについては、例えば東京電力との統合本部での東京電力の認識或いはそこで得た情報等、十分に情報が疎通できるようにしておりますし、逆にそこで米軍から或いは米国からいただいた知見、情報等についても統合本部の方にしっかりとつながるように話している状況でございます。

記者:中国新聞の●●と申します。先ほどの原発のエネルギー基本計画についてなんですが、先ほど長官は福島の状況を収拾したうえで予断なく検討されると言われたのですが、中国電力が今進めている島根原発の3号機がですね今年12月の運転開始時期になってまして、非常に差し迫った状況になってますが、運転開始時期が近い原発にはどういうふうな●●。

枝野官房長官:当該原発に限らずですね、さらにそれより早く特に検査停止中のところなどいくつかあろうかと思っておりますが、まさにですね福島原発の状況等を踏まえながらですねそれについてはその都度判断していくとならざるを得ないのかなと、いうふうには思っています。

記者:福島原発の収拾が非常に長引いた場合はですね、かなり●●として進めていかないといけないと思うのですけど、現段階では例えば年内とかですね運転開始を予定しているものについては何か方針は持っていないでしょうか。

枝野官房長官:福島原発がどういう段階でどういうところまで収拾できるかと収束できるかと、いうのもまさに今後でございます。そうしたことの中でですね、一つにはそれぞれの原発ごとにその都度の対応判断が必要な場合があると思ってます。或いは逆に収束をして検証をしてと、いうことに相当な時間がかかるということであればですね、ある段階で一定の検証と大きな方針についての検討ということも必要かと思っておりますが、まさにこれは原発の状況を見ながらそこと時間の経過、水位を見ながらですね決めて行きたいと思っておりますので、現段階で申しわけないんですが年末のところまでの具体的なスケジュールを書ける段階ではないというふうに思っております。

記者:読売新聞のクリバヤシです。先ほどおっしゃられた安全・安心の確保対策ワーキングチームの関係なんですけど、被災地での犯罪によって様々な報道とかですね、●●のようなもの、いろいろ出てるのですけど、現時点で警察としてなかなか対応できないような緊急の対応が必要な地域なり犯罪の種類があるのかどうかということとですね、また犯罪の認知すらなかなか困難な状況になっているような地域っていうのはございますでしょうか。

枝野官房長官:いくつかのですね被災地における犯罪の報告は上がってきておりますが、わたくしの現時点での各関係機関から上がってきている報告からの認識はですね、本当に日本という国、日本人はですねこうした状況のなかでお互い助け合ってこれを乗り切っていこうという本当に大変厳しい中で、皆さんほとんどの皆さんが頑張っていただいていると、そういう状況であるというふうに受け止めております。だからこそですね、そうした被災地において厳しい中でほとんどの方がお互い支え合い助け合って頑張っていただいているなかでありますから。こうした安心・安全を確保すべき政府の立場としてはですね、こうしたときの犯罪、こういった状況に付け込むような犯罪はそうした皆さんの思いに応えるためにも、許してはならないとむしろそういった積極的な意思を持ってこうしたチーム立ち上げたと、いうことでございます。

記者:毎日新聞のカゲヤマです。一部報道で政府が復旧復興税を創設して震災の国債の発行を日銀の要件に応じると報道がありますが、事実関係と現在の検討状況をお願いします。

枝野官房長官:これも一部の報道で大きく出ておりますが、政府としてそうした方針を決めたりとか、そうした方針に向けて詳細な具体的な検討を始めたということはございません。現段階では様々な皆さんが様々なアイデアと言いますかですね、検討すべき項目のピックアップを政府であれ与党であれ、或いは野党の皆さん含めていろいろしていただいていると。そういったことについてのアンテナはしっかりと張っていかなければいかないと思っておりますが、どういった選択肢を取っていくのかということについて、今の段階で具体的に絞り込みを行う段階ではないというふうに思っています。

記者:フジテレビの●●です。先ほどの主要各国の輸入関連措置の問題についてお尋ねされていましたけれども、原発事故を受けて世界各国日本から農産物などの輸入を制限する動きが相次いでおりますが、それについては日本の政府としてどう対応していくのでしょうか。

枝野官房長官:政府としてはですね、各国に原発事故の状況それに基づいている科学的な様々な安全性に関する情報をですね、適切に情報提供を行うことに各国とも科学的な事実に基づいた対応をとっていただきたいということをこれまでもやってまいりましたし、さらに強化をしていく必要があるだろうとそういう認識を持っております。そういった認識に基づいてですね、連絡会議を開いてそれぞれ関係する各省ですね連携をしっかりしたうえでそうした情報提供と、そして科学的根拠に基づいて対応してくださいと、いうお願いをさらに強化をしていこうということです。

記者:日本テレビの●●(聞き取れず14:12)

枝野官房長官:これについては今日のですね、大臣級で会議を行ったのとは別次元でそれは農林水産省などを中心にですね,まさに出荷規制のかかっている対象あるいはそれ以外のですね、様々な原発による影響を受けている皆さんに対する対応については、しっかりと進めていっていただいているところです。

司会:よろしいですか。

枝野官房長官:ありがとうございました。