原子力安全保安院の記者会見テキスト(2011年3月12日06時07分から45分間)

司会:では、お待たせしました。保安院長の寺坂から。

寺坂院長:すみません、急遽。先ほど5時44分総理からの指示で、退避、避難、避難地域半径10キロ以内にするようにという指示が出ましたので、その旨のご報告にあがったところでございます。

記者:5時44分。

寺坂院長:5時44分。今資料をお配りいたします。

保安院:紙をコピーしてお配りします。

寺坂院長:それで今、現地対策本部、自治体をはじめとしてですね、円滑な避難ができるように連絡をとって、現地の方で対応を始めているところでございます。これにつきましてはですね、未明にお話ししたような状況、それから1号機のですね、例えば周辺のところで、例えば中央制御室でですね、線量が上がってきているとかですね、そういった状況もございます。それから例のあのベントの作業、これが線量が上がって、準備作業ですね、線量が上がってきたことに伴って、作業が普通にやりにくいというような、所謂この防護的な装備をしたうえで進めなければならないとかそういった状況も踏まえまして、これまで半径3キロと言ってた、対象としていたものを半径10キロというふうにしたものというふうに承知しております。資料は今お配りしていることで、あとモニタリングポストの値、モニタリングポスト自体は、ちょっと数値は、数値は極端に上がっているわけではございませんけれども、通常のレベル、正門前の数値でですね、普通のレベルの10倍ぐらいになってきているというような状況もございまして。

記者:通常のレベルの10倍ですか。

寺坂院長:10倍ぐらいですね。

記者:数値でいうと。

寺坂院長:数値で言うとですね、これモニタリングカー、通常ついているモニタリングポスト自身が必ずしもきちんと動いているかどうかという問題があるもんですから、モニタリングカー、車でこう動いている。それで値を測っているものでございますけれども、正門の数値で0.59マイクロシーベルト。

記者:パーアワーでいいんですか。

寺坂院長:パーアワーでいいですか。

記者:零点。

寺坂院長:(0.)59マイクロシーベルト。

記者:マイクロシーベルト。

寺坂院長:はい。いうようなことでございます。ちょっとすみません。必ずしも十分な情報がまだとれてるわけではございませんけれども、10キロ以内を対象としたということについて、今ご報告をさせて頂いたということでございます。

記者:自宅待機から退避と。

寺坂院長:そういうことでございます。

記者:正門、モニタリング、正門。

寺坂院長:福島の第一発電所。第一発電所の正門ですよね。第一発電所の正門です。

記者:すみません。もう一度、その10キロ、3キロから10キロに延ばしたその理由って言うのをもう一度。

寺坂院長:理由はですね、ちょっと厳密な意味でですね、正確に確認ができているものではございませんけれども、先ほど申し上げたような、例えば、中央制御室の辺りでですね、あれは何が上がってきた。線量が上昇しているというようなこと、それからそういったことも絡むんですけど、ベントの作業が時間がかかるといいますか、服装の装備とかそういったことがあって、そういったことをやらなきゃいけないということ、それから電源回復のための、それと絡んでですね、電源回復のための作業というものにまだそこに至っておりませんので、電源回復状態になっていないもんですから、そういったことも含めましてですね、範囲を広げたというふうにと推測しております。

記者:すみません。中央制御室はどれ。1号機ですよね。

寺坂院長:中央制御室はあれはですね、確か1号機2号機一緒でございますね。

記者:制御室自体の放射線の量が上がっているということなんですね。

寺坂院長:線量がですね、上がっております。

東電上津原:はい、中央操作室そのものが。

寺坂院長:ちょっと。

東電・上津原:東京電力の上津原と申します。中央操作室そのものも空間線量が上がっています。それ自身は先ほどお話がありましたように、原子炉建屋のなかの少し線量がですね上がっているものと思います。それ自身はどこかちょっと破損して、原子炉建屋のなかでの放射性の物質が漏れて、それが線源となって、ちょっと具体的な図面とかありませんけれども、原子炉建屋の脇に基本的にはすぐそばに中央制御室というのは位置おりますんで、その線源として、少しレベルが上がってきているというような形になる、原子炉建屋の線源とした放射線が上がってきているといったようなことになります。それでさきほど話にありましたのは、ベント操作のためにバルブを操作しなければいけないんですけれども、そのために、操作のための電源を復旧させていかなきゃいけない。そのためには色んなアクセスツールがありますけれども、できるだけ被爆しないようにということで今、線源の低いところを経由して、2号機側から1号機側に電源を繋いでとか、そういった作業をやってますけれども、使える電源の装置を使いながらですね、利用しながらやっておりますけれども、そこにちょっと手間取っていますので、そういったところを勘案して、お国の方では10キロに退避命令が出たといったことだと理解しておりますけれども。

記者:放射線が漏れているということなんですか。

上津原:今の状況からしますと、先ほどちょっと話しましたけれど、電源系が死んでおります。みなさんご存じだと思いますけれども、原子炉建屋の中っていうのは通常負圧に維持されてます。そういった意味で。

記者:マイナスですね。

上津原:マイナス。大気よりも低い値になってます。ですから通常の運転中ですと、定期検査中もそうですけれども、外から空気が流れ込むようなしくみになっています。ただ今回、先ほどの記者会見でもお話をさせて頂きましたけれども、津波によって電源系も死んでいますんで、そういった意味で1号機の空調は止まっています。電源が止まっている関係で、原子炉建屋の負圧を維持することが今できていません。そういった意味でかなり損傷を受けてから時間が経っていますんで、その負圧が徐々になくなって外の大気とは同じになっているかと思っています。そういった意味で、中で漏れたものが少しずつすき間を通ってですね、外に漏れてきているところはあるかと思ってます。

記者:それはもう確認されているんですか。

上津原:それは先ほどモニタリングポスト、モニタリングカーのデータが上がっているというお話があったかと思いますけれども、それは敷地のなかで、先ほど正門の話がありましたけれども、何か所か計っているかと思います。データの方、私ちょっと今手元にございませんけれども、それはなぜ増えているかというと、基本的にはそれ漏れ出てきたものが線源となって影響を与えてる可能性はあると思ってます。そういったところからそういった事象が発生しているかというふうに理解していますけども。

記者:要は放射線漏れをしている可能性が高いということですね。

上津原:基本的には、先ほどの格納容器、ベントの話とは別にしてですね、原子炉建屋のなかの機器が損傷している可能性はあるというふうに理解しています。耐震、みなさんご存知の、耐震クラスの色んな設備がございますので、そういった意味でどこがというのは明確に言えませんけれども、そういったものが出ている可能性はあると思ってます。

記者:要するにそれっていうのは放射線が漏れているということ。

上津原:はい、そういうことです。

記者:どこ、要するに外にでしょ。

上津原:そうです。今言ったように、原子炉建屋から基本的には今空調で引けてませんので外に。

記者:真ん中の言葉いいんですよ。原子炉建屋の中に何らかの破損があって、外に放射線が漏れている可能性があるということですよね。

上津原:はい、その通りでございます。それで結構でございます。

記者:すでに正門で通常の、正門の、かなり要はかなり建屋から離れている正門のところでその放射線のレベルが10倍になってしまってるってことなんですよね。

寺坂院長:そうです。先ほど10倍と申しあげた。通常ですね0.07マイクロシーベルトパーアワー程度のものが先ほど申し上げた0.59ということでございます。マイクロシーベルトですから、レベルは非常に低いんですけれども、通常よりも10倍近くなっていると、そういうことでございます。

記者:何倍ですか。

寺坂院長:8倍ちょっとですね。

記者:通常よりも8倍の。

記者:10倍って言ってませんでした。

寺坂院長:失礼しました。ですから0.59と0.07、正確に言いますとそういうことでございます。

記者:正常が。正常が。

寺坂院長:0.07マイクロシーベルト。

記者:8倍ね。

寺坂院長:はい、8倍でございます。

記者:すみません。確認なんですけれど、空気が負圧でも別に放射線には影響しないということですか。放射性物質が漏れてきたということですか。

上津原:例えばですね、先ほど中操、中央操作室の話でもしましたけれども、原子炉建屋の中で漏れると、当然ながらそこの線源が、線源として放射線が出る、直接出てくるのが

記者:じゃあ放射線ですよね。

上津原:強くなりますよね。その関係上で直接線として強くなる面もあります。ただ、今先ほど言いましたように放射性物質が外に漏れることでそれがこういったところでまた影響を与えてるという可能性もございます。

記者:正門のモニタリングカーのデータが上がってるというのは、放射性物質が何らか外に出てきているんじゃないかという。

上津原:のもありますし、直接原子炉

記者:放射線漏れではなく放射能漏れ。

記者:放射能漏れなんですか。

上津原:はい。放射性物質が漏れているという可能性もあります。

記者:線が漏れてるっていうのもあるわけですね。

上津原:それは、先ほど、そうですね、直接原子炉建屋の方が線源とみて、そこが線源となって強くなっているんで、直接的に。

(緊急地震速報)

記者:どちらも、物質もあるし、線もあるということ。

上津原:はい。原子炉建屋の中では漏れてるということになりますけどもね、それは。

記者:原子炉格納容器からまず漏れて

上津原:はい?

記者:原子炉格納容器から漏れて。

上津原:いや、ごめんなさい。その格納容器から漏れてるかどうかというのは、先ほど水位もちょっとA系、B系という二つのがあるんですけども、その次に少し差はありますけども、比較的安定しているということと、ドライウェルの圧力もコンマ8メガ、ドライウェルの圧力は840キロパスカルですかね。基本的にそこであまり変わっていないんですよ。そういったところでドライウェル自体はもっているというふうに、今現状も我々考えてます。ただ確認は、正確な確認はとれておりません。で、先ほど言いましたように、他のドライウェル自体が壊れた、違うところが壊れている可能性もあるということでご理解頂きたいと思います。

記者:だから建屋内という。

上津原:そういうことです。そこは正直いってまだ確認できていないというのが実態でございます。

記者:でもこれわかりやすく言うと、漏れてる可能性があるから3キロを10キロにしたということではないんですか。

上津原:えっと。

寺坂院長:そういう要素、それから作業に手間取っている。そういったいくつかの要素で。

上津原:そういったところで判断されたと思います。

記者:それ作業している人たちは大丈夫なんですか。

上津原:基本的には高いと、確かに高くはなっていますけれども、C装備で防護しながら、被曝といっても、通常よりは確かに高いですけれども、基本的にはC装備で防護して作業ができるくらいのレベルだというふうに理解してます。そういった意味では、まだ作業の方は、先ほど申しましたような電源の接続作業、あるいは先ほど、もう一つちょっと言い忘れましたけれども、原子炉に水を注入する接続作業もやっています。これは消火系のポンプっていうのが生きております。消化系のポンプが生きてますので、それを原子炉の1F、1号機ですよ、の原子炉圧力容器の中に入れる配管、コアスプレー系というのがございますので、そこに接続をして、消化系のポンプの水をコアスプレー系を経由して原子炉の中に入れてやろうと、そういう作業をやってます。これはまず、ちょっと作業開始したのが、しばらく前で、ちょっとごめんなさい、正確な時間覚えてませんけれども、1,2時間の作業で終わるというふうに聞いていますので、比較的早く炉の方には注水ができるかなとは思ってます。

記者:ごめんなさい。0.07が0.59(注マイクロ)シーベルトパーアワーになっているのは、これどこの、どこで出てきた数値でしたか。

上津原:正門とおっしゃってましたよね。

寺坂院長:そうです。

記者:正門ってどこの正門。

上津原:たぶん、ごめんなさい。これは福島第一の敷地の入口のところになるかと思うんですけれども。

記者:福島第一の施設の正門。

上津原:はい。

記者:建屋から正門まではどれくらい距離があるんですか。

上津原:1号機からですから、ちょっとごめんなさい。数値は今ここでは、私おさえていませんけど。

記者:大体何百メートルとか。

上津原:いや、何キロかになると思いましたけどね。ちょっとごめんなさい。

記者:その漏れたのは1号機の方。可能性があるのは1号機。

上津原:そうです。今1号機の方でございます。

記者:圧力は840、普通の倍強でしたよね。上がったけども、その後はその大きな変動はないということですね。

上津原:そうです。原子炉圧力も

記者:上昇しているという傾向ではないわけですね。

上津原:今は現状、この我々のデータとして上がった傾向はないと思ってます。先ほど水位の話もしました、原子炉の水位もしましたけれども、これちょっと数値にはギャップがありますけども、二つのチャンネルで見てますんで、そこそこレベル、燃料の上の水位はあるかなというふうに理解はしてます。ただそういった意味で先ほどまだ1,2,3という形でお話をさせて頂きましたけれども、そうは言いながらもデータが十分に揃っているわけではないんで、そういった意味で先ほどはベントの準備をさせて頂くということでお話をさせて頂いたと。

記者:すみません。正門のモニタリングで、8倍になっていて放射能漏れの可能性もあるから3キロを10キロにするよっていうふうにもう打ってもいいですね。そういうことでしょ。

寺坂院長:一つの要素としてですね。

記者:だから避難エリアを広げたわけでしょ。

寺坂院長:避難エリアを広げた、広げた。

記者:中央制御室の線量を教えて。

上津原:中央制御室の線量ですか。えっとですね、中操はですね、通常0.16マイクロシーベルトパーアワーが、ちょっと時間が5時25分現在という形でなっていますけども、このデータそのものがちょっとその時間に計ったかどうかちょっとわかりません。資料が送られてきた時間という形になっていますけど、それが150マイクロシーベルトパーアワーという形になっています。

記者:150?

上津原:はい。

記者:0.16が150になる。

上津原:0.16が150マイクロシーベルト。

記者:大体1000倍ということですか。

上津原:はい。

記者:これは作業のC装備の問題なんですか。

上津原:ここはまだC装備とかじゃなくて、監視しながらやっています。はい。

記者:これ制御室の。

上津原:そうです。中操レベルです。

記者:1000倍になっているんですか。

上津原:倍数的にはこの数値を見ると、そうですね。

記者:許容値の1000倍だけども、今の数字は。許容値の何分の何という数字はどっかに出てますか。両方、中操と正門と。

上津原:ちょっと申し訳ございません。あとで回答するでよろしいですかね。

記者:10倍とか1000倍っていう倍数っていうのはもういいから。

上津原:ただそれとはまたさらにオーダーがちがうと思います。許容というか、そういう言い方。

記者:許容値出ないんですか。

上津原:ちょっと申し訳ないです。

寺坂院長:ちょっと今確認します。

上津原:確認させますので、申し訳ございません。

記者:すみません。10キロ退避とそれからベント開けるその時期と何か関係ありますか。独立にやる。

上津原:まだベントを開ける時期は、先ほどちょっと電源の方の作業がまだ見えてないところがございますので、少しそういった不透明なところもあるので、お国の方としては先取りして早めの10キロ退避といったところになっているかと思います。我々の方は先ほどお約束させて頂いたように、やる前にはみなさんにお話をさせて頂いてやるといった形で進めておりますんで。

記者:開放作業までどれくらい時間かかる見通しですか。開放作業まで。

上津原:はい?はい?何作業?

記者:ベント作業まで。

上津原:ベントの方の作業は、ちょっとケーブルの作業がですね、2号機と1号機の連携の作業で少し手間取っていますんで、ちょっと時間がまだ少し見えないところがありますんで、その情報はもうちょっとお待ちいただけませんでしょうか。

記者:もう開けるということは決まったんですか。

上津原:基本的にはその方向で動いてます。

記者:準備作業には入ってると。

記者:放射線漏れちゃっているわけですけども、それを止める方法っていうのはあるんですか。

上津原:先ほどの、先ほどちょっとお話ししましたけれども、原子炉の中に消化系のポンプからコアスプレーという原子炉の炉心に注入する配管に繋げる作業をやりますという話をしました。で、あれをしますと、基本的には、ものとしてはたぶんどこから漏れてるかわかりませんけれども、落ち着いてくるのかなというふうには考えております。ただあとは原子炉建屋の中のどこで漏れてるかにもよりますけども、他の電源系とかがですね、もう少し復旧しないと、レベル的には、例えば空調系がですね、生きるとかですね、そういったことがないと、少しずつ外に出る量は増えてくると、それなりの量に応じた線源の、線量の、が強くなっていくかなとは思っていますけども。

06:29:53

11秒間記録なし

06:30:04

上津原:一番いいのは、原子炉建屋を負圧にするのが一番いいかと思います。外に出ないようにするためには。そういったことのためには電源を回復しなければいけないといったところがあります。それで、空調系が例えば生きるとか、そういうことになればそれ自身はおさまってくる。あるいは場所にもよりますけども、例えば原子炉関係に繋がるようなところから出てるというような場合ですと、先ほど炉に注水すると言いましたけれども、そういったところでおさまってくる可能性はありますと。

記者:炉に注水する。

上津原:原子炉の。それは先ほどの、消火ポンプから原子炉に、消火ポンプの配管が今生きてます。それを原子炉に注水するコアスプレー系統というのがありますけれども、その配管に繋ぎこみます。で、その繋ぎこみによって消火ポンプの水をコアスプレー配管を通じて、原子炉の中に入れてあげるとそういう、それで原子炉の中に水を補給してあげるという作業になります。

記者:注水じゃないんですか。注水作業じゃないんですか。

上津原:それも注水作業になりますね。

記者:注水作業すでに行われているんじゃないんですか。

上津原:ごめんなさい。注水作業というのは、1号機の場合は、アイソレーションコンデンサーというのがありまして、それで原子炉の蒸気を水で多少冷やしてですね、アイソレーションコンデンサーというもので冷やしてあげて、その水を戻してあげると、そういう作業を、ことをやっていました。で、先ほど、たぶん誤解されてると思う、2号機と3号機などはRCICの起動という話をしてたかと思いますけども、あれは原子炉の中に蒸気がありますから、それでタービンを回してあげて、それに繋がっているポンプを回して、それで原子炉の中に水を戻して、入れてあげるということをやっています。サプレッションプールというところからですね。そういう作業をやっていたわけです。で、それが2号、3号のやつはそれを多分注水って先ほど説明したんでそのことだと思いますけども。

記者:1は水自体は今増やしてないんだけど、それを外から、水自体を増やせるようになればいいなという。

上津原:そうですね。あと、2号3号も格納容器はドライウェルという基本的に乾燥されている部分と、水源としているサプレッションチェンバーというのがあるんですけれども、そこの水で結局循環させてるだけなんで、それも基本的にはあまり水は増えてるわけではないんですね。そういった意味では、入れ替えの時点で同じように注水が必要になってくるかと思いますけど、同じようなことを考えていく形になると思います。

記者:弁を開けることによって、この放射能漏れをちょっと止める、あるいはそのスピードを抑えることってできるんですか。

上津原:先ほどの格納容器のベントの話ですか。

記者:はい。

上津原:格納容器のベントの話は、あれは格納容器自体が大きく破損して、事象が大きく広がることを避けるために、要は格納容器から少し先に漏らしてあげましょうと、格納容器が大きく壊れることをなくしましょうという考え方です。

記者:関係ないですね。弁開けても結局放射能漏れは。

上津原:それは多少出ます。だからあえて、あえて少ない損傷で抑えようという考え方ですね。ある意味では。少なく。

記者:すみません。寺坂さん、避難区域の関係なんですけれども、元々屋外退避だったのが10キロ以内だったと思うんですけど、屋内退避はどうなってますか。広がっていますか。それともなくなったんですか。

寺坂院長:屋内退避は今のところ広がっていません。

記者:広がっていない。つまり、いや。

寺坂院長:そういう意味では、屋内退避は。

記者:なくなったということですね。

寺坂院長:ないということ。

記者:10キロ範囲内全部。

寺坂院長:10キロが。

記者:屋内退避という状況がなくなったということ。

寺坂院長:避難地域になったということです。

記者:わかりました。ありがとうございます。

記者:あと、中操に関しては放棄されたんですかね、もう。作業員の方はいらっしゃるんですか。

上津原:中操は普通どおりに勤務してます。今作業やっています。

記者:その高い。

上津原:先ほどちょっと言いましたけども、ごめんなさい。あの。

寺坂院長:基準値、今確認しております。

上津原:通常値よりも高くなってますけれども、まだ避難するようなレベルではないということです。で、そのレベル、先ほど聞かれましたけれども、ちょっと私自身がおさえていないもんですから、大変申し訳ございません。ちょっと後で回答させて頂きますということで。

記者:確認ですけど、運転していた原発からですね、その圧力容器の話は別として、外部へ放射能漏れしたというのが事実としてあるわけですから、これは初めてですか。

上津原:初めてかと言いますと、例えば、この前の柏崎の事故ですと、汚染した水が海水へ出てしまったと、流通経路ありますけどもね。とかあるいはタービン系の、

(緊急地震速報)

主タービンのグランドといったところから、通常はクリーンな蒸気でシールしているんですけども、汚い蒸気や、クリーンな蒸気を止めたもんで、ボイラーが止まって汚い蒸気がスタック、スタックっていうまあ煙突ですね、あそこから出たとか、そういうのがありました。そういう事象で何らかの燃料リークとかですね、そういった事象で漏洩という形ではいくつかの件名があるかとは思いますけども。

記者:そうすると、初めてではないということ。

上津原:はい。そういうものも含まれば、初めてではないということですけども。

記者:確認なんですけども、格納容器の中の圧力が高まって、格納容器の一部が壊れて漏れたっていうことは可能性はあるんですか。

上津原:今現時点では、我々のデータの継続で監視してますけども、先ほどから言ってますように、データ的にはもっているだろうというふうに考えてます。格納容器自身は。ただまだ実際にですね、我々が点検して確認ができてませんので、そういう意味で、それも含めて、あるいは他の設備の損傷も含めてですね、確定できていませんので、そこら辺は断言できないというのが実態でございます。

記者:すみません。確認ですけど、中央制御室って原子炉建屋の外。

上津原:原子炉建屋の外にはなる。

記者:管理区域。

上津原:管理区域ではありません。非管の区域でございますけど。ただ建物的にはすぐそばになりますんで。

記者:数字出ましたか。

寺坂院長:そうですね。一般的にはですね、一般ですね。年1ミリシーベルトというのが一つの基準でございますので、それは時間に戻しますと0.11マイクロシーベルトになります。

記者:それってパーアワー?

寺坂院長:パーアワーですね。この年1ミリシーベルト。それが先ほどのあれでいくと、0.59という。例えば正門辺りという数字を申しましたけれども、したがって一般の方は

記者:正門前はだめ。

寺坂院長:避難はすでになさっているわけですけれども、元々3キロ圏内はですね。それを10キロに広げたということですから。一般の方々がこの今のその0.59とかそういったところにいらっしゃるということはないわけですけれども、基準といいますか、0.11マイクロシーベルトよりは0.59というレベルは高い数字がモニタリングカーでは確認はされていると。

記者:その0.11で人体に影響はないと考えて。

寺坂院長:ちょっと。

記者:許容値というのは人体に影響はないと。

山田課長:人体に影響が及ぶかどうかという数字ではございません。今、0.11マイクロシーベルトと申し上げましたのは、原子力発電所の周りには周辺監視区域というのを設けなければいけない。周辺監視区域から内側に普通の人が自由に入ってこないように措置しなければいけないということになっています。それが1ミリシーベルト、年という数字ですので、それを1時間あたりに直すと0.11マイクロシーベルトになるので、0.11マイクロシーベルトパーアワーになるところより内側には自由に人が入ってこないように、何らかの措置をしなければいけないということで、定められている基準がございます。

記者:立ち入り禁止っていうわけじゃなくて。

山田課長:自由に、一般の方が自由に入ってこないようにということです。

記者:人体に影響。

山田課長:人体に影響が及ぶかどうかという水準ではございません。

記者:人体に影響を及ぼす水準はどれくらいですか。

山田課長:通常ですね、一般の普通の方々は1年間に1ミリシーベルトを浴びないようにというのが線量限度という数字で決まっています。これはパーアワーではなくて、1年間の間に1ミリシーベルトという数字です。ですから、今申し上げました周辺監視区域の境界線上に1年間ずっと居続けるとその数字になるという数字です。ただこの1ミリシーベルトという線量限度もこれで健康の影響が出るかというと、健康に影響が出るような水準ではございません。

記者:許容範囲って言ったじゃないですか。

山田課長:放射線を扱うことによって、何の利益もないような人には、なるべく放射線を浴びないようにしてもらった方がいいですねと、その限度として1ミリという数字を示しているということで、健康影響との関係で1ミリシーベルトという数字が決まっているわけではない。

記者:一般の人が通常1年間に浴びる放射線量。

山田課長:それは通常2ミリシーベルトとか3ミリシーベルトとか、所謂自然の中にあります放射線がございますので、そういうバックグラウンドから受ける放射線とか、X線の、病院で受けられるX線とか、放射線も。

寺坂院長:X線の1回はわかりますか。

山田課長:X線の1回は普通の肺で60マイクロぐらいだったかな。

寺坂院長:パーアワー?

山田課長:マイクロシーベルトですね。

寺坂院長:シーベルト。アワーでもないのか。

山田課長:1回受けてしまった積算量ですので。

記者:自然界から1年間に2から3ということですか。

山田課長:普通の人は、普通にこういった生活をしてると、1年間に自然もしくはその医療放射線を大体2から3くらい浴びるというふうに言われています。

記者:パーアワーだとどれくらいですか。

山田課長:要するに、受ける時間が。

寺坂院長:これのだから1ミリで0.11ですから。

記者:だから今中央制御室の人は1時間に肺のレントゲンを2.5回分とっているということですね。それでいいですよね。

山田課長:1時間に位置づける。いいですね、はい、そういう数字になりますね。

記者:国際線に乗ってるときとかっていうのは結構高い値になりますよね。ああいうのでちょっとなんか。

山田課長:ちょっと今手元に。

記者:紙とかありますよね。そういのが多分わかりやすいですよね。

寺坂院長:じゃあ用意します。お届けします。

山田課長:はい、はい、お届けいたします。

記者:あとあの作業の 二つあるということでね。まず電源を建屋内の圧をその、内側に流れ込むようにするために、空調を動かして

上津原:えっと、ごめんなさい。えっと、二つあるのは、一つは原子炉の中に水を注入するための作業で、それは消火系という、要は消防用の配管ですね。それは敷地内を走ってますんで、で、まだ生きてますんで、それを1号機の原子炉の炉心部分に繋がっている配管、コアスプレー系という配管、炉心注入配管がありますんで、そこに繋げることで水を入れてあげましょうと、原子炉に水を補給してやりましょう。これは原子炉の水を確実に増やすための作業になります。

記者:水位を上げるということ。

上津原:ええ。

記者:はい。

上津原:これもう一つが先ほどの記者会見でお話をさせて頂きましたけれども、格納容器の圧力を抜く作業ですね、それは格納容器の圧力がずっと高まってですね、大きな破損をして被害が拡大するよりはそれを逆に少し圧力を逃がすことで、その大きな被害を未然に防止するといった形で、ただ漏らすといった形になりますんで、そういった意味での先ほどご説明をさせて頂いた次第です。その二つの作業になります。それは。

記者:逃がす作業というのは時間あるんですか。時間がかかるわけですね。バルブを開放するまで。

上津原:それは先ほどちょっと言いましたように、バルブを操作するのに、津波で電源設備の一部が死んでいます。で、そこ使えない部分がありますんで、2号機の電源設備から、の方に、から1号機の電源設備にアクセスして、そのバルブを動かすようなケーブルの繋ぎこみ作業をやっています。で、その作業にもう少しお時間が、時間がかかるというふうに聞いていますんで、その時間がどのくらいかっていうのはちょっとまだ今見えていないところです。

記者:すみません。さっきのあの1000倍という数字があったと思うんですけど。

上津原:1000倍。中央制御室の数字。はい。

記者:中央制御室で見られた数字だということですね。

上津原:それは中央制御室で計った数字というふうに聞いています。中操、ちょっと中操のどこら辺かというのはちょっとはっきりあれですけど。

記者:確認ですけれども、通常はこれ0.16マイクロシーベルトパーアワー。

上津原:はい。

記者:で、5時25分現在が150。

上津原:ごめんなさい。

記者:5時25分現在が0.16。

寺坂院長:えっと、5時。

上津原:ごめんなさい。その資料の時間がですね、ごめんなさい、5時25分で。計った時間がですね、ちょっと書いてないもんですから。

寺坂院長:計った時間がもうちょっと前かもわかりません。

上津原:申し訳ございません。その時間はちょっと特定できていません。あとで確認を。

記者:それは通常の値ですか。

上津原:大体、場所が中操のどの辺りかっていうのはわかりませんけども、コンマ16が大体通常のレベルだと思います。

記者:で、それがその何時の時点で、150。

上津原:その時間の関係が、ちょっと申し訳ないです。

記者:放射能が漏れてることで格納容器の圧力を下げる作業が遅れたりとか支障をきたすことはあるんですか。

上津原:放射能が漏れ、今は装備をしてやってますんで、基本的にはそれによる遅れはないかと思ってます。作業は継続してやっています。

記者:それは同時進行でやれるってことですよね。

上津原:はい、それはできます。

記者:作業それで遅れてるって。

寺坂院長:それは装備をするとかそういったことで、一度途中に。

上津原:それ自身はやりましたけども、作業自体は今継続してやっていますということです。

寺坂院長:そういう装備をして。

上津原:C装備というものをつけて。

記者:C装備というのはどんなものなんでしょう。

上津原:建屋の中でも少し汚染区域というのがあって、C区域というのがあって、少し放射性の物質が、そこに入ると汚染する可能性があるような区域で着る装備であります。普通ですと汚染拡大防止のために、なんですか、そこで脱ぎ捨てて違う服に着替えるという形のものですね。ただ弱い放射線であれば、そのそういったものでも多少の遮蔽にもなりますし、あとは体に付着する放射性物質なんかを防ぐことができるといったところがございますけれども。

記者:要は弱い放射線を防ぐための。

上津原:あとは体に付着してですね、あとはたぶんマスクなんかもしてるかと思いますけれども、内部に取り込んだりすることがないような形で作業やっているかと思います。

山田課長:先ほどお尋ね頂いた一般的な放射線の線量でございますけれども、胃のX線の普通よくあります集団検診、先ほど60マイクロシーベルトと申し上げましたけれども、50マイクロシーベルトくらいと。それで胃のX線診断はもう少し線量が大きくなりまして、それは600マイクロシーベルトくらいでございます。それから

記者:胃の検診と?

山田課長:600。

寺坂院長:最初胃って言ったから。胸でしょ。

記者:胃の検診が50って言いました。

山田課長:すみません。最初は胸です。すみません。肺のX線です。すみません。失礼しました。それで二つ目が胃のX線です。これで600マイクロシーベルトくらいです。

記者:え?

山田課長:600。

記者:パーアワーでいいんですか。

山田課長:いえ、マイクロシーベルトって、これ積算した値です。1時間当たりの数字ではございません。

記者:肺が50で。

山田課長:肺が50で、X線、胃のX線が600。

記者:胃が600。

山田課長:はい。それで先ほどお話がありました飛行機に乗った時というので、東京、ニューヨーク間の、を飛行機で往復して190マイクロシーベルトくらいです。

記者:ずっとこの期間乗ってる期間。20時間とか乗って。

山田課長:はい、成層圏飛んで、往復して190マイクロシーベルト。

記者:20時間ってとこですかね。もうちょっとあるか。

山田課長:20数時間だと思います。はい。

記者:すみません。院長に。この事態になった、今この事態についての見解を。

寺坂院長:とにかくですね、安全な状態を確保し、それから心配される状況についてですね、一刻も早く対応ができるべく、事業者と我々、それから現地自治体、最大限いま努力をしているということでございます。とにかく一刻も早く事態の収拾にあたりたいというふうに考えております。

記者:すみません。こうした事態は想定の範囲内ですか。今日いま起きてるやつって。

寺坂院長:今起きてるような事態はですね、非常に同時に多くの発電所が被災をして、それで避難をするというような事態になることについては、想定といったらあれでございますけれども、そういった場合にどのような対応をしていくのかということについては、それなりの準備をして、それに応じた対応を重ねているところであるわけです。ただ非常に揺れが大きいとか、あるいは津波の、おそらく津波の影響もあってですね、非常用電源のところで支障が生じるとか、そういったこと、個別具体的なことを、今起こっているそのことをですね、あらゆる角度から想定をしていたかということになりますと、それはよく検証をしてみたいと思いますけれども、一応この種のことが起こったときにどういう対応をしていくのかということについて、それに沿って今一生懸命動いているということでございまして、全体についてはもう少し事態が収拾した後にですね、何がどうだったかとか、今ご質問のあったような想定の世界だったのかどうかとか、揺れの大きさとかですね、そういったものについては改めてよく検証したいと思います。今はとにかく事態の収束にしっかりあたりたいと思ってます。

記者:すみません。保安院とか、原子力安全委員会とか耐震安全性の話色々あると思うんですけども、福島第一原発というのはクリアしたんですか。

寺坂院長:はい?

記者:福島第一原発の耐震安全性はクリアされてるんですか。

寺坂院長:耐震安全性はですね、所謂マックチェックという作業を行っておってですね、中間評価のところまでは、一応マックチェック作業は行っております。ただこれ代表号機についてでございますので、最終的な最終評価はまだ終わっておらない。代表号機についての中間評価は第一についても一応終わってはいたということでございますが、ただ繰り返しでありますけれども、自動的に停止を、は、したわけでありましてですね、その上で、あと地震の揺れが大きかった、想定とどうだったかどうかというのはちょっとまだ数字がございませんので、もう一度それはよく見てみたいと思います。