原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月18日09時21分から59分間)

西山審議官:おはようございます。どうもちょっとお待たせしまして申し訳ございませんでした。まず、福島第一原子力発電所に関しまして、昨日報告申し上げたような、警察機動隊、それから自衛隊による、給水が行われたわけですけども、本日のオペレーションとしては、まだこれは総合、統合本部の方で検討されているようですけども。一応ありうるべきこととして、まだ本当にその実現するかどうかは別としてですね、項目的にはやる行動の、その候補としては自衛隊の放水車による活動と、それから今朝から報道されております、東京消防庁のハイパーレスキュー隊による活動が、ある可能性があるということで。これについては条件が整うかどうかなど、まだ統合本部で検討中ということですので、確たるところは今の段階では申し上げられないようでございます。申し上げられないところであります。それから各号機の関係ですけども、まず、全体ざっと申し上げますと、1号機については、引き続き

(電気が消える)

記者側:びっくりした等の声

西山審議官:どうも失礼しました。申し訳ないです。1号機につきましては、引き続き、原子力圧力容器への海水注入中ということは変わっておりません。2号機については、今朝の段階ではやはり、白煙がでていることは確認されておりまして、えこれについては、昨日の夜の話しでも、穴があいていると、建屋に穴が空いていてそこからということでしたけども、この穴というのは、ちょっと思い出してみますと、3号機の爆発のときに、ブロウアウトパネルという元々はそのなかで、2号機のなかで圧が高くなったときに、それがはねて、あまり大きな爆発にならないようにするための機構であった。そのブロウアウトパネルというものが外れたということがありましたので、外れたらしいということでありました。で、そのブロウアウトパネルの場所から白煙が出ているということであります。3号機につきましては、昨日の注水の対象になりまして、現在その評価を行っているところですけども。白煙については、今日もまだ出ていることが見られております。次に4号機につきましては、ここではひとつ新しいこととして、4号機についてはシュラウドの工事ということで、炉心を囲む桶みたいな機構、ステンレスの部品があるわけですけども、それを取り替えることになるので、全部の燃料を外に出して、使用済燃料プールにあるということを前から申し上げております。それで、で、従って使用済燃料の量が多いので、非常に心配されているわけですけども、ここに水があるかどうかについてですね、よくわからなかったわけです。どうもあるということを、最近になっていう方がいう一方で、今のような炉心と言いますか、燃料の多さから言いますと、水の蒸発ももっとも激しいんじゃないかということで、減り方も激しいんじゃないかという推測を我々もしていたわけですね。で、しかし、そのつい最近撮られたビデオ映像によるとその、水がはるものと見られるというもので、私もテレビで拝見しましたけども、どうも水荒らしいという感じは見えたと思います。そういうことで、現時点では4号機の使用済み核燃料には水が入っているということを前提に今の行動計画は作られておる状況です。でこの4号機からもしかし、白煙は見えております。5号機6号機については、特段の変化はありません。

それから、ちょっとひとつ、注釈ですけども、きょうのお配りした定例的な第二十九法ということで、2ページ目にあります、主なプラントパラメーターというところですけども。前から原子炉圧力のところで「メガパスカルゲージ」と言っておりました。で、今回から、それとそのいわゆる絶対圧という、その大気圧との関係の部分がその、大気圧を、今までのゲージというのは大気圧よりどのくらい高いかということで示していたので、今回からは大気圧を含めて、全体の本当に存在する圧力を書くということに統一いたしました。ちょっとこの時点で、数字が変わった様見えますけども、今現在ある2ページの原子力にあるメガパスカルと、MPAと書いてあるものの、から0.1を引いて頂く、0.1が大気圧なので、0.1を引いて頂くとこれまでの数字になるということでございます。これに統一させていただきたいと思います。

それから、別個質問頂いておりました.使用済燃料の共用プールというものがあります。各号機のプールに属していない共用のプールがありまして、そこには非常に燃焼度が、長く燃焼させた、そう言う意味で反応がほとんど終わったような、長く、冷やした、かなり冷やした、使用済燃料が貯蔵されているものがあります。その共用プールについては、確認をですね、本日の6時から7時にかけて行ったという報告をうけております。その結果、燃料は露出しておらず、プールの水位は、ほぼもとの状況に近い。そこから10センチとか15センチ低いくらいの状況で、通常の地震前の水位からですね、10センチから15センチくらいの差があるくらいのみであって、燃料が露出していない。で温度については正確にはかっておりませんけども、近々午前中にももう一回温度計をもって計れないかというトライをしてみるようですが、実際その触った感じでは、40度から50度くらいの感覚であったと。いうことでありまして。共用プールについてはとくに今心配はないということがわかりました。

次に電源の確保の関係でございます。まず、ちょっと私があの全体像をきちんと説明できなかったところがありましたけども、私が今理解しているところを申しますと、もともと、この福島第一原子力発電所に供給されていた、外からですね、東北電力から供給されていた電気の主要な部分ってのは相当程度、この今回の地震で破壊されてしまったと。鉄塔が倒壊し、その断線、線も切られているということがあって、で今、そっちも復旧しているんですけども、復旧といいますか、修理をしているわけですが、それをやりながら、この何日かご紹介しております、東電原子力線っていう、東北電力のもう一つの系統、これは、福島第一原子力発電所を建設する当時に、そのための最初のその電力線として使っていたものということでありまして。それをまずは急いで、普及させて使うことにしていて、で昨日夜申し上げたように、昨日までに、福島第一のところまでもってくるまでできあがったと。それで今日にも、今日中を目標にして、各発電所に、原子炉にですね、繋ぐようにやって行きたいという風に聞いております。やってみるという予定です。

記者:1から6ですか

西山審議官:1、2、です。からは1、2、にかかるものです。1号、2号です。

記者:2号につけて1号も給電することですか。1、2両方に。

西山審議官:1、2、両方に入るという理解です。で、これを、やる、急ぐ理由としては、今のような、もう一つのダメージの大きいことと別に2号機については、この電気系統によって、使用済燃料プールへの水の給水ということを考えなきゃ行けない。つまり2号機はあまりこわれていないので。外壁が、建屋がこわれていないもんですから、外から水を入れるということは難しいというか、そういう状態にあるので、電気系統をなるべくはやく回復させる必要があるということを第一の動機としていると聞いております。それで、次にそのダメーじが大きかった、かなり鉄塔が倒壊したり、線が切れたりしていた方の本来の東北電力からの電力供給システムについても、色々な迂回ルートを透などして、なんとかその線をつなぎつなぎしてですね、で、主な大きな線の間の繋ぎ込み連結は大体出来上がったというふうに聞いております。これから、仮に最初に申し上げた放水の作業があるとすれば、そのあと、3月の20日を目標にこの電源線についてはもともと東北電力からいただいているその主要な電源については、3月の20日を目標になんとか回復させたいと。各発電所まで、今1、2、号をのぞく部分ですね。3、4、5、6について、特に3、4、を中心に繋ぎ込みたいということをでございます。この場合ではなかなかその各発電所の電気をつなぎ、最初に繋ぎ出るところが水没しているなどして、非常に困難があるようですけども、そこには可動式の分電盤などを持っていって、実現するという風に聞いております。

以上が状況の説明ですが、次に今回の、昨日行われました。自衛隊と機動隊による放水の、結果をどう考えるかで、まだちゃんとしたなんといいますか、分析が出来上がっているわけではないですけども、まずそのモニタリングの値との関係ということでちょっと考えてみたいと思うんですけども。昨日の夜申し上げたように発電所から出る、放射線、こう直接発電所のなかにある、放射性物質から出る放射線というものがあって、それとは別に発電所から放射性物質自体がでていって、それがその放射線を持っているわけなので、放射線を出す能力を持っていて、人にくっついたりして放射線を出すという、そういう二つのパターンがあって、自衛隊のヘリが、ヘリコプターが原子炉の上空で浴びたようなものはその直接の放射線なので、このモニタリングのところで、モニタリングポストあるいはモニタリングカーのところで観察するものというのはどちらかというと、そういう直接の放射線の影響は多少あるけれども、それ以外の放射性物質の浮遊していくことによる影響が相当程度あるという風に認識していただきたいということを申し上げました。そういうことを前提にして考えると、そのモニタリングポストの値というのは、やはりそういう放射性物質がどの程度そこに飛んでいっているのか、それから風向きがどうなのかとか、それからそれがその、昨日放水が行われた3号炉の関係のものなのか、それ以外のものなのか、それ以外の炉から出たものなのかということも影響するわけでして。で、もう一つ最後に使用済燃料プールから直接届いている可能性のある放射線というものもある。そういう風ないくつかの要因がこのモニタリングポストの値に影響を与えるんだと思うんです。ということは、なかなかその、昨日水をかけて頂いたことが成功したとして、果たしてモニタリングポストにどのくらいの変化が生じるかこの目にみえてぐんぐんぐんと値が低くなるということは今の様な、モニタリングポストの値に影響を与える要因がいくつかあることを考えると、必ずしもそういうふうならないということも、が、可能性が高いという風に思われまして、そう言う意味でモニタリングポストの数値が今は微減という感じで、少しずつ減っている感じだという風に理解しましたが。それによって、どういう風に3号機に対する注水の成否を示しているのかというのはなかなかそれだけでは、言いがたいものがあると。必ずしも減っていないからといって、劇的に減らないからといって、昨日の給水がうまくいかなかったという様な評価にはならないかなということもありますし、ただ成功したということの証明にも必ずしもならないということがあるので。ちょっとそこの評価の仕方が難しいところがございます。私の方からは最初の報告は以上とさせて頂いて、あとはご質問にお答えしたいと思います。

司会:最初の冒頭ご説明させていただきましたが、質問の取りこぼしがないようにマイクをお持ち致しますので、お願い致したいと思います。それでは一番後ろの方。

記者:すみません、4号機のですね、プールのことなんですけども、東電さんの方では、ヘリコプターでですね、おとつい目視で水があると確認したと昨日の会見で発言されているわけなんですけども、そういうことっていうのはですね、こちらではなんの報告もなかったということなんですか。昨日の会見ではですね、水があるかどうかまったく確認できないと発言されていたと思うんですが、東電さんの方ではそれを把握したうえでこちらには報告されてなかったと、そういう理解でよろしいでしょうか。

西山審議官:それについてはそういう、考え方、考え方というか、見解があるということは我々にも伝わっておりました。ただ、これについては、みなさんの、みなさんじゃない、記者の方々に限らず、そこに水があるかどうかというのは非常に大きな、なんというか、影響を与えることなので、我々として、果たしてこれは本当に並々と水があるという風なことか、あるいは場合によってはその、あまりないかもしれない、という二つの大きなその選択の分かれ目なので、これはある程度はっきりしたところがないとですね、「水がありました、大丈夫でした」という風に簡単には言えないと思っておりまして、そこについては、確証が得られるまでは、楽観的なことを言うのは控えたいと思って、それについてはとくい言及いたしませんでした。

記者:報告はうけてらしたということですか。

西山審議官:報告は受けてました。

記者:東電さんの方の会見ではですね、4号機には水があるので、3号機を優先したという風にはっきり言ってたんですけども、その判断というのは東電さん任せだったということですか。保安院さんの方ではそれについては何のチェックも行っていないということですか。意見とか述べられる立場にはないんですか。

西山審議官:述べる立場にはあると思いますけれども、そこは、やはりかなりその、予測不可能な事態が起こってそういう結果に、どうもそうらしい、という段階だったので、そこは、現場の判断に委ねていきたいと思いました。

記者:水のあるなしというのは見解だとおもうんですけども、それに基づいて、どちらの号機に水を入れる、というのはですね、意思決定が加わると思うんですが。その意思決定っていうのは、東電さん、あるいは統合本部の方が担当していて、こちらでは関与していないんですか。

西山審議官:統合本部の決定というのは当然我々も関与した決定ですので、そういう意味では我々も関与している

記者:こちらでは水のあるなしがわからないけども判断したということなんですか。

西山審議官:水があるなしについては、我々自分では目視できませんので、それ、かつ見たということについてのあそこの映像を見たとしても、それについて保安院が特別のノウハウをもってアドバイスできる状況ではないので。それはその現場の判断を尊重せざるを得ないと思いました。

記者:ありがとうございます。

記者:すみません、先ほど1、2を除く、3から6までの外部電源について20日を目標にしてなんとか回復させたいという話がありましたけども、これは3から6まで全てを20日までになんとかするということを言っているんでしょうか。

西山審議官:いや、3、4、5、6、がその20日を目標にやるということです。

記者:どういう順番でやってかれる予定ですか。

西山審議官:優先度としては3、4、が高いと思います。5、6、は前から申し上げた様に一応小規模なものながら、非常用のディーゼル発電機がありますので。

記者:では、3、4に関してはいつを目標にされていますか。

西山審議官:3、4に関しては20日を目標にしています。

記者:でも、3,4優先。5、6も含めて全部20日までにやるということでしたら、3、4も20日まで目標としているということですか。

西山審議官:ええ。

記者:優先させるのは3、4なんですよね。

西山審議官:そうですね。

記者:どう認識すればいいんですかこれは。

西山審議官:それはだから、全部できればいいし、全部できないような異常が生じたら3、4を優先すると言う風に考えております。

記者:あくまで、目指すってことを認識?

西山審議官:そうですね、はい。

記者:あとですね、すみません、可動式の分電盤。これって何のことですか、どういったものなんですか。

西山審議官:もともとある、そのそこにまず、外から電気を引き込んで、それを所内に分けていく、ご家庭の玄関にあるようなやつですね。そういうものの大規模なものがあるわけでして。ただそれが水没している。津波によって。従って、そこに可動式で外から新しいものを持って来て置いて、で、外からの接続と中への電気の配分等を行うということです。

記者:つまり、新しいものと交換するというイメージでよろしいんでしょうか。

西山審議官:そこはほっとはっきり、私も説明するだけの知識がないんですけど、私の印象ではもう少し臨時的なものという風に考えました。

記者:あと、質問が多くて申し訳ないんですけども。1、2の作業を今日中にやりたいみたいな話がありましたけども。今両方につけるという話があったんですが、これ2号機につけて、1号機と共有できるって話ではなかったでしたっけ。

西山審議官:いや、私はそういう風にいったことはありません。一応1号機2号機両方にこの東電原子力線から引き込む、という風に申し上げたつもりです。

記者:1、え、そのつまり、送電線を2号機にもつけるし、1号機にもつけるというイメージでよろしいんですか.

西山審議官:そうですね。

記者:2号機につけるその電気が1号機に共有されるという話ではないということですね。

西山審議官:そうですね。

記者:確実にないんですね。

西山審議官:私はそう理解しております。

記者:いや、私はではなくて事実はどうなんですかって聞いているんですよ。

西山審議官:確認します。

記者:いや、あのシステムがそういうシステムなのか。それとも実際、通じない、のどっちなんですか。かつてシステムは2号に繋げれば1号に繋がる、そういうシステムがあると仰っていましたよね。

西山審議官:私はそういう風にいったことはありません。

記者:いやそんなことない、言いましたよ。

西山審議官:いや私は自分の頭にはそういう考えが。

記者:いや、どっちでも、どっちでもいいですけど、どっちが正しいんですかって聞いているんですよ。それを確認してください。

西山審議官:それは確認します。私がいままで自分で思っていたのは、所内に引き込みます、それから1号と2号にそれぞれ引き込みますと自分は理解していましたけれども、それが事実かどうかは確認します。

記者:すみません、最後のもう一個お願いします。3、4号機

10:20:00

以下、記録なし