原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月18日17時54分から52分間)

西山審議官:お待たせしました。よろしくお願いします。まず今日はこの時間は最初に国際的なこの事故に関する評価尺度の、に関する日本の行動についてお話しを申し上げたいと思います。本日のここに来る直前でしたけれども、17時49分と聞きましたが、ですが、原子力事故の国際的な評価尺度でありますINES、これはinternational nuclear events scareの頭文字をとってイネスというふうに日本人は言っております、みんなが言ってるのか。そういうふうに訳されていますけれども。これに基づく福島第一原発の事故補評価をレベル4から5に引き上げまして、その旨をIAEA、国際原子力機関に登録いたしました。この事故に関するINES評価につきましては、私が前に、何日か前に説明申し上げましたけれども、炉心の燃料が損傷しているというふうに評価されたことに踏まえまして、レベル4としておりました。しかしこれまでに測定されました、日々皆様にお渡ししているようなモニタリングデータなどを踏まえて詳細な評価を行ったところ、炉心の燃料の3%以上が損傷する重大な損傷というものに該当すると。また発電所外に放射性物質が放出しているということで、これらを踏まえまして、今般レベルを引き上げたものでございます。より実態に、実態を表す評価尺度に、評価尺度の値を日本から登録したということであります。今後も事態の進展を踏まえまして、随時この評価は見直して参ります。現時点でのこの情勢を踏まえてレベル4からレベル5に引き上げたということでございます。若干これについて補足的な説明を申し上げますと、まずこの福島第一原子力発電所の事故につきましては、当初冷却機能が喪失ということで、そういうふうになりましたものですから、3月11日の未明にレベル3といたしまして、これは24時間以内に一応の登録をしなきゃいけないことになっているので、レベル3といたしました。その後放射性物質の放出が認められたことなどから、3月12日の夕刻に燃料の損傷ということで、レベル4というふうに評価したものであります。それ以降、事業者などからの報告も踏まえまして、色々手当はしてきたわけですけれども、しかし各号機とも圧力容器や格納容器の圧力、温度、水位などが大きく変動しておりましたので、次のレベルをどうすべきかということについて評価を行うことが難しい状況でございました。しかし1号機につきましては3月15日の午後以降、2号機及び3号機につきましては3月17日以降に炉心関連の各パラメーターの数値が各データの数値がですね、一応の安定をしてきたためにこの時点でこれまでの線量測定値などを踏まえて評価を行いました。その結果、各号機とも炉心の重大な損傷、これは重大なという言葉ですけれども、炉心の燃料の3%以上を重大というふうに考えるというのがINESの考え方なので、3%以上は損傷が予測されると判断をいたしまして、本日暫定評価値、引き続き暫定評価値でありますけれども、これをレベル5に変更すべきという結論に至りました。最初のときの繰り返しにもなりますけれども、まだ依然として今必死で対応中なわけですけど、事態は進展中ですので、今後の展開も踏まえて随時評価を実施して参りたいと考えております。以上が最初のINESの関係です。次に注水活動の状況について、私どもの把握している範囲を説明を申し上げます。まず本日の14時前から自衛隊による福島第一原子力発電所3号機に対する放水が開始されました。そして14時38分に6台目の放水が終了いたしました。ちょっとその始まりの時間はわからないのですが、おそらくその後すぐに米軍の放水車を、これは東電の方が運営するもの、米軍から借りて東電の方が運営する、運転する米軍の放水車が放水を始めて終了時刻は14時48分に終了したと把握しております。それと少し前後する形で14時45分には東京消防庁のハイパーレスキュー隊などから構成される緊急消防援助隊139名の方々が福島県にありますJヴィレッジというところに到着され、15時10分から15時25分にかけて3帯に分かれてJヴィレッジを出発されました。16時26分には1台目が福島第一原子力発電所に到達したというふうに聞いております。この関係で今把握していることは以上であります。次に所内電源の復旧のことについて説明を申し上げます。(図を指しながら)所内電源の復旧ですが、ここに、皆様のお手元にも同じ図面があると思いますけれども、まず私が比較的早い時期から説明申し上げてきましたのは、5,6号機、失礼、1,2号機、失礼しました。1,2号機につきまして、とくに2号機の、は建屋が健全に残っているということで、むしろそれが外からの水の注入を難しくしているわけですけど、ということで、中に電気を通すことによって外からやらなくても冷却することができるという体制をとるために2号機への電気の供給を優先する形で対応して参りました。そのやり方は東北電力がもっておりますこの東電原子力線、東電が福島第一原子力発電所を建設した当時に使い始めたこの線を使いまして、これを第一発電所に引き込んで、1,2号機に供給すると。ちょっと私の前の説明がそうだったのかどうか、自分の頭にはそういうことはなかったんですけど、どっちかを、2号機を経由して1号機に行くような印象を与えたかもしれませんけれども、これは個別に所内の分電盤から1号機及び2号機にそれぞれ行くということでございます。この図はちょっと見にくいんですけれども、この図全部色が同じなんで見にくいんですが、この点線とですね、それからこのクランク上の一部点線になったこの部分と、それからこの一部点線と実線でいってるこのものが、この三本のみが、実線が作業の終了、点線は今後の作業を、その横にある線について表しているというそういう図なんですね。そのほかのものは実在する、電気が通るかどうかは別として今そこに存在する線です。壊れているものもあるわけです。という注釈がちょっと後になってしまいましたけど。ここについて申しますと、今これについては、ちょっとこれは時点的にはですね、もっと新しいふうになっていまして、少し古い図なんですけれども、この点線の部分も含めて全部出来上がっているということで所内まではすでに通しておりますんで、ここは実線で塗って頂きたいと思います。ちょっと待ってください。ちょっと失礼いたしました。ここの、所内の、ちょっと混乱して申し訳ございません。所内に電気を引き込む手前のところまでのはできておりまして、いま点線塗ってくださいと言うのは間違いでした。元に戻してください。すみません。点線にしてください。所内に引き込むところまでは来ていて、それで内部の所内の回路のところを19日の午前中にこの1号機2号機に向けて接続するということですね。

記者:内部所内回路って書いてあるところに到達するのが19日ですか。

記者:点線が実線になるのが19日。

西山審議官:すみません、ちょっとややこしいんで。点線が実線になるのが19日ですね。それからこの矢印の部分、ここは18日の内に1号機2号機へのこの内部の所内回路から1号機2号機への接続は18日の内に行われるということになっております。それから今のが1,2号機のことであります。次にこちらの左側の大きな部分が本来のこの第一発電所への供給ルートでありまして、ただそこについては鉄塔が倒れたり電線が切られたり色々な災害の被害がありましたので、現在やっておりますのは、それを色々迂回しながらこのクランク上のですね、線を優先事項としてやっておりまして、これについては、ここは言っていいんだよね。申し訳ありません、ちょっと私が勘違いしましたけれども、この点線の部分を含めて今日の4時現在の確認ですべて終わっております。ここはですから実線にして頂きたいと思います。それでこの分電盤に代わる水没している分電盤に代わるこの分電車と言いますか、分電盤の代わりを果たす車について、ここから3号機4号機に引き込むところは、午前中に申し上げましたように20日完了予定ということでございます。それからこの5号機6号機の方は、今6号機のディーゼル、非常用ディーゼル発電機が動いているということもあって、これらの右の二つよりは優先順位が劣後するということで、今この夜の森線2Lというところを使ってこの点線の部分を開通させたいと考えております。それに関連して一番右側の、こちら側の図の一番右側にある東電原子力線のことについてのみ少し詳しい図があるんですけれども、この図でいきますと、東北電力からこの66キロボルトのこの線でもって超高圧の開閉所のところまで電気が来ておりまして、ここからこういうふうに迂回してですね、この事務本館の横にある1号機2号機向けの分電盤のところに、分電盤というか、なんというか、電気を配分するところに繋げて、繋いであって、それをこの1号機2号機にそれぞれ引き込むというふうになると聞いております。そのほかにはお配りしてある資料で福島第一原子力発電所1号機の状況その他、少しわかりやすいようにこういう各号機ごとにデータを、読みやすくあるいは経緯をまとめた資料を一つ余分に作らせて頂きました。私から報告すべきことは以上でございます。じゃあご質問を受けたいと思います。

司会:質疑に入らせて頂きますが、時間が、この後色々押してますんで30分程度で終わらせて頂きたいと思います。それでは挙手をお願いいたします。では4列目の男性の方どうぞ。

記者:朝日新聞のツボヤと申しますが、電源復旧の件で確認したいんですが、この電源が要は結局2号機1号機のところまで電源が届くのはいつぐらいになるんでしょうか。その作業の見通しを教えてほしいのと。その後当然2号機1号機の機器等に繋げて作動するかどうかの確認が行われると思うんですが、それが大体どのくらい日数がかかって、実際にその水の注入と冷却等が出来るようになるのはどのくらいかかるんでしょうか。早くて。

西山審議官:まず工事にかかる、繋ぐための工事にかかる、さっき私が混乱して申し訳なかったですけど、黒い矢印の部分が18日、それから点線の部分が19日ということですので、19日までには繋ぐことができると見通しております。それでその後の今の作業がどうなっていくかということについては、やはり真っ暗な中で繋いでみて、それで通電の手順を考えながらやっていくことになりますから、もちろんなるべく急がなきゃいけないんですけれども、その点検などで終わった後、通電して全体が動くようになるのがいつになるかというのはちょっと今ここでは申し上げられません。

記者:というか、大まかな感じでいいんですけれども、数日中、一両日中の話なのか、一週間かかるのか、その辺のなんて言うか、期間というか、がちょっとわかればと思うのと。19日は午前中、午後とか、大体その辺の時間的なものとかもわかりますか。

西山審議官:まず19日は午前中ということでございます。それから点検の方はですね、可及的速やかにやってもらいたいと思いますけれども、やはりどういう障害が発生するかわかりませんので、ここで見通しを述べるのは控えたいと思います。

司会:次の方、挙手お願いします。では2列目の女性の方どうぞ。

記者:この1号機の水位なんですけど、今までずっとマイナス1700だったのが、一個ダウンスケールが出てきたのですが、これはどう解釈されていますか。

西山審議官:元々1号機のこのデータについては、この計器については信頼性にちょっと疑いがあるというふうに、かなり信頼性に疑いがあるというふうに思っていましたので、これもそのそれがまた高じた姿なのではないかというふうに思っております。今聞いているところでは、電源が繋がってないからだというふうに。

記者:実際ダウンスケールになっていないと見てらっしゃいますか。

西山審議官:見ています。見ていますという意味は、今までずっと海水を注入して、過去のことと比べれば安定した状態にもっていっているのが変化しているとは考えていないということです。

記者:ダウンスケールじゃない?

西山審議官:電源が落ちたことが原因と考えられていて、それによるダウンスケール。スケールが、針が落ちてしまっているということだと考えられます。

記者:あと放水作業が昨日から行われていますが、午前中の段階ではその効果は評価するのは難しいとおっしゃっていましたが、現段階で放水はちゃんと水は届いているかどうかその効果はどういうふうに見ていらっしゃいますか。

西山審議官:非常に関係者の方努力して頂いて、初期の目的と言いますか、これまで我々が期待していたところはやって頂いていると思います。ただそれが実際に最終的な目的である使用済み燃料プールに水を満たして冷やす状態まで持っていくというところにどこまで効果があったかというのはもう少し待たないとわからないです。

司会:他ございますでしょうか。ではまずこちらの男性から。

記者:モニタリングポストの数値なんですけれども、福島第一のですね、事務本館北という方なんですが、新しい数字がですね、ちょっと上がり始めていると。16時段階でですね、4485マイクロシーベルトパーアワーですかね。これはその上に注水活動による効果を測定するために近いところに移動しているというふうに書いているんですが、どういった事情で上昇しているんでしょうか。

大村課長:ここのポイントは炉の方にやっぱりかなり近いところなので、元々線量の数字がかなり高いところです。ですから過去もですね、確か4000くらいの超えていたところも何回かあったと思うんですが、今回放水があってその後若干上がったようなところもあります。ただ下がった場面もありましてですね、ちょっとそのあたりが、放水との因果関係というのはちょっとよくわからないというのが正直なところで、かなり数値が高いもんですから、それの色んなまた放射性物質が来ているとかその影響も若干あるかもしれませんし、なかなかその辺の確定的に申し上げるのは難しいなと思っています。

記者:すみません、関連で続いてなんですけれども、放水することによってですね、逆に上がると言いますか一時的に、そのバーッとこう広がってしまうとか、その後下がるかもしれませんけれども、そういう可能性というが想定できるかということが一点と。あと先ほどの会見でですね、放水中は電源のですね、つける工事をやらないというような話があったんですけれども、それは先ほど私が言ったようなですね、放水することによってですね、線量が一時的に上がってしまうと、そういうことを避けるためなのでしょうか。

大村課長:一番目の点についてはですね、これもたくさんモニタリングがあればですね、色んな計測も出来るのですが、なかなか断定的に申し上げるのは難しいと思います。ただ一般的に言っていろんな変化を与えますので、それによって色々飛散をするとかですね、若干そういう効果はあるかもしれませんが、それも断定的に申し上げるのは難しいというのが正直なところです。

西山審議官:二番目のご質問については、やはり放水というのは普通原子力発電所が予定しない行為ですから、そういうときにやはり作業をそのそばでやっているというのは何らかの危険が伴う可能性もありますし、放水する方にとっても邪魔になると言っちゃあれですけど、放水する方にとっても妨げになる可能性もあるので、そういう意味でその間は作業を中断するということです。

司会:次、壁際の男性の方お願いします。

18:18:20

18秒間記録なし

18:18:38

記者:…結果、冷却システムを回復させるというですね、目的が一時的に中断される、遅延されるということのマイナスという面もあるかと思います。昨日東電でお話伺っていてもですね、昨日の内は一時的には、昨日の内に電源の繋ぎこみが出来るんじゃないかと言っていたのが、放水によって遅れましたというようなことをおっしゃっていました。このプラスマイナスあると思うんですけれども、放水は電源の繋ぎこみの工事を遅らせてでも必要なことであるとお考えなのでしょうか。その根拠と言いますか、その点をお聞かせ願いたいと思います。

西山審議官:電気はなるべく早くあったら、あるべきだというふうには考えられますけれども、今電気を通したからといって、どのように次のはたして目的とする冷却の作業がですね、どのくらいのスピードで実現するかというのはわからないところがあるわけですね。片や使用済み燃料プールと思われるところから蒸気が発生しているということが見られるわけで、やはり時間的な感覚としてはまずその部分について一定の手当をしたうえで、電源の方も急ぐとせざるを得ないというふうに考えています。

司会:壁際の男性。

記者:ニコニコ動画のナナオと申します。よろしくお願いします。すみません、ちょっと確認なんですけども、暫定評価につきましてですけども、これ今回はあくまでも暫定評価ということですよね。こうした場合、資料の私の理解が間違いでなければ、この暫定評価というのはあくまで原子力安全保安院の皆様が評価されたっていうことでよろしいでしょうか。

西山審議官:はい、そうでございます。

記者:そうですよね。そうしますと、これちょっと読み違える可能性があるんですけれども、つまりIAEA、要するに外部機関が暫定評価したということではないんですよね。あくまでも皆様が評価されたということで。

西山審議官:はい、そうでございます。そういうことであります。経済産業省の原子力安全保安院が、日本国の中ではこれで良いということでみんな納得しておりますけれども、現時点ではですね。そういうことで日本から出したものということであります。

記者:そうしますと、ごめんなさい、今後ですね、海外のそういった評価機関がですね、データに基づいて評価されるみたいなそういった動きの予定というのはありますでしょうか。

西山審議官:これは各国ともですね、自分の国で権威ある評価を自分で行ってそれをIAEAに登録するというふうになっておりまして、とくにそれをまた国際的に誰かが認定するというようなことは行われません。

記者:わかりました。ありがとうございます。

司会:次の方。では壁際の男性の方どうぞ。

記者:中日新聞のホソイと申します。避難のことでちょっとお伺いします。今の現状でも福島県から他県に避難する人が増えてます。それで今屋内退避も含めて30キロと設定されてますが、今の状況のなかでその区域の変化は考えられるのでしょうか。あとその屋内退避の区域以外の30キロの以外の方も他県に脱出している方も多く見られています。それでですね、不安を解消するためには、例えばですね、西山さんが大切なご自身の家族と一緒にですね、30キロのところに一緒に行くことが出来ますでしょうか。それをお聞きします。

西山審議官:まず現在の20キロ、30キロのこの退避をお願いしている部分につきましては、政府としてよく現在あり得るべきリスクを考え、それによってかつそこにかなりの余裕を見て設定したものでありまして、現在までの情勢の変化においてはこれを変更する必要はないというふうに考えております。それから私自身のことについて言えば、それは十分実行可能だと思います。実際にやるかどうかは別として、そういうことについて抵抗感はございません。

司会:次の方挙手お願いします。じゃあ1番前の方どうぞ。

記者:フリーのイワカミと申します。話がちょっと大きく変わって申し訳ないんですけれども、東海地震がですね、差し迫って起こる可能性があるということが言われております。もしそういうことが起こった場合に、浜岡原発、危険性が指摘されております。この浜岡原発の、その原発の是非という論議は置いといてですね、それは一旦棚上げにしてでも、危険性が指摘されているんであれば、一旦は緊急に停止して安全性を確保するということは考えられないんでしょうか。政府内部で検討されているんでしょうか。この点についてお聞かせ頂きたいと思います。

西山審議官:この点については確かにこれまでの耐震指針に基づいて作られてきた福島第一原子力発電所が地震の揺れというよりも津波の、これまでどちらかというとあまり強く意識されなかった部分で非常な被害を受けたということがあるので、この事実についてはよくそれの持つ意味を考えなきゃいけないと思います。そういう段階だと思いますので、この点については今非常に難しい問題ではありますけれども、ちょっと私として今この時点でどうするということ明らかなことをいうのは難しいんですが、重要な課題として考えなければいけないというのは間違いないと思います。

記者:考えなければいけないのではなくて、例えば政府内部でですね、こうした問題が討議されているのかどうかという点、まずそこを明らかにして頂けないでしょうか。先ほどの官房長官会見でやはりこの質問をしたところですね、この点に限らずあらゆることを検討していると、また検討の俎上にあげているというようなことを官房長官おっしゃっておりました。やはりこの緊急の停止ということに関しては、国民はやはり知りたいところであろうと思います。安全性の確保のためにもですね、そういった措置は考え得るというようなことをやはりアナウンスするべきで、お答えするべきではないのかなというふうに思っているのですけれども、ちょっとお答え願えないでしょうか。

西山審議官:緊急停止するかどうかということについては色々なことを考えないといけないと思いますから、それは軽軽に判断は出来ないと思いますけれども、国としては今回の経験を踏まえて他の原子力発電所についてどうするかということについては当然考えているべきことだと思います。

記者:検討はされているのかどうか、ちょっと教えて頂きたいんですけど。そのことが議論されているのか、その話が話し合われているのかどうか、そこをちょっとお尋ねしているんで、そこを是非お聞かせ頂きたい。結論がどう出ているのかというのはまた別として。まず話し合われているかどうかです。

西山審議官:政府の正式の機関で話し合われているということはないと思いますけれども、政府の中に問題意識は十分あります。

記者:ちょっと関連して、中部電力管内の方が足りなくなるのではないかということも言われてますけれども、他方で火力発電所はなぜ使わないのか、あるいは関西電力からの送電があれば、かなりの程度カバーできるのではないかということも言われております。こうした総合的な対策をすれば、浜岡の原発を一旦停止することによる電力の供給不足という点は補えるのではないかという指摘もあるんですが、この点についてちょっとご見解をお示しいただきたいのですが。

西山審議官:ちょっとその電力の需給関係とか新しい、新しいというか、今止めてあるプラントを動かすかどうかとかそこは私どもの専門外のところなので、それについてはコメントを差し控えたいと思います。

司会:では4列目の男性からどうぞ。

記者:朝日新聞のコボリと申します。IAEAの天野さんが今来ていらっしゃいますけど、東京でIAEAとしても何か独自に放射線の観測をしたいというふうにおっしゃっていたそうなんですけれども、IAEAとはどんな話をされているのか、あとそういったIAEAが観測されたデータも共有はされると思うんですけれども、それは公表されるものなんでしょうか。

西山審議官:まずおっしゃったように天野事務局長が来日されておりまして、それから専門家の方も確かお見えになっていると思います。それで私どもとしては、IAEAが独自に調査をするなり、観測をしてくれるというのは一つ客観的な材料として非常に参考になるし、世界の方にも日本が言うだけじゃなくてIAEAの方はこういうふうに思っているということで、重要な情報の提供になると思いますので、IAEAのやられることには協力したいと思います。それから逆の立場で、前から申し上げているようにIAEAに専門家をお願いしております。計測の部分とか、それからあと放射線の評価の部分とかだったと思いましたけれども。というところについては是非我々にもサポートして頂きたいと思っていまして、そういう意味で今回の天野さんの来日は非常に重要な機会であり、これからIAEAとは密接に連携していきたいと考えております。

司会:では3列目の男性の方どうぞ。

記者:先ほどの退避区域との関連に戻るんですが、現在あり得るべきことを考えて設定しているので、それは情勢の変化がない限り変更する必要はないという話でしたけれども、その現在あり得るべきことというのは、現在考えられる最悪の事態を想定しても今の区域で問題はないとそういう理解でいいんでしょうか。

西山審議官:基本的にはそういうことだと理解しています。あり得るべき最悪の事態を考えてこういうことだというふうに判断したということです。

記者:そのあり得るべき最悪の事態というのはどういう事態ですか。

西山審議官:ちょっとお待ちください。ちょっと今参考のがなかったので、この関係は、ちょっと参考の材料を見ながら説明したいと思いますので、後ほどに回したいと思います。この会見中に必ずお話しします。

記者:いつお話して頂けるんですか。次回の会見だと。

西山審議官:今この関係で、今自分がもっていると思っていた紙が見当たらないんので、ちょっとお待ちください。

記者:今この会見中に何とかお話して頂けるんですか。

西山審議官:すみません、探しながら他の質問をこなしたいと思いますので、他のご質問を先にお願いします。

司会:それでは奥の方お願いします。

記者:週刊朝日のミシマと言いますが、電源が通った後のことなんですけれども、これでECCSが動けば次のアクションは何になるんでしょうか。それともしECCSが動かなければその場合はどうするということになるんでしょうか。

西山審議官:私の理解は電源が通ったら既設の、すでにある様々なポンプの類を活用してその冷却機能を回復するというふうに考えておりまして、それからもう一つはあれですね、仮設のポンプも導入することによって冷却機能を回復するということをやるべきだと考えております。

記者:ですからそれがもし万が一うまくいかない場合はどう、次はどうなるんですか。四つともか三つともかが全部いけるかどうか、被害も受けていると思うんですけれども、その場合はどういうシナリオに入るんでしょうか。

西山審議官:やはり外から仮設のポンプを持ってくるということで、何とかラインを繋ぐということだと思います。

記者:最終的にその炉心はどうするんですか。原子炉建屋とかかなりないんですが、これは最終的にどう僕らは処分、対応というか、処分する、しなきゃいけなくなるんですか。

西山審議官:まずは冷却をしてですね、低温停止状態にもっていくというところが最も重要で、そこに持っていった上でその後のことはまだその後考えると言いますか、並行して考えていってはたしてどうするのかを決めてかなきゃいけないだろうと思います。

記者:冷却したということをどういうふうに確認するんですか。

西山審議官:そこはあれですね、やっぱり今は電気が来ないことによって色々な計測系統が麻痺してしまっているので、それを回復させ、もし必要なら新しいものも設置することによって対応していくということだと思います。

記者:新しいものを炉心内に設置することが出来るんですか。

西山審議官:炉心の中というのは難しいかもしれませんけれども、何らかの形でそれに代わることをやるんだろうと思います。

記者:外から計測できるんですか。

西山審議官:そこはちょっと確認が必要ですが、何らかの形でそれをやらなきゃいけないと思います。

司会:じゃあ壁際の前方の。

記者:確認をしたいんですけれども、3月12日にINESの評価でレベル4っていうふうになっていたのを今回5にしたと言うのは、このレベル4というのは当時は1Fの1,2,4、違うな、1,2,3号機のことについてレベル4というふうに評価していたのかということと、1Fの4と2Fに関しては今回初めて出されたのか、この二点をお伺いしたいですが、

西山審議官:レベル4は同時は福島第一原子力発電所の1号機のみでございます。今回は1,2,3号機の全体についてです。

記者:1Fの4と2Fに関しても初めてということでしょうか。

西山審議官:第一の4号機とそれから第二の1号機2号機4号機、これについては、今回初めて登録するものです。

司会:一番前の男性の方どうぞ。

記者:フリーのイワカミです。すみません、先ほどの私の質問ちょっと誤解とのところ、ちょっと関連してお聞きしたいんですけれども、電気の、電源の繋ぎこみの作業が完了したとしてそれによって目的とする冷却システムが稼働するかどうかということが必ずしもわからないということでした。ポンプ、モーター等がそういうメカの方が損傷している場合は、地震によって損傷している場合には電気が通ったところで稼働しないということがあり得ます。となった場合ですね、その次の手段、どのようにお考えなのか。これ東電でもお聞きしたんですけれどもね、外部からモーター、ポンプを持ってくるしかないのではないかと、それについては検討始めているんですか。発注しているんですかということだったんですが、それはまだというようなお話だったんですけれども、それで正しいんでしょうか。もし次の手のシナリオというものがうまくいかないということがもし予測されているんだったらば、同時並行的にですね、電源が通った後メカが動かないという可能性に備えて外部モーターを持ってくるという発注等はその検討少なくとも発注行わなければいけないのではないかとも思うんですけれども、その点今現状どのようになっているのかその辺を教えて頂きたいと思います。

西山審議官:おっしゃる通りで、すでにいくつかのポンプは用意してあるというふうに聞いたと思いましたけれども、その点はちゃんと確認しておきたいと思います。

記者:それの確認というのは例えば次の会見でお話願えるとかそういうことでしょうか。それとも今手元に資料がおありですか。

西山審議官:今手元に資料はありません。ポンプはいくつか調達したというふうに私は聞いたように思ったんですが、そこは確認します。その方針が次の会見で示せるかどうかは今はちょっとお約束できませんが、当然のことながら、次の手も考えておかなきゃいけないので、それはいつかは、近々に確認したいと思います。

司会:では奥の男性の方どうぞ。

記者:毎日新聞のカントウと言いますけれども、二つほどあるんですが、一つはINESの評価に関することなんですけれども、これまでレベル4と言っていたのが1Fの1号機だけということで、その評価は登録をしていたのかということ、それ以外の号機の評価はすべて今回が初めてということでしょうか。

西山審議官:そういうことです。登録しておりました。

記者:それ以外の号機は初めてということ。

西山審議官:今回初めて登録したということです。

記者:二つ目は2号機のサプレッションチェンバーの現状の認識を教えてください。

西山審議官:これは前から説明申し上げていることと変わっておりません。爆発音的なものがしたという時点があって、それから圧力が下がったということで、どこかに損傷があるんでじゃないかという疑いがあるという状況から変わってないと思います。

司会:では2列目の男性の方。

記者:仮設のポンプの件なんですけれども、午前中の記者会見で西山さんは、仮設のポンプは準備しているというようなお話をしてですね、それからこの会見でもですね、準備して、いくつか準備していると聞いているというふうなお答えしかないわけですね。そうするとかつてポンプ車の時に私聞いたんですけれども、ポンプ車ちゃんと準備しているんですかと聞いたら、5台準備していてですね、一時的に4台3号機の爆発に巻き込まれてですね、動作確認中ということをおっしゃってたんですよね。そうするとですね、監督する側の保安院という立場なのにですね、どうしてですね、仮設の電源をですね、先ほどご質問された方みたいにですね、必ず準備をさせてですね、何台あるか把握をするということをですね、なぜやらないのかとそれをちょっとお聞きしたいと思うんですが。

西山審議官:台数までは確認しておりませんでしたけれども、用意しているというふうに私は確かに聞いたと思いましたので。

記者:そうじゃなくて、台数が何台あるかきちっと把握しないとまた3号機が突然爆発するとか不測の事態があるじゃないですか。そういうことに対してですね、どうして予想されないんでしょうか。

18:42:16

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18:42:37

記者:共同通信のスエと申します。基本的な質問で大変恐縮なんですけれども、勘違いないように確認したいんですが、1,2号機の所内電源の復旧の作業のところで、先ほど説明で1,2号機向けの電気を配分するところに繋ぐというふうにおっしゃられていたかと思うんですけれども、これはすなわち1,2号機に送電線を引き込む作業がこれで終わるという理解でよろしいんでしょうか。

青木審査官:はい。(図を指しながら)こちらの内部所内回線のところまで外部電源もってきまして、こちらから1号機と2号機にそれぞれ配分して送電するようにということで、ここに接続を今しようとしているわけです。これが終わりましたら、2号機のそれぞれの建屋の中に電源を持ち込むことができるということです。

記者:建屋の中に電源を持ち込むことができるというのは、すみません、理解不足で。

青木審査官:ケーブルを建屋の中に引き込むということです。

記者:引き込む作業が終わるということですか。

青木審査官:そういうことです。

記者:わかりました。ありがとうございます。

西山審議官:ちょっと先ほどの最悪の事態に関する回答はですね、ちょっと私の思った通りの紙がないので、それを参考の上で、もう一度次回に話させて頂きたいと思います。

司会:すみません、申し訳ないんですけれども、あと詰まってますので、今回この会見はこの時間で終わらせて頂きたいと思います。次回はですね、今日に一回出来るかもしれませんが、また時間が決まりましたら、よろしくお願いします。

 

記者:今日中に一応出来そうなんですか。今日中にもう一回出来そうは出来そうなんですか。

司会:一応そのつもりではいますが、約束は出来ないので、すみません、申し訳ないです。

記者:でもあの最悪の話はとても大事なことだと思うんですけれども、実際に苦労して県外に脱出している人はたくさんいるわけで、本当に大事なことだと思うので、今言えませんですか。

西山審議官:ちょっと今材料が十分じゃないので、次回にしたいと思います。

司会:ありがとうございました。