司会:それではお願いします。
西山審議官:それでは今日もよろしくお願いします。まず放水作業のことについて、若干実績も含めてご紹介しておきたいと思います。
3号機、福島第一原子力発電所の3号機ですけれども、東京消防庁のハイパーレスキュー隊による放水が行われました。実績といたしましては20日、昨日の20時39分に開始をいたしまして、本日21日の午前3時58分まで実施して頂きました。この後3号機についてはケーブルの関係工事、電源の関係の工事を実施しております。放水の実績は大体1137トンというふうに今は聞いております。それから本日21日の放水についてはここに来る前の時点では調整中というふうに伺っております。
次に4号機の方ですけれども、こちらは自衛隊が担当されております。本日の6時37分委放水を開始し、8時41分に終了いたしました。こちらの方は放水車13台からその中にあるタンクに貯めた真水を放水しているということです。放水量の見込みは約90トンということでございます。
それから昨日ご紹介したコンクリートポンプ車ですね、これに絡む話をご紹介いたします。東京電力で手配いたしました生コンをうつ、元々の目的は生コンをうつコンクリートポンプ車による放水ということにつきましては、昨日まで小名浜のコールセンターにて作業員の訓練を行っていたところでありましたけれども、本日16時以降に福島第一原子力発電所の4号機に向けた注水試験を行うこととしているというふうに聞いております。
次に電源の関係で前にご質問頂いたことも含めて申し上げます。まず1,2号機の関係ですけれども、特にここでは建屋がしっかり残っている2号機が、その建屋があるがために外からの放水ということではなくて、電源を回復させて中での電気を使った形での冷却を早急に確認する必要があるということがございます。ただこれとは別に使用済み燃料プールについては別の系統を使って水を入れる行為をやったということは昨日ご紹介しました。それは注釈ですけれども。こちらの2号機に関する電源の、電気の導入については前から少しご説明してきたところですけれども、ご質問頂いていたこととして、具体的な交換部品を用意しながら点検をし、うまく作動しないものについては交換部品を用意しながら全体に対して冷却系なども含めて電気が通じる道を確立していくということだったわけです。それで具体的にどういう交換部品を考えているのかというご質問がありました。こちらで確認したところ、一つは2号機の補給水系、補給のほは補うという字に、給食のきゅうに水、補給水系のモーター。これは使用済み燃料プールとか原子炉の中に供給できるモーターでありますけれども、元々あったものについては絶縁抵抗を測ったところ、短絡している、ショートしているということがわかったので、交換部品を頼んでいるということでございます。それからもう一つの例は、計器用、計器は計るという意味の計器ですけれども、直流電源装置を緊急発注をしているということでございます。これはこの目的はこの計器用直流電源装置は2号機の中央制御室、中層とも言われますけれども、中央制御室の機器を動かすために交流、外から取り入れた交流の電気を直流に直す装置でございます。このようにすべての部品を予備的に発注していくというわけではなくて、テストをしながら一部の部品を発注していくということであります。東京電力としては、他の発電所、柏崎刈羽でありますとか、東通こういうところの在庫品とか発注品も活用し、そこで活用できないものについて緊急発注を実施しているというふうに聞いております。在庫があるもの、あるいは調達できたものについては順次取り換え作業に入るということで、入る予定でありまして、一部の設備につきましては、本日中に復旧する可能性もあるというふうに伺っております。例えば、本日中に復旧する可能性がある設備といたしましては、中央制御室の空調系、非常用の循環ファンということで、これはチャコールフィルターが付いていて、ヨウ素とか微粒子を遮ることができるということで作業員の方々の居住環境がぐっと増すということでございます。それから一部計器類であります。温度とか圧力を測ることのできる計器類でございます。以上が2号機の関係であります。
3,4号機につきましては、昨晩ご紹介したラインがあります。まず昨晩ご紹介したところは今後の予定としてはスイッチのところから3号機4号機のスイッチのところから4号機のパワーセンターという4号機の中に電力を配分するところまでケーブルの敷設接続を今日の16時を完成目標としてやるということですけれども、それについては是非実現したいというふうに現場では言っております。その後そこから各設備などに電気を通すことを順次点検しながらやっていくということでございます。
それから一つ訂正的なことに、修正させて頂くようなことになりますけれども、5号6号機の非常用の電源から外部電源へ切り替える作業につきましては、そのほかの作業、例えば緊急時対策室の照明電源の切り替え作業などを優先するということなので、この切り替え作業が少し中断された時期があるというふうに聞いております。切り替え作業というのは5,6号機の非常用電源から外部電源への切り替え作業の方をそのほかのより優先度の高いところの作業を先にしたことによって少し中断した感があるということですが、ただ、それでそうではありますけれども、本日の午前中に実施するということでやってきているというふうに聞いております。ちょっとまだ完成しているかどうかは今確認出来ておりません。
次に昨日ご指摘があった海水を注入して、大量の海水を3号機4号機に注入してその海水がプラントに入ったあと流れ出ることによって海への影響をどう考えるかということについてご質問がありました。それで私の方から申し上げたことは、モニタリングが必要なんじゃないかということで、それについては考えてみるという趣旨のことを申し上げると同時に、浮遊物の確認はやっているということを申し上げました。まず一つ訂正しなければいけないことは、この浮遊物の確認というのは、これはむしろ水における浮遊物ではなくて、ダスト、空気中の浮遊物ということでありまして、ちょっと私の勘違いでございまして、申し訳ございません。この浮遊物の観察した結果が昨日の夜お配りした核種分析の結果になっているということでございます。
それから海洋のモニタリング、海洋と言いますか、海水のモニタリングにつきましては、これは関係者の間で今協議中でございます。
次にアクシデントマネジメントのことについてご質問を頂きました。考え方を整理いたしました。アクシデントマネジメント、ご案内じゃない方もいるかもしれないから一応少し基本的なところから説明いたしますと、アクシデントマネジメントというのは平成4年の5月、1992年ですね、この5月に原子力安全委員会が原子炉設置社、東京電力などの原子炉設置社におきまして自主的に整備して万一の場合にこれを的確に実施することができるようにするということを強く奨励しますという安全委員会からのご指示がありました。これを受けまして、東京電力では平成6年の3月にアクシデントマネジメント検討報告書というものを当時の、当時は原子力安全保安院はまだありませんので、資源エネルギー庁の中にありましたので、資源エネルギー庁に提出いたしました。この当時の資源エネルギー庁の安全部門におきましては、東京電力が策定したアクシデントマネジメントの対策につきまして、これは実行可能なものであり、防止緩和効果が期待されるということで、と判断をいたしました。それからその非常手段的なアクシデントマネジメントの手法をとることによって、他の安全機能には悪影響を与えないということを資源エネルギー庁として確認いたしまして、安全委員会にも報告してあるということでございます。その後東京電力では福島第一原子力発電所につきまして、平成14年の10月までにアクシデントマネジメント対策を整備いたしました。今回の事象との関連で申しますと、今回の出来事との関連で申しますと、まず格納容器の圧力が高まった時にそれを低下する操作としてはベントがあるわけですね。これは非常手段なわけですけれども。これがアクシデントマネジメント策として整備されておりまして、これは昨日申し上げたように実行されているところであります。それから同じくこのアクシデントマネジメント策の中で格納容器内に水を注入しなければいけないときに、消火栓を使って消化のラインを使って注入するということについてもこのアクシデントマネジメントの報告書の中で書かれております。今回はこのラインを使って海水を海から直接くみ上げて今1,2,3号機には入れているわけです。そういう意味でこれらの手法については、その段階、平成14年の10月までに出された報告書の中にすでに示されていたもので、今回それが不幸な中でも役に立ったと言いますか、実行されたということでございます。それから今回は非常に厳しい事故だったわけですけれども、事故であるわけですが、特に従来型のアクシデントマネジメントの範囲を超えた感じがあるのはやはり津波が予想を超えた規模で襲ってきたということで、これによって深刻な事態に陥ったということがあります。その点については当時の報告書には書かれていないということであります。そういった当時の予測を超えることについての対応として今各方面の組織にお願いしておりますこの放水オペレーションですね、これをやることになっているということだというふうに考えられます。
あとは東京電力の社員の方で被爆者の、被曝をされた方の情報として、まず昨日報告申し上げたのは100ミリシーベルトから250ミリシーベルトの間にあるような被爆の状態の方がお一人いらっしゃって、この方は内部被曝の恐れはなくて、医療的な措置は不要であったということを昨日申し上げました。それからけがをした方の被ばく線量についてご質問を頂きまして、私の方からは個人情報だからということであまり多くを申し上げませんでしたけれども、本日伺ったところでは被曝した7名の方の内で1名の方、一番多くの線量を浴びた方が150ミリシーベルトということでありまして、他の方々はそれよりも低い値であるということを聞いております。
次にセシウムの関係のことで、全部まだ整理できていないところがあるんですけれども、現時点までにこういうことのようだいうことわかっているところを報告いたします。まずセシウムというのは普通の自然界にはないものなので、これは核分裂反応によって生成したものが燃料の損傷によって漏出したものであるというふうに考えられます。このセシウムがどのくらい出ているかということについては昨日核種分析が初めて条件が整ったことで、出来たものは昨日公表いたしました。私も繰り返しセシウムについてはご質問頂いてその度にここにいる同僚との間で確認と言いますか、確認してそういうことは聞いてないなということでご説明しておりました。今私が、もう一回これはきちんと整理する必要があると思いますけれども、県が調べている、これはある程度前からですね、調べている調査の中でセシウムについてのデータがあるものがあるようです。それから昨日お配りしたものがあって、ということなので、私が何回か聞かれて、私自身は我々の手法によってセシウムが出たという検出されたということは聞いておりませんでしたので、それは聞いてないということを申し上げておきましたけれども、我々の手法によってセシウムは検知できるのかというところについてはこれは疑問がありまして、そういう意味でモニタリング、通常やっている我々の発電所の中でのモニタリングにおいては必ずしもセシウムが検知できないようでありますので、そういう意味で、これまで私が申し上げてきたことについては、不正確であったというふうになると思います。その件につきましては、新しいデータが入手されたらそれを公表させて頂きますし、あるいは文部科学省の方から公表があるかもしれませんけれども、そういったことを見ながらこのセシウムについての対応を考えていかなきゃいけないと思っております。それからプルトニウムにつきましては、これは繰り返しご質問を頂いておりますけれども、プルトニウムについては通常の方法ではなかなか検出できないようでありまして、いずれにしてもそんなに有意な量で出ているということは考えにくいという状況ではありますけれど、どういうふうにすれば把握することが出来るのかについてはもう少し情報を整理したうえで改めて説明をさせて頂きたいと思います。あと今説明申し上げられないこととしては、緊急時環境放射線予測システムについての情報がちょっとまだうまく得られておりませんので、これについてはまた別途ご説明いたします。では私からは以上で、ご質問を受けたいと思います。
司会:質疑に入る前にですね、資料を追加で一部お配りいたします。38報をお配りしますんで、すみません。
司会;それでは質疑応答に入りますが、二点。30分間でやりたいと思います。それから挙手して頂いて会社名とお名前名乗って頂けるようお願いします。2列目の男性の方どうぞ。
記者:読売新聞のキラと申します。アクシデントマネジメントのことについてお伺いしたいんですけれども、今回ですね、海水を入れるのが遅かったんじゃないかというそういうふうな指摘があるんですけれども、今のご説明の中で海水を入れるということについてきちっと明記がしてあったのかどうなのか、そこちょっとお答えがなかったんでお聞きしたいと思います。
西山審議官:海水を入れるということは書いてありました。
記者:どういう状況でと言いますか。
西山審議官:消火栓を使った海水による代替注入ということで、格納容器内へ他の手段で水を入れられないときに消化のラインを使って、火を消すという意味での消火のラインを使って海水で、真水の代わりに海水を入れていくという手法があるということが書いてあるということです。
記者:先ほどのご説明のときにその海水の話をしなかったのは、たまたま言わなかっただけであって、きちっと書いてあるということですか。
西山審議官:書いてありますね。ちょっと私が文字を見逃しました。
司会:次の方。では1列目の男性の方。
記者:共同通信のセイと申します。モニタリングの関連で、浮遊物質は空気中ということで、水についてはモニタリングということでしたが、まずそもそもあふれ出た水の排水体制について何か現在監視などはしているのかという点と、それからモニタリングの際の項目と言いますか、それは浮遊物質と同じように核種分析をするという理解でよろしいんでしょうか。
西山審議官:まだ私の理解では現在懸命の放水作業を行っているところですので、このそこから流れた水がどうなっているのかということについてはモニタリングの体制と言いますか、監視の体制はよくとれていないと思います。現在はまだ収めるところで精一杯という状況だと思います。それからモニタリングの項目につきましては、まだモニタリングを、今のような前提がありますので、そういう状況でモニタリングをしなきゃいけないなという今機運が芽生えてきたというくらいの段階ですので、まだその詳細は今は全く決まっておりません。関係者で調整をいたします。
司会:では1列目の女性の方どうぞ。
記者:2号機の電源回復関連でお伺いしたいんですけれども、先ほど今後中央制御室が通電ができるようになれば空調系のチャコールフィルターなどでヨウ素や微粒子を遮ることが出来て作業員の作業がこれまでよりもしやすくなるというご紹介がありましたけれども、それは例えば空調系ができることによって、その大気中に出て行く放射性物質の量も多少軽減することが出来るのか、それともそのチャコールフィルターというのはそれとは直接結びつかないのか、そのあたりのことをちょっと教えて頂ければと思いました。
西山審議官:私の理解では中総と言われる中央制御室の外にある大気の中にですね、入っているヨウ素とか微粒子、放射性の微粒子などをフィルターで遮ってしまったことによって、中にいらっしゃる、空気を取り入れて行くときに中にいらっしゃる方の健康を守ることが出来て、そのフィルターは確か放射性廃棄物として然るべく管理されて捨てられるということになりますから、そういう意味で、発電所から外に出るかどうかという文脈とは別の話であります。
司会:壁際の女性の方どうぞ。
記者:共同通信のフカヤと申します。確認、作業員の被曝についての確認なんですけれども、先ほど7人の内の1人が150ミリシーベルトを超えていたということなんですけど、この7人というのは地震の作業で被曝をした東電社員の方のことでしょうか。それとも先ほど配って頂いた資料の15ページの従業員等の(2)にある3号機の爆発の時に負傷した従業員の7人のことなのか、どちらでしょうか。
西山審議官:私の理解ではけがをした方の被ばく線量ということで、負傷した7名の方ということだと思います。
記者:東電の社員?。
西山審議官:そうだと思います。
司会:2列目の奥の男性の方どうぞ。
記者:フジテレビですが、今の現在のステージはレベル5で放射性物質の限定的な外部への放出だということなんですけれども、1時間あたりでの量が少ないということでそうなっていると思いますが、このように数日、1週間くらいですね、ずっと放出が続いている状況において、レベル6、これがずっと続く場合にはかなりな外部放出がなくてもレベル6に上がるのか、またこれが放出が続くことによって避難の関係が変わってくるのか、また住民への人体への影響も変わってくるのか。それを教えてください。
西山審議官:まず避難の話とその前の放出が続くことへの国際的な評価尺度の話を分けて考えますと。まず今現在何とか放射性物質の持続的な排出を食い止めるべくやっているわけですね、今放射性物質が出てくる主な原因は原子炉と、それから使用済み燃料プールに水が満たされていない場面があったり、今はちょっとどうなっているかわからない部分もありますけれども、そういうことによって出てくるということですから、そういう事態をなるべく早く収めるということでやっていまして、そういうことになれば、放射性物質の量は必ず減ってくると考えております。そういう意味で現時点ではこのままずっと垂れ流されるような状態が続いてレベルが上がるということは想定していません。それから避難の範囲については、前から申し上げているとおり、仮に悪い方向に進んだとして、悪い事態を考えたとしても現在の20キロ、30キロ、20キロ以内は別の場所に避難して頂く、それから30キロまでの間の方は屋内にいて頂くというこの措置で現在は十分だと考えております。
司会:では隣の男性の方どうぞ。
記者:フジテレビのニシヤマと言います。ちょっと確認なんですけど、3号機の格納容器の圧力に関して160キロパスカルに低下していると思うですが、これについての評価と、あと朝モニタリングでデータを出されたもので今出されたもので値は低下している傾向にあると思いますが、これの評価と教えてください。
西山審議官:3号機の格納容器ですけれども、昨日格納容器の圧力が高まってベントのことを申し上げてご心配をおかけしましたけども、その後水の注入量操作することによって落ち着いてきているということだと認識しております。ただ少し各種のパラメーター、データがですね、動いているところがありますので、これについては注意しなければいけないと思いますけれども、昨日から事態が悪化していることはないというふうに考えています。それからモニタリングについては若干の数字の改善が見られると思いますけれども、これもよく注視してかなければいけないと思います。
司会:では2列目の男性の方どうぞ。
記者:TBSのワタナベです。通電によって本日中に復旧する可能性があるという先ほどおっしゃいましたが、温度、圧力を測る一部計器というふうにおっしゃいました。これ原子炉内部のものも含まれるんでしょうか。
西山審議官:そこは確認します。
司会:4列目の男性の方どうぞ。
記者:テレビ朝日です。先ほどの質問にも被るんですけれども、昨日の午後ですね、ドライベントのことで報道がありました。これ見合わせたということだったんですけれども。昨日の午前10時半ごろに茨城県の各地で放射線パラメーターが急上昇したというデータがあります。東海村、ひたちなか、日立市、水戸市、すべて全く同じ時間に放射線量率メーターが急上昇しているんですが、この事実をみなさんご存じでしょうか。もしご存じでしたら、原因は何だとお考えになりますか。
西山審議官:なかなか推測が難しいところですけれども、我々の判断では、今これは一定の風向きなどによって元々前に排出されていた放射性物質がそこに至ったものであろうというふうに思います。それでドライベントはやっていないことは確実ですので、何かそれによるものということは考えられないと思います。
記者:では発表通りになさってはいないということですね。
司会:真ん中の列の4列目の方。
記者:朝日新聞のコボリです。昨日、一昨日くらいからずっと聞いているSPEEDIのデータについて公表できない、今日も宿題公表できないということなんですが、公表できないということはわかったんですけど、なぜ公表できないのか、こういうデータが足りないから試算ができないのか、それともどこかから止められているのか、公表できない理由をせめて教えて頂けないでしょうか。あと公表できるとしたらそれはいつまでになるのかという見通しも教えてください。
西山審議官:どこかから止められているということはありませんで、確か昨日の夜、私も帰って聞いたところでは必ずしもなんて言いますか、みなさんにお示しできるような信頼度のある数字が計算できないというようなことだったと思いました。
記者:12日の爆発の後の会見で、12日の風向きとかですね、そういうデータを入れて計算したものを放射線班のレクでお示しになっていたんですけれども、あれ以降信頼に至るデータがないので計算できない、そういう理解で良いんでしょうか。
西山審議官:すみません、今専門家とちょっと話したところでは、12日の時にお示ししたものは数量的な意味はなくて、あれは一定の仮定のもとでのデータで、ただ分布、どういう地域にどういうふうに広がるかという分布をお示ししたものだということなんですね。それでこれから先何もしないのかということについては、その計算の根拠となるどこのプラントからどういうふうなものが出ているということが考えられるかということについての原子力安全委員会とのすり合わせを行っているということですので、それがある程度できて来ればそれと風向きなどの気象条件なんか合わせてある程度皆様にお示しして意味のあるものが出来てくる可能性があると思います。もちろんそういうものが出来次第お示しします。
司会:3列目の男性の方どうぞ。
記者:西日本新聞のヨシタケと言います。一進一退の状況が続いていると思いますけれども、20キロ、30キロのですね、避難もしくは屋内退避の対象のエリアが月内にですね、縮小するなり、解除するなりの可能性っていうのはどのくらいあるんでしょうか。
西山審議官:それは非常に、そういうことが示されればいいなと本当に私も思います。避難されている方には本当に多大なご不便をおかけしているということは申し訳なく思うんですけれども、まさに一進一退であるがゆえにですね、今のやっていることが悪い方に行っているとは思いませんけれども、少しずつ成果を挙げて落ち着いてきているように思いますが、ただ申し訳ありませんけれども、現時点ではこの避難の解除なり縮小をですね、申し上げる段階にはないと思います。
司会:1列目の女性の方どうぞ。
記者:すみません、先ほど審議官、仮に悪い方向に進んだとしても20キロ、30キロ屋内退避だけで十分だとおっしゃったんですけど、その仮に悪い方向というのは再臨界のことなのか、なんのことなのか具体的に教えて頂きたいのと。別の話で民間コンクリートポンプ車の話ですけれども、何時間くらいやるか予定がわかれば教えて頂きたいのと、他の民間企業からも同じような申し出があるということなんですが、当面この三重の企業だけなのかというところを教えて頂ければと思います。
西山審議官:まず20キロ、30キロの方のことですけども、2日くらい前でしょうか、どういう悪いケースを想定してそれでも大丈夫と考えているのかっていうご質問頂いて、私が申し上げたのはこれは今でも変わっておりませんけれども、まず今回の事故の特徴である全部の交流電源がなくなって、それによって放射性物質の主要な閉じ込め機能が損なわれるということが、しかも複数の号機で起こるということであっても大丈夫な範囲に今なっていると、それに余裕をもって大丈夫な地域になっているというふうに考えております。それから民間コンクリートポンプ車については、まず1台でやってみて、その後の部分についても採用すると言いますか、使っていく可能性はあると思います。ただまだ今1台目をどうするかということについて、どうするかというか、使う準備をしているところなので、2台目以降について具体的な計画になっていないのではないかと思います。
記者:1台目も何時間使うかというところもまだ決まっていない。
西山審議官:そこは決まっていないと思います。
記者:3号機に向けてまずですよね。
西山審議官:今4号機と聞いております。
記者:すみません、ありがとうございます。
司会:では壁際の男性の方どうぞ。
記者:ロイター通信のクロリケです。今回の事故の数日前に東京電力が一部の検査が不十分だったという報告が東京都に回ったという一部の報道がありますが、これは事実でしょうか。もしく、事実であれば今回の事故に直接関連している可能性はどう見ていらっしゃいますでしょうか。
西山審議官:それは確認いたします。
司会:隣の女性の方どうぞ。
記者:毎日新聞のアダチです。2号機の復旧のことで確認したいんですが、先ほど中総の空調と計器類の今日中に復旧の可能性というのをおっしゃっておられましたが、これは先に中総の空調が回復してあと計器類という順番になるのか、あと冷却系の復旧っていうのはどういうふうになるのか、ということとですね、あともう一点、3号機のサプレッションプールなんですが、今日のダウンスケールといって何もデータないんですが、何か状況っていうか、その後わかったことというか、現状どうなっているとみられるかというのを教えてください。
西山審議官:まず中層が先か、計器類が先かということについては、そういうふうに詳細は確認しておりませんけれども、人員のある範囲で両方ともなるべく早くやりたいと思っているだろうと思います。それからこの2つをやって、それからあとは冷却系ですね、原子炉とそれから使用済み核燃料のプールというの、冷却系について当然その後なるべく早く外側からの水に頼らない形で冷却のラインが引けるように努力するということだと思います。それから3号機のプールについては、3号機のプールについては今特に有意な、意味のある変更はないと思います。
司会:1列目の男性の方。
記者:共同通信のシズネと申します。津波の関係ですけれども、何回かずっと会見で伺っていて想定を超えたということを、そういうのを事実としておっしゃっておられるかと思うんですが、これは定量的には確かめられたものですか。それとも今後確かめる手段があるものでしょうか。
西山審議官:こういうことだと思います。私の理解では、今の元々の耐震指針に基づく、津波何メートルくらいの高さということを想定してあって、それで今回の津波の高さというのは、津波が一番高いところで触れたものなどを見ればですね、高さがわかりますので、今きちっとした数字は持ち合わせていませんけれども、それによって十分に比較ができると思います。
記者:それ、何かこれくらいという情報はお持ちですか。
西山審議官:これは未確認ですけれども、14メートルな高さの駐車場をですね、超えているというふうに確か聞いたことがあったような、思いましたけど。
記者:すみません、駐車場というのはどこの。
西山審議官:東電さんのものなのか、その近くにあるものなのかわかりませんが。
記者:サイト内の。
西山審議官:サイト内か、サイトの近くか、そのサイトに被った波と同じ波が被ってったところにあるものじゃないかと思うんですけれども。
記者:なるほど。
西山審議官:14メートルを上回る波だったということじゃないかと思いますが、これは私的な会話の中で出てきた情報なので、今イメージを指し上げるために申しましたけれども、ですから正確なものではありません。そこはちゃんと後ほど検証した上で決めなければいけませんが、そういった情報を聞いたことがあります。
記者:それは事業者との情報のやり取りの中でということ。
西山審議官:そうじゃなかったような気が、別の文脈だったような気がしました。
記者:相手は、そのソースはどこだったということ。
西山審議官:ちょっと今はっきり記憶していないですね。
記者:そうですか。それともしわかれば現在のその1Fのその津波の想定は5.4から5.7メートルという数字は聞いたことがありますが、これでよいんでしょうか。
西山審議官:ちょっと確認させてください。大体オーダーとしてはそのくらいのものだったと思いましたけれども。
司会:では男性の方どうぞ。
記者:産経新聞のタナベと申します。海洋汚染の調査の件なんですが、まず3号機4号機に放水した水がどこを通って海に流れ込んでいると考えられるのかということですね。あと機運が高まっているという表現ありましたけれども、保安院としては浮遊物なりモニタリングの調査をしなければいけないなという問題意識を現在持っておられるでしょうかというようなのをお願いします。
西山審議官:まず3号機4号機への放水にあたってその水がどういうふうに海に流れ込むかっていうことですけれども、私が今これは正式に確認したわけではありませんが、非公式に聞いているところでは、あまり流れ込まないだろうというふうに、まずそれが大前提であるというふうに聞いています。ですから一応その可能性を否定できないので、モニタリングという方向に今考えていますけれども、現場の方々はそんなに流れ込むような状況じゃないというふうに思っておられるという情報もありますので、まずそれを申して、ここはただ未確認です。それから経済産業省原子力保安院としては、モニタリングはやるべきだというふうに思います。ただやっぱり優先順位というものが、限られた人間で限られた方々が今一生懸命まずは最初の安定の状態を作り出すべくやっておられるときに、あれもやれこれもやれということを申し上げるっていうのは国全体のためにもならないことがありますから、そこはよくタイミングなども考えながらですね、どういう手法をするか考えながらやらなきゃいけないと思いますけれども、問題意識としてはやっぱりそういう可能性がある以上、海に流れ込まないなら流れ込まないということですし、そうでないなら仮に少しでも流れ込むんなら、どう考えるかというモニタリングというのは必要じゃないかと思っています。
記者:話は変わるんですが、4号機のそばにあるですね、使用済み核燃料の共用保存プールの件なんですが、こちらは今どのような状況にあるかというか、水位にしろ温度にしろですね、把握されていたらお願いします。今後対策を打たなきゃいけないと思っているとしたら、その内容についてもお願いします。
西山審議官:最新時点ではないんですが、ちょっと遅れてお配りした紙のところに書いてあって、私の認識ともそれは同じですけれども、5ページですが、使用済み燃料共用プールという各号機についた、くっつけてあるプールとは別のプールですね、これについてはほぼ満水であるということでして、特に今問題を感じておりません。
司会:時間も限られておりますので、あと一人。女性の方どうぞ。
記者:AP通信のヤマグチです。すみません、アクシデントマネジメントについてもう一回お聞きしたんですけれども、先ほど東電の報告書には色々書いてあったということですけれども、その報告だけではなくて例えば作業員の訓練ですとか、非常時の時の例えば防災の日にやっているようなああいう訓練とか、手続き、その他シミュレーションやっているとか、実際に危機的な状況になった時の動きについてどのくらいの準備が出来ていたのかということは把握していらっしゃいますか。そしてもしそれについて何かお考えがあれば教えてください。
西山審議官:実際に先ほどのアクシデントマネジメントの報告書に書かれたことについては、特にこの格納容器内への代替注水、本来の冷却系がダメなときに代わりに海水を入れるということについては、そのためのラインを作るということをやっていたということで、それが功を奏したわけですけれども、そういう準備はしてあったということです。あと従業員の方の訓練については今情報がありませんので、わかりましたら報告します。今一つ新しい情報として本日の11時36分、午前11時36分に5号機6号機の所内電源につきまして、5号機6号機の所内の電源につきまして、夜の森線っていう、夜の森の線っていう、あそこに書いてありますかね、そこから受電を開始したということで、これまで非常用の電源に頼っておりましたけれども、外部から電源が引き込めることになったという報告がございました。
司会:それではですね、会見を終了させて頂きます。次回はまだちょっと時間未定ですが、また声掛けさせてもらいますので、よろしくお願いします。ありがとうございます。