司会:それではですね、10時15分ちょっと前ですが、会見をはじめさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします。
西山審議官:どうもおはようございます。お待たせしましてすみません。それでは昨日からの各号機の状況から報告いたします。
まず福島第一原子力発電所の1号機であります。1号機についてはかねてから申し上げています通り炉心への注入について最近淡水に切り替えまして、消防ポンプ車によって淡水に切り替えました。これは3月25日15時37分でありましたけれども。それ以降、圧力、温度とも少し下がって今のところ挙動は安定しておりますが、元々だいぶ不安定だったプラントでありますので、また注意をしていかなければいけないと考えております。それからこの関係では、使用済み燃料プールについては引き続き注意は要しますけれども、他のプラントに比べると本数が少なくて発熱量も小さいので、少し順位的にはほかの基よりも劣後するということはあります。ただ当然また使用済み燃料と水との関係で足りなくなったりしないように、しっかり見ていかなきゃいけないとは思っております。それから本日のこの1号機の関係としては、直流電源装置の設備を準備するといったことを考えておりまして、一つは、他にも色んなやることありますけれども、一例を申し上げればそういうことで、モーターとかポンプ、海水ポンプなどに使われるこの直流電源装置の設置の準備などをすると聞いております。それから同じく1号機について、使用済み燃料プールは今申し上げたようなことですけれども、出来れば明日には冷却系、使用済み燃料プールの冷却系から淡水を注入したいと考えております。消防ポンプ車による淡水の注入を行いたいと考えています。
次に2号機であります。2号機は炉心のパラメーター自体は安定しております。本日の予定といたしましては、炉心への、今海水をまだ2号機は注入しておりますけれども、これを淡水に切り替える作業をいたしたいと思っております。消防ポンプ車によるものでして、2号機についてはタンクが他の1,3号と、昨日変えました、昨日切り替えました1,3号とは別のルートで入れることになっております。その別のルートで入れる理由は2号機についてはホウ酸をそのルートの中で混ぜていくということが必要だと考えているからでございます。それから今日出来れば2号機の中央制御室の照明を点灯したいと思っております。これ昨日もやりたかったんですけれども、出来なかったのでそれを一部まだ繋がらないところがあったようですので、それを是非やりたいと思っております。それから同じく2号機で、これも明日を目途に使用済み燃料プールに対する注入を海水から淡水に変えていくということもしたいと思っています。次に3号機であります。3号機は炉心のパラメーター自体は今は安定しております。それからここについても消火系から、これは元々復水移送ポンプを使って淡水を入れようとしていたときに、作業員の方が負傷されたわけですけれども、昨日申し上げましたように今度消火系から海水の、海水を真水に変えた形で、海水から淡水に変えて今注入しております。これは3月25日の18時02分からそうなっております。それで今炉心のパラメーターは現在は安定しているということです。使用済み燃料プールにつきましては、昨日13時28分から16時までということで、川崎市の消防局が東京消防庁の支援を受けて放水をして頂きました。
それから4号機、失礼、3号機について他に今日行いたいと思っておりますことは、消火系の電動駆動ポンプの健全性の確認。それから現場の調査などで、この電動駆動ポンプを使っていけるようにしたいというふうに考えております。それから使用済み燃料プールにつきましては、3号機の使用済み燃料プールにつきましては、明日を目途に使用済み燃料プールへ注入する水を海水から淡水に切り替えていくことをしたいと思っております。このほか線量が高くなって妨げられてしまいましたけれども、ケーブルの復旧とか、そのほかの機器の健全性の確認などを継続的に実施して参る考えです。次に4号機ですが、4号機については元々原子炉の方は燃料がありませんので、専ら使用済み燃料プールの状況が焦点なわけでございます。これに対しては、コンクリートポンプ車による放水をやると同時に、それから使用済み燃料プールの冷却系から海水を注入してきたというところであります。これを明日を目途に使用済み燃料プールの注水を海水から淡水に切り替えていきたいと考えております。電源関係では、除熱をするための弁の開け閉めなどをやる、空気で動くコンプレッサー、空気を送り込んで動かす、そういう弁の開け閉めをするような設備を、について健全性を確認して電気によるそういう弁などが動けるようにしたいと思っています。ちょっと前後しましたけれども、使用済み燃料プールについては、その淡水への切り替えを行うと同時に、コンクリートポンプ車についてはスタンバイしてもらって、いつでも使用済み燃料のプールの状況を見ながら水を入れていくことは考えたいと思っています。
5号機、6号機については、一番最新の情報としては6号機に昨日3月25日の15時50分でしたけれども、仮設の電源から外からの電源に切り替えることが出来たということで、これで5号機、6号機は全体として外部電源に切り替わったという状況にありますので、一段落ついております。これから冷温停止を確実なものしていくということでございます。共用のプール、使用済み燃料の共用プールですね、各号機に設置されていない共用のプールについては特段問題なく、今3月25日、これちょっと今と言いますか、昨日の時点ですけれども、15時20分現在で53度という温度ですので、特に問題ございません。それから次に、昨日いくつかご質問があった水溜りの関係ですけれども、水溜りについては、今3号機で最初にけが人が出るようなことがあり、それから1,2号機にも水溜りがあるということがわかって参りました。それで1号機について言うと、タービンの建屋の地下の北西の通路というところに主にあるということ。それから2号機については、タービン建屋の地下の電気品室、電気品室という電気品を置いてあるところとそういうところにあるということです。現時点では1号機の方が、ちょっとはっきり、1号機の方の線量があんまりはっきりしませんけど、2号機の方は200から300ミリシーベルトパー時、パーアワーですね、毎時というふうに聞いておりますが、全体としては線量は、けがされた方が出たことにわかるように、上がり気味という感じに聞いております。ですから現場での今の作業はそういう高くなってくる線量との関係でいかに早く水を抜いて、作業の条件を確保するかということが非常に重要になってきているということを原子力安全保安院から行っている保安検査官なども申しておるところでございます。あと現場ではやはり、保安検査官事務所長の話では、淡水化の、淡水化するところが現在の焦点になっているというふうに聞いております。次にモニタリングと言いますか、いくつかその関係でですね、一つはこの夜の内に、タービン建屋の地下1階で観測された高い放射線量について核種分析をした結果をお配りしてございます。それからもう一点は、資料の最後の方ですが、付いていると思いますけれども、東京電力の方でこの海水の核種分析をしております。その結果が一つ出ておりまして、1Fの南放水口付近というものが付いていると思いますけれども、ここで前回の段階ではヨウ素、最初126倍、ヨウ素131が126倍というのが出た後、少し下がってからまた140何倍というのが出て、今日は実は1250倍という、50.0、50.8、1250.8倍という数字が出ております。この1250倍という数字は少しこれを計算してみますと、この濃度の水をですね、500ミリリットル、約500ミリリットル飲むと人間、一般人の年間の線量の、このくらいが望ましいという1ミリシーベルトになるというくらいの値でして、ある程度の高さをもった値です。前回のとき、原子力安全委員会に意見を求めてそこから回答を得ているわけですけれども、今回原子力安全委員会とは話しておりまして、まだ正式の回答ということではないんですが、基本的には前回と同じような判断になるのではないかという感触は得ています。すなわちこの福島第一原子力発電所を中心とする半径20キロの範囲というのは、現在避難区域に指定されておりまして、漁業等が行われておりませんので、周辺住民の方々などに直ちに影響があるとは考えておりません。一般論で言えば、海水中に放出された放射性物質は潮流に流されて拡散していきますので、実際に魚とか海藻などの海洋生物に取り込まれるまでは相当程度薄まるというふうに考えられます。またヨウ素などにつきましては、半減期が8日、8日ということで比較的短いために人がこれからの海産物を食するまでには相当程度低減しているものと考えられますということです。ただ今回のとった条件とかそういうことも検討しながら、また判断はしたいということですけれども、一応私どもとしてはこの見解は今回も当てはまるというふうに考えています。私の方から報告は以上でありまして、あとはご質問にお答えしたいと思います。
司会:それではですね、質疑応答を45分までにさせて頂きたいと思います。質問の際はですね、会社名とお名前をお願いします。はい、ではどうぞ。1列目の男性の方。
記者:すみません。共同通信の●●です。最後におっしゃって頂いた1250倍ということですけれども、これ前回と比べてもまた桁違いになっているということでですね、これ本当に大丈夫なのかという心配があると思うんですが、これなんでこういうふうになったのかっていうのの分析というか、推測でも結構なんですが、ありましたらちょっと教えてください。
西山審議官:考えられることとしては、発電所から空中を飛んでいって入るというルートと、それから水が何らかの形で放射性物質を含んだ水が流れていくというようなパターンがあるのではないかと思っていますが、今それ以上にはわかりません。それからもう一つこの関係で知っておいて頂きたいことは、文部科学省の方で船による調査をですね、沖合30キロくらいのところでやって頂いていますけれども、基本的にはその数値には特に今大きく変化がありませんので、そういう意味ではこのこれから先、発電所の近くのこの数字がどういう影響をもたらすかというのを見なきゃいけませんけれども、その数字が安定している分には、先ほど申し上げたことに加えて、その数字が安定していれば基本的には、なんて言いますか、人びとへの影響というのは小さいものになってくると思います。
記者:それからタービン建屋の水溜りについてなんですけれども、これ今1,2に言及されましが、4でもですね、水溜りが見つかっていたかと思うんですが、これに関しては新しい情報はありますでしょうか。
西山審議官:4は確かにむしろ津波の影響があるのではないかと思うような水が入っているということで、今のところ4については特に情報はありません。
記者:2に関しては、モニタリング、採取をして分析をしているということだったのかなと思うんですが、これについても新しい情報はないでしょうか。
西山審議官:ありません。あればまたすぐにお知らせいたします。
記者:それから水溜りからのですね、水抜きの作業、これについての見通しを教えてください。
西山審議官:まだ今具体的に始まっているというふうには聞いておりませんけれども、いずれにしてもポンプなりで抜いて、どこかその世の中に出て行かない隔離した場所にしっかり安全に保管するということになると思います。そういう準備をしていると今聞いています。
記者;保管場所の確保もたぶんしなきゃいけないと思うんですけれども、それは目途はあるんでしょうか。
西山審議官:それはあると聞いております。今その準備をしていると聞いています。
記者:それは新しく何か作るということか、それとも既存の設備を何か。
西山審議官:そこは詳しく聞いてませんので、確認しておきます。
記者:NHKのクニヨシですが、先ほどのヨウ素の関連なんですけど、ヨウ素131だけ飛びぬけて高いっていうのは、何かこれ自体で言えることっていうのはあるんですか。
西山審議官:飛びやすい元素だからということかなということをちょっと思いつきますけれども、あ、そうか、比率においてっていうことですね、今ちょっとそれ以上に思いつきません。
記者:2号機の方なんですけど、今日ホウ酸をルートで混ぜていくこと必要ということだったんですが、これは混ぜる必要があるという意味と、あと他のところは混ぜてないんですか。
西山審議官:それでちょっと説明、まず一つですね、さっきの排水作業の件ですけれど、1号機につきましては、ちょっと前の話になってしまいますが、3月24日の、少し前で申し訳ありませんが、3月24日の17時10分頃から排水作業はやってはいるということですね。ただその後に、これけがが起こったんですよね、今抜けてはいないんですよね。今ですから一部始まっている、そっか、1号機ですからね、1号機についてはそういうふうに排水作業をやっているところということです。
記者:他はまだ。
西山審議官:今どこにもっていくか、どういうふうに抜くかは含めて検討しているということでございます。それから今のご質問で、何だっけ、もう一回ちょっと。
記者:2号機でホウ酸をルートで混ぜていく必要があるということですが、これはどうしてなのかということと、他のところでは混ぜていないのか。
西山審議官:まずホウ酸入れる目的は中性子の動きをコントロールして、変に反応させないためのものですね。それから1号機と3号機についてはかつてだいぶ前になりますけど、海水のピットから最初に注入していた頃に、そのピットにホウ酸を入れるということをやっていましたので、その時に入っていたということです。その後、海から直接入れるようになって、どこにもホウ酸が入らなくなりましたけれども、1,3はその時点で入れてあったので、今回2について改めて入れるということです。
司会:では壁際の男性の方どうぞ。
記者:共同通信のスエと申します。海水の核種分析のところで確認なんですけれども、セシウム134とセシウム137も117倍と179倍ですが、これすみません、前回のやつと比べて上下はどれくらいなんでしょうか。
西山審議官:ちょっと今調べてすぐお知らせします。
記者:ちなみに単純に上がった下がったというのはどうでしょうか。
西山審議官:水溜りの話でしたっけ。海水の。
記者:いえ、この海水のセシウム134と137の。
西山審議官:今ちょっと過去のやつ出しますので、ちょっと待ってください。
記者:じゃあもう一点。それから水溜りの件で、1号機などは核種分析のデータ出ていますけれども、水が所謂淡水なのか、海水、津波に由来するかもしれないとか、放水に由来するかもしれないとか、その辺の分析はいかがでしょうか。
西山審議官:今それは聞いておりません。
記者:可能性としてはいずれか、まだ考え得るという段階。推定ではこれかもしれないというのはありますでしょうか。
西山審議官:それはたぶんわかろうと思えばすぐわかることではないかと思いますけれども、今聞いておりません。
記者:わかりました。
西山審議官:またわかればお知らせします。
記者:お願いします。
司会:では前の男性の方。
記者:毎日新聞のハッタと申します。タービン建屋の1,2,4号のそれぞれの水が溜まったルートというのをどのようにお考えなのかというのをそれぞれご説明頂きたいと思います。
西山審議官:まだそれははっきりわかりません。4号機は割と一面に入っているような感じになっているので、津波の影響が大きいかなというふうに感じはしますけれども、まだそれも含めてはっきりわかりません。
記者:ごめんなさい。関連でよろしいでしょうか。3号機の場合は、昨日のご説明の中で弁なりですね、あとは配管からリークしている可能性もあるというふうにおっしゃられていましたが、1,2に関してもその可能性というのは否定は出来ないと、そういうふうにお考えですか。
西山審議官:そう思います。つまり言っていることは、核種分析をやってみると、これは原子炉の中か、あるいは使用済み燃料プールか、その辺りに由来するものだろうと、そのどっちかというのは原子炉の可能性が高いような感じはしますけれども、まだ結論は出てないんですね。そういうものであるということからすると、津波の水も多少入っているかもしれないけれども、津波だけではそのことは絶対起こりっこないわけですから、それをそういう意味ではどこかにリークがあるだろうと、それでただし割れているとかそういうことは考えにくい。圧力もあるし、割れてるとかいう事態じゃないだろうというふうに考えています。
司会:4列目の男性の方どうぞ。
記者:朝日新聞のコボリです。先ほど保安検査官事務所長さんが淡水化が現場で焦点になっているとおっしゃいましたけれども、その焦点という意味なんですが、海水を入れていたことによって例えばダメージがあったり、その冷却がうまく出来なくなったりっていうことがあって、焦点という意味なんでしょうか。それともケーブルの敷設とかやることが他にあるけれども、その中でも今新しいこととしてそれが出てきているという意味なんでしょうか。
西山審議官:基本的には後者の方の要因と言いますか、今それにかなり精力を割いているということですけれども、なぜ精力を割くことになったかと言うと、やはり冷却の効率の問題とか、塩が付いて塩分が付いていることによって、効率の問題とか、少し管が詰まる可能性があるんじゃないかとか、あるいは不純物なり、あるいは塩で塩分で、なんて言いますか、金属に悪影響があるんじゃないかとか、そういう心配があるので、淡水が手に入った現状においては、なるべく早く切り替えたいと、そういうことで、そこにかなり努力をつぎ込んでいるということだと理解しております。
記者:1号機で22日くらいからちょっと圧力とか温度が不安定になりましたけれども、それも例えば海水を入れていたことで、塩で冷却が出来なくなったとかそういう可能性もあるというふうにお考えでしょうか。
西山審議官:まだたぶん全部は明らかになっていないというか、それが原因かどうかはっきりしていないんですけれども、非常に入れるの、最初に使っていた消火系の入れ方が難しくなってきているということで、今回別の方法に切り替えた、給水系に切り替えたということがありますから、その原因はまだはっきりわかっていないと思うんですね。しかしそこには十分塩による、塩なり海水だからということも考えられるので、そういう判断になったと思います。
記者:最後一点なんですが、1号機の水溜りの排水がもう始まったということなんですが、それはどうやってどこに排水をされているんでしょうか。
西山審議官:今聞いているところでは、ポンプでですね、復水器という元々原子炉から出た蒸気を冷やして水に戻すそういう系統のところに入れていると聞いております。
記者:ありがとうございました。
司会:3列目の前の男性の方どうぞ。
記者:西日本新聞のヨシダと言います。水溜りの関係で、タービン建屋ということですが、原子炉建屋の方にも水があるのかどうかの確認と、地下には原子炉を冷やすための循環するポンプなどがあると思いますが、その損傷は各号機でどうなっているんでしょうか。まず一点お願いします。
西山審議官:お待たせしました。今我々の把握しているところでは、5号機6号機の原子炉建屋に水があるのではないかというふうに言われています。それから配管のところは今のところよくわかりません。何か起こっている可能性はありますけど、どうなっているかははっきりわかりません。
記者:じゃあ1から4までのポンプが生きているかどうかは、要するに水が入って損傷した可能性があるかどうかはわからないということでいいんですか。
西山審議官:そうですね。
記者:それと、また別件で、念のため確認ですが、燃料プールの水をずっと放水されていますが、燃料プールそのものが破損して漏れている可能性というのは考えられているんでしょうか。
西山審議官:今我々はそういうことは考えてないというか、そういうことを示すデータはありません。
記者:100度未満になっているのに、水をどんどん注入しなければならない状況というのはどういうふうに考えればいいんでしょうか。
西山審議官:それは100度未満であっても、やはり使用済み燃料がまだ低温安定の状態にいかないうちはどんどん温度が高くなって、やはり蒸発はいくらでもしますので、その分どんどん入れていかなきゃいけないということです。
記者:念のため確認ですが、破損はしていないという認識なわけですね。
西山審議官:使用済み燃料プール自体から漏れているという認識はありません。
司会:それでは1列目の女性の方どうぞ。
記者:漏れている水の件なんですけど、先ほど1号機の線量まだわからないとおっしゃったと思うんですが、夜の当時の会見で1号機200ミリと言ったと記憶してるんですが、違ったでしょうか。報告は入っていないでしょうか。
西山審議官:一番最近東京電力に確認したところでは、まだ不明だというふうに言っております。
記者:今日ということですよね。
西山審議官:今日の時点で、はい。
記者:それから、ごめんなさい。先ほど海水から淡水への切り替えの理由について消火系からの入れ方が難しくなってきているので、給水系に切り替えた。で、その原因がまだわかってないけど、それは海水からは原因っていうことはあるんじゃないかとおっしゃったわけですけれども、それ消火系からのやり方が難しくなってきているっていうのは、水が入りにくくなってきてたということですか。
西山審議官:そうです。なかなか1号機は圧力等が温度とのコントロールが難しくて、入れようとするとそういうものが高くなって危ない状態になるので、非常に加減して、そうですね、圧力と温度でまた違って、流量を少なくすれば圧力の方はいいんですけど、温度は高くなってしまう。それを冷まそうとすると、今度水をたくさん入れようとすると、圧力が高くなってなかなか入らないというような非常なジレンマというか、そういう状態にありましたので、給水の方に切り替えて、それで少しよくなったんでんすね。今度さらに安定させるために本来の水に戻すというふうにしたということです。
記者:ありがとうございました。
司会:時間がもう近づいていますけど、最後1列目の男性の方よろしいですか。
記者:すみません。今の関係なんですけれども、現在1から3に真水を注入していると、これ消防の、じゃない仮設のポンプだったということなんですけど、これは暫定的なもの、十分な注水を確保出来るものなのか。それとも暫定的なもので、やはり復水移送ポンプなり重水移送ポンプをやはり稼働させなければいけないことなのかということが一点と。あとちょっと飛ぶんですが、原子炉建屋とですね、タービン建屋を貫く、いている配管の内でですね、原子炉を緊急停止させた後もですね、その水が循環していたものというのはあるんでしょうか。この水というものが、核種分析を見る限り燃料破損が疑われるものである以上ですね、その動いている配管というのがやはり疑われるのですね、その辺ちょっと教えて頂きたいんですが。
西山審議官:まず最初のご質問の前提となっている事実認識として、淡水に切り替えたのは今のところ1と3、1号機と3号機で、2号機は今日にも切り替えたいと思っているわけですね。そこに関する質問は何でしたっけ。
記者:今回その仮設のポンプによる注水は暫定的なものと考えているのかどうかという。
西山審議官:それは暫定的なものですね。というのはやはり前から申し上げているように電気を通じてそれによって安定的に冷却しないとなかなか冷温停止の状態にもっていけないので、そういう意味で今のポンプ車によるものというのは暫定的なものにしかすぎないと。ただそれによって、だから暫定的だから危険が生じるかというとそうならないように十分な流量なり、温度の管理、圧力の管理をしながらやりたいと思っていますけれども、いずれにしろ暫定的なものということは否定出来ないわけです、
記者:つまり十分な注水はそれでは確保出来ないということで、認識でよろしいでしょうか。
西山審議官:ちょっとニュアンスが違うと思うんですけれども、そういう形でその消防車を繋いでずっと原子炉を冷却していくというのは、本来は望ましくない姿だと思うんですね、燃料をいちいちつぎ込まなきゃいけないし、それから仮に消防車に何か故障が起こった時にはそこにまた新しい消防車を持ってこなきゃいけないというようなこともあったりしますから、そういう意味でなるべく早く本来の外からの電気によってきちっと永続的に動くポンプを入れて、それによって冷やしていくということにすれば、より安定的に冷やせるということですね。ですから今のもので何か支障が生じて困ったことが起こるということではないと思うんですけど。
記者:つまり今回復水移送ポンプの周辺でこの被曝が起きているわけですけど、やはりどうしてもこのポンプというのは動かさざるを得ないということなんでしょうか。安定的な冷却を目指すには。
西山審議官:私の理解では、動けばそれは望ましいと思いますけれども、動かなくても他の系統で冷やすことも出来ると思います。
記者:それからもう一問。原子炉建屋とタービン建屋をその緊急停止用の水が動いていたその冷却系というのはあるんでしょうか。
西山審議官:ちょっと待ってください。今の、原子炉の方からタービンの方にですね、回ってくるかどうかっていうことですけれども、まず原則は原子炉がこういう状態で止まった時には、原子炉の方から水が来ないような形に弁なり仕切りが講じられるということです。ですから例えば例としては、主蒸気配管というようなものとか、蒸気を通すものとか。あるいは主給水の配管という水を通すもの。そういった太い、例でいくとそういうものがあって、他にも細かいものは色々あると思いますけれども、そういうのは基本的には原子炉の方から水が来ないようになっているけれども、ただどこかに弁の不十分とか、あるいは何か漏れがあったりすれば、その分は流れてくる可能性はあるということですね。最初の方で核種分析についてヨウ素以外のものはどうかということですけれども、基本的にはどれも上がって居るという形でヨウ素以外のセシウムも前回と比べると値は上昇しております。ただ一番下の、これラダンかな、●●か、●●については少し。すみません。間違えました。どれも上がっているということでお願いします。
司会:すみませんけど、ちょっと今回は会見をここで終了させて頂き。
記者:ちょっといいですか。あのですね、1号機の水溜りの核種分析ですけれども、これ昨日の時点では詳細入ってないっておっしゃっていたと思うんですけど、10時にはですね。昨日のもう東電の方にお伺いしたら、昨日のもう、前の晩のですね、0時45分の時点でですね、通報をしてたということをおっしゃっていて、保安院さんも認められているとは思うんですけれども、それはですね。その丸一日も公表が遅れたというのはどうしてなのかっていうのをちょっと説明頂きたいんですけれども。
西山審議官:これは行き違いというか、我々、私も知ったのは昨日の夜になってからでしたから、それまで確かに紙としては来てましたけれども、我々のメンバーがはっきり認識するに至っていなかったということでした。ですから、我々が知った時点ではなるべく早くお知らせしようと努力いたしました。
記者:そのご存じなかったというのはどうしてなんですか。それだけの線量というか、そうですね、1万倍もの放射線量が出ているのにも関わらずですね。
西山審議官:これはなんて言うか、手続きの行き違いということだと思います。我々もそういうことはないように努力しなきゃいけないと思っております。
記者:ちょっとそこをもう少し具体的に教えて頂きたいんですけど、どこのところにはですね、報告は上がってて、どこでどう滞ってて、例えば西山さんなり幹部なりとかですね、どこには伝わっていなかったのかっていうのを教えて頂きたいんですけれども。
西山審議官:まず一つはこれ紙として私どもに送られてきていましたけれども、必ずしもそのことに対する注意喚起を我々、少なくとも私などは受けておりませんでした。紙も見てなかったというのが実態でした。それから後は今までの3号機の方のことがありましたので、3号機の方に基本的に神経が集中していたということもありました。そんな事情でしたけれども、そういうことのないようにこれからはしたいと思っております。
記者:どうでしょうか。こういう大事なデータの、そういう取り扱いになってしまったということに対しては、どう受け止めていらっしゃいますか。
西山審議官:それは我々も、なんて言うか、色んなものがあるからということは言い訳になりますけれども、我々としてもしっかりコミュニケーションをとってですね、その情報の意味をはっきりすぐに理解して皆様にお知らせすべきものはお知らせするというふうにしなきゃいけないと思いました。
記者:ちょっと細かいところなんですけれども、まず真水への切り替えでプールの方というのは、4つ全部が大体いつ頃すべて切り替わるという見通しを持ってらっしゃいますか。
西山審議官:私の今聞いているところでは出来れば明日にはしたいということのようです。
記者:あと、炉自体は1,3切り替わって、2は今日にもって言うことですから、4は。
西山審議官:4は今炉には何も入れていないわけですよね。
記者:ごめんなさい。
西山審議官:空だから。
記者:申し訳ありません。それと最後に海水の核種ですけれども、これは発生源というのはどういう見立てを持ってらっしゃいますか。高い今度濃度が出たんですけれども。
西山審議官:これはやはりこの原子炉の中のですね、原子炉か使用済み燃料ということもあるのかな。ちょっと確認します。ちょっとそこは今はっきりしたことはわかりませんけれども、そこ確認した方がいいな。ちょっと確認します、それは。
司会:では以上で会見終了させて頂きたいと思います。ありがとうございました。