原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月26日15時19分から48分間)

司会:それではただいまより会見の方はじめさせて頂きます。よろしくお願いします。

西山審議官:お待たせしました。よろしくお願いします。私どもから最初にまずタービン建屋に関する水溜りの水抜き作業の関係について今把握しているところを説明申し上げます。タービン建屋には、申し上げた通り、1号機から4号機、5号機、6号機はちょっと別としまして、1号機から4号機までそれぞれタービン建屋にある程度の量の水があるということが確認されております。それで現在までに対応しているのは、1号機は特に対応していると聞いておりまして、1号機につきましてはタービン建屋の地下の1階に仮設の水中ポンプを設置いたしまして、それを1階までくみ上げてその後復水器の、先ほど申し上げました復水器という通常、普通の原子力発電所で普通の状態であれば、出来た蒸気でタービンを回した後、その蒸気を水に戻すそういう大きな水瓶みたいなところがありますけれども、そこに入れているということであります。復水器の上部のマンホールから注入して既設の、すでにある、設置されている、今、本来の目的には先ほど申し上げたように使う、復水器の中に移しておるということでございます。それから2号機及び3号機につきましてもそれぞれの水の量などを見ながらどういうふうに抜いていったらいいかということを今現在検討しているところであります。あとは2号機につきましては淡水への切り替えが10時10分に出来ております。2号機の原子炉に元々塩水を海水を注入しておりましたけど、これを淡水に切り替えるというのが1,3号機は先に出来ておりましたが、2号機についても本日の10時10分に出来上がっております。それでこれからの、今若干水が出ていることによって線量が高くなったりして、少し妨げられておりますけど、やらなきゃいけないことは、持続可能な冷却システムを作り上げるということですね。これは原子炉にしても、それから使用済み燃料プールにしてもそうですけど、これらについて色々選択肢を考えておりまして、一つは本来の一番望ましいやり方は、残留熱除去系という、本来原子力発電所が運営されている時に海水を引き込んできて、その海水を間に一つの系をかませることによって、原子炉の方の沸騰した蒸気になったものを、から熱を交換していくと、そういうやり方をとっているわけですけど、その形で海水を使ったその残留熱除去系というものを確立していくことが一番望ましいわけです。この場合には、タービンのところで作業する必要がありまして、それが今水によって妨げている部分が、妨げられている部分があります。ただ今1号機について申し上げたように、水を抜くことによって、水を抜いた後そこを洗浄して、線量を低く、放射線量を低くしたうえで、そういう作業に入りたいというふうに考えているのが一つのやり方です。それから他の選択肢としてもいくつかありまして、ここで全部を説明することはしませんけれども、例えば原子炉の方の系統で、タービン建屋に仮に入れないような場合には、原子炉の方の系統で先にその冷却系を構成するというやり方もあるというようなことも含めて、原子炉の方は原子炉の方でまた線量が別途高いということもあるかもしれませんから、それがうまくいくかどうかはわかりませんけれども、そういういくつかの代替案を考えながら今臨んでいるところであります。それからそういう代替案が色々あるので、なかなか難しいところですけれども、現地ではその各号機ごとにですね、代替品のポンプでありますとか、それからケーブルといったものについてはどこかすでにあるものがあって、予備品的なものがあればそこから持ってくるし、発注しなきゃいけないものは発注するということで、ある程度の台数、発注なり、現在存在するところから持ってくる行動が行われているということは我々も確認しております。私の方からは現在以上にいたしまして、何かご質問があればお答えいたします。

司会:それでは質問の方、挙手のうえよろしくお願いします。では壁際の男性の方どうぞ。

記者:共同通信のイノクチです。1号機について排水の作業を今しているということなんですけれども、これは排水しているそばから新たに増えているとかですね、新たに供給されているような様子っていうのはあるんでしょうか。

西山審議官:今のところそういうふうには聞いておりません。

記者:そうすると、排水の終わりの見込みとかっていうのは立つものなんでしょうか。

西山審議官:立ってるかもしれませんけれども、今私は具体的には存じません。

記者:それから先ほど示して頂きましたRHR以外のですね、経路からその冷却系を確立するということの選択肢、もう少し何か図か何か使って説明して頂けるとわかりやすいんですけれども。ちょっともう少し細かく教えて頂けれると有難いんですが。

西山審議官:ちょっと図は用意してませんし、またあるものを説明申し上げて、それが選択肢でそれはいつ出来るのかっていうふうに突き詰められても、なかなか現地の状況によって変わり得るということを是非ご理解頂きたいと思うんですけれども。そういう前提で、例えば一つの例を申しますと、原子炉の冷却材を浄化する、原子炉の冷却材をきれいにする系というのがありまして、それを原子炉の●●冷却系という色んなものを原子炉の中で冷やす系統があって、その二つを組み合わせることによって熱を逃がしていくというようなやり方が、例えばあるというようなことは聞いております。そのほかにも色々なやり方がありますけれども、今まさに線量の状況、それから機器のどこが生きているか、使えるかということも見ながら、まさに臨機応変に作れるところを、作り上げられるところを作っていくということでやっておりますので。

記者:そうすると、今どれか一つの系の確立というか、選択肢の作業に着手しているというよりは、どれが出来るのかに向かって各パーツとかですね、配管とかどこが生きているのかっていうのを総点検しているという、そういうような工程をやっているところということなんでしょうか。

西山審議官:そうですね。その前提としてまず水をちゃんと抜いて作業が出来るかどうかっていう、まず重大なハードルがあって、そこを超えられるかどうかでまた選択肢が決まってくると。またその、申し上げたように、機器が使えるかどうかというまた別のハードルがあってという、そういういくつものハードルをこなしながら、使えるものを何とか探すというそういう段階でございます。

記者:ありがとうございました。

司会:それでは次ご質問の方。壁際男性の方どうぞ。

記者:読売新聞のミツイと言いますが、関連するんですけれども、少し前に冷却系で一番優先して進めているのは補給水系という系をまずは動かしてということを聞いたことがあるんですが、この選択肢は今どうなっているのかということと、今言及された残留熱除去系でですけど、これは建屋の方ではなくて、原子炉の中である程度配管が完結しているのではないかということを聞いたことがありますが、建屋の方の作業が必要なのかどうかということを教えてください。

西山審議官:まず答えやすい方から先に答えますと、残留熱除去系は確かに原子炉の中に配管としてはありますけれども、ただ電源の方はタービン建屋の方にあって、そこを3号機の場合には手当てしに行ったら、線量が多くなってしまったということですので、そういう意味で、電源をもった残留熱除去系を動かすためにはタービン建屋の方での作業が必要になるということです。それから補給水系については今、これは今動かない状況にあるので、これの代わりを探さなくちゃいけないということになっています。

記者:その代わりの中で一番優先される。

西山審議官:はい、どうぞ。

記者:補給水系が動かないというのは何かモーターかポンプの故障があったからということなのかということと、それが動かなくなって現状では残留熱除去系というのが優先されていると理解していいのかどうか教えてください。

西山審議官:すみません。ちょっと説明不足で申し訳ないです。補給水系は本来の電源を通してやるという使い方については、線量は高くて怪我をされた方も出たというあのことによって、あの事故によって本来の使い方は出来なくなってしまったんだけれども。

西山審議官:今私の理解では、補給水系というのは、何だっけ、復水移送ポンプという、昨日事故のあったところから電源をとって動かすことを意味しておりましたけれども、それについては電源のところでの作業が高線量のため出来なくなったので、使えなくなりましたと。それで今やっていることはそこにポンプ車を持っていって、その消防ポンプ車によって補給、これは何系。今これまで海水を入れていた系統を使って給水系というそうですけれども、この系統を使って水を原子炉の方に今送っているということです。それから残留熱除去系はこれはこれでもう少し恒久的な持続可能なシステムとして電気を使った形で回していくものとして、本来あるべきものということで今それについても選択肢の一つとしているということです。

記者:すみません。もう一つ最後に。タービン建屋の地下の水ですけど、その後原因究明等が進んでいて、原因など示唆されるものがわかっていれば教えてください。

西山審議官:今まで申し上げている以上にはわかっておりません。

司会:真ん中一番前の男性の方どうぞ。

記者:共同通信のスエと申します。先ほど頂いた資料で今度は核種分析で5号から6号の放水口北側のデータがこれ新しく付いたかと思うんですけれども、ヨウ素131、283倍とこれもやや高い数字かと思うのですが、わかれば前回の核種分析の時の、例えば何倍から何倍くらい、前回が何倍程度であったかということと、これは南放水口の1250倍との関連と言いますか、1,4と5,6では違いますが、関連性があるのかというその辺のご見解をお聞かせください。

西山審議官:それ今即答出来ないので、ちょっと調べてまた連絡します。

記者:じゃあもう一点。前回の会見の時に、5号と6号について原子炉建屋の地下に水があるというようなお話があったかと思うのですが、5号6号自体は一段落ついたということで、その原子炉建屋の水というのは、例えば放射線量高い値が検出されているとかそういった問題はないものと考えられるのでしょうか。

西山審議官:今我々の理解は、5号6号については特に燃料とか、使用済み燃料そのもの、あるいは使用済み燃料について問題があったというふうには考えておりませんので、1号から4号にあるようなことはないのではないかと思ってます。

記者:ちなみにその建屋の水、5号6号の水溜りというのは、例えばどこから来た水であろうと推定されるっていうのはありますか。

西山審議官:それはまだわからないです。

記者:ただその問題を、作業に問題を及ぼすようなもの、その問題性のあるものではないという認識でよろしいでしょうか。

西山審議官:現時点ではそうです。

記者:わかりました。ありがとうございます。

司会:では次ご質問の方。一番前列男性の方どうぞ。

記者:NHKのクツカケと申します。今日の午前の会見のですね、海水中の放射性物質の件なんですけれども、これヨウ素の量等から見てですね、現時点の可能性としてどこから出てきた水が海水に混じったものと考えられるかというのをまず教えて頂けますでしょうか。

西山審議官:まずその組成からするとやはり核分裂反応の結果によって出てくるものが出てると思うんで、出てると考えられるので、そういう意味では、原子炉での反応か、あるいは使用済み燃料か、そのどちらかに源を持つものではないかというふうに思っています。

記者:現時点ではそのどちらかという、どちらの可能性が高いという見方をされていますでしょうか。

西山審議官:そこは今何ともわかりません。

記者:その原子炉、原子炉なりプールなりの水がですね、この排水溝から出されたというようなことを考えますと、例えばどのようなルートでプラント内を流れているというような可能性があるんでしょうか。

西山審議官:今それはちょっとここではわかりません。

記者:昨日のですね、例えば3号機のタービン建屋の地下の水との関連については、どのようにお考えですか。

西山審議官:今直接にそれを知るだけの材料はないです。

記者:ありがとうございます。

司会:では次ご質問の方。真ん中の3列目男性の方どうぞ。

記者:西日本新聞のヨシダと言います。午前中の会見でポンプ車の注入からなるべく早く安定的な注入に変えたいというお話がありましたが、今事故発生から2週間くらい経っているんですが、安定的な注入を始めたとしまして、どれくらいの間その安定的な注入、冷却する必要があるというふうに今のところみていらっしゃるんでしょうか。

西山審議官:今わかることは普通の健全なプラントだとした場合に、原子炉を止めてから、この場合は海水を使った熱交換で冷やしていくわけですけれども、その場合だと、例えば1週間とかそのくらいあれば落ち着くということになります。ただ今回の場合はそういう状態に持ち込めるかどうか。なるべく早く持ち込みたいと思いますけれども。それからその後、その後何も起こらないかどうかっていうことはわかりませんから、なかなか日付の目途を言うのは難しいですね。ご参考までに一応普通の場合だったら、どうやって冷やしていくかっていうことを申し上げました。

記者:例えば月単位とか年単位とか、そこら辺の雰囲気もわかんないですか。

西山審議官:そこは今はわかりません。

記者:年単位の可能性もあるということですか。

西山審議官:そういうふうには望んでませんから、そこはわかりませんね、今。

記者:それともう一点だけ、念のため確認ですけど、午前中の会見でホウ酸を2号機に入れるという話でしたが、ホウ酸を入れるのは2号機は初めてですか。

西山審議官:はい。この事故の後は初めてです。

記者:ありがとうございました。

司会:前列右側の男性の方。

記者:先ほどの水、海水の問題に絡んでなんですけど、これそもそもとしてですね、この放水口というのは今使われているんでしょうか。私の理解では運転中に、先ほどもおっしゃられた通り、復水器で熱を奪ってですね、その熱を逃がすための水を海水から取り入れて、それを出すところだと思うんですけど、今どういう状況になっているんでしょうか。

西山審議官:海水は今電気が来ないので、海水によって冷やすシステムが出来ておりませんから、そういう意味で通常の海水、原子力発電所で冷やした海水が、少し温かくなった海水が出て行くというそのプロセスは全く動いておりません。

記者:そうするとですね、一時系、1から4のどれでも同じだと思うんですけど、一時系なりからですね、水が出る、海水に水が出る経路っていうのは、なんて言うの、地表面を行く以外に何かあるんでしょうか。

西山審議官:まずは地表面を行くというのが一つ。地表面なり空中を飛んでいくというのが一つあると思うんですね。それからそのほかには何らかの形で水が地面のどこかに漏れるとかあるいはそれが雨で流されるとかですね、そういうふうなことはあるかもしれないと思いますけれども、そこのルートははっきりわかりません。

司会:では次ご質問の方。後ろの方にいらっしゃる男性の方。

記者:テレビ朝日ハネと申します。3号機のタービン建屋の地下で3人の方被曝されましたけど、そのだいぶ前の18日の日に、すでに1号機のタービン建屋地下で同じような水溜りが見つかっていたという情報が一部あるみたいなんですけれども、それは把握してらっしゃるかということと、把握してらっしゃった場合は、公表をしなかった理由をお聞かせください。

西山審議官:我々の認識ではその水は津波によるものというふうに考えていましたので、その水はあって当然というか、津波を被っているわけですから、そう思っておりました。

記者:では線量自体は異常な線量みたいなものは出ていないという。

西山審議官:その時に出てたかということであれば、その時にはたぶん測ってないかなその津波の水ではないかというふうに認識していたときは、とくに測っておりませんでしたけれども、私の認識ではそうでしたけれども、その後ポンプを取り換える作業をするときに線量はある程度確認したというふうには聞きました。

記者:その結果はどうだったんですか。

西山審議官:その当時、口頭で聞いたところでは60ミリシーベルトパーアワー、60ミリシーベルト毎時ということだったということです

記者:高い数値だと思うんですけれども、そのポンプを取り換える作業というのは、いつ、何日に行ったんですかね。その時点でその事実を把握していながら事故に繋がったというような認識になるのかどうかちょっとわかんないですけど、そういうことには繋がらないのかなというところが。

西山審議官:その点はそういう水があって、可能性があるということは確かに認識していてもよかったかもしれないと思いますし、それを応用しなければいけなかったかと思いますが。まずその今の60ミリシーベルトという話は、水の関係かどうかというのははっきり意識せずにその作業に行ったときの空間の線量としてそういうものを把握していたということだそうです。それからそのことによってこの間の3号機での、ときにそういう高い線量があるということについては、ちょっとそこの時にどういうふうにそこ情報が共有すされたかというのは今はっきりわかりません。いずれにしても3号機の作業の時には、この間いくつか申し上げたような問題点があったというふうに思っております。

記者:わかりました。ありがとうございます。

司会:では次ご質問の方。一番前列男性の方。

記者:ちょっと先ほどの海に流れているっていうことに関連でお伺いしたいんですけれども、これ例えば放水口以外に、例えば構内のですね、雑排水みたいなやつを処理して流すような系統とかそういう他に海に流れていくようなルートっていうのはあるんですか。

西山審議官:技術基準上は、管理区域の中の水は外には出さないというふうになっています。

記者:例えばタービン建屋のところから中の水が処理して出すようなものも。

西山審議官:はないということですね。その冷やした系の、放射線をみない海水は少し温まって出るのはありますけど、それ以外はないということですね。

記者:例えばじゃあ敷地内の雨を流すようなものとかあるんですかね。排水溝みたいな。

西山審議官:それは一般の建物と同じように設置されています。

記者:例えばそういう外出て行く可能性のあるところを数値を測って、例えば高ければそういうのを止めたりっていうような作業っていうのは今のところしてないんですかね。

西山審議官:その雨を処理するようなところっていうことですね。それは考えられるかもしれませんね。

記者:そういうの測ったりはしない。

西山審議官:今測っているということは聞いておりません。

司会:では次ご質問の方。壁際の男性の方どうぞ。

記者:毎日新聞のハッタです。海水の問題で補足で伺いたいんですが、24日から25日の朝にかけて、排水溝付近の要素を中心に10倍に濃度が上がってます。その審議官がおっしゃっているルートというのが空中路経由だとか、地表をつたったり、あと雨だとか、あと排水溝、これはまあ死んでいるという話でしたけれども、その状況証拠から雨は降っていないし、空中路経由するというのも、大気の放射線濃度が上がってないわけですから、自ずと消去法でですね、どうしてこの24から25にかけて10倍に上がったのかっていう理由が見えてくるかと思うんですが、何か関係するイベントっていうのを考えられる範囲で教えて頂ければと思うんですが。

西山審議官:今心当たりはないですね。

司会:では次ご質問の方。男性の方。

記者:朝日新聞のコジマと言いますが、すみません、しつこいようですが、1号機のタービン建屋の60ミリシーベルト毎時っていうのを把握したのはいつで、水そのものが高線量になっているというのを把握されたのはいつなのかっていうのを時系列を追って説明頂けないでしょうか。

西山審議官:ちょっと日にちまではっきりしないんですけれども、大体20日前後ではないかということで、この水、水というよりもポンプの作業に行ったときのその空間の線量として60ミリシーベルトくらいだったというふうに聞いたということです。

記者:建物の空気中という趣旨ですか。

西山審議官:そうです。

記者:その時、水は調べてらっしゃらないと。

西山審議官:そうです。

記者:その後、水について把握されたのはいつですか。

西山審議官:水があるということは一般的な認識としてはあったと思います。

記者:水の線量を把握されたのはいつですか。

西山審議官:その後、我々として水の線量ということで認識したのはその3号機の方の線量でした。

司会:それでは残り3名ということとさせて頂きます。では1、2番、3番ということでお願いします。

記者:毎日新聞のカワチと言いますが、ちょっと復習というか、前にも出ているのかもしれないんですけれども、結構その1から3にですね、水を注入していると思うんですけれども、その原子炉の水位がやっぱりなかなか上がっていかないという状況があると思うんですけれども、これは結果的に入れているものがやっぱり全部駄々漏れしているというか、どういった原因が考えられるのか。まずちょっとそのことを教えて頂けませんでしょうか。

西山審議官:まずは入れようとしても入ってはいるんだけれども、量的に必ずしも圧力の関係とかでこうダーっと入るようなことではないという要因が一つと。それからやはり蒸発してしまうということ。蒸発しても中に戻っていくんですけれども、それは下に水になって溜まっていくということで、溜まっていくのはやはり、なんて言いますか、蒸気になるときに中で圧力が高まって、それによって水が入るのがまた妨げられ、それが水に戻ると、水に戻っていくということで、なんて言うんですかね、そういう形のルートになって、なかなか思うように水が入っていかないということなんだと思うんです。

記者:その蒸気が水に戻っていったら、結果的には閉じているわけだから、水位は上がっていくように思えるんですけれども。

西山審議官:それはそうですね。ただ圧力容器と格納容器と、両方で圧力容器から格納容器にある程度蒸気が出ながら格納容器の方に出て行く水もあるし、圧力容器の中に残る水もあるということで、なかなかその圧力容器の中にしっかり溜まる形で水が入っていかないということだと思うんです。

記者:結果的には格納容器の方に、要するに水が、入れている水がいってしまっているために、圧力容器の方が水位が上がっていかないということなんでしょうか。

西山審議官:そういう部分もあると思います。

記者:かなり入れているようにも、もうだいぶ経って入れているようにも思えるんですけど。やっぱその状況がずっと続いているということなんでしょうか。

西山審議官:そうですね。そういうこともある、ことがあると思いますね。

記者:今回その海水の方にですね、放射性物質がかなり検出されたっていうのもあると思うんですけれども、これは結果的に入れている水が、容器の部分、格納容器とか圧力容器が破損していて結果的に漏れていて、そちらに流れているというそういう理解でよろしいんでしょうか。

西山審議官:今そこはわかりません。そんなに大きく漏れているとか、何日かここで申し上げているように、割れていたりしてじゃぶじゃぶ漏れているっていうようなことはないと思っていますし、あとはそのシールドされている部分、普段なら密閉されている部分が若干緩んで出て行くようなところがあるという可能性があるんじゃないかと思っています。

記者:何となくこの水位が全然上がっていないことを見ると、かなり駄々漏れしているように思えるんですけれども、そうではないというふうに思われるのは。

西山審議官:そういうふうには思ってないですね。

記者:それはどういう理由からっていうことでしょう。

西山審議官:ある程度圧力がたっているって、そういうことですね。

司会:それでは二番目の男性の方どうぞ。

記者:朝日新聞のササキと申します。ちょっと先ほどの話でちょっと確認をさせて頂きたいんですけれども、残留熱除去系の電源はタービン建屋にあるというお話をされていて、あと補給水系、復水移送ポンプとかの話をしていましたけれども、結局ですね、その被曝された3人の作業員が携わっていたケーブル敷設のこのケーブルというのは、どちらの方に該当するものなんでしょうか。

西山審議官:これは復水移送ポンプというものに、それを使って淡水を送りたいと最初思っていましたので、そのポンプを動かすためにケーブルを繋いだということです。

記者:そうしますと、先ほど残留熱除去系の電源の話をされていましたけれども、それは一般的な話として、最終的にその持続可能なその冷却システムを持っていこうとすると、やはりいずれにしてもタービン建屋での作業が必要になってくると、そういうような。

西山審議官:そういうことですね。

記者:わかりました。

司会:最後、壁際の男性の方どうぞ。

記者:読売新聞のアベと申しますけれども、まず水溜りの方なんですけれども、1号機の方でポンプで除去されるということは、これはかなり相当の量をですね、水が広がっているっていう理解でよろしいんでしょうかですね。

西山審議官:ポンプで、全貌はちょっとよくわかりませんけれども、それなりの量があるときに、ポンプ以外の手法っていうのはないですね。ふき取るというのはある程度嵩がありますと、ポンプ以外の手法はないということで、ちょっと全体像は、全部の量は今はっきり把握していませんけれども、そういう認識で今現地でやっていると聞いております。

記者:ただちょっと全体像は保安院が把握されていないという理解なんですか。

西山審議官:どこにどのくらいの嵩の水があるかっていうことは今はっきりはわかっていません。

記者:それは保安院が。西山さんが今この場でという意味じゃなくてですか。

西山審議官:保安院としてもただそれは、そのことを調べるためだけに行くわけにはいかないわけですから。

記者:ただ、今後の安全性を確認する意味ではですね、やっぱりある程度、それが暗い中正しいかどうかは別にして、どれくらいあるんか、どうやって除去するのが適切かですね。それによって安全性が確保されるのかっていうのをある程度きちっと把握した上で対策をたてて、保安院さんの立場としてはそれをダブルチェックをかけるっていうことが必要だと思うんですよね。要はやっぱりその辺の実態っていうのを今になっても掴んでいらっしゃらないとされるんだったら、ちょっと素朴な疑問を感じざるを得ないんですけれども。

西山審議官:もちろんそれはある程度の、なんて言うか、レベルと言いますか、その正確さのレベルでは掴んでることは掴んでますけれども、ただその今1号機の中にどのくらいの水の量があるかっていうのをはっきり言えと言われてもなかなか、どのくらいの量というのを明確に申し上げることは難しいということです。

記者:わかりました。そうしたら、口頭で言うのも難しかったら図面か何かでですね、このエリアで、今は目視で確認出来ているレベルとかでも構いませんので、この辺りに広がっているっていうのを1,2,3、現時点での最新の分ちょっと頂けたらなと思うんですけれども。

西山審議官:そこは何らかの形で説明はさせて頂きたいと思いますけれども、その何かを、なんて言いますか、そのための調査をするということではないので、作業をしながらそういうところを見つけてそこは避けながらやっていくということになりますから、どういう形でお示しするのがいいかはちょっと考えてみますけれど、何らかの形でどういうふうに水の状況を把握しているかは、東京電力あるいは私たちの方からかお示しすると思います。

記者:それともう一度、ちょっと根本的な話なんですけれども、3にしても1にしても、保安院さんのご見解としては原子炉からの可能性の方が高いというご見解を示されてるかと思うんですけれども、そこの根拠っていうのをもう一度、現時点でお伺いしたいんですけれども。

西山審議官:それはですね、この3号機での漏洩した水についての分析結果ですね、核種分析の、ガンマ線の核種分析を実施した結果によりますと、半減期が短い、ヨウ素131とか、これは8日間、約8日間で半減してしまう。それからセシウム136といったもの、これは約13日で半減してしまうというものが確認されています。このここに出ているものは、各種は核分裂反応に由来するものであるっていうことは間違いないと思いますので、そういう意味で、その中でこの半減期が短い核種があるということは長いこと置いてある、使って置いてあるその使用済み燃料の方ではなくて、原子炉の方ではないかというふうに推測されるということです。つまりその前提はこのものが確認、出てくるとすれば、原子炉の中か、あるいは使用済み燃料からか、どちらかなんだけれども、その内のどちらかと言われれば今申し上げたような理由で原子炉の方の可能性が高いというふうに見てます。

記者:要は使用済み燃料だったら、核分裂反応をですね、要は原子炉から出して、核分裂反応を止めてから長期間経ってるんで、こういうヨウ素とかの比率がもうちょっと低くなるんではないかという理解でよろしいんですね。

西山審議官:そういうことです。

記者:そういったご説明っていうのは、ちょっと余談になるんですけど、今日が初めてですよね。合理的な説明というのは、確か。

西山審議官:そうですね。ただ今までもその可能性が高いということははっきりと申し上げたと。

記者:可能性が高いのはそうなんですけど、根拠としては今回が。

西山審議官:そうですね。ただ。

記者:今のお話っていうのは、おそらくこれ専門の保安院の方とか、専門機関の方だったら数字見るだけですぐわかるようなレベルの話なのかなって推察されるんですけれども、どうして今までそういう、西山さんがどうこうじゃなくて、保安院としてどうしてそういうアナウンスがなかったのかというのがすごく素朴な疑問なんですけれども。

西山審議官:まだはっきりわかりませんからね。

記者:いや、というよりもヨウ素が、割合が多くてですね、その半減期から考えたらですね、これ自ずと燃料、燃料じゃないわ、炉の方になるでしょっていう話はですね、これ。

西山審議官:それはわからないから申し上げなかっただけで。いずれにしてもまず我々としてははっきりとした原因はわからないわけですね、これは。どうしてそうなっているかは。ですから今あえてどういうふうに考えるのかっていうことを聞かれたので、我々の思うところを申し上げましたけれども、それはこちらからこういう理由でこうですっていうことを言えるほどのまだ確信はありません。ただご参考までにご質問がありましたから、今までわかっていることを申し上げたということです。

記者:わかりましたけれども、そういう部分っていうのは各社色々質問してるんでですね、早い段階から正確なアナウンスというのをもっともっとお願い出来たらなと思うんですけれどもですね。

西山審議官:ただ結構思い切ってと言いますか、原子炉由来であるということは、由来じゃないかと思われるということはある程度推測を交えて申し上げたようなところで、あまり、なんて言いますか、推測をたくさん並べるのもですね、どうかというふうには思っていますけれども、おっしゃる趣旨はわかりますから、その点はこれから先に何か発表するときには気を付けたいと思います。

記者:わかりました。ありがとうございます。

西山審議官:先ほどご質問が、だいぶ前にですかね、ご質問があった1F、福島第一原子力発電所の5号機6号機の放水口の北側での海水の核種分析結果につきまして、本日の、本日じゃないかな。今日お配りしたものなのかな。この前日のデータはどうだったかというご質問がありました。ヨウ素の131については、倍率は今日お配りしたものについては283.8というふうになっていますけれども、これの昨日のデータは23.7でした。それからセシウム134は28.0、今日のデータは28.0ですけれども、昨日のデータは1.8でした。それからセシウム137は今日のデータが18.5ですけれども、昨日は1.2でありました。以上です。

記者:すみません。もう一度お願いします。

西山審議官:ヨウ素131は、今日のデータが283.8、昨日が23.7。283.8、昨日が23.7。それからセシウム134は今日が28.0、昨日が1.8。それからセシウム137が昨日が、失礼、今日が18.5ですけれども、昨日は1.2です。

記者:すみません。これ採取日24日ということでいいんですか。

西山審議官:24日の10時40分と聞いております。

司会:それでは会見の方終了させて頂きます。