原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月27日11時00分から41分間)

司会:それではただいまより会見の方はじめさせて頂きます。よろしくお願いいたします。

西山審議官:おはようございます。よろしくお願いします。では現在の福島第一原子力発電所の各号機の状況を説明いたします。

まず1号機でありますけれども、1号機については、まず原子炉への注入については、水の注入についてはご案内のように淡水に切り替えた状態で今行っております。それから使用済み燃料プールに対しましては、明日以降、3月、失礼、29日以降ということになってますけれども、3月29日を目途にコンクリートポンプ車による使用済み燃料プールへの淡水の、淡水の放水を考えております。1号機のプール内にある使用済み燃料は、前から申し上げておりますように、非常に本数が少なく、発熱量も小さいので、4号機などとは比較にならないような小ささでありますので、こういうタイミングというふうに考えております。それから少し申しますけれども、タービン建屋の地下1階の溜まり水を復水器へ移送する作業を開始しております。実際に開始したのは3月24日の17時10分ですけれども、それから今まだ続いておるところでございます。次に、今の原子炉のですね、本日の予定といたしまして、原子炉への淡水の注入をしているということを申し上げました。給水系というものを使って注入しておりますけれども、これは今までは消防ポンプ車を使って送り込んでおりましたけれど、これからなるべく電気の駆動に切り替えていくということで、ちょっと仮設の電源にするのか、仮設の電気による、なんて言いますか、仮設の電動駆動ポンプ、仮設の電動駆動ポンプにするか、あるいは外部の電源を引き込んだポンプの操作にするかはまだはっきり決まっておりませんけれども、今日の午後を目途に消防ポンプ車から、今のいずれかの形態の、仮設か、あるいは外部の電源を引き込んだ形でのポンプによる給水に切り替えたいというふうに考えております。次に1号機の電源の作業につきましては、これは一例でありますけれども、直流の電源ケーブルを敷設する準備をするとか、あるいは原子炉建屋の空調機の健全性の確認をするとかということが作業の例でございます。この直流電源ケーブルの敷設の意味というのは、様々な機械は動力の方は交流で動きますけれども、それを制御する部分については直流で動かすといいますか、直流で制御していくということがありますので、交流と直流とセットにならないと動かせないことがあるということでありまして、そういった準備をしております。以上が1号機でございます。排水の件については後ほど申し上げます。

次に2号機ですが、2号機についてはここもやはり海水から淡水に切り替えた形で原子炉への注入を行っております。この2号機につきましては、原子炉への淡水の注入を消火系を使った形で、火を消す消火系を使った形で、しかもホウ酸を入れる必要があったために仮設のタンクから行っておりました。ちょっと見にくいですけれども、(図を指しながら)2号機だけはこの一番左の下にあります仮設のタンクというところから行っておりましたけれども、これをこのほかの号機と同じように純水のタンクに切り替えることを考えております。これはつまりホウ酸を入れることがもう一回終わりましたので、ホウ酸の必要性が当面はないということで、純水のタンクに切り替えていくことが一つ、今日の午後を目途に考えております。それから1号機と同様に消防ポンプ車で今やっておりますところを電動の駆動ポンプ、この電動が仮設の電動ポンプになるのか、あるいは外から電源を引っ張ってくることになるのかは今はっきりといたしておりませんけれども、いずれにしてもこのポンプ車を、消防ポンプ車を使った形から、設置された電気によって動くポンプを使ったものの形に切り替えていくことにしております。2号機についても、1号機と同じようにタービン建屋の1階にある溜まり水を復水器へ移送する作業と言うのをやることにしております。このことについてはまた後ほど申し上げます。次に2号機の使用済み燃料プールにつきましては、ここへの注水を海水から淡水に切り替えて、しかも消防ポンプ車で行っているものを仮設の電動、仮設のポンプじゃ、あるいは外部電源か、ここは先ほどと同じですけれども、その選択を考えた上で、3月28日、明日を目途に使用済み燃料プールへの注入も淡水に切り替えて参りたいと考えています。電源の作業についてはほぼ同じような状況です。直流電源ケーブルの敷設、接続、受電といったことでございます。そのための準備、あるいは原子炉建屋の空調機の健全性の確認といったことでございます。

次に3号機ですが、3号機につきましては、ここについてもやはり原子炉への、今まで給水系というものを通じた淡水の注入を消防ポンプ車から行っておりましたが、電動駆動のものに切り替えていくということを今日の午後を目途にしたいと考えております。3号機の使用済み燃料プールにつきましては、コンクリートポンプ車による使用済み燃料プールへの、これは海水を本日の11時から13時の予定で行うことを考えております。もう始まっているのかもしれません。ちょっと確認はとれておりません。それからタービン建屋の地下1階の溜まり水につきましては、3号機はまだ移送先を検討しておるところでございます。移送方法とともに検討しておるところでございます。電源についてはほぼ同じようなことで、主にここではケーブルの復旧とか、あるいは原子炉建屋の空調機の健全性の確認などというのが例というふうに聞いております。

次に4号機ですけれども、4号機についてはコンクリートポンプ車による使用済み燃料プールへの海水の放水を本日15時から18時の予定で用意をしております。この場合は海水ですね。海水を使用済み燃料プール、4号機の使用済み燃料プールに入れていくということでございます。そして本日はそういたしますけれども、明日以降、この使用済み燃料プール、4号機への海水の注入についても淡水への切り替えを図りたいと考えております。その場合は、消防ポンプ車になる見込みでございます。そのほかに4号機では中央制御室の照明のことでありますとか、ケーブルの復旧、そのほかの機器の健全性の確認などを行っていく予定でございます。原子炉の建屋の空調機も同じでございます。

5号機6号機につきましては、いずれも冷温の停止の状態にあり、かつ外部の電源によってそれが維持される状態になっておりますので、当面はその安定の状態を保っていくことが必要でございます。共用のプールについてもとくに今は申し上げることはございません。

次に今の中での、1号機のですね、1回の溜まり水の処理の排水の関係でございます。1号機のタービン建屋の1階にあります。失礼、地下1階にあります溜まり水の排水作業というのは、3月24日17時10分頃から継続して実施されております。若干今ポンプ1台でやっておりまして、流量が少なくてちょっとはかどっていないもんですから、ポンプの台数を3台に増やすように準備をしていると聞いております。これは昨日申し上げましたけれども、この地下1階からくみ上げた溜まり水については本来はタービンを回した後の蒸気を水に戻して貯めるその復水器というところに、点検用のマンホールから復水器の上部にあります点検用のマンホールから注入するということを、そういうやり方で今やっております。2号機の溜まり水につきましては、まず当面2号機についてもこの地下1階の溜まり水を復水器に移送するという作業を開始しております。本日開始するという予定になっておりまして、ちょっと開始しているかどうかは確認しておりませんが、そういう予定と聞いております。ただ2号機の場合には、この溜まり水の量と、それから復水器の量、の中にある元々あった水の量などからして、この量だけでは十分でない可能性もありますので、その場合また別の方法も検討しなければならないと考えております。溜まり水の処理については3号機は先ほど申しましたように、これからちょっとそのやり方と、どこに収めるかと、くみ出したものをどこに収めるかということと合わせて検討するところでございます。検討中でございます。

次に昨日の会見のときにご質問頂いた2号機の大物搬出口辺りの、一般の排水溝へ水の流れた跡があるんじゃないか、あるということについての状況報告を申し上げます。本件の経緯を少し振り返って現状まで申し上げますと、3月25日、3月25日の午前8時頃、消防署の活動前の事前サーベイ、事前の調査のために現場の調査を行っておりました東電の社員の方が2号機の原子炉建屋の大物搬入口、大物というのは大きな機械などの搬入をする口。その前に水が流れた跡があるということを発見いたしました。この点については当日、25日の10時頃に口頭にて報告を受けてございます。その後昼頃に、25日の昼頃に、東京電力から現場は水溜りがあったものの、水が流れた跡はなく、現場の状況はごくわずかに湿っている程度であったということと、それから水溜りの水をサンプリングして、サンプルとしてとって、線量を確認しましたところ、15ミリシーベルト毎時と、15ミリシーベルトパーアワーであった旨の報告を口頭にて受けております。現場のサーベイは、再度のサーベイ、調査は本日3月27日に実施すると聞いております。この一般排水溝に流れたか否かにつきましては、現場は今見たところではごくわずかに湿っている程度でありまして、流れがあることは確認されていないというふうに報告を受けております。実際その現場の状況は大物搬入口があったあと、7.8メートルの道路がありまして、その道路の先に側溝という一般の排水溝があるという構造になっていると聞いております。ただそこはもう少し調査が必要かと思います。

次にいくつか測定データのことについて申し上げます。まず一枚紙でお配りしております福島第一各号機タービン建屋地下階の溜まり水の測定結果についてという一枚紙の、この紙をご覧頂きたいと思います。この紙のうち、1号機と3号機につきましては、これは2回目と書いてありますけど、1回目のデータを皆様にはお示ししているおるところでございます。今日は1号機3号機についてもご質問があれば承りますけれども、2号機がですね、ご覧頂きますと、まず2号機と書いてあって、3月26日試料採取。水表面の線量率が1000ミリシーベルト毎時よりも大きいというデータになっております。これはかなり大きい値でございます。それからこの出てる元素を見てみますと、核種を見てみますと、上の方からコバルト56、コバルトというのはこれは核燃料、核分裂反応というよりもむしろ配管とかのそういう金属、鉄などの放射化によって出来上がってくるものであります。それからしかしその後のヨウ素とか、それからセシウム、あとテクネチウム、テクネチウムはないか、ヨウ素とかセシウムなど、この下の方の元素については、やはり核分裂反応に由来するものであるということは間違いないと考えていまして、そういう意味では、前から申し上げてますように、原子炉の由来である可能性が高いというふうに考えております。これについては、ただどういうふうにこの原子炉の由来がある、でここに溜まっているのかということについてはこれはまだわかっておりませんので、それについてはよくこの中身を分析し、それから水のルートなども考えた上で結論を出してかなきゃいけないと思っております。前回ちょっと申しましたように、半減期のちょっと短い元素、核種ですね、例えばヨウ素の131は8日間、それからその下のヨウ素の134は53分とか、セシウムの136は13日間とか。といった短い核種が含まれていますので、この発電所の関連で核分裂反応に関わるものとしては原子炉と使用済み燃料プールと、使用済み燃料と二つあるわけですけれども、その中ではこういう核種の状況からして原子炉の可能性が高いというふうに思いますけれども、いずれにしてもまだはっきりしたことはわかりませんので、これについては、よく中身を分析してみたいと思っております。

次に、海水から採られたデータでですね、こちらのモニタリングの資料のですね、13ページをご覧頂きたいと思います。それで実はここに来る直前にですね、この今の13ページにあたるところのこの1号機の南放水口付近についてのデータでヨウ素の131がこのデータでは1250.8となっておりますけど、一番最新のデータで今受け取ったところでは、3月26日14時30分、平成23年の3月26日14時30分で、この1250に当たる数字がですね、そのデータ、26日の分で行きますと、1850.5という数字が出ております。これはちょっと今速報的に参りましたので、これをご報告して、まとめてデータが整いましたら、後ほどお配りしたいと思います。1250の時に申し上げましたけれども、1250でもちろんこれは低ければ低い方がいいに違いないし、段々大きくなっていいというものではないというのはよくわかっておりますけれども、現状では数字のオーダーとしては1250と1850とで大きな違いはないと思っております。そういう意味ではこの地点を含む、第一原子力発電所、福島第一原子力発電所から20キロの地域の中には人が立ち入らないことになっていることと、それから海の中に出て行って生物によってそれが吸収されて、かつそれを人間が召し上がるというところまでいくには相当希釈されるだろうと、拡散し希釈されるだろうということがありますので、これについて今現実的な健康上の被害を心配される必要はないと考えております。そのことについては、確認の方法といたしましては、30キロ沖くらい時点での文部科学省による船の、船によって8つくらいの地点で海水を調査する調査が行われておりますし、そこにもとくに大きな変化は見られません。それから空中での調査もされてますので、そういったところを参照しながら現時点では多少上がっているデータがあるにしても、健康の被害を心配するようなデータは出ておりません。そういう意味で、この段々増加してくるということについてはそれに対してどうするかは考えなくてはいけないということはよくわかっておりますけれども、このデータをもって健康上の被害を具体的に心配して頂く必要はないと考えております。私からは説明は以上でございます。

司会:それでは質疑応答とさせて頂きたいと思います。質問のある方は挙手の方でお願いいたします。では壁際の男性の方。

記者:読売新聞のアベと申しますけれども、先ほどの2号機のデータでコバルトが金属由来というお話があったかと思うんですけれども、これはこのコバルト56が生成されるとしたら、配管であるのか、原子炉圧力容器であるのかとかですね、格納容器であるのかとか、そういうところっていうのは、これはわからないものなんでしょうか。

西山審議官:それは私の理解ではどれも可能性があると思います。

記者:それは成分的にもうどこからも析出し得るというそういう理解でよろしいんですか。

西山審議官:私はそう思いますけれども、そこはもう少し専門家の分析を待ちたいと思います。

記者:わかりました。それと、先ほどの海水の1850なんですけれども、これ海のことなんで色々と濃淡はあるのかもしれませんけれども、一日後もこういう値が出ているということは継続してやっぱり排出が続いていると考えてよろしいんでしょうか。

西山審議官:その可能性も否定出来ないと思います。ですから、どういうふうにそういうことが起こっているのかというのは、よく考えないといけないと思っています。他方で今の緊急の炉心を落ち着かせるという、あるいは使用済み燃料プールを低温安定の方向にもっていくという緊急の作業の要請がありますから、それとの兼ね合いを考えながら、うまく対応しなきゃいけないと思っています。

記者:改めてその理由なんかよく考えないといけないということなんですけど、現時点でのお考えをちょっともう一度改めて、西山さんのお口からお聞かせ願いますか。

西山審議官:この海に放射性物質が出て行くルートとしてはいくつか考えられるわけで、天気が今どうかということを別にすれば、まず空間を飛んでいく、原子力発電所から、あるいは原子炉、あるいは使用済み燃料プールから出たものが空間を飛んでいった海に入っていく。飛んでいき方としては、例えば蒸気の中に混じってその蒸気が海に落ちていって水に戻って、それで海に含まれていくっていうのはルートがあるでしょうし、それから雨が地表面に落ちていた放射性物質を洗っていくような形で普通の排水溝から海に出て行くということもあるでしょうし、それ以外は原子炉あるいは今溜まっているような水が出て行くというようなルートがあるのか、使用済み燃料プール何かから出て行くルートがあるのかどうかについては、これははっきり今のところはそういうルートが確認されていませんけれども、そういうことも絶対ないとは言い切れないと思いますので、そういうルートも考えていく必要はあるかと思っています。

記者:今いくつかお示しして頂いたんですけれどですね、この濃度からして、その中でどれが可能性が高いと、まあもう客観的な科学的な知見から、考えられるかっていうところについてちょっと現時点での見解をお伺いしたいんですけど。

西山審議官:現時点で我々はまだどれと決めるだけの決め手をもっておりません。

記者:わかりました。ありがとうございます。

司会:では次。前列男性の方。

記者:すみません。この溜まり水のこの2号機の結果なんですけれども、このヨウ素の134っていうやつがこの半減期の短いやつが、これ2.9×10の9乗だとこれ29億ベクレルっていうことじゃないのかなと思うんですが、これだけのものが出るっていうのはどういうことが考えられるんでしょう。

西山審議官:そこはよくわかりません、今は。

記者:しかもこれ半減期がかなり53分っていうふうになってますよね。それが今でもこれだけの値が出るっていうのは常に出続けているっていうようなこととは考えられないんですかね。

西山審議官:ちょっとそこはもう少し専門家の見解を聞いてみないと、分析してみないと今はちょっと何とも言えません。

記者:結果としてもこれまでに比べてかなり大きいものだと思うんですけれども。

西山審議官:そこはそう思います。ですからこれは今申し上げたように、しっかり分析してみる必要があると思います。

司会:では次。一番後ろ男性の方どうぞ。

記者:すみません。プルトニウムの検出についてなんですけど、溜まり水についてはですね、プルトニウムについては調べてないというふうにおっしゃっていると思うんですが、昨日の段階ではその必要性をあまり感じてらっしゃらないというようなお話だったと思うんですが、これについてですね、どうしてプルトニウムに関しては調べる必要がないというお考えなのか。その根拠についてお聞かせ願えますか。

西山審議官:プルトニウムにつきましてはですね、まず昨日も申し上げたように、プルトニウムがあるとすれば、一番はっきり検出出来ると思われる土壌の試料とそれからこの空気中から採取したダスト、塵ですね、これについて専門の機関に評価してもらいたいと思っておりまして、これは来週の初めにも、一部については少なくとも、とくに土壌の方の分析ですけれどもわかると思います。そういう意味で、それを見た後で、他のところについては着手することが必要かどうか検討したいと思っております。

記者:すみません。今のお話で、水を調べない理由っていうのがよくわからないんですけれども。どうして土壌を調べれば水を調べる必要はないんでしょうか。

西山審議官:プルトニウムを検出するにはかなり時間もかかり、それから色々な他の影響を遮ってからでないと検出出来ないものですので、まずはそれだけのことをやる必要があるかということを、一番プルトニウムを検出する可能性の高いところで見ていくということと思っています。

記者:土壌とかをですね、調べれば水に含まれているかどうかっていうのは間接的にわかるということなんですか。

西山審議官:我々はわかると思っています。

司会:では次、ご質問の方。壁際の男性の方。所属とお名前の上。

記者:産経新聞のコクモと言いますけれども、タービン建屋の水溜りの2号機の件で、これ1000ミリシーベルトよりも大きいというふうにおっしゃったんですが、この正確な数値が出て来ないのは測定器の針がふり切れるとかですね、そういうような状況だったのかということと、その水面、水表面線量じゃなくて、空間線量としてはどのくらいあったのかというのがわかれば教えてください。

西山審議官:すみません。今のご質問についてはわかりません。今データありませんので、わかりましたら、お答えします。空間線量も同様でございます。

司会:では次ご質問の方。一番前列男性の方どうぞ。

記者:共同通信のヒグチです。今のその1000ミリシーベルト以上のところなんですけれども、これは何かと比べて何倍とかっていうようなことは言えるんでしょうか。他と比べてかなり高い値になってるんですけれども。

西山審議官:そうですね、おっしゃっている趣旨は、例えば人間が、普通の人が一年間に浴びていいのは1ミリシーベルトですよね。ですからそれの1000倍以上ということになるわけです。ですからかなり高いものということになります。

記者:その炉の中の水の線量と比べて何倍とかですね、あるいはプールの中の、通常のプールの中の水と比べて何倍とかそういうことは言えるんでしょうか。

西山審議官:普通の正常な原子炉だとした場合と、今回若干炉心、炉心と言いますか、燃料が損傷しているという状況とで当然違ってくると思いますけれども、ちょっと今わかりませんので、また後ほど調べてお答えいたします。

司会:では次、ご質問の方。一番前列女性の方どうぞ。

記者:毎日新聞のアダチと言います。タービン建屋の溜まり水の件ですが、先ほど2号機の話で、コバルト56とかですね、いくつか1号機と3号機とちょっとやっぱり違うようなデータ出てますけども、その出てきたルートとかですね、時間的なもので2号機は1号機3号機と違うようなことが考えられるかということとですね、あとそれからこのそれぞれの号機の溜まり水は、どれくらいの量あるということを推定して、何ですかね、取り出す計画をやられているのかというのを教えてください。

西山審議官:実態はまず出てきたルートについてはわかりません。まだこのデータつい最近我々も手に入れたところなので、よく分析してどういうことが言えるか考えたいと思います。それから溜まり水については、今量などを見極めながら作業しているところなので、今の段階で、我々のところには全体としてどのくらいの量がそれぞれにあるのかということははっきりわかりません。

司会;では次、ご質問の方。壁際の男性の方。

記者:すみません。またタービン建屋の溜まり水ですけど、1号機と3号機は2回目の計測だということですが、これ1回目の数字に比べて減っているのかなというような気もするんですけれども、その辺何かどんなふうな評価されているのかなということ、わかればお願いします。

西山審議官:大まかに申しますとですね、3号機の方については、ヨウ素とかセシウムとかそれぞれ前回の時は10の5乗台の数字が出ておりますけれども、今回は10の4乗台の数字ですので、そういう意味では今回は少し減っております。一桁と言えるかどうか、前の掛け算している前の数字によりますけれども、一桁近く減っているということになります。他方で1号機の方については、ほぼ前回と同じ数字になっています。

司会:では次ご質問の方。3列目の女性の方どうぞ。

記者:AP通信のヤマグチです。4号、すみません。また溜まり水のことなんですけれども、4号機に関してはちょっと他の号機に比べるともう少し長い半減期のものも検出されているような気がするんですが、これを見ると水が漏れている場所が他の号機と少し違うというか、使用済み燃料プールの方から来ている可能性があるのかということと、すみません、それと前回の溜まり水の測定がいつだったかということを別途教えて頂けますでしょうか。

西山審議官:まず、確かに4号機の方は少し核種の内容が違っていると思いますから、他の、元々、原子炉か使用済み燃料プールかということは、その二つのどちらかである可能性は高いわけですけれども、その中でもまた違った、その1から2号機3号機とは違うことになるかもしれないと思いますけれども、ちょっとそこは今はっきり申し上げるだけの分析がまだ出来てませんので、もう少し考えてからお答えしたいと思います。それから前回調べましたのは、こちらが持っております東京電力の発表文書は25日付になってますので、25日かその前の日かその辺り、24日の日に3人の方がけがをされたということがありましたから、24日か25日だと思いますが。

司会:では次ご質問の方。では2列目女性の方どうぞ。

記者:すみません。まず確認ですが、この2号機の溜まり水なんですが、これは今までの1号、3号よりも線量率が高いっていう理解でいいんですよね。

西山審議官:そうです。

記者:で、1号機、3号機のときは通常の炉水より1万倍っていうデータが出てたと思うんですが、例えばヨウ素131で言いますと、これさらに0が2つ多いので、そうすると100万倍っていう理解でいいんでしょうか。

西山審議官:ちょっとそこの換算方法は今すぐわからないので、確認しておきます。

記者:1と3よりは高いっていう、遥かに高いっていう。

西山審議官:そうですね。この桁数が違ってますので。

司会:ではそろそろ残り3名とさせてください。

記者:NHKのクツカケと申します。すみません。ちょっとこちらで聞き逃していたら申し訳ないんですが、海洋の線量の濃度がですね、1850倍と増えているということなんですが、これは要は炉内から由来している水が常に今も流れ、漏れ出し続けているという認識でよろしいんでしょうか。

西山審議官:この海水のデータの由来が炉内のものというふうに言えるのかどうかは、そこはちょっとはっきりしませんけれども、いずれにしても、まだ流れ出ている可能性は十分にありますから、それはよく考えていかきゃいけないと思います。ですから、難しいところは緊急に冷却状態に持ち込む作業と、そういうこととの兼ね合いでありまして、今その作業の結果がすぐに、そこで入れた水がダラダラと流れているというような状況がどこかで見えているわけではありませんが、いずれにしても、その継続的に出てる可能性はありますから、そこは注意しなきゃいけないと思ってます。

記者:このようにですね、今後濃度が増え続けているようなこの事態が続いていけば、近隣、国民の方も心配っていうのがどんどん増していくと思うんですけれども、そういう意味で今原因の特定ですとか、そういう作業っていうのは実際はされていないということなんでしょうか。

西山審議官:今は出たものについての分析を、これから急いでやるという段階ですね。

記者:保安院としてはこれへの対策、どのように打つべきかという、現時点ではどのように考えてらっしゃいますか。

西山審議官:そこはなかなか難しいところで、いずれにしても、どういうルートが考えられるかということを見ながら対応しなきゃいけないと思っておりますけれども、その現地での、今申し上げた、緊急にやらなきゃいけない作業との兼ね合いでどういう対応をとっていくのがいいかというのはよく考えたいと思ってます。

記者:ありがとうございます。

司会:それでは2番目の男性の方。所属とお名前の上、ご質問をお願いします。

記者:朝日新聞のササキと申します。先ほどの4号機の話がありましたけれども、4号機、線量率としてはですね、他の号機より低めでありますけれども、これまで津波が被った可能性とかそういう話をしていたかと思うんですけれども、この量とですね、核種のこの状況から見てですね、もう少し今までの津波と言っていたのに比べたら、やっぱりどこからか流れてきた可能性があるとかそういうことは言えるんでしょうか。

西山審議官:すみません。今の時点ではちょっとはっきりしたことは申し上げられませんね。

司会:それでは最後壁際の男性の方どうぞ。

記者:もう一度確認なんですけど、今後の溜まり水の回収作業なんですけどですね、要は1号機はポンプを3台に増強するということは、これ相当量まだ残っているというすいう理解でよろしいんでしょうか。

西山審議官:そうですね。ちょっと具体的な定量的な量を聞いておりませんけれども、今のやり方ではなかなか進まないので、それを増強するというふうに聞いております。

記者:大体どのエリアに広がっているとかそういうのはまだ掴めてないんでしょうか、保安院さんとして。

西山審議官:我々はちょっとはっきりわかっておりません。

記者:これ1から4もまだあと何日くらいかかりそうとかいうのは、目途は出てないんですよね。

西山審議官:出てないですね。まず2,3については、2はとりあえず一部やってみるけれど、復水器の容量とか考えてたぶんもう少し別の方法も考えなきゃいけないかなと思ってますので、2号機はそういう状態ですし、3号機も、3号機はそもそもどうするかということから考えているということですので、もう少し見通しが立つまでに時間がかかると思います。

記者:これ3,4は復水器っていう方針が、まだそこも出てないっていうのはもう復水器が例えば満杯であったり、到底その容量じゃ間に合わないとかどういう要因なんでしょう。

西山審議官:その両方の兼ね合いだと私は理解してます。

記者:もう復水器じゃ賄いきれないという理解でよろしいんですか。

西山審議官:おそらくそうじゃないかと思いますけれども、それだけの理由かどうかはちょっとわかりませんけれども。

記者:4号機なんかは確か一面にっていうお話でしたよね。

西山審議官:ええ。

記者:もうそこはまだ戦略みたいなのも全然立てられてないんですか。

西山審議官:今まだ結論は出ていないと聞いています。

記者:わかりません。ありがとうございます。

司会:これではここで会見の方終了させて頂きます。どうもありがとうございました。