原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月27日19時05分から31分間)

司会:すみません。ちょっと遅れまして申し訳ないです。7時5分よりですね、会見をさせて頂きたいと思います。

西山審議官:お待たせしまして、申し訳ございません。よろしくお願いします。それではまずプラントの関係の動きのあったところだけまずご報告いたします。

福島第一原子力発電所のまず1号機でありますけれども、1号機については、本日原子炉への淡水の注入しておりますが、この淡水の注入をこれまでの消防ポンプ車から仮設の電源駆動ポンプ、これは外の系統からの電源ではなくて、仮設の電動駆動ポンプ、いわば仮設のディーゼル発電によってやることに切り替えを今しておる作業を、する作業をしております。それから電源の関係では今朝ちょっと申し上げなかったかもしれませんけれども、PHS、この通信機器の電源ケーブルの敷設、接続でありますとか、直流電源ケーブルの敷設の準備、あるいは原子炉建屋の空調機の健全性の確認といったことを、これをほぼ終えているようであります。それから懸案でありますこのタービン建屋の地下1階の溜まり水について、復水器への移送作業は、これは3月24日の17時10分という前から開始されてはおりますけれども、水中ポンプの台数を1台から3台に、1台から3台に増加させて、15時10分に増加させて今継続中ということであります。

次に2号機でありますが、2号機につきましては、原子炉への淡水の注入を、これは消火系というものであります。1号機の方は、申し遅れましたけれど、給水系というところから入れてますが、この2号機は消火系を使っております。午前中に申しましたように、仮設のタンクから、ホウ酸を入れるために仮設のタンクから行っておりました注水を純水のタンクからのやり方に切り替えました。それから1号機と同様に、消防のポンプ車からの注水を仮設ではありますけれども、電動駆動ポンプ、仮設のディーゼル発電に切り替えて、切り替える作業を今やっております。それからタービンの建屋の地下1階の溜まり水につきましては、復水器への移送も検討しておりましたけれども、なかなか難しそうで今他の方法も含めて検討しておるというふうに聞いております。このほか電源の関係では、直流電源ケーブルの敷設の準備でありますとか、原子炉建屋の空調機の健全性の確認などをほぼ終えたというふうに聞いております。直流電源というのは、午前中も説明いたしましたけれども、機械を動かすときに交流の電源で動力を供給し、それから制御系については、機械を制御する方の系統については直流でやるという意味で、交流と直流と両方ないと機械がうまく動かせないということでございます。それから原子炉建屋の空調機につきましては、原子炉で線量の高いところについて、健全性を、失礼、その作業を容易にするために空調を導入するということだと聞いています。ただこれによってどの程度の作業はかどれるかというのはなかなか難しいところもありますけど、そう言う手段も講じておるということでございます。

次に3号機につきましては、やはりここでも原子炉への淡水の注入につきまして、消防のポンプ車から仮設ではありますが、電動の駆動ポンプ、仮設ディーゼル発電に切り替える作業をしております。それから3号機についてはもう一つ、コンクリートポンプ車による使用済み燃料プールへの、これは海水の放水を12時34分から14時35分まで、12時34分から14時35分、36分まで、失礼しました。14時36分まで海水の使用済み燃料プールへの放水を行っております。3号機のことです。

次に4号機ですが、4号機については問題は使用済み燃料プールの方にあることはご存じの通りです。これについてはコンクリートポンプ車による使用済み燃料プールへの海水の放水を16時55分に開始いたしまして、3時間程度の予定でございます。それからあと電源関係の工事としては、ほかの基と同じように原子炉建屋の空調機の健全性の維持などの工事を行っていると聞いております。そうですね、はい。それから次に今、失礼、3号機についても現在溜まり水の移送先については引き続き検討中でございます。次に主に2号機についてでありますけれども、午前中の会見の時に東京電力が調査した結果として1000ミリシーベルト以上の線量があり、かつそのほかの放射性物質についてもかなり高い値が出ているというこの溜まり水の調査結果をご紹介いたしました。それでこれについては今まだ詳細は分析中でありまして、まだどこから来たものかとか、そのどこから来たものかというのは放射性物質もそうですし、水についてもそうですし、はっきりいたしません。ただ我々として少し頭の体操をしてみますと、この放射性物質のリストを見てみますと、やはり燃料由来のものであると思われるわけです。燃料が核分裂反応した結果が表れているものだというふうに考えられます。そういたしますと、可能性としては原子炉建屋の中にある様々なもの、原子炉であったり、あるいは使用済み燃料であったり、それから圧力抑制室なんかであったりとそういうことが考えられるわけです。それでこの、仮に2号機のことを議論するとしてもはたしてその2号機の原子炉なり原子炉建屋の中に原因があるのか、それとも隣にある1号機の方に原因があるのかとかその辺りですらもまだはっきりしないところがあります。ですから、そういうことを考えるためにも、今の排水のポンプによる排水の作業をしっかりやって、それによってまたわかってくるところも多いと思われますし、またその核種の分析についても、今かなり短い、半減期の短い核種が大量に出てるというところについては、東京電力の方でも再評価と言いますか、それをしてるというふうに聞いてますので、そういったことについてややデータの信頼性のデータもありますから、その辺も含めて考えなきゃいけないと思います。それでただそうは言ってもどういうことが考えられるのかということを見てみますと、やはりこういう核分裂反応を原因とすると思われる核種が出てる以上、思い当たることの一つとしては、どこの1から3号機いずれについても、一定の時間、その燃料が一定の時間に燃料が損傷したということはあるわけです。この燃料が損傷した時に、これらのものがどこかの炉に排出されて、それが炉に付着していたり、あるいはそれが一部外に、前から申し上げてるような、弁であるとか、あるいは配管のパッキンのところであるとかですね、そういうところで漏れるようなことは考えられると思います。それが水、どこから来たか、これははっきりいたしませんけれど、その水がそこにあって、水との関係で、そこに溶け込んできたと、いうふうに一つの仮説としては考えられるのではないかと思います。そういったことも考えながらこれから、今申し上げたような事実関係の調査を行って、原因を突きとめていきたいと思っております。いずれにしましても、まだどこかの原子炉からこれが出てきたと仮定したとしても、まずやるべきことはこれ以上そういったものを付着させないようにするということだとすれば、今のこの純水を送り込んで冷やす作業をしておりますけれども、これはやっぱり徹底していくことが重要だというふうに思います。それから出てきてしまったこの溜まり水については、どの号機についても、これはしっかりそこからどかして作業が出来る環境を作ると同時、そのどかしたものについては、外に漏れていかないように管理をして、そういう放射性廃棄物として扱っていくということが重要だと考えております。それからこれらと海水の、放水口のところでとれる海水のサンプルに放射能濃度が少しずつ溜まっている現象が見られることとの関係というのは、これはわかりません。今この溜まり水が漏れて海水が汚染されてるというふうには一義的には考えにくいと、そういうルートがわかっているということはありません。ただ、いずれにしても、この海水がどうしてそうなっているのかということについては、しっかりモニタリングをしながら、よく考えていかなきゃいけない問題だろうと思っております。

あとちょっといくつか前にご質問頂いた個別のことで、お答えしておきたいことがあります。まず一つは、1号機及び3号機について、タービン建屋の地下の階における溜まり水を前回測定した時期はいつかということについては、いずれも3月24日ということでございました。それから2号機のタービン建屋の方で1000ミリシーベルトを超えるという値が出たのは、これは測定器の測定可能な範囲を超えてしまったためということでございます。実際にその溜まり水を採取はいたしませんけれども、その水表面の線量率については、測ってこなかったということでございます。私の方からは説明以上にさせて頂いて、あとはご質問にお答えしたいと思います。

司会:それでは質疑応答に入りますが、35分まで質疑応答とさせて頂きたいと思います。では質問の際はですね、会社名とお名前をよろしくお願いいたします。では、3列目の男性の方どうぞ。

記者:読売新聞社のタカダです。今のご説明の中で、2号の水の議論について、2号に原因があるのか、1号にあるのかはっきりしないということ、西山さん言及なさいましたけれど、核種のデータなんかを見ても、例えば1号に2号の水が起因するっていうのはちょっと考えにくいという気がするんですが。あと東電も記者に対するレクでそういうことは一つ一つはそれぞれに由来するんではないかということを言ってますけれど、それは保安院は見解が違うということなんでしょうか。もう少し細かく説明して頂けますか。それともう一つ、海水との因果関係がまだわからないということなんですが、もしわからないのであれば、海水での採取ポイントをもう少し増やすとかそういったこと考えてますでしょうか。大気からもし出ているんであれば、もっと広範に放射性物質が出ても良いじゃないかと思うんです。そういったことを検討していれば教えてください。

西山審議官:まず号機の関係、どこの原子炉が原因かということについては、確かに今までそのことについてはあまり議論されてこなかったというか、自然に考えればそれぞれ個性のあるもので、そういう核種についても違った出方をしてますから、それぞれの炉ということも考えられるわけで、そういうふうにも思われるのも当然かと思いますけれども、ただこれから原因を考えていくときにはやはり、なんて言いますか、前提条件なしにと言いますか、何が起こっているのか実際によくわからないということがあるわけなので、そういう意味で私としては今のような少し視野も広くもっといたほうがいいかなということで、あえて申し上げた次第です。ですから、今普通に考えれば、それぞれの号機のところに起因したものということが自然かもしれませんけれど、あえてやはり原因を究明するときには色々な視点を持っておいた方がいいという意味で、繰り返しますけど、あえて申し上げたところであります。

記者:じゃあ何らかそれを支持する理由があるというわけでもないということですね。

西山審議官:わけでもないですね、はい。本当にわからないから、色んな可能性を考えた方がいいということです。それから海水との因果関係については、申し上げたように、わかりませんので、これについては、どういうことが出来るか関係者と相談してみたいと思いますけれども、いずれにしても、よくモニタリングをしていかなきゃいけないことは間違いないですね。

記者:そのよくモニタリングをするっていうのを同じところでのモニタリングをしている限りは同じ結果しか出て来ないのではないでしょうか。

西山審議官:そこについては、同じところでやるかどうかはもう少し考えたいと思いますけれども、同じところでやるにしても、問題は数値が上がってきているところがありますから、それはそれで一つのデータだとは思いますが、他の点をやる必要があるのかについても考えてみたいと思います。

記者:あともう一つだけ。午前中の会見でですね、2号のその溜まり水がかなり高い濃度でそのベクレルが出てるということについて、専門家の見解を聞かないとわからないっていう話をなさったんですけれど、今日一日でどなたか専門家にお話は聞かれていますか。それとも原子力安全委員会等に諮問をなさったりとかってなさってますか。

西山審議官:安全委員会も今記者会見されて、安全委員会とも事実上は話をしております。とくに具体的な文書による諮問とかはしてませんけれども、意見交換はしております。それでも今のところ、私が今申し上げた以上には、そうはいってもそうですね、私が話してから安全委員会の中でも議論は行われていますから、何か進展があったかもしれませんけれども、私が話した段階ではとくに今ここで報告するようなことはございませんでした。

記者:安全委員会以外の専門家に聞かれるという選択肢はあるのでしょうか。

西山審議官:それはもちろんあります。我々も原子力安全基盤機構という独立行政法人に専門家集団ももってますし、それから原子力研究開発機構とか、昔の原研ですね、そういったところとか、日本の権威は数多くおられるので、ぜひそういうところの方には意見を聞きたいと思っておりますし、すでに聞き始めてますけれども、まだあんまりはっきりこういうことだという決め手になるような情報はございません。

記者:聞き始めてるっていうのはJNESですか。

西山審議官:JNES、基本的にはまだ、私のやっているのはJNESですね。

記者:わかりました。ありがとうございます。

記者:産経新聞のタナベです。2号機の溜まり水について三点お願いします。まず復水器に戻す以外の方法についても考えるとありましたが、どんな候補があるのかというのが一点目。二点目は非常に高い線量で、今後の作業に影響が出てくるかと思うんですが、これを解消するために何かしら具体的なアイディアがあるのかというのが二点目。三点目は、建屋以外の周辺の環境に何かしらこの高い線量が影響を与えるのかという点についてお願いします。

西山審議官:復水器については、1号機は今復水器に排水したものを入れてますけど、それ以外のところで復水器の側の事情とか、その容量とか、そういったことがもとで、2号機3号機は復水器ということで、なかなか決めがたい、決めにくいところがあります。そういうときには、基本的にはポンプでもって、非常に線量の高い水ですから、人間がくみ出すわけにはいかないので、ポンプでもってどこかに移して、それをかなり長い時間保管できる、かつ外界に出て行かない、安定的な保管の場所を見つけるということなんですよね。これをどういうやり方をするかというのは今、まさに関係者が必死で検討しているところです。それから建屋以外に出て行くということは今想定しておりません。それがないようにしっかり管理していくということです。

記者:作業をするうえでのこの高い線量を克服するための方法は。

西山審議官:失礼しました。それについては基本はやはりまず水を抜き、そこを洗ってその線量の低い状態にもっていくということですね。

記者:水に近づくだけでも非常に危険な部分はあるかと思うんですが、その点はどうですか。

西山審議官:それはおっしゃる通りでありまして、この1000ミリシーベルトのところはすぐにでも離れないといけないというふうに思います。ですから、人が近づかなくても済む形でポンプを入れ、それを安全なところに出してしまい、その後よく洗いながら人が近づいていくということだと思います。

記者:人が近づかなくても済むポンプの入れ方というのはどういうものがあるんでしょうか。

西山審議官:ちょっと私も全部少佐に確認してきませんでしたけれども、ポンプをある程度遠くから水のところまで届けられるような手法があるように聞いております。

司会:では4列目の男性の方どうぞ。

記者:朝日新聞のコボリです。今建屋外への影響が、高い放射線をもった水溜まっているだけでは想定していないということだったんですが、その想定していないという根拠をもう少しわかりやすく説明して頂けますでしょうか。

西山審議官:影響が全くないというふうに言えるかどうかはですね、放射線を出しているという意味で、それは建物の外に少し及ぶかもしれませんけれども、私が申し上げたのは、その水を、水の処理を誤って、外に流してしまったりとか、ということです。それを蒸発させて空気中に出てしまったりとかそういうことはないようにしなきゃいけないということですね。

記者:わかりました。あと1号機から3号機の淡水の注入なんですけれども、今まで消防車を使ったのを非常用発電機、またディーゼルを使って仮設のポンプに切り替えると。これを切り替えるとどういう影響があるんでしょうか。

西山審議官:まずいわば消防車を繋いでいる今状況ですから、消防車を繋ぐということは、本来そういう目的でないものを使ってるわけですよね。まあポンプである車ではありますけど、燃料を入れてその本来ああいうまさに消防のために使うものを配管の中に水を流し込むという別の目的で使っているので、やっぱりどうしても無理があると思うんです。ですから耐久性の問題もありますし、本来のその電気によるポンプの形に置き換えていかなきゃいけないと。その方が持続可能な形になるわけですね。ただ一気に外部電源のところにもっていけない事情がある、あるっていうかそれが今難しいので、まずはその二つ目のステップである仮設のポンプによってまずやって、それから将来的には安定的な外部の電源での永久的な、半永久的なポンプで入れていくようにすると、そういうふうに持ち込みたいということです。

記者:あとまだこれははっきりしないということなんですが、非常に半減期の短い核種が検出されたということで、原子炉の中かどこかで核分裂が続いていたり、再臨界が起きているっていうことは考えられるんでしょうか。

西山審議官:まずさっき申し上げましたように、この半減期の短いものが大量にというところについては、東京電力の方でもおかしいと思われたということで、まだちょっと紙では見ていないんですけれども、ここに来る途中でそういうふうに思われて、再評価をされたというふうに聞いてまして、それによってこの半減期の短い核種は検出されなかったということのようです、どうも。そこはまた発表があると思いますけど、まだついさっきそれをやったばかりということでありまして、そういう状況なので、それを踏まえると、いまのご質問については必ずしもそれをもとに考えなくていいのかもしれないなと思いますし、それからもう一つは再臨界とかその種のことは基本的に起こってないと我々思っております。

記者:周辺で中性子線とかあまり出てませんけれども、そういうことから考えるとという・

西山審議官:そうですね、はい。

記者:ありがとうございました。

西山審議官:今東京電力の方の動きの情報が来まして、近々に発表するように東電の方では準備をしているということと、それから検出されなかったというのは、私ここに来る途中でもうほとんど立ち上がった時に聞いてきたんですけれども、そこのところはまだそうかどうかはっきりしないそうですので、それについては東京電力の方の発表を聞いて頂きたいと思います。ですから今私が申し上げたのは、間違っているかもしれませんので、検出されたかどうかというのはその発表を聞いて頂きたいと思います。

記者:すみません。こちらは保安院の発表を聞いててですね、保安院さんの方でも一応そういうデータの提供があったわけですよね。それが修正が入るんだったら、ちゃんとここで発表して頂きたいんですけれども。保安院さんが今そこでも。

西山審議官:今まだない、ないですね。私もここに来るために持って来たいと思いましたけど、その時点では手に入らなかった。ちょっと遅れたのもそれが一番の原因なんですけど。つい最近測ってこちらに連絡をくれるかどうかっていうタイミングでしたので、もちろん我々の手に入りましたら、お配りします。

記者:速やかにお願いします。

西山審議官:それはそのようにいたします。

記者:●●。

西山審議官:そうですね。申し訳ありません。

司会:では一列目の男性の方どうぞ。

記者:共同通信のヒグチです。今のデータのところなんですけど、1000ミリシーベルト以上という表現の線量律率、これについては何か訂正するというような情報はないんでしょうか。このままでいいんでしょうか。

西山審議官:それはありません。それから他の核種についてもかなり今のままだと思いますから、微修正じゃないかと思いますけれども、そこは東京電力の発表を聞いて頂きたいと思います。データについての発言は一切わからないそうですので、推測はやめまして、微修正かどうかもわかりませんので、聞いて頂きたいと思います。

記者:あと2号機の溜まり水の値が高いという前提でお伺いするんですけれども、そうした場合に、先ほどからも少し質問出てますけれども、具体的に今後やるべき作業に、どこでやるどういう作業に影響が及ぶと、遅れが出るというふうに考えられるんでしょうか。

西山審議官:タービン建屋のところに線量の高い水があるんで、そこに近づけないということになるんで、タービン建屋にある東京電力の方が負傷されたようなことで、あそこにも見られるように、とくに電源の部分がそこに大元があって、そこから色んなポンプを動かすようなことが行われることがあるという、私が知っているのはそういうことに対して影響が出るということかと思います。ですからつまり本来の外部電源で動かしたいポンプなんかがそこに近づけないために、なかなか電気が通った形に動かせないという弊害が起こるのではないかと思います。

記者:それは外部電源のケーブルの接続作業がまず影響受けるということでよろしいんでしょうか。

西山審議官:そうですね。その電源のところまで持ってくるのに、負傷された時も1階から地下でしたけね、ケーブルをひいてくる作業が、一応成し遂げてくれたらしいんですけれども、その過程で負傷されてしまったということでしたから、その種のことになると思います。

記者:あとですね、いくつかの号機でディーゼルの、仮設のディーゼルの発電機への切り替え作業中ということだったんですけれども、これはまだ作業中でどれも終わったところはないんでしょうか。

西山審議官:まだ終わったとは聞いておりません。終わるときは大体ほぼ一緒に終わるふうに聞いておりますけど、まだ終わったという連絡は受けておりません。

司会:では一列目の女性の方どうぞ。

記者:すみません。東電からの再評価はまだ情報入ってないということですが、とり直して測り直したっていう、それまで持っていたデータをもう一回精査したんじゃなくて、もう一回とり直したっていうことでいいんでしょうか。

西山審議官:いや、それはとり直したんじゃなくて、持っていたデータをもう一回測り直したということです。

記者:そしたら違うデータが出た可能性もあるという。

西山審議官:そうですね。

記者:あとそれから、先ほど溜まり水が海水に出てですね、汚染したってこと考えにくいというふうにおっしゃったと思うんですが、それの理由はどうしてそうなんでしょうか。

西山審議官:私の理解するところでは、溜まり水はその中に溜まっているわけで、それがどこか横へ漏れ出しているという兆候は今のところ見られないということだと思います。

記者:あとですね、最初の復水器の、2号機の移送を検討していたが難しそうでというところでですね、その結局容量というのは、なんて言うんですか、どれくらいで、あとどれくらい入れなきゃいけないから無理だとか、そこら辺の計画はどういうふうになっている。数値的なものはどうなっているんでしょうか。

西山審議官:2号機でですね、その復水器の難しいと思った理由と聞いておりますのは、2号機について、その復水器に入れるための、こうハッチという、上の蓋を開けようとしたらですね、そこから水が出てきたと。すでに入っている水が出てきたということで、そういう意味で復水器の中にもうかなり水があって、これは新しく2号機の今の溜まり水を移送することは出来ないというふうに判断したというふうに聞いています。

司会:では時間になりましたので、一番最後、壁際の男性の方で最後にさせて頂きたいと思います。

記者:ダウジョーンズのオオベと言います。すみません。先ほど地下の水が漏れているような兆候は見られないということなんですが、そうすると敷地というのは基本的にコンクリートで地下とかががっちりと保護されているような感じで、地下を通じて水が海の方に流れていく可能性っていうのは基本的にないということなのか。それともう一つ、敷地、発電所の敷地の表面というのは水がザーザーザーザー海の方に流れていくような形には基本的になってないということなのか。それとも結構実は表面にある水というのは結構海の方に流れやすい構造なのか、ちょっと教えて頂きたいんですけれども。

西山審議官:まず地下についてはおっしゃる通り、岩盤の上にコンクリートを鉄筋を何重にもしてやるというのが原発の作り方ですので、その通り、コンクリートでがっちり固められた構造にあります。それから発電所の敷地の表面というのは、発電所の構内の普通の水の流れ方については、雨水なんかは排水溝から流れるようになっているということであります。

司会:それではですね、会見はここで終了させて頂きたいと思います。先ほどの資料は。

西山審議官:そうですね。東電の方の発表資料が整ったらそれは皆様にお配りいたします。