原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月28日18時15分から43分間)

司会:それではただいまより会見の方はじめさせて頂きます。よろしくお願いします。

西山審議官:私の方から二件、報告を申し上げます。

一つは今日原子力安全委員会からの、臨時の、臨時会議の後の助言を受けての保安院の行動についてでございます。本日、ご案内のように、福島第一発電所2号機タービン建屋の地下1階の滞留水についてという助言が原子力安全委員会から発表されました。その内容の説明は省略いたしますけれども、これを踏まえまして原子力安全保安院といたしましては、東京電力に対して以下の指示をいたしました。これは口頭による指示であります。一つは従来から実施している海水モニタリングについては、放出源の把握や、放出された放射性物質の拡散予測に資するようモニタリングポイントの追加を行うこと。二番目に、また新たに地下水モニタリングについて、早急に計画を取りまとめ、実施に移すこと、この二点であります。

次に、つい最近の東京電力の発表にもありましたタービン建屋の横にあるトレンチに水が発見された件について報告をいたします。(図を指しながら)ちょっとちゃんとした図がなくて大変恐縮ですけれども、イメージを持って頂くためにこういうものを作りました。タービン建屋があちら側にあります。それでこのトレンチというのは、この海から一定の距離を置いたところから、立て坑という穴を掘って、それからここがトレンチの本体で、それでパイプが、あとで説明しますけど、パイプがタービン建屋の中に入り込んでいっているというものであります。これは何のためにこれを作っているのかというと、従来、昔はですね、この海からの配管について地面にそのまま埋めていたという時代があって、それだと漏れたり、配管が何か傷んだ時に修理が難しいということで、この共同溝的なこういう配管を、中をつたって、管理が出来る形でタービン建屋まで導く、そういうものを作っているということです。とくに地中に埋めることが必要であった配管ということでありまして、具体的には、具体的にここでこの中を通してた配管でやっていたことは、補機冷却系というものと、あるいは非常用ディーゼルの冷却系、こういったところを、の海水を使う配管を入れております。これによって、人が管理可能な形に作っているということです。それで発見されたことは、この立て坑のところ、こちらは何か覆いと言いますか、コンクリートの建屋みたいな、ごく簡略のものがあるような情報を今得てますけれど、そこから見てみたところ、ここから水が観察されたということであります。こちらの、ここはですね、一応今タービン建屋に入っている水をイメージしています。この間がどうなっているかということが焦点なんですけど、ここは今はっきりいたしません。後でもう少し説明します。それで、もう東電の発表でお聞きになっているかもしれませんけれども、ごく概略だけ説明しますと、タービン建屋に接続されているトレンチの状況について、念のため東電の社員の方が確認にいかれたところ、この中に線量のある、放射線の観察できる水を確認したということです。時間的には3月27日の15時半から16時の間に、1号機2号機3号機の順にこうなっていることを確認したということでありました。確認した水の深さは1号機がこの立て坑ここまでの、これを立て坑として、水の深さがこれだといたしますと、1号機の場合には立て坑の深さが約16.1メートル、水の深さの方が16メートルということで、10センチ上が開いているということです。2号機は立て坑の深さが15.9メートル、水の深さが14.9メートルですから、1メートル上があるということです。3号機は立て坑の深さが25.7メートル、水の方が24.2メートルですので、1.5メートルあるということであります。それで当然のことながら、まず一つは溢れているのかどうかということが重大な関心ですけれども、これについては現時点ではわからないと。これから監視しなきゃいけないということです。それから最初に監視した時点からの変化という意味では、1号機は現時点で変化はないと。2号機については5センチ程度、前回最初に発見した時よりも増えていると。3号機は5センチ程度下がっているというふうに聞いております。それから確認した場所は、海からどのくらいの距離かということについては、1号機は約56メートル。ここですね、この間。1号機が56メートル。2号機が55メートル。3号機が69メートルというふうに聞いています。56,55,69であります。線量ですけれども、1号機の水の表面線量は0.4ミリシーベルト毎時、パーアワーですね。0.4ミリシーベルトパーアワー。2号機は水の表面線量がこれは1000ミリシーベルトという、前からタービン建屋の方で、ご紹介している数字はそれ以上ということでしたけれども、ここでは1000ミリシーベルトパーアワー以上。ここではというか、ここも同じようにパーアワー以上ということでございます。それから3号機については、瓦礫が障害となって、水面の測定が出来なかったというふうに聞いています。いずれも今の測定時刻は1号機の0.4というのが15時30分頃、本日のですね。2号機が15時40分頃、3号機が15時50分頃ということでございます。それから立て坑の空気、雰囲気の線量でありますけれども、今最初に申し上げたのは水の線量ですけれども、水の表面線量でしたが、これから申し上げるのは立て坑の雰囲気、空気の線量ということでは、1号機が0.4~0.1ミリシーベルト毎時、パーアワー。2号機が100から300ミリシーベルトパーアワー。3号機が0.8ミリシーベルトパーアワー、これは入口のみ、さっきの瓦礫がありますので、入口でのみ測られたということであります。それであと、ご参考までにこの建屋との間がどういうふうになっているかということですけれども、両方ともコンクリート、建屋の側のコンクリートと、こちらのトレンチの側のコンクリートが境を接しておる状態で、そこに配管のための穴が開けられておりまして、配管を通すための穴が開けられていて、そこにイメージとしては土管のようなものがまずはめられておりまして、その土管と、土管のようなものとコンクリートに開けられた壁の穴の間はですね、モルタル的なものでとめてある、とめてあるというか、そこを漏れないような形にしてあるということ。その土管の中にこの海水の配管を通しまして、それで土管と海水の配管との間は、これはゴム的な、ゴムですね、ゴムのようなもので土管の方にギュッと縛り、そして配管の方にまたギュッと縛るという形でその二つの、土管と配管のすき間には、すき間からは何も出たり入ったり出来ないようになっていると、そういうことでタービン建屋の方は管理区域。こちらのトレンチの方は管理区域ではない、非管理区域になっているということです。以上が現地でわかっているところで、これにつきましては今、1,2,3号機でこういうことが見られます。タービン建屋のものと同じような線量でありますから、その関連というのは当然予測されるわけですけど、そこのところがまだはっきりわかってない状態です。今までに考えていることは、まずはこれまでやってきているタービン建屋の方の水抜きをなるべく早くやるということで、午前中にも説明申し上げた、1号機はすでにポンプを入れて排水しておりますので、それを急ぐということ。それから2号機3号機についてもいくつかご紹介しましたけれども、ルートを考えてるところですので、それをなるべく早く決定して、実行に移すということ。これをまずやってみて、それによってこの、そちらが関連があることが予測されますから、それをまずやってみることがこのトレンチの対策にもなるということをまずは考えておりますけれども。トレンチ独立に何かやるかどうかについては、今のところはそういうことは今のところまだ案になっておりません。私からは説明以上にさせて頂いて、後はご質問に受けたいと思います。

司会:質問の方、挙手のほどお願いいたします。2列目の女性の方どうぞ。

記者:すみません。フジテレビのタカミです。1号機2号機5センチ上回ったとか、3号機5センチ下がったっていうのは、どれくらい時間経ったあと測ったものですか。

西山審議官:最初に測った3月27日の15時30分から16時頃ということですから、約一日を少し切るくらいかなと思います。

記者:今日の午後測ったところっていうことですか。

西山審議官:確認しますけど、おそらくそうだと思いますが、確認します。

記者:これが水がここに来ることによって、作業への影響というのはどういうふうに考えてらっしゃいますか。

西山審議官:今やっている作業の影響というのは、なかなか難しいところですけれども、一つあり得るとすると、この状態で、このトレンチの話がなくてもあることにも繋がるんですけど、今二つ矛盾するような行動をとらなきゃいけないところがあって、一つは燃料のところを、あるいは使用済み燃料プールを冷やすためにたくさんの水を入れて安定的な冷却にもっていきたいということがある一方で、その水がもしこういうところに繋がってくるんだとすると、こちらが後10センチとかっていうことですから、溢れないようにするためには水の量をなるべく抑えた方がいいということがあって、その二つをどう両立させるかっていうことが元々の課題でありましたけれども、この状態があると、ますます微妙なですね、やり方をとらなきゃいけない。とくにこの1号機の場合は、そこをすでにポンプでの排出を始めてますけれども、それによってまだ水位に、少なくともトレンチの方の水位には変化がないということはわかってて、中の方はある程度減ってきているというふうには聞いてますけれども、このことがあると余計水の管理が難しくなってくるということがあると思います。そこはしかし、どちらも成り立たせないといけないことなので、非常に難しいバランスを取りながらやっていくことになると思います。

記者:今おっしゃったのはプールの中の放水とおっしゃったんですか。原子炉の。

西山審議官:原子炉の方もですね、原子炉の方も。1号機の方はまだプールにしてませんから。専ら原子炉の方の問題です。

司会:では次一番前列の男性の方どうぞ。

記者:共同通信のシズナです。今のお話、確認なんですけど、原子炉の水が溢れてきて出ているという認識でおっしゃっているんですね。

西山審議官:そこはわからないんですね。ただそれはわからないんだけれども、そこは両方、両方うまく見て考えなきゃいけないし、安全委員会のご意見がありました。その中には、2号機については格納容器内の水が何らかの経路で直接流出してきたものと推定されますと。他の号機の流出水については、格納容器から蒸気として出たものが凝縮したものの影響とか、放水による希釈の影響を受けたものと推定しておりますというふうになっておりますので、その原子炉に入れたものがそのまま出てきているというふうに安全委員会が言っているのはとくに1号機に当てはまる、失礼、2号機に当てはまる話ですね。それ以外のところはこれはわからないわけなんですけども、ただ今片方で水をたくさん入れる行動をしているわけですから、当然その水と、ここに溜まってきている水との関係というのは考えて然るべきだと思いますので、そういう意味ですね。

記者:2号機については、炉への大量の注水と、このトレンチの水というのが関係を考えて然るべきであるという、そういうことでよろしいですね。

西山審議官:それは安全委員会がおっしゃっていることと私は理解しております。

記者:わかりました。それと最後の土管とかゴムとか配管とかっていう説明のところがよくわからなくて、もし何か図で示して頂けるようなものがあれば。今でなくても、後でも結構なんですが、わかるように説明して頂けないでしょうか。今でなくてもいいというのは、その間他の質問を受けて頂いてもいいという意味です。この会見の中でお願いしますという意味です。

西山審議官:絵を描く間、他の質問をお受けします。

司会:では一番後ろの男性の方どうぞ。

記者:朝日新聞のコボリです。27日の午後に測っているということなんですけれども、なぜ報告が今になったんでしょうか。

西山審議官:私がこのことを知ったのは、今朝皆様とお話した後でありまして、そういうこともありましたし、そういうことで私としては自分ではやろうとしてもやれなかったという事情はありました。関係者の間では、その測ったってこと、それからこういうことがあったということについては議論の俎上にはのぼっていたようですけれども、私自身には知識が全くありませんでした。そういうことで、この会見との関係で言えば、私のところの情報の遅れによるものということでした。あとは、今申し上げたように、少し事実関係をはっきり把握した上でということだったと思います。

記者:ちょっと昨日わかっていることを昨日発表しないというのはちょっと遅いと思うんですけれども。それと昨日その高い線量が測られたあとですね、海に流れ出ていないのか。それはどうやって監視していたのか。もしくは防ぐ手立ては何かとっていたんでしょうか。

西山審議官:そこは今わかりません。

記者:外部への影響ということでそこは大事だと思うので、実際にその流れ出た影響がないのかとか、線量測ったのかとかっていうのは確認是非して頂きたいんですけれども。その水の核種分析っていうのは、されているんでしょうか。つまりトレンチの水っていうのは完全に2号機のタービン建屋の地下で見つかったものと同じと考えていいんでしょうか。

西山審議官:今同じと考えていいかということについては、まだそこは結論が出ていないということで、そこの核種分析は今やっているそうでありますので、結果が出ましたらまたお知らせします。

記者:あと、昨日から今日にかけて監視とか、防ぐ手立てどうしていたかわからないということなんですが、今この段階で何かその監視、流れ出ていないかカメラを置いて見ているとかですね、あと何かその土嚢のようなものを置いて防いでいるとかそういうことはされているんでしょうか。

西山審議官:今確認します。

司会:では次、ご質問の方。壁際の男性の方どうぞ。

記者:読売新聞社のタカダです。今の質問の関連なんですけれども、西山さんが先ほど説明の中でなんて言うんでしょう、まず水抜きを早くやると。1は今輩出しているし、2,3についてはルートを考えて実行に移したいと。東電の説明ですと、2,3についてはまだあまり見通しがついていないというような話があったんですが、つまりこの作業は具体的にどれくらいの期間でもって終わらせようというような目途みたいなものがあれば教えてほしいんです。そうでないと、このトレンチの方に移れないとするならば、トレンチへの対応というのも同時並行して行わないとおかしいはずだと思うんですね。それが一つと。ごめんなさい。最もこの水への起因となっている1,2,3の圧力容器の今現状は今どうなっているのか。それについてどういうふうにして保安院は見てるかっていうのを1号機2号機3号機について教えてください。

西山審議官:まず今統合本部でもずっとこのどうやって水を、今溜まっている方のですね、水を、タービン建屋に溜まっている水をどう処理するかということについては、本当に必死に議論をし、色んな方法を探っておりますので、これについては今ゲストを尽くして一刻も早くやろうとしているということであります。ただいつまでということは、今のところお示し出来ない状況です。それからそれが出来ない間、このトレンチをどうするのかということについては、まだこれについてははっきり結論が出ていません。とくに今こういう方針というふうに決まったというふうには聞いておりません。それから、1号2号3号の圧力容器とか格納容器とかの関係ですけれども、まず今行っていることは、圧力容器の方に、淡水、最近淡水に変わったわけですけど、淡水を送り込んでいると。それで燃料を冷やそうとしているわけですけれども、この燃料を冷やそうとするときにどうしもまだ燃料がある程度の熱を持っているので、蒸発して蒸気になる。蒸気になったものは圧力容器の中では納まりきれないので、これを格納容器の方にはぬいていっていると。という、格納容器の方で水になっているということで。ですから格納容器の中にも、圧力容器の中にも、それぞれ水が溜まっていくような行動が今とられているんですね。それでもって、何とか圧力容器の中にある燃料を、一部損傷していると思いますけれども、この燃料を冷やそうという努力をずっとしてるわけです。それで、格納容器、圧力容器がどうなっているかということについては、今のような状況なんですけれども、まず圧力容器について言えば、格納容器に蒸気が漏れるようになっているんですけれど、これはその漏れ方がですね、本来ちゃんと操作して漏れていくべきなんですけれども、必ずしもそうでないところもあるんで、圧力容器から格納容器に漏れるような状態になっているということは言えると思うんです。ただそれ以上に圧力容器に何か壊れてるということかどうかそこについてはわかりませんし、今のところそれを示すデータはありません。それから格納容器についても、格納容器の中に本来あるべき放射性物質が外に出てきていることは間違いないので、これについては前から申し上げておりますけれども、やっぱり温度が上下する中で、あるいは圧力も変わっていく中で、配管であるとか弁であるとかそういうところからの漏れは少なくともあるだというふうには思っています。それから2号機について言えば、圧力容器の下部を構成するサプレッションプールですね、圧力抑制室のところで爆発音がしてますから、そこに何か棄損がある可能性はあると思います。大体以上のような理解してますが。

記者:3号は。

西山審議官:3号か。3号は、ほぼ1号と同じような状況じゃないかと思います。

記者:午前中の会見で1号の圧力容器について、温度上昇があって、これは注視しないといけないと。淡水注入の調整しつつ見ていくというようなお話でしたけど、今現在はどういう状況でしょうか。

西山審議官:引き続き少し高めになってきてるんですね、今1号機の圧力容器、圧力容器か。高めになってきているので、引き続き注意が必要で、そういう意味でこの外の水との関係が非常に難しい調整になってくると思います。

記者:この上昇はとくに圧力容器に何らかの損傷があるとか、そういったことを示唆するようなものとは考えてないと。

西山審議官:とは考えてないですね。むしろそのあまり高くなりすぎて損傷にならないようにきちっと管理しなきゃいけないということだと思います。

記者:ありがとうございます。

司会:では壁際女性の方どうぞ。

記者:産経新聞のタキガワです。二点お伺いしたいんですけれども、トレンチについて、27日の午後以前に注意を払うことはなかったのかということと、もうすぐ溢れ出しそうな水位だと思うんですけれども、それでも明日以降も注水を続けてもいいのかどうかということと、溢れないようにするための手立てというのはまだ決まってないとは思うんですけど、何か想定出来るんでしょうか。

西山審議官:まずその前に27日の15時30分から30分くらいの間に東電の方が確認されたという前にどの程度問題意識があったかというのははっきりとはいたしません。そこはわかりません。それから、一応今我々が考えていることは、まずトレンチとタービン建屋の水溜りとの間の因果関係は最終確認が必要だと思いますけれども、やはりこれまでの間動きがないところを見ると、タービン建屋、見るとというか、という事実があって、それでタービン建屋の水抜きというのはいずれにしてもやらなければいけないとすると、まずはタービン建屋の水抜きを今1号機ではポンプ3台でやってるし、2号3号は今日いくつか申し上げたように、やり方を考えているんで、そこでやることはまず一番はトレンチにとってもおそらく対策になると考えられるので、まずは今水をぬいていって、トレンチにとっても有効だと思われる水抜きの対策を何とか確立するということが喫緊の課題だと思っております。

司会:では次。一番前列男性の方。

記者:すみません。このトレンチに水が溜まった時期の、あと公表の遅れについてなんですけど、先ほど会見の前に知らされたというお話あったかと思うんですが、東電からの連絡とか報告が遅いという認識では保安院ではないということなんですか。そこちょっと確認させてほしいです。もしその遅れの方の今状況について保安院として認識しているんであれば、それについてある程度の例えば改善であったりとかそういう調査をすることを考えているのかどうかまずそこをお聞かせください。

西山審議官:まず今のこの種の情報はですね、統合本部に基本的に集約されて、そこで関係者がみんな集まって情報を共有して動くっていうのが現時点の体制になってまして、統合本部との関係では東京電力からは時々刻々と情報が来ておりますので、そういう意味で私としてはそこに遅れがあったというふうには今思っておりません。申し訳ないことに、私がそれを知ったのは前回の会見の後になってしまったということもありまして、それから東京電力の発表自体もつい最近になったということもあって、この会見に間に合わせて何とか申し上げようとしたわけです。

記者:あと、それに関連してなんですけども、午前中の会見ではですね、放水の予定がないと。で、今の会見見るとですね、15時段階で放水がスタートされてるわけなんですが、因果関係だけを見てるとですね、あ、間違った認識ですか。

西山審議官:とくに今日放水はございません。

記者:これ見てると28日。ちょっとこれすみません。勘違いしてますかね。頂いた表で。この原子炉圧力容器への淡水注入の話を。

西山審議官:それはそうですね。それはやってるんです。放水というのは放水ポンプ車とか何とかでこうかけるやつありますよね。あれのことは、今日はやってないという意味です。

記者:午前中の会見もそういう意味ですか。

西山審議官:そういう意味です。

記者:それちょっと勘違いしてました。すみません。申し訳ないです。わかりました。後ですね、先ほどの、もう答えが出てるかと思うんですけど、ちょっともう一点だけ確認しときたいんですが、このトレンチ周りの例えば土壌の調査であったりとかですね、このトレンチのところが今コンクリートで囲われているのか、水で囲われているのかとかですね。ちょっとそこら辺の状況、つまり土壌に染み出す影響であったりとか、周りへの影響をどう調査していこうか、あるいはそれについて何かの指示をしているのか。ちょっとそこら辺ところをですね、もう少し細かく聞かせてもらえませんか。

西山審議官:まずこのトレンチ周りについてはですね、トレンチはコンクリートで出来ていて、ですかね。トレンチについては、コンクリートで出来ていて、内面は一応塗装はされているという状況にあるということです。ただそれがどの程度、今ある水がその下に染み込んでいくことを防げるかというのは必ずしも明確でないところがあります。それから、トレンチ周りの土壌調査については。今現在のところまだそこについて議論しておりませんけれども、そこは検討課題だと思います。

記者:議論なされていないというのは統合本部でも議論がなされていない。

西山審議官:ちょっと私の知らないところであるかもしれませんけれども、今あれですね、先ほど申し上げた、まず原子力安全委員会の方のことで、この地下に溜まっている滞留水との関係でモニタリングの場所を増やす。それから地下水のモニタリングをするということについては指示が出てるという段階で、その次のこのトレンチを踏まえたことについては、どうかな。現時点では我々は少なくともそういうことが議論されているかどうかちょっと最終的存じ上げませんけれども、何か指示が出ているというふうには我々は承知してません。

司会:残り3名とさせてください。

西山審議官:それから先ほどご質問があったの、今書いてもらいましたので。(図を指しながら)トレンチの方のコンクリートがこうありまして、タービン建屋のコンクリートがあって、その間は何かあれですな、樹脂的なものだっけ、ここの間は。この間は埋められている。それで土管と申し上げたのはこういうふうにコンクリートの間に、コンクリートの中に穴を貫通させて、そこにまずあとでパイプを指し込みたいその形を作るためにこういうものを、円筒形のものを入れるということですね。そういうふうにしたうえで、その中に配管を入れて、それでここの土管にあたる円筒形のものとパイプとの、配管との間をシール部品でシールしてしまうと。このコンクリートと管との、円筒形のものとの間は、これは漆喰で固めるというのが、今の私共の認識です。ちょっとこの辺は詳細に東京電力とつめたわけではないので、ちょっと時間がなかったものですから、我々の中野知識で作ってますから、およそこんなような感じのものであるということで、若干不正確な点があるかもしれないと思いますが、一応イメージとしてこれを持って頂きたいと思います。

司会:では残り3名とさせてください。ごめんなさい。

記者:NHKのハルノと申します。二点伺います。一点目は繰り返しになるんですけど、トレンチの件で、先ほど冒頭の方でトレンチの水、当然タービン建屋の水と関連があると考えられるんだけれども、独立の対策というのは考えてないというお話がありました。ただその一方でその1号機の様子を見ると、中の水が減ってきてもトレンチの水には変化がないという現状もあるわけですが、本当にその独立の対策を検討しなくてもよいのか。その点どのようにお考えか教えてください。

 

西山審議官:まずは今このやっているそのタービン建屋の水溜りの方ですね、これが関連性もありそうだし、それをやることが原子炉の方を落ち着かせることにもなるわけなので、どんどんとこのトレンチの方に来る感じがあるのであれば、また別の判断もあるかもしれませんけど、現時点ではまずそちらの方の水抜きをやらなければいけない、水抜きというのは溜まってる、タービン建屋の方に溜まっている水を抜かなくちゃというふうに考えているわけなんです。それからもうひとつの理由は、ここは関係者全部議論したわけじゃないんですけど、私が思うに同じく水の処理ですから、その水をどこにもっていくかということはいずれにしろあるわけですね。ですからそのまずはトレンチに繋がっている可能性の高いところを抜けばトレンチについても効果もある可能性が高いし、それから本来の目的である発電所の方の安定的な冷却に結びつけるという点も出来るということで、まずはそちらが優先順位が高いというふうに関係者は考えていると思います。

記者:今の中で、関連性があるといわれていますけど、それ何か根拠はあるんでしょうか。

西山審議官:そこは今ははっきりしたものはありません。

記者:わかりました。もう一点なんですけど、ちょっと今日の発表と離れて恐縮ですが、全国のですね、原発で津波対策というのが徐々に各原発進みつつある現状が我々の取材で、あるようだということがわかってきました。それで国としてもですね、今ガイドラインを作って今週発表されるご予定あると思うんですけど、その発表の目途がいつになりそうなのかっていうことと、それとガイドラインを作成するにあたってですね、国としてどのような方向性で作成しようとされているのか、その二点お願いします。

西山審議官:ちょっと今そのことについては、大臣から申し上げていることがすべてでありまして、発表の目途とか内容については今ここで申し上げるのは控えておきたいと思いますが。

司会:では次。壁際の男性の方どうぞ。

記者:毎日新聞のヒノです。2号機はすでに、なんでしょう、仮設のポンプがですね、出来てですね、注水が始まっていると思うんですが、この注水量を減らすという現在選択肢があるのか、もしくはすでに減らしているということはあるのかどうか。それからあと、3号機と1号機も順次仮設のポンプに切り替わっていくと思うんですが、3号機の仮設ポンプについて、今日確か切り替えが出来る予定だということで、午前中話があったと思うんですが、これは予定通り切り替えるものなのか、それで先ほどもおっしゃられた通り、量を増やせば、注水量を増やせばですね、当然これろうへい量が増えるということが懸念されるんですが、全体的にこれ注水量を減らすという選択肢はあるのかどうか。それについてちょっとお伺いしたいんですが。

西山審議官:ポンプの件はちょっと確認。仮設のポンプが3号機ですか、3号機予定通りだったかはちょっと確認します。今の統合本部にいた者の情報によれば、まだ工事中というふうには聞いてますが、確認が必要だと思います。それから注水量の件につきましてはですね、これはさっき申し上げたように、非常に難しいことなんですけれども、私の理解ではまず注水はとにかく燃料のところ、あるいは使用済み燃料について危険な状態にならないように安定的に冷やしていくためにどうしてもやっとかなきゃいけないわけですね。そこが崩れてしまうと非常に危険なことになる可能性があるわけで。それはしっかりやらなきゃいけない。それから、他方でこういう現象も起こってくるということで、そういうことを両方考えると、もちろん水の量で加減出来るとうまく判断できればそれはやることはあると思います。他方でしかし、まずその時に重要なのは、今溜まっている、建屋に溜まっているものをまず抜いてしまうということで、それを抜くとその次に、今度、ある種気づかないときに溜まってしまった水ですから、それを一回抜いてしまうと、次に起こることがわかればですね、次の現象を見れば、どこからどういうふうに来るかっていうこともある程度わかる可能性もありますから、まずはこの作業の妨げにもなるし、原因も究明も妨げるこの水を抜くということにまず第一優先順位があると思うんです。このトレンチのことについては、今日わかったことなので、これについて独立に手を打つかどうかは、今のようなことに加えてどうするか、そこはまた本部の方で議論があるかということだと思いますけど、現状の認識は今申し上げたような点だと。

記者:じゃあ今のところ注水を止める、もしくは極端に減らすという選択肢はないということで。

西山審議官:と思います。

司会:それでは最後、一番後ろ男性の方どうぞ。

記者:ダウジョーンズのオオベです。2号機の圧力容器についてもう一度一応確認なんですが、先ほどの話だと、下部の方のサプレッションプールに棄損があるかもしれないと。それは前から言っている話だと思うんですが、東電の方で圧力容器そのものに穴があるかもしれないみたいなのが伝えられているので、これは同じことを言っているのか、それともそうではなく、圧力容器に傷があるということなのか、どっちなんでしょうか。

西山審議官:それは違うことだと思います。私が申し上げているのは、まず圧力容器っていうのが一番中心部にあって、その周りを格納容器っていうのが取り囲んでいるわけですね。(図を指しながら)これですね、圧力容器というのはこの中心部にあって、ここに燃料が入っているわけです。それで格納容器はその全体を覆っているもので、ここにサプレッションプールというか、圧力抑制室というものがあります。それで私が申し上げているのは、この圧力抑制室のところで、らしく、だいぶ前ですけれども、爆発音があったということですので、ここに傷みがあるということは十分考えられるというふうに思います。その東電がどういうふうに言っているのかわかりませんけど、ここの圧力容器自体は、にどういう棄損があるかというのは私がさっき申し上げたのは、ここから格納容器の中に蒸気が出て、ここで冷やされて段々と水として溜まっていくと。こういうふうに溜まっていくという現象が今これを冷やすためにどうしてもそうならざるを得ないのがあるんで、そういうことにはなっていると思いますけれども、それ以上に例えばこの辺のどこかが壊れてるとか割れているとかですね、あ、そうか、まず圧力容器ですね、圧力容器について、ここに逃げていく道があるということ以外にこれが何か例えば燃料によってどこか棄損されているというようなことは今のところ我々はそういうふうには認識していないというか、それを示すデータは持っていないということです。

記者:わかりました。あと、すみません、ちょっと確認なんですが、水抜きをする際に、今地下の1,3号機について水の量、水の深さっていうのがどれくらいの状態なのか、何トンくらい抜かなきゃいけないのかということと。あともう一つ。深さが1メートル前後というふうに聞いているんですけれども、報道なんかも見たりしてるんですが、本当にその地下にある機械っていうのが使えるものなのか、そんなに水が入っていて、水に浸かっている機械っていうのが、水を抜いたからといって本当に使えるものなのか。ちょっと教えてください。

西山審議官:まず全体で何トンくらいあるかというのは、はっきりわからない状況です。今そういう中で1号機で今何とか抜き始めているというか、抜く努力をしているということですね。

記者:深さとかは。

西山審議官:深さもどうかな。今のところは私ははっきり知りません。それからもう一つなんでしたっけ。

記者:水浸しになっている中で。

西山審議官:そうかそうか。機械とか。それは使えないかもしれないし、確かに電気を使って使う機械は水が入れば非常に傷むことは間違いないし、ましてや海水みたいなものが入っていれば余計傷むということがありますから、果たしてうまく動くかというのは非常な疑問がありますけれども、ただ洗うなりして使うかどうかを試し、かつ場合によっては肝心なところには仮設のものを外から持ち込んで何とか繋げてやるというようなことを工夫したいと関係者は思っているわけです。

司会:ではこれで会見の方終了させて頂きたいと思います。