原子力安全・保安院の記者会見テキスト(2011年3月29日01時04分から18分間)

保安院:すみません。それでは、お手元に一枚の平面図配らせて頂いております。今日午後の会見でトレンチに水が溜まっているというお話をさせて頂きました。その中でトレンチって一体どんなもんだというお話がございましたので、用意させて頂きました。ただ大変申し訳ないんですけれども、今ちょっと東電の方でも本件と、先ほどの記者会見の話とか結構混乱しててですね、たぶんなかなかみなさんが期待して頂けるような情報がとれておりません。したがって今わかる範囲で、お待たせしているところでもございますので、情報の方をお伝えしたいというふうに思います。カラーでコピーを付けておりますけど、この青く塗ったところ、これが地下をずっと通っているトレンチというものでございます。それで赤く丸を付けてあるところ、これが今回線量を確認した所謂立坑といって言っているところでございます。地下道がずーっと通っていって、この画になりますけど、(図を指しながら)タービン建屋のところをずーっと通っていって、縦に立ち上がっているところ。立ち上がっているところが丸にしてあって、青いところはずっと地下を通っているところだというふうに思って頂ければというふうに思います。それで、この位置関係なんですけれども、1号機につきましては、これ一番左側にシャープの1と書いてあるのが1号機なんですが、ここから海までの距離は56メートル。2号機については、同じく海までの距離が55メートル。3号機につきましては、海までの距離が69メートル。これ立坑からの位置でございます。立坑から海までの距離が1号機が56メートル、2号機が55メートル、3号機が69メートルとなります。それと、タービン建屋までの距離でございますけれども、タービン建屋までの距離は1号機が162メートル、それから2号機が76メートル、3号機が74メートルあります。それで、トレンチの大体の大きさでございますけれども、1号機に付いてますトレンチのスペックは、これ縦がトンネルになっていますので、トンネルの断面で考えて頂いて、縦方向が2.6メートルから3.9メートル。わかりますか。トンネルの、ここをバシッと切ったときの断面の縦方向が2.6メートルから3.9メートル。横幅が2.4メートルから3.3メートルあります。それから、2号機について言うと、縦幅、縦方向が3.6メートルから4.4メートル。1号機より少し大きめということになります。横幅が3.0メートルから3.6メートル。章し幅があります。3号機は縦方向が3.2メートルから4.4メートル。横方向が3.0メートルから3.7メートルございます。それでトレンチの深さは、先ほど西山が言いましたので、念のためもう一度繰り返させて頂きますと、1号機については、立坑の深さが約16.1メートル、それで水深、水の深さが約16メートルで、その差が0.1メートル、10センチという話を先ほどさせて頂いたかと思います。2号機も同様に立て坑の深さが15.9メートルで、水の深さは14.9メートル。これで推移が1メートル下がるということになります。3号機はもう少し深くなっていて、立坑の深さが25.7メートル、水の深さが24.2メートルになります。先ほどいくつかお問い合わせを受けた話ですけど、この立坑のところに蓋とか建物とかなかったのかっていうことですが、ここについてはですね、立坑を覆う部屋、小さい部屋と言いますか、建物、部屋があるそうです。扉が付いてますということでございました。ただし、現状では津波の影響によって部屋の扉はない状態になっているということでございます。今現在どうなっているかっていうことについては、すみません。まだ確認が出来てなくて、わかりましたら、ご連絡をさせて頂きたいというふうに思っております。それからトレンチから水が溢れた形跡はなかったのかということでございますけれども、溢れた状況というのは確認出来ていないというふうに東電の方から報告を受けているところでございます。それと、それまでのトレンチの立坑周辺の土壌について、線量を確認したかということにつきましては、現時点では調査はしていないと。線量が高かったその2号機については、1000ミリシーベルトあったということもございまして、今具体的な計画が立てられていない状況だということでございます。諸元で言うと、諸元というか、数字で言うと、今のくらいでしょうか。あと東電さんの会見でお話をされていたことで言うと、トレンチの体積、ちょっと若干先ほどの断面積と長さで掛け算しても、なかなか、もうちょっと曲がりくねっている、この画を見て頂いている通り、直線距離で先ほど、タービン建屋との距離はお話したんですけど、もうちょっと横とか斜めとかにも付いてるんで、必ずしも長さだけで計算出来ないんですが、1号機のトレンチの体積は3100立方メートル、3100立方メートル。2号機については、約、いずれも約ですけど、約6000立方メートル。3号機については、4200立方メートルというふうに聞いております。あと、その他につきましてはですね、先ほど申しました通り、まだ東電さんの方でもバタバタしてるようでして、確認が出来ていない状況でございますので、また明日の、明日って言ってももう今日になってしまっておりますけれども、会見の時までにわかる範囲のことが確認をして、お知らせをさせて頂きたいと思います。という状況でございますけれども、ご質問のある方いらっしゃいますでしょうか。

記者:これつまり3メートルくらいあってですね、水が図に書いてあるのそうなっているから、全部そこに水が入っちゃってるんですか。

保安院:ここまで水が来てるっちゅうことですからね。そう考えると下に水が入っていると考えるのが自然ですよね、そこは。潜って調べたわけじゃないんで、わからないですけど、たぶんそうだろうと思います。水の由来がどこから来たこれまだわからないんです。先ほど言ったように扉も取れちゃっているということなんで、津波の水も相当入っているのはたぶん確かだと思います。ただ線量、確か高かったのは確かですから、それはいずれか炉の、炉って言いますかね、そちらの方の由来のものも来てるんだろうなとは、これはすみません。推測であって、いずれにしてもそこはまだ確認中ということでございます。他には。はい、どうぞ。

記者:この画の中の放水口ってあるのは、ここまさに、この放水口と書かれている口から出ている。

保安院:これは放水口は、BWRの仕組みご存じですかね。ここにありますけれども。タービンまで書いてあるのはないのか。これがそうか。炉の方で蒸気を作ってこちらに送ってタービンを回すのご存じだと思うんですけれども、これを外から海水を引っ張り込んで復水器という、これ蒸気を水に戻すところなんですよね。海水ぶっかけて、ぶっかけて直接蒸気って、熱交換器を通して水ぶっかけて水に戻すんですけど。それが終わった水をこの放水口から吐き出すというところになってます。

記者:濃度が非常に高かったのは。

保安院:1250とか1800とか出たのは、この放水口近くですね、はい。

記者:この1000ミリシーベルトの関係で、1000ミリ以上という2号機ですか、タービン建屋の水のありましたけど、そことの因果関係はわかってないんですか。

保安院:わからないんですね。ただいずれにしろこのタービンは今止まっちゃってますから、つまりここで復水器を回してそこから水がじゃんじゃか出てるっていう状況では少なくともないわけです。

記者:先ほど数字を教えて頂いた海から56とか55とか69ですか、の海っていうのはどこを指してらっしゃるんでしょうか。

保安院:この近さで言うと、今から確認しますけど、ここが取水口といって、ここにフィルターとかあって、水、海より水をとり込んで、先ほど言った復水器に入っていく水をとり込むんですよね。そこまでのところだと思います。ちょっとこの画だと少し近く見えますけど。

記者:トレンチから溢れた水、遮水板があるかどうかはわからないということなんですけれども、もし夜の間とかに水量が上がってきてですね、溢れ出しちゃわないかって心配があるんですけど、何かそれを監視しているとか、防いだりとかってそういうことはされているんですか。

保安院:先ほどの会見の時に西山がプラマイ5センチくらいだったというお話をさせて頂いたかと思うんですけど、すみません、それ言うの忘れちゃった。それ今朝の8時何分だったかな、40分くらいの、8時過ぎくらいの数字であって、比較的水面は今安定してるそうです。したがって、今その水が溢れているっていうことはないんではないかっていうことでしたけれども、けれども、それはやはりみなさん関心もあるところではございますので、そこは引き続き我々の方もちゃんと確認をするようにということで東電と話をしてるところでございます。そこはもし何か動きがありましたら。ご連絡はするようにします。

記者:立坑近くのですね、海水のモニタリングとかするような予定とか計画はないですか。

保安院:立坑近くでは、これ確か東電がとってた思うんですけど、今日別件で、別件と言いますか、安全委員会の方からのペーパーと言いますか、お話が出てたかと思いますけれども、海水のモニタリングについては、より強化すべきという見解が出ております。それに基づいて私どもの方からも東京電力に対してその調べるポイント数を強化するようにという話をしておりますね。いずれにせよ、よりしっかりとした海水モニタリングはしていく予定です。

記者:ポイント数、数だけを指導したんですか。それともここをやれみたいな話をしたんですか。

保安院:すみません。ここをやれと指示したかどうかは今確認しておりません。

記者:数を増やせというふうに。

保安院:数は言っております。数と、数だな。

記者:保安院の方ではですね、今回のトレンチと海水の濃度の、はずっと上がり続けたこととの関連についてですね、あるとみてるんですか。ないとみてるんですか。

保安院:今日西山の会見で行った以上のものは今ございません、そこについては。まだわからないです、そこは。

記者:そこの可能性を重くみて調べるということはしてないですか。

保安院:それは東電の方でしてるというふうに聞いています。それは僕らの方からも、その水をちゃんと調べるようにという話はしておりますので。

記者:水っていうのはどこの。

保安院:とくに2号機のところですよね。

記者:トレンチの水ですか。

保安院:トレンチの水です。そうです。1000ミリシーベルトっていう値。

記者:トレンチと海の間とかについてですね、その漏れた経路が確認出来ないかどうかとかそういうのは。

保安院:それは先ほど申しましたけれども、そういう経路はないか、こういう跡はないかっていう話は東電の方には伝えておりますので、確認をすることになろうかと思います。いずれにしても、先ほど申しました海の方でのモニタリングについては、さらに強化をするということになっていますので、そちらの方のデータについても我々も引き続きちゃんとチェックをしていきたいと思ってます。

記者:先ほどトレンチの水面について、今水面は安定しているっていうご説明ありましたけど、それはどうやってわかるんですか。

保安院:これ目視しているって言ってましたけども。

記者:それは目視をどれくらいの頻度で、今。

保安院:それはわかりません。すみません。

記者:じゃあその監視については目視で行っていると。

保安院:その時は目視をしたと聞いておりますけれども、ただ2号機の方は線量が高いですから、あまり長い時間見に行くと、それだけ体に受けてしまいます。そこは考えながらということになろうかと思います。残念ながら、申し訳ありません。その辺の情報今私持ち合わせておりません。

記者:ご説明頂いたかもしれないんですけど、立坑の上に構造物があると。小屋みたいなイメージですか。

保安院:そうですね。

記者:その小屋には扉が本来あって、今はない状態っていうことですけど。

保安院:流されて、流されたというかなかったという報告を受けてます。

記者:立坑の穴の上には何かしら載っていない。つまり水がそのまま見える状態。

保安院:水は見えてたっていうことですので、そうなると思います。

記者:本来はそこに覆いかぶさるような、例えばマンホールみたいなのが、そういうイメージではないんですか。

保安院:グレーチングと言ってましたけど、グレーチングってこう格子になっているものがあって、気体も液体も通ってしまうものですから、そういう意味でその遮閉のようなものであるとか、そういうものかっていうとそうじゃないっていうのは聞いてます。それが、すみません、あったかどうかは聞けてなくって、扉の方はなかったという報告は受けてます。よろしいでしょうか。

記者:今小屋はあるんですか。

保安院:すみません。扉はなかったっていう報告受けているっていうことは、たぶん小屋はあったんだと思います。小屋なかったら、たぶん小屋がなかったっていう報告になってるんじゃないかと思うんですけれども。すみません。そこは明確に確認しているかっていうと確認はしてないです。小屋はなかったという、小屋じゃない、扉はなかったという報告受けてるだけです。

記者:小屋っていうのは例えばコンクリート製とか何か材質わかるんですか。

保安院:わかりません。ただ津波で残ったっていうのは確かですよね。

記者:トレンチのですね、タービン建屋と繋がっている部分というのは、タービン建屋の地下1階の床と比べてかなり高い位置になって。

保安院:どの部分で、先ほどこの画を描かせて頂いたんですけれども、タービン建屋の部分と貫通部分がございます。これは補給水系に、補機冷却系に通すパイプであるとか、色んなそのケーブルなんかを通してて、いずれもシールはしてるんですけれども、すみません。どのエリアでその貫通部分があるのかということについては、まだ確認できておりません。すみません。そこは聞いてるんですけど、確認出来てないっていう状況です。

記者:この図なんですけど、ここの部分っていうのは海水が。

保安院:海水ですね。

記者:こっちは。

保安院:その外側も海水ですね。

記者:●●。

保安院:はい。ではよろしければ以上で終わりにさせて頂きます。ありがとうございました。