東京電力本店の記者会見テキスト(2011年3月12日9時40分から24分間)

吉田部長:このベントの仕組みにつきまして、A4横長の図をご用意いたしましたので、これで少し補足、ご説明をさせて頂きたいと思います。

東電:こちらでは耐圧強化ベント設備と書いてございますが、同じ意味でございます。先ほどまでに言っていたことだと同じ意味でございます。先ほどの図でも言ったとおり、サプレッションプールという圧力抑制室の方から太い線をとって、三角の矢印が2つくっついているのがバルブになります。弁になります。弁を2つ通して、ラプチャーディスクを通って、最後にスタックと書いてありますが、これが排気筒。すみません、所々横文字と日本語がごっちゃになって申し訳ございません。を通じて外に出るという基本的な概念になってございます。通常ですと、通常ですとっていうか、電源がない状況じゃない場合ですと、こちらのものっていうのは1つは空気による作動、1つはモーターによる作動と言うことで、操作によりあてることができるのですが、先ほど来申したように、こちらの弁を開けるためには、何らかの現場の操作がいります。ということで、そういった作業が開始されたというところです。ですので、作業部隊がこの近くに行って、このバルブを開けるという操作をするというのは、ある程度の時間がかかるというふうには思っています。ですので、先ほどの段階でわからない状況だったのは、いつの段階でどうなるのかというのはその段階でもわからないということです。今回はまず概念の方を進めさせて頂きます。そちらがこの2つのバルブを開けますと、最終的にはラプチャーディスクという、こちらも要はここは敷居板になってございまして、ある圧力以上になると、ここが破けて外に放出するという形になってございます。ですので今は、通常の圧力の倍以上、倍ぐらいになったということですので、そういった圧力ではこれが破れて外に放出するというのが、耐圧強化ベント設備と書いてあるこの基本的な概念になります。こちらで見て頂きましたように、ここには安全弁とかそういったものがないんですが、こちらは1回炉心から出た水は必ずこのサプレッションチェンバー、サブレッションプール、圧力抑制室の中の水を通ります。水を通すことによって、放射性物質をもつヨウ素を相当量とることができるということで、こちらから放出する方法をとってございます。また通常ですと、その上にあります非常用ガス処理系というその四角やつがフィルターなんですが、こういったもので換気したり、非常用の時に●●したり、または通常ですと、さらに上の建屋換気ダクトと書いてありますが、通常は出ているというような状況にあります。

吉田部長:排出の仕組みは大体以上でよろしいでしょうか。

記者:作業としては、この2つの弁を誰かが近くに行って開けるという作業で?

東電:はい。

記者:これは格納容器の外、建屋内にあるということですか。

東電:建屋内にあります。原子炉建屋内にあります。格納容器の外です。

記者:放射線量とかはどれくらいになってそうなんですかね。

東電:それは不明です。

東電:それはわからないですけど、ただそういう場所に行きますので、放射線の測定をしながら現場にアクセスした場合、安全第一にして。

記者:これはラプチャーディスクが破けることによってツウツウになるわけですよね。ずっとそれを開けておいてたら、全部出ちゃうわけですよね。そうすると、ある時点で止めなきゃいけないですよね。

東電:まず電源がある通常の操作ですと、そのあと電気のスイッチを入れて閉めれば圧力が下がったら閉めればそれが1回止まるということになります。また圧力が上がったら開けるという操作が必要です。これを今回は人間が入って行う形になります。

記者:これ微量だという見通しがあるからやられるんですか。

東電:そう聞いています。

記者:大体見通してどれくらい出るとか?

東電:どれだけ放射量を出したかという評価はですね、評価システムの中にある放射量の数字を入れまして、それでそこに入れる情報というのは風向きですとか、風向ですとか大気の状態がどうなっているかとかそういう情報を入れます。そうしますと、どういうところに放射性物質が広がるかというような絵が書けることになります。そこで最大濃度になるだろうという地点が定まります。そこにですね、実際に放射線を図る、先ほどモニタリングカー言いましたけれど、モニタリングカーを定置しておきましてですね、そこで実際の放射線の量を測ると。その実測値をもってですね、実測値とシミュレーションの結果をもってどれだけ放出があったかっていうのを評価するというそういうやり方になります。今、全く放出量に関わるどれぐらいの量を出すというものはないんですけども、かなり保守的な数字なんですけども、燃料のですね、プラント内で燃料破損が起こっていると仮定をしまして、そのうちの総放射能量の2%くらい放出したというような仮定でですね、先ほど申したシミュレーションの計算をしかけております。その量が本当に出たとしまして、仮定の計算でございますけども、最大の濃度の地点になるっていうのがですね、原子炉施設の、原子力発電所の構内になります。そこで線量は64ミリシーベルトというふうに出ておりました。それはただし、先ほど申し上げましたように、かなり保守的な燃料破損が起こっている、そのうちの2%もののですね、放射能が1度に出ると、そういう想定をしてのものです。

記者:64ミリシーベルトは1時間あたりですか。

東電:一事象あたり。放出が終わるまでですね。全量が放出されるまでそこにとどまったとした場合の線量です。ですので、じゃあ実際にどれだけ出したかは、ちょっと繰り返しになって申し訳ありませんけれども、最大濃度地点にですね、実測のモニタリングカーがいっていますので、そこの測定値をですね、評価しながら放出量、あるいは放射線量っていうのを評価することになります。

記者:今風向きはどっち向きなんですか。

東電:今はですね、北西っていうふうに直前では聞いて、北西っていうふうに聞いてございます。

記者:64ミリシーベルトっていうのはどのくらいの?

東電:構内が最大濃度地点になってますけれども、例えば今住民に避難をして頂いてもらっていまけれども、住民避難をする基準というのは防災指針の中で決められておりますけれども、それが50ミリシーベルト。あと比べるものとしましては、私たち放射線業務従事者になっていますけども、放射線業務従事者の1年間の線量限度っていうのが最大50ミリシーベルトかつ5年間で100というような、そういう決まりになってますので、50ミリシーベルトを受けたからといってですね、直ちに健康に影響が出るようなそういうレベルではございません。

記者:施設外での最大値というのは指針は出しているんですか。

東電:私が今数値を持っておりませんけれども、最大濃度地点を中心にですね、風向き方向にどんどん薄まっていくという、そういう数値になっております。今、10キロ範囲をですね、避難ということになっていますので、実際に放射線を受けるということは少ない、なくなっているということになります。住民の皆様はですね。発電所から10キロが避難になっています。

記者:今のところ燃料が破損している可能性というのはあるのでしょうか。

東電:そこはわかりません。

記者:つまりあるんですか。

東電:可能性なので、わかりません。

記者:つまり水の中には入っていることは間違いないんですよね。つまり露出はしていないわけですよね。

吉田部長:はい。してないです。

記者:露出しない状態でも破損ということはあるんですか。

東電:そこは噓つきません。わかりません。こういういろんな操作をした段階で燃料への影響を与えるとかそういうことはあるかもしれませんので。絶対にないとかですね、あるとかないとかっていうのはちょっと言えない。

記者:わかりました。それで2%を放出するという、この2%の根拠は何があるんですか。

東電:私どもプラントを設置するときにですね、放出に関わる想定をして、事故想定のようなものをしてですね、施設の放射性物質の閉じこめ性能を評価するような、設置許可申請の際にですね、評価をしてございますけれども、そのときに使っている数字がですね、全放射量の2%が例えば●●。

記者:それはいいんですけど、じゃあなぜその時に2%という数字を使ったのかというところです。

東電:それはありません。まずですね、そのシミュレーションをするための、評価するためにはですね、ある数字を置かないと評価もできませんし、実測との比較もできませんので、そこで大きめの数字を入れたと。

記者:つまりこれがなぜ大きめというふうに言えるのかっていうのがわからないんです。

東電:事故としてですね、事故のカテゴリーだったというのが放出量であるからです。燃料がですね、こういう。

東電:これはまず燃料が破損するということを仮定する話とある種共通なんですけれども、まずどれくらい放出されるかについて、少なめに見積もって、実はたくさん放出されてたということを避けるために多めに放出されることを想定して、それでもどれぐらいかということを評価したと、今回そういうものでございます。そこでまず燃料についても破損するということを想定しました。じゃあどれくらい出てくるかなんですけれども、燃料のグラムは基本的にセラミック状の焼き固めたものです。なのでじゃあ燃料を包んでる被覆管が仮に破損したとしても燃料が大量に一気に出てくるということはこれはあまり想定しておりません。ただしじゃあセラミック状のものからどれくらい出てくるかということについて、これは国から審査を受ける際に評価した数値ですけれども、2%とみておけばこれはいわゆる厳しめの評価になるだろうということで想定した数字でございます。

記者:それは基準があって2%って全国一律に2%になっているんですか。

東電:許認可によって、そうですね。一律と言って構いません。ただしこういう場合に適応するかどうかというのは、また今回は保守的に、厳しめになるように。

記者:でも他の関電さんのプラントだとか原電のプラントだとかも同じように2%でやっているということですか。

東電:ただ、ちょっとすみません。記憶で申し訳ありませんけれども、安全評価をする時のですね、原子力安全委員会の指針のようなものにですね、そういう数字が書かれていたとなると思います。

記者:燃料破損というのは正確に第一の壁に、第二の壁ですか、第二の壁にあたる被覆管が丸裸になってしまった状態というのを指していいわけですか。

東電:すべてが丸裸というわけではなくて、そこが破損したと。その中で基本的には固体ものなんですが、水の中に溶け出していくものというふうに。

記者:含まれているウランのうちの2%が外に出たということを仮定して、つまり放出というのはこれ外に放出じゃなくて水の中に放出ということなんですか。

東電:最終的には外に出ると形になります。

記者:これは全部外に?

東電:はい。出たと見て。

記者:つまり外の方が圧力が低いから、中のものが全部、つまり水の中に溶けだしたり、つまり圧力容器内に出たものが全部外に出たときにどうなるかということです?なんだかわからないけれども、その2%というのが国の中で大きな数字であるとされているということなんです?

記者:なんで2%なんですか。つまり4%とか5%とは考えづらいんでしょうか。そこらへんがわかりづらいとこだったんですけど、今のたぶん質問は。

記者:つまり大きな数字とおっしゃるのは、なぜそれがその2%が大きな数字であるということが言えるのかがわからないんです。

東電:これは燃料の材質性能による、そこからきている2%と我々理解しています。つまり、燃料はウランを焼き固めたものであって、基本的にじゃあウランの中で、ウランが核分裂が起きるといろんな放射性物質が出てきますけれども、その大半は本来は、燃料の焼き固めたペレットの中に留まります。ただし一部はペレットから外に出て参ります。さらに次に2番目の壁ですけども、被覆管に穴が空きました。そうするとその中の一部が外に出て行くということで。

記者:わかるんですけども、それがなぜ2%なのかというところなんですよ。それは特に何か。実験の結果こういう数字が出ているから2%ですとか、あと過去の事例でこうであるからこうですよとか。

東電:過実験、治験だと理解しています、過去に。

吉田部長:すみません。1つちょっと追加で紙を配らして頂きたいと思いまして。今福島第一1号の外部への放出の、お知らせ致しましたけども、福島第二でもですね、準備をいたしておりますというお知らせでございます。

記者:第一の方はバルブを開く作業はもう始めているんですか。

東電:はい。作業は。

吉田部長:バルブを開くかどうかは。バルブを開くかどうかはまだ至っているかはわかりませんけども、作業には着手している。

記者:作業は着手。バルブが開いたかどうかはまだわからないと?

吉田部長:はい。今、お配りした資料をちょっと読ませて頂きます。福島第二の原子炉格納容器内。こちらにも資料ください。の圧力を降下させる措置の準備ということでございます。先にお配りした資料と同じような内容でございますけれども、なかほどになりますが、現時点において、安全を確保するために原子炉格納容器内の圧力を降下させる措置、この準備を行うこととさせて頂きました。この措置は1号機から4号機までにおいて実施することも含めて検討しておりまして、関係行政機関へもその旨をお知らせをさせて頂いているところでございます。また、当社といたしましても、広報車を出しまして、この内容につきまして、地域の住民の皆様方にも周知をしているところでございます。引き続き、プラントの復旧に向けて全力を尽くして参ります。またモニタリングなどで継続して監視をして参ります。大変申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

記者:すみません。●●あけてから、実際にあけるまでってどれくらい時間かかるのかっていうその目処と、あともしシミュレーションを実測値が超えてしまった場合に、最大濃度、この作業はストップするんですか。

東電:そこはモニタリングしながらですね、確認しながら進めていくことになると思います。

記者:じゃあこのシミュレーションを超えたらもう止めるわけですね。

東電:そこはすみません。わからない。評価をし直すと言うことになると思います、少なくとも。

吉田部長:作業につきましては安全確認しながら進めて参りますので、作業に着手しましたけれども、弁をあける時間までどの程度なのかということは、ちょっと現時点では申し訳ございませんけども。定量的な数字で見通すというのはなかなか難しい状況でございます。大変申し訳ございません。

記者:これ、やる方向であることは確かなんですか。

吉田部長:今追加でお配りした報告?進めさせて頂くような方向で準備をいたしております。申し訳ございません。

記者:評価し直すというのは、続けながらということなんですか、放出を。

東電::そういうことになります。行うこととしますと。

記者:●●とい?

東電:はい。

記者:3号機に関して、何か状況の変化はあったんですか。

吉田部長:福島第一ですか。

記者:第二です。つまり、先ほどまで異常事態ってことになっているのは1,2,4ですよね。それは3についてもこういう措置をするってことを検討したというのは。

東電:3の方については、すみません。私のところに15条の方の話は出ておりませんが、状況としては、まるっきり同じでございます。

記者:状況がまるっきり同じ?

東電:サプレッションプール。

記者が:が100度に達している?

東電:達してはいないんですが、温度が上がるっていう事象の進展の違いがあるというふうに。

記者:進み方の速度の違いはあるけども、同じ方向に向かっているということですか。

東電:同じ方向に向かっていると、そういう理解をして頂ければと思います。

記者:この2Fの準備を行うということと、この1Fの1号機がやっている作業というのは同列に考えていいんですか。それとも1Fの1号機の方は、かなりやる?

吉田部長:福島第一1号機につきましては、もうすでに9時過ぎから作業を開始をいたしておりまして、まだ弁をいつ開くかによっては、2Fについてはちょっとまだはっきりといたしませんけれども。そういう意味では、ただいまお配りした福島第二のペーパーよりも進んだ状況にあるということでございます。福島第二につきまして、また状況がはっきりいたしましたらお知らせをさせて頂きたいというふうに思っております。

記者:すみません。確認なんですけど、準備を行うことにするというのと、準備を始めるというのは違うんですか。行うこととするってどういう考えですか。準備を始めたということでいいんですかね。

東電:福島第一の方は措置を行うと。

記者:第二です。

東電:第二は準備を始めたという。

記者:始めたでいいですね。

東電:はい。

記者:あとバルブを手動で開けるというのは具体的にどういう作業があるんですか。

東電:具体的には、バルブの構造がそれぞれ違いますので、今回どの方法を取るかというのは、いくつかあるんだと思います。そのへんが具体的にどうなっているかというのは、私の方は確認できていない。

記者:いくつかってどういうのが、3つ方法があるんなら、3つ教えてほしいんですけど。

東電:1つは電源を復旧させて、またはバッテリー等で電源を復旧させて、その機能で開ける。またはそこに手動でも開くようなハンドルが付いているバルブがあります。

記者:ハンドル?ハンドルというのは丸いやつ?

東電:丸いハンドルが付いているものもありますので、そういったものを回して開ける。あと空気で開ける、バルブに対しては空気を抜くと。

記者:空気を?

東電:空気で押し付けているバルブであれば、その空気を抜くことによってバルブが開くと。

記者:現在はこの3つのうちのどれを?

東電:それは現場の状況とかをいろいろ確認しながら、進めることになると思います。まだ現場の中の状況も確認しながら、やらなくてはいけないということで、どの段階でどうなるかということは、正確には把握してございません。

記者:2%の確認なんですけれども、何に対する2%なのかということで、燃料になしうる全放射線量のうちの2%なのか、それとも燃料破損という事象による放射線量の2%なのか。

東電:前者になります。

記者:前者?

東電:はい。

記者:わかりました。

記者:外に出る放射性物質って大体どんなもんなんですかね、考えられるのは。

東電:放射性の希ガスですとか。

東電:ヨウ素でとれ…

記者:ヨウ素は取れるって聞いた。

東電:取れる部分がありますということで、全てが取れるわけではございませんので。

東電:放射線への寄与が大きいと言いますか、あるのは希ガスの方です。

記者:ちなみに社長はどこにいらっしゃるんですか。

吉田部長:すみません。ちょっと確認いたします。申し訳ございません。

記者:1F、2Fで発電機車が電気を供給したかどうかというのは。

吉田部長:申し訳ございません。取り急ぎ、ちょっとこちらを早めにというふうにお持ちいたしましたので、確認次第またご報告させて頂きます。

記者:発電所構内で、一番推定で一番濃度が高くなるところにモニター車を送るということなんですけれども、構内というのは屋外なんですか。

東電:屋外です。

記者:外に出すまで。

東電:そうです。建物の外です。敷地内で。

東電:今回の場合はということです。気象の条件によって変わりますので、風の強さとか流れ方によって変わりますので、それによってこの辺が一番今の気象条件ですと、この辺が一番高いであろうということをあらかじめシミュレーションしてございまして、その中で今回一番高いと思われるところに事前に設置するということに。

記者:あと閉じ込められていたという重傷者の方についてはお名前はフルネーム、漢字でわかったのでしょうか。

吉田部長:クレーン作業の?

記者:はい。それも教えてください。

吉田部長:それでは、よろしければまた新しい情報を確認次第、またご報告させて頂きます。すみません。どうもありがとうございました。

記者:10キロ避難していたらまず大丈夫ということなんですね、住民は。

東電:そういう防災計画でございます。